ゴールデンカムイ第275話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第275話 東京愛物語

時は日露戦争前。神奈川の故郷、全焼した実家跡地で寅次は杉元にこれからのことを尋ねる。まだ髪が長く顔に傷のない杉元は、自分が幸せになれるところを探すため、東京へ行くことを決める。

東京は見たことないものばかりで観光を楽しんでいた杉元だったが、陸軍士官学校の候補生たちと往来のど真ん中でケンカを起こした。そこへ事態の収拾をつけるためやって来たのが菊田。菊田杢太郎。当時はまだ軍曹だった。菊田は腹が減っているゆえに暴れている杉元へ持っていた茶碗の米を分けてやり、そのままケンカのことはお咎めなしで、安くて不味いが量は多い食堂へ杉元を連れて行った。杉元を地元の野菜「野良坊菜」から「ノラ坊」と呼び、菊田はそのノラ坊にある任務を与える。

菊田が杉元に頼んだのは、花沢勇作の見合いの替え玉だった。
第七師団長である父花沢閣下は聯隊旗手になることを望んでいるが、母花沢ヒロ夫人は息子を死なせたくないあまり、見合いをさせ息子を童貞でなくしてしまおうと画策していた(童貞であることは、聯隊旗手の暗黙の要件だった)。
結婚媒介所に密かに連絡した夫人は、金子花枝子という令嬢に目を付けた。華族女学校に通う彼女は行き遅れそうで非常に焦っている。女側の財力など問題にならない男たちに選ばれない理由は、顔からにじみ出る性格のキツさだろう。夫人は金子花枝子に「花沢勇作の童貞を奪え」と手紙を出していた。童貞を奪うだけでなく運良く既成事実が作れれば、責任を取らせるという建前で財閥へ勇作さんを引き込み、死地から遠ざけることができるのだ。

しかしこの工作を気取った花沢閣下は東京の第一師団へ相談し、菊田が実行部隊として動いていた。全ては秘密裏に片付けなければならない。師団長の妻が愛国心を疑うような行動をしているのだから、関係者に知られては士気にかかわる。
そこで部外者の杉元を菊田が拾ったのだ。ひと目見たときから杉元の顔には品があり花沢勇作の替え玉として説得力があると菊田は気付いていた。候補生のように髪を剃り、士官学校の制服を着て帽子を被れば、高級将校のご子息の替え玉として文句のつけようがない風貌の男の出来上がりだった。
「軍隊に入れば食うに困らないか」と飢えと無縁の生活を想像する杉元を見て、菊田の脳裏には自身を「兄ちゃん」と呼ぶ男がよぎった。

見た目は花沢勇作になれた杉元だが、見合いをすれば中身が伴っていないことはすぐに見破られてしまう。料亭での食事を見越して杉元の内面磨きが始まった。箸や食器の持ち方、食べ方、してはいけないこと…それらを徹底的に叩き込まれた杉元がいざ見合いの席へ臨むと。
場所は料亭ではなく帝国ホテルだった。料理は和食ではなく洋食。箸は一切出てこない。見慣れない銀食器でエビフライに立ち向かう杉元だったが、左右どちらにもフォークを持つ杉元を見て金子花枝子が違和感を抱き――。

 

二人の珍道中

菊田は杢太郎。そしてどうやら士官学校へ通う弟がいた様子。一コマだけの描写ですが、熱にうなされている弟から士官学校の帽子を渡されるシチュエーションということは、弟さんは病気で士官学校を卒業しないまま亡くなった、ということですかね…。杉元に渡した制服も、菊田本人のものではなく弟さんのものだろうな。だから「菊田さんの?」と聞かれても何も答えなかったのではないかな。

杉元の風貌がべた褒めされててなんだか見てるこっちが気恥ずかしい!品がある、だなんて…。もしかして勇作さんと杉元の顔って似ているところがあるのかな?見合い、しかも裏の意図がめちゃくちゃにあるから、金子花枝子側にも勇作さんの写真くらい送られていそうなもの。それを見ていたとして、食事の席に着くところまで進められたのだから、まったく別人のような見てくれではないはず。
もしこの二人がやや似ているとしたら尾形の心境やいかに。撃ち殺した腹違いの弟に面影のある男が何度も何度も立ち向かって来るのだから…。

菊田さんとノラ坊が、再会時にすごく仲良さそう…というか、当時にしては珍しく年の差がありそうなのにわりと対等そうな雰囲気だったのは、利害関係や上下関係のない状態での出会いだったからなんですね。むしろ二人そろって課題に立ち向かう仲間、バディ感すらある。
この頃はバディだったかもしれないけど今は敵同士なんですよね…アシリパさんを支える杉元にとって中央政府は味方ではないもの…。不思議な縁で繋がれた二人、殺し合うことなくずっとこのときの「菊田さん」「ノラ坊」の間柄のままでいてほしい…!どっちもちょっと抜けてそうなところがかわいいんだもの…見合い場所の事前調査が間違ってるとかある?それともこれも替え玉を想定した夫人の作戦なんでしょうか…。

 

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映画『モンスターハンター』の思い出

見てから間が空いてしまいましたが、見てきましたので感想をしたためておきます。

 

満を持しての実写化

この見出しがしっくり来るような期待された題材だったと思います。
原作は社会現象にすらなったゲームタイトル。主演は同じくゲーム実写映画『バイオハザード』シリーズで功績のあるミラジョボビッチ。
CG映像でモンスターがどうスクリーンに描かれるのか、圧倒的な力を持つ彼らに人間がどう立ち向かうのか…そう期待した人も多かったと思います。

 

予告画像の違和感

期待が大きすぎると現実との落差に人は落ち込むもの。この映画も原作の評判が良いだけにそういった苦境に立たされました。
まずは現在の制作の様子として公開された1枚の画像。誰もがこう思ったでしょう。「大剣にしては小さくない?」と…。
どう見てもゲーム中なら片手剣のサイズ。でも片手剣であれば盾を持っているはずだけどそれは見えないし、双剣だとしたら一本足りない。ということはやはりこれは大剣なのか…。
この時点ですでにやや諦めムードが漂い始めていました。

 

いよいよ迎えた公開

一発目のビジュアル面ですでにガッカリ感漂うことになってしまった本作もついに日本公開を迎えます。
私は公開3日目に見に行きましたが、上映スケジュールは限られていました。それもそのはず、同時期に公開された『エヴァンゲリオン』の完結版のほうが圧倒的な人気で、多くのスクリーンがそちらのために使われている状況でした。
(ものすごい余談ですが、エヴァ人気がすごすぎて売店が長蛇の列になっており、朝ご飯を買おうと思っていた私は上映終了まで空腹で見ることを余儀なくされたのでした…)

知名度のわりに小さなシアターに入り着席。この時点でお客さんは一桁。
実は体調が思わしくなく字幕で見るのはつらいかもと思い吹替を見に行ったので、そのせいでお客さんが少なかったのもあると思いますが…いや、思いたいですが…字幕版だともう少し盛況だったりしたのでしょうか?
いずれにせよ、封切3日目=日曜日、朝早いとはいえこの異常な静けさは正直予想外でした…。空いててよかったですけどね。

 

モンスターこわい

大雑把なまとめとしては、「モンスターの恐ろしさをこれでもかと描いたモンスターパニック映画だった」というところになりましょうか。
この「モンスターパニック映画」というところが重要で、「ハンティング映画」ではないんです。
原作をプレイしたことがある人はその醍醐味として「強大なモンスターに立ち向かい制したときの達成感」をまず挙げることでしょう。そういったものは一切ありません
あるのはひたすらに「モンスター強い」「モンスター怖い」「実写にするとこんなに恐ろしいのか」という気持ち。
モンスターを狩るかっこいいハンターはいませんし、ハンターを苦しめた果てに狩られるいい意味でのやられ役のモンスターはいません。

見に行く人はゲームをプレイしたことがある人がほとんどでしょう。ハンターたちは、モンスターに苦戦しながらも様々な道具や環境を駆使し、己の腕前を信じ、時には運も味方につけ、モンスターを制する様をこの映画に期待していたと思います。
けれどそんな描写があったかと聞かれたら、「ない」と答えたほうがこれから見ようとしている人のためだと私は思います。

 

あえて使われなかった?原作の世界観

これだけはどうしても書かないといけません。原作であるゲームの『モンスターハンター』は、人とモンスターが共存している世界なのです。
ゲーム中の討伐依頼を見ても、殺伐とした雰囲気はありません。それもそのはず、そういった印象を抱かせる言葉を一切使用していないのです。「困っているから助けて」「あいつらをこらしめて」など小さな子どもが発しても眉をひそめたくならない絶妙な言葉使いです。

そういったゲーム制作者たちの願いにより、原作の世界観では「人とモンスターがお互いのテリトリーを守りつつうまく共存している」と私は考えています。
人里に近付きすぎたモンスターは狩る。生活のため必要な分だけ狩る。モンスターの生息地にうっかり入ってしまった。モンスターの周期的なものなどで仕方なく人里に近付いてしまった。
そういった経緯でハンターが狩りに出かけることがほとんどなのです。

なのでモンスターが積極的に人を攻撃し命を奪っていく様は、ゲーム原作の世界観ではあり得ない様子だと感じました。
好戦的なモンスターもいるので攻撃そのものは(特にディアブロスは)問題ないのかもしれませんが、死なせてしまうのはせめてもう少しぼかして描写してほしかったな…と、非常に残念に思います。

あと殺伐としていない世界観という点で見ると、ハンターとアルテミス(ミラジョボビッチ)の交流も、いぶかしみお互いを攻撃し合うところから始まるのが少々残念ではありました。
ゲーム原作の世界では、言葉が通じなくても、モンスターに襲われ困っているならば手を差し伸べる人ばかりだと思うのですよね…。

たしかに何の下地もなく考えれば、異世界から来た言葉の通じない、見知らぬ武器を持った人物ですから、まずは脅威と考え警戒するのが普通なのかもしれません。けれどそこは原作のある強みを生かしてほしかった。

 

モンスターも下地なしの独自解釈

下地ゼロで作られたであろう本作、モンスターの描写もかなり独特でした。

ネルスキュラはあまりのおぞましさにどんな様子だったか書くのもはばかられますが、群れで襲ってきたり卵を産み付けたりといった解釈は私には一切なかったので新鮮でした。
ネルスキュラをモンスターハンターのモンスターではなく実際の蜘蛛の一種として見なければ出てこないアイディアではないかなと思います。
なので映画制作陣は非常にフラットに、予備知識を入れ過ぎずに作ったような印象を受けました。
まぁ実際にこんな蜘蛛がいるわけないので、人間を恐怖に陥れるヤベー蜘蛛ってこんなんだろう、という個人的趣味が大いに入り込んでいる気もしますがね。

リオレウスは格段に大きい。大きすぎる。体躯の割に翼がけっこう薄かったり主人公に対してだけ炎を吐く予備動作がかなり長かったりとツッコミどころ満載。いや後者は演出上仕方ないとも言えますが…それにしても軍の兵器をいくつも撃墜する巨大モンスターにほぼ生身のアルテミスが勝てる理由って何なんだろう…。

ディアブロス亜種は巨大さに好戦的な性格、異常なスピード、絶望感など、比較的原作イメージ通りでした…。

 

まとめ

もう少し原作の強みを生かして省ける部分があったのでは?その分、後半の協力してモンスターに立ち向かうところを厚くしてもよかったのでは?
…というのが全体的な感想まとめですね。
最後のみんなで立ち向かうところが突貫工事でくっつけたように感じられる出来でした。

B級映画を見たときの盛り上がり方なら楽しめると思いますが期待して見た人は私を含めお気の毒様でしたね。

やっぱりモンスターハンターはゲームが最高ですね。

 

 

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第274話 こだわり

江渡貝くんのこだわりのおかげでアシリパさんは刺青人皮の偽物の判別方法に気付いた。
熊岸長庵が指摘していたように江渡貝くんは自分の作品をただの贋作ではなく、本物を超えてやろうという執念を持って作っていた。その執念、こだわりを、アシリパさんが見抜いたのだ。

門倉が札幌麦酒工場のタンクにぶつかり刺青人皮をばらまいたとき、刺青は水に濡れ金属製の窯に触れていた。そのときに黒く変色したものとしなかったものがあったことをアシリパさんはしっかり見ていた。
刺青人皮を手に入れ鞣す際に杉元は入手が容易なミョウバンを用いていたが、江渡貝くんは植物の汁を使っていた。キブシやケネ(ハンノキ)の汁がよく用いられるが、ケネの汁を使い染められた布について今回の気付きに繋がるアイヌのエピソードがあった。ある女がこだわり抜いてケネで染めた真っ赤な着物を織り上げたが、それを着た夫が雨に濡れるとマサカリをさしていた腰の部分が茶色く変色していたのだ。

ちょうど土砂降りの札幌の空、汽車のレールの上に刺青人皮を置いて試してみると。「ホロケウオシコニ」の音を持つ漢字が入っていない偽物はレールに触れた部分が黒く変色していた。有古が鶴見中尉に持たされた5枚のうち2枚は、攪乱を目論まれた本物だった。
そしてこのことからアシリパさんは、やはり父の名「ホロケウオシコニ」が暗号解読の鍵であると確信した。そしてその鍵は鶴見中尉もすでに手に入れてしまった。ここからはいかに鶴見中尉より先に金塊にたどり着くかの勝負。鶴見中尉を出し抜くため、自分たちしか持っていないであろう、海賊が教えてくれた情報を頼りに、一行はアイヌが金塊を初めに隠した場所へ向かいながら解読を進めることにした。

移動の汽車の中、アシリパさんや土方歳三が解読を試みる傍らで杉元はまどろんでいた。頭の中に浮かんできたのは菊田だった。「地獄行の特等席」という杉元も使っていたセリフを吐き、「花沢勇作のことも全部忘れろ」と杉元に言ってのける菊田と杉元の関係とは一体――?

 

浮かばれる魂

江渡貝くんの遺作がとんでもない評価を受けていて、なんだか嬉しくなっちゃいましたね、今回のお話。
江渡貝くんだけはこの作品の中で誰も殺していないし金塊がほしいわけでもない、本当にただただ巻き込まれてしまっただけの青年なのです…。本人は鶴見中尉にたぶらかされて幸せそうでしたけど。
その江渡貝くんが心血を注いだ最後の作品が、本物をも凌駕したと評されているのですよ。間違いなく報われたでしょう、彼の魂は。江渡貝くん的には鶴見中尉のお役に立つのが一番なので、偽物とバレずアシリパさんたちを悩ませ続けるのが良かったのかもしれないけれど(まぁ、こだわりは繊細すぎるんだ、というアシリパさんの痛烈な一言がこのあたりの顛末を物語っている)、作品を作る側としては「意図やこだわりが伝わった」という喜びもあると思うのでね。自分の一部が理解してもらえたということで彼も天国で喜んでいるかもしれないですね。

鶴見中尉と杉元一行の持っている情報で差がついているのはもう海賊房太郎が握っていたもののみかぁ。あっという間に鶴見中尉に詰められてしまった感。鶴見中尉のことだから最初に金塊を隠した場所とかも見当がついていそうで怖いけれど…。

あとは先週門倉を見つけた尾形は間違いなく汽車に乗っていますよね。今回一等車からつまみ出されてしまった不運な紳士が尾形に見つかり更に不運な目に遭ったりするのかしら…。もしくは気分転換にちょっと離れていた門倉がまた遭遇したりするのかな。
そして眠る杉元が見ている菊田との思い出。杉元は菊田さんからの影響を色濃く受けているのね…。「地獄行の特等席」なんてついこないだ発したばかりだし、再会時の様子からかなり菊田に懐いてそうだったし。何よりもここでまた「花沢勇作」の名前が出てきますか!!!尾形も近くにいるだろうしまたまた不穏な空気…杉元と勇作さんの間には一体何があったんだ!?

 

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第273話 鶴見劇場

頭巾ちゃんことヴァシリは消防組の誰かに尾形が扮していると気付き監視を続けていた。マイケル・オストログが起こした札幌麦酒工場の火災はほぼ鎮火し、消防組は解散の流れにあったが、帰り道につく他の消防員と違う方向へ一目散に走っていく者が一人だけいた。尾形だったが、ヴァシリは撃てなかった。引き金を引こうとした瞬間、尾形が撃った消防員や自分が撃たれたときのことがヴァシリの頭をよぎった。尾形は無事民家の中へ逃げ込み、茨戸での土方さんの真似をして人の家の中を土足で突っ切り、板塀の下の隙間から這い出た。そこにはキラウシと門倉がいた。

宣伝車に乗り込み鶴見中尉から逃げることに成功したアシリパさんは、今回の札幌で有古力松(イポプテ)と海賊房太郎の二人を失ったことに苛まれていた。そこへ運転席から伸びる杉元の腕。力強くアシリパさんを抱きしめるその腕にアシリパさんは縋り付く。
そこへ馬で走る牛山を前方に見つけた白石。土方側の仲間との合流に、アシリパさんは罪悪感を振り切って精一杯叫ぶ。刺青の暗号の偽物を見分ける方法が分かった、と。

有古は菊田によって阿部醫院へ運び込まれた。まだ死んではいなかった有古は奇跡的に息を吹き返した。おそらくマキリが致命傷を防いでくれたのだろう。有古は命の恩人である菊田に、傷が癒えたらアシリパ方につくので中央にはつかない、と告げる。その言葉を菊田は今は治癒に専念しろとかわすのだった。

鶴見中尉のほうは刺青人皮を広げた教会の一室で、鯉登少尉から現状報告を受けていた。一時普通に鶴見中尉と会話できていた鯉登少尉だったが、ここではまた早口の薩摩弁に戻っていた。鶴見中尉はアシリパ一行を追うのをやめる判断を下した。理由はもうアシリパさんが必要ないから。暗号解読の鍵を鶴見中尉も手に入れたのだ。
鯉登少尉が教会の外に出ると二階堂と他の兵士の会話が聞こえた。二階堂は麦酒工場で麦酒の海につかったため、麦酒工場では気付かなかったがここではすぐにわかるほどビールのにおいがついていた。当然、同じく麦酒の海に入った鯉登少尉と月島軍曹もそのにおいがするはず。鶴見中尉は机の下に隠れアシリパさんとの会話を盗み聞きしていた二人の存在に気付いていただろう。
鶴見中尉の口から聞けた言葉は、月島軍曹が「飛びつきたいほど」ほしかったものだった。ではあのとき鶴見中尉が話したことは嘘だったのか?そうとは限らない。露西亜の脅威はその通りである。だから国防と国家繁栄が目的だということを信じてもいいのだが――鶴見中尉を見遣る鯉登少尉は何を思うのか。

 

すべては舞台の上でのこと

教会の一室で繰り広げられた鶴見劇場は、扉を閉めることで幕が下りた。すべては鶴見劇場の舞台上でのこと。それが虚構なのか真実なのかは鶴見中尉にしかわからない…。
この扉が閉まるのを幕が下りるのに見せる視覚的な演出、たまらなくいいですね!!

やはり鶴見中尉は月島軍曹たちが聞いているのに気付いていたんだと思うと、今回語られたことも本当なのかどうか一気にあやしくなってくる…。月島軍曹が求めていた答えを目の前に用意してあげちゃったあたり非常にあやしいですよね。悪魔はほしいものをぶら下げてくるから…。特に、最初は妻子への個人的な恨みもある(自分には感情的な弱い一面もある)と見せるのも、鶴見劇場の演出っぽく思えてきて…。悪魔は言い過ぎだけどもたらし込みのやり口としては百点満点でしょう。フィーナとオリガへの思いはあれは鶴見中尉の本音なような気がしてますけどね。本音すら建て前をうまく生かすための口実にしちゃうという鶴見中尉の手腕。

有古が生きていてよかったです!実在するという有古イポプテのマキリに付け足された文様、読み込みの足りない私はピンときてないのですが、今回の出来事に関わるものですかね?あとで既刊をみっちり読み返さねば!

 

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第272話 イポプテ

菊田と有古のかつて。塹壕から息も絶え絶え見上げた夜空の月。生存確認のために何か話せと言われた有古は、父親とマキリの話をする。
有古はアイヌとして生まれたが、アイヌであることを疎ましく感じていた。アイヌとからかわれれば喧嘩を売り、和人であろうと分け隔てなく手を貸した。アイヌを誇りと思うアイヌもいる一方で、有古のようにアイヌであることを面倒に思うアイヌもいるのだ。しかし有古がアイヌに生まれたことは変わりなく、父親シロマクル――金塊を求めたアイヌ7人のうちの一人でもある――は代々伝わる文様のマキリを息子へ教えたがっていた。有古力松のためにシロマクルはマキリを作り始めたが完成しないまま仲間割れによって死亡。シロマクル自身のマキリも行方不明になり有古は代々の文様のマキリ作りを学ぶ機会を失ってしまった。
その話を聞いた菊田は生存確認のための話だったにもかかわらず相槌を忘れていた。できなかったのだろう。シロマクルの死の真相を知る菊田は、相槌を打てなくてすまない、という流れで、有古の肩に手を置き、「すまん」と明らかに別のことで謝罪の言葉を述べる。

そして有古は今、鶴見中尉のいる教会の中の部屋に入っていた。アシリパさんから「ホロケウオシコニ」と聞いた鶴見中尉は刺青を広げ書かれている漢字に目を走らせている。そこへ、土方一派の居場所を伝えに来たと有古が声をかけ注意を引きつつ――手元では後ろ手に縛られたアシリパさんの縄をマキリで切ろうとするが、それを見破っていた鶴見中尉は、お前の選択はそれでいいのだな?と問いかける。

その問いかけで悟った有古は拳銃を鶴見中尉に向け、アシリパさんたちへ逃げるよう促す。ずっと部屋の中の様子を伺っていた月島軍曹と鯉登少尉も扉を蹴破って突入してきた。ソフィアが教会の長椅子を怪力で持ち上げ投げつけた隙に、アシリパさん・ソフィア・有古は教会の外へ。銃声を聞きつけた菊田も教会のほうへ急ぐ。
教会の外では待機していた杉元が宣伝車を走らせ、有古のアシストもありアシリパさんは無事に車に飛び乗った。ソフィアも車に乗り込み、あとは有古だったが――月島軍曹の撃った弾丸が有古の脚に命中。動けなくなった有古は月島軍曹たちへ応戦しながら、「アシリパ行け」と叫びアシリパさんを逃がしたのだった。

宣伝車が教会から離れる際に菊田が宣伝車の窓から杉元の顔を確認した。杉元も菊田の顔をはっきり見た。お互いに「ノラ坊」「菊田さん」と呼び合う仲だった二人だが今は敵同士。
それに、宣伝車が走ってきた方向を見れば有古が倒れている。なぜ有古がこんなところにいるのか――有古が菊田のその質問に答える前に、月島軍曹によって有古にとどめが刺された。その現場を間近で見ていた菊田と、離れゆく宣伝車から目撃したアシリパさん。

また一人、ゴールデンカムイのもたらした災厄によって命を落とした。だが直接的に命を奪った当の月島軍曹本人は、鶴見中尉の目的を本人の口から聞けて疑問が解消したのか、実に晴れ晴れとした表情で宣伝車を追って行った。

 

未来を真剣に考える

有古…アイヌの未来をアシリパさんに託して逝ってしまうとは…。
自分の境遇を疎ましく思っていたところにアシリパさんのようにそれを誇りに思って真剣に自分たちの未来を考えている人がいたら、肩入れしたくなるよね。アシリパさんのためになれるのだったらきっと後悔はないよね…。
託されたアシリパさんの重荷はまた増えることになるけど今は有古の冥福を祈りたい。あっちで父親とマキリ作っていておくれ。

鶴見中尉が言う通り、アシリパさんが大切に思う人たちがどんどん死んでしまって悲しいなぁ…。
月島軍曹は息を吹き返したようにイキイキした目をしてるけど…。

菊田はとてもいい人だと思う。父親の死にかかわったからといって有古に対してかなり思い入れがあるようだし、杉元のことも今のところ殺せていないし。その情に厚いであろう部分が鶴見中尉に利用されないといいのだけど…中央のスパイだし…。
中央といえば尾形もそろそろ出てくるかしらね?

 

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第271話 まだら模様の金貨

教会の外では見張りの二階堂が有古を見つけた。有古は鶴見中尉からスパイとして土方側へ送り込まれたことを利用し、土方一派の居場所を教えに来たと言い切り抜ける。しかし二階堂はそれだけでは信じず、この教会のことは誰から聞いたのかと有古に詰め寄る。咄嗟に菊田から聞いたと言った有古だが、すぐに機転をきかせて、あっちに杉元がいると教えた。すると二階堂は有古の指さした方向へすぐさま走り去っていった。

教会の中では鶴見中尉によるアシリパさんの説得が続けられていた。日本国もウイルクやキロランケと同じ危機感を持っている。弱いものは食われる。極東連邦は大陸に政府が作られる可能性が高く、大陸にある政府がロシアに制圧されれば自動的に北海道もロシアに奪われてしまう。北海道が独立した蝦夷共和国は国力テコ入れのため移民を募り、その際に日本を敵対視する勢力が共和国政府に送り込まれる可能性がある。蝦夷共和国のほうは確率の話であり非常に現実味がある。つまりは北海道は日本に帰属意識がある者によって統治されるべきだ、というのが鶴見中尉の考えだ。
鶴見中尉はここで一枚の金貨を見せる。7人のアイヌたちが作ったものだった。独立を夢見て各地で採れた砂金を使い金貨を作った。それを見てアイヌの結束を呼びかけよう、というものだったのだろう。しかし金貨はまだら模様だ。各地の砂金は金の含有率が異なり混ざり合わなかったのだ。結束しようとして仲間割れに終わった彼らを皮肉っているようだった。

金貨に象徴されるように、全ての元凶はこの金であると鶴見中尉は考えていた。もともとアイヌには金を使った宝物などはない。アイヌの生活には必要のない、役に立たないものだった。それどころか砂金を採ったことで川が汚れ魚が穫れなくなりアイヌが飢えた…。アイヌの信仰では全てのものにカムイがいるとされているが、人間にとって悪いカムイもいる。黄金は人間に災いをもたらすカムイなのではないか。いわば「ゴールデンカムイ」。こいつが全ての元凶なのではないか?
7人のアイヌも、ウイルクもキロランケも、刺青の囚人たちも網走監獄の者たちもみな殺された。土方歳三や杉元たちも殺し合うだろう。アシリパさんの愛する人たちがみんな殺される、鶴見中尉の愛した妻と娘のように。

鶴見中尉はいよいよアシリパさんに金塊の放棄を迫る。暗号の解き方を教えろというのだ。ダメだと叫ぶソフィアの顔に、ウイルクの顔の皮を被せ呼吸を妨げる。アシリパさんに暗号の解き方を教える後押しとなる言い訳を与えているのだ。
そしてついに、アシリパさんしか知らないウイルクのアイヌ語の名前が思い当たることだ、とアシリパさんがこぼしてしまう。「ホロケウオシコニ」が、アシリパさんしか知り得ないウイルクのアイヌ語の名前だった。それを聞いた鶴見中尉は暗号を解いてしまうのか?

 

ゴールデンカムイ

ついについに、ゴールデンカムイの名前が作中で…!!
全ての元凶、ゴールデンカムイ。このカムイのおかげで作中の人間全員の人生が狂っているのだよね…。
ウイルク、キロランケ、ソフィア、鶴見中尉のゴールデンカムイに今まで最も近付いた人間はもちろん、そこから波及してたくさんの人たちが殺し合いの渦に巻き込まれている…。
ガンソクさんのようなごく例外を除けばほぼ全員死んでいるよねこの作品。

先週からも少し違和感あったのだけど、ウイルクは本当に蝦夷共和国を目指していたのかな?土方さんがこのあたり知っていたりしないかしら…。
合理的に考えるなら、やはり今の北海道が独立しても日本とロシアに挟まれてすぐ潰されるであろうことは見えているよね。アイヌ同士も結束していると言い切れる状態ではないしそこに移民を受け入れてしまえばさらに共和国内はカオスなことになる。内政はしっちゃかめっちゃかなのは間違いなし。そんな国が国防なんてできるだろうか。ウイルクがそこに考え至らないとは思えないから、蝦夷共和国というのも金塊を手に入れキロランケを遠ざけるための方便なようにも聞こえるのだけれど。
日本国派の代表鶴見中尉と、極東連邦派のソフィア、蝦夷共和国派は土方さん。前2名はここで存分に語っているからいいけれど、土方さんが何を語るかがすごく楽しみ。実は違う目的が…となったりしないかなぁ。

 

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ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第270話 全ての元凶

教会の外では杉元・白石と有古が合流していた。アシリパさんが教会にいる可能性が高いのに杉元と有古の二人だけでは戦力が心もとない。しかしアシリパさんを一刻も早く助け出したい。そこで有古が、自分が中を見てくると申し出る。まだ幼いアシリパさんがアイヌのことを真剣に考えているのを見て自分を恥じた有古は、第七師団でも土方一派でも中央でもなくアシリパさんの力になりたいと願っていた。それを聞いた杉元も有古を信用し教会の中へ有古を送り出す。

鶴見中尉の口からはまだ語られることがあった。まずインカラマッは鶴見中尉を利用しようと近付いたため逆に利用されていたのだ。彼女にアシリパさんたちの動向を伝えさせるため、殺されたアイヌたちの遺品からキロランケの指紋が見つかったという嘘を吹き込まれていた。
全ての元凶は何だったのか。ウイルクが身元を隠したりしなければ仲間割れで殺し合うことはなかったのではないか。そもそも北海道アイヌの金塊を求めなければキロランケも死なずに済んだのではないか。さらに言えば、鶴見中尉の妻と子も。
鶴見中尉の妻フィーナは勘が良く長谷川幸一がただの在留邦人ではないと気付いてたはずだ。それでも鶴見中尉の愛を信じてそばにいたし、死に際に鶴見中尉の本当の名前を聞いて全てわかってくれたはずだ。諜報活動をしていた鶴見中尉にとって去りゆく人間にさえ本当の名前を教えるなどあってはならないし、妻と子の骨を持っているのもご法度だ。でもそうして人間らしい部分を捨てきれず抱えてきた鶴見中尉だからこそ、ウイルクが家族を愛するがゆえ弱くなったということには一定の理解を示していた。
そして鶴見中尉はソフィアを罪悪感から解放する。実は鶴見中尉の妻と子を撃ったのはソフィアではなかったのだ。娘オリガの遺体から出てきた弾丸は、ソフィアの持っていたベルダンでもキロランケの機関銃でも秘密警察の拳銃でもなかった。ウイルクが持っていた拳銃の弾が二人を殺めたのだ。

自分の父親が鶴見中尉の妻子を殺していたという事実。鶴見中尉から見ればアシリパさんは妻と子の仇の子。だからソフィアが、ウイルクたちの希望やアシリパさんたちの未来を壊して恨みを晴らすために鶴見中尉がこんなことをしている、と考えるのも無理はなかった。
しかし鶴見中尉の目的はそんなことではない。復讐するためだけなら機会はいくらでもあった。軍人である鶴見中尉の目的はやはり日本国の繁栄。他国、特に南下するロシアの脅威から日本を守るため軍資金が必要。その道の傍らに、個人的な弔い――妻と子、戦友たち――があるだけ。そのためだけに道を外れることはない、と鶴見中尉は断言する。
鶴見中尉のその言葉を聞き、扉の向こうで穏やかな表情になる月島軍曹と、得意げな鯉登少尉。二人は安堵していた。

そして鶴見中尉はアシリパさんに向き直る。日露戦争では多くのアイヌも動員された。
アイヌ独自のあり方を理想とし和人との断絶を良しとする過激派の存在は鶴見中尉には見過ごせない。ウイルクから金塊を託されたアシリパさんには、和人とアイヌの行く末を選択することができる。融和を選び父の罪を償えるのはアシリパさんだけだ。

 

国の未来

ずっとアシリパさんは「アイヌの未来」を考えていたけれど、北海道もとうに日本の一部。だからもう和人のことを無視した選択はできない。ウイルクたちの掲げた北海道独立というのは土台無理な話だ――というのが鶴見中尉の言い分か。ウイルクとキロランケと鶴見中尉、この3人の思想でやはり一番現実的な気が…。
北海道が独立となればまずは本州との戦いになるし、どう考えてもその隙をロシアが放っておくとは思えない。北海道に独立されると日本全体が危うくなる。それなら日本国のために金塊を差し出すのが最も現実的だよね。目の前の脅威を排除せずに未来のことは語れないもの。

でも、アイヌ文化の中で育ち愛着もあって、他民族の状況も見てきたアシリパさんにとって、その舵切りはかなり悩ましいと思う。自分たちを育んできたカムイたちを見殺しにすることに近いから。鶴見中尉が妻子の骨を捨てられなかったようにアシリパさんもカムイたちを捨てられないし、父やキロランケの思いも無駄にできない。鶴見中尉は歩むべきところの路傍に個人的な弔いがあるだけだろうけど、アシリパさんにとっての個人的な思いはちょっと脇に置いておけるようなものではなくて道の先にあるべきものなんだ…。

まだ幼い子にこんなに思い選択を迫るだなんてウイルクもなんてものを残してくれたのか…。鶴見中尉は金塊の隠し場所が知りたいだけで手に入ればアシリパさんの意志なんて尊重しないんだろうけどさ。でもアシリパさんが考えを変えて協力してくれないと金塊が別の目的に使われちゃうかもしれないからねぇ。
私はもうこの100年後の世界を知っているからおそらく鶴見中尉の考えが正しいであろうことを知っているけど、でもだったら本当にアイヌの人たちはどうやってカムイを守っていけばいいんだろうね。
自分の信念を貫くべきか、現実的な判断をするべきか。アシリパさんはどう答えるのだろう…。

 

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第269話 ウイルクのやり方

ウイルクたち7人のアイヌが争った日。その現場には金塊の在り処を知っていたというキムシプもいた。見つかった遺体は7人分だが実際にその場に居合わせた男は8人。つまりは1人が逃げたということになる。
その逃げた男はウイルクだった。全員の首を切り落とし、自分の分も含めて7人分の頭部の皮をはぎ、目玉をくり抜いた。キムシプがその場にいたかどうかは不明なためアイヌ7人が仲間割れをしたという情報だけを持つ人間が見れば、全員が死亡したと思わせることができる。それに目玉をくり抜いたのは、この恐ろしい行為をおこなった犯人の目に特徴があったからだ。
瞬時にウイルクがキムシプ含めた7人の遺体に工作を施したことを見抜くと、鶴見中尉は宇佐美と菊田に指示を出してウイルク追跡に向かった。現場に残された菊田は有古力松のことを思う。父の死に鶴見中尉らが関わっていたと知ればどう思うか。たしかに彼らは仲間割れし互いに殺し合ったが、そうなることを期待した鶴見中尉の作戦であったことは間違いなかった。

なぜウイルクは自分の頭部の皮をはぐという身の毛もよだつことができたのか。それは彼が非常に合理的だったからだ。求める答えに対し最短経路を決断し実行した。
実際に、そうしなければウイルクが犯人として扱われるのは避けようのないことであったし、父親が仲間を殺したとあってはアシリパさんたちがどんな扱いを受けるかわからなかった。また、キロランケに対しても、金塊に繋がる人間が死んだとあれば諦めてくれるものとの期待もあったのではないか。

そう語りウイルクの決断を称賛するかのような鶴見中尉だったが、鶴見中尉本人はウイルクの決断に勝るとも劣らない執念を見せた。ウイルクを追跡し、支笏湖の水上まで追い詰めたのだ。鶴見中尉の発砲によって手漕ぎ舟から落ちたウイルクは、持っていたマキリやキムシプの頭部の皮などを水中に置き、泳いで岸を目指した。
支笏湖近辺には監獄部屋と呼ばれる施設があった。労働者が監禁される場所で、そこには監獄から違法に駆り出された囚人たちがいたのだ。果たしてウイルクがそのことを知っていたか定かではないが、監獄部屋に入ると、その場にいた者たちにこう告げる。
アイヌ7人が殺され彼らが隠し持つ金塊の在り処を知る男がここにいる、と。
第七師団と監獄は犬猿の仲。こうして監獄側で保護されたウイルクに第七師団が手を出すことはおいそれとはできなくなった。やがて極秘裏にウイルクは網走へ移送され、網走監獄ののっぺら坊が誕生したのだった。

さて残されたキロランケはというと。アイヌの7人分の遺体が見つかったという話を聞き、ウイルクも死んだものと思い悲しんだ。ウイルクを理解したくて彼と同じように家族を得た。
しかし日露戦争から戻ると、その7人の遺体にはキムシプという老人がいたという噂が流れていた。そうなると7人のうちの誰かが他の6人とキムシプを殺したということになる。
さらに網走監獄にいたはずの土方歳三がウイルクの娘であるアシリパさんを探しにやって来た。そこに網走監獄ののっぺら坊の噂や、白石などに彫られている刺青の暗号などを組み合わせると――のっぺら坊はウイルクなのではないか?ウイルクは生きているのではないか、という可能性がキロランケの胸中で大きく膨らんだ。
ウイルクが生きているとなればキロランケにとってすべきことは一つに決まっていた。キロランケは家族を持っても極東連邦の考えが変わったりはしなかった。極東連邦が成功すれば北海道アイヌを守ることにも繋がる。北海道に引きこもりそこだけ守るという弱腰ではいけない。やはりウイルクが変わってしまった。弱くなってしまったのだ。弱くなった狼は群れの中に居場所はない。狼のやり方に則り、キロランケはウイルクを殺すしかないのだ。

 

確信を得るために

ウイルクは自分の死を偽装するために皮をはいだのか。それだけではなく自分の身元をわからなくして家族に影響が及ぶのを最小限にする目的もあったとは。そこまで見抜いている鶴見中尉もさすがだけど、やはりその目的のため手段は最も合理的なものを選び取るウイルクがすごい。
そこまでして金塊を手に入れたかったのだろうね。でなければ暗号を娘にあてて残したりしないし。その執念、本当に北海道独立のためなのかな…とか勘ぐってしまう。少なくともキロちゃんの言うような弱腰の目的の変化ではないような気がするのだけど、でもキロちゃんの極東連邦だと話が大きすぎるというのはわかる。

キロランケ側の話も切ないなぁ…ウイルクが変わってしまったと実感してしまうのはつらかっただろうに。
そしてのっぺら坊=ウイルクとアシリパさんに確認させるための網走監獄までの旅。そこから先の、アシリパさんに北海道アイヌ以外の少数民族を見せて金塊の使い道を考えてもらうための樺太の旅。実はゴールデンカムイの物語の大半は、キロちゃんの思惑で動いていたんだね。
キロちゃん亡きあとはアシリパさんの意志で。キロちゃんもアシリパさんもウイルクの影響がとにかく大きい人たちだから、やはりゴールデンカムイはのっぺら坊ことウイルクが常に中心にいるような気がする…。そこに鶴見中尉があの手この手で策略を張り巡らせて邪魔をしてきているという構図かな。

さて、鶴見中尉とソフィアからウイルクとキロランケにとっての真実を聞いて、アシリパさんはどうするのか。それこそがウイルクとキロランケの遺志を踏まえた物語の結論だよねぇ。

 

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第268話 一本の毒矢

ウイルクがキロランケに勝ち去るときに、ウイルクはアシリパさんについて、ソフィアのように自分で戦い幸せを掴み取る人間になってほしいと語った。それがウイルクからキロランケに贈られた最後の言葉だった。
そしてアシリパさんは実際に戦うようになっている。もし自分の家族を守りたいだけなら戦わずに隠れて過ごせばいいのだ。しかしそれではアイヌの伝統文化のことは忘れられてしまうだろう。カムイに生かされているアシリパさんたちアイヌのことを。

そしてここからは鶴見中尉の口から、カムイを守るためウイルクたちが辿った悲惨な結末が語られる。
ウイルクとキロランケが断絶したあと、鶴見中尉たち第七師団もキムシプという金塊の在り処を知る老人の情報を求め、シロマクルのもとを訪ねていた。シロマクルは金塊探しのアイヌの7人に加わっていたが、他の面々の過激さに着いていけずキムシプから金塊の在り処を聞き出す前に他の6人と別れていた。シロマクルの地域では和人と大きな問題もなくやってこれたうえ息子は陸軍第七師団にいる。シロマクルは有古力松の父だ。だが、他の地域では和人との折り合いが良くなく憎しみを持つ者もおり、強硬手段を取ってでも金塊を手に入れたいという他6人の気持ちはシロマクルも理解していた。
和人への過激思想で集まった7人だが、ともすれば分裂しそうになる6人をウイルクが上手くまとめ上げていた。北海道内でも地域が異なれば文化も異なる。チエトイという珪藻土を食べる沙流の風習を誰かがからかえば、ウイルクが珪藻土の堆積地の違いや昔の城の壁に使われていたことなどを説明しその場を収める。ウイルクは無知ゆえに差別が生まれることを理解していた。せめてアイヌ同士は理解し合いひとつになろう、という考えだ。

アイヌの仲間から一目置かれていた男の名はウイルク。顔に傷がある青い目の男。鶴見中尉はその男に心当たりがあった。長谷川写真館にやってきた三人のうちの一人だ。
こうしてまたも鶴見中尉の人生に関わってきたウイルクに、鶴見中尉は一本の毒矢を放つ。
ウイルクが帝政ロシアと戦うゲリラ勢力であり活動資金のため金塊を求め北海道へやって来たことをシロマクルに話したのだ。衝撃的な事実を知ったシロマクルは、鶴見中尉たちが家を去ったしばらくあとに慌てて仲間の元へ伝えに行った。シロマクルが金塊の在り処を聞く前に別れたというのは嘘で、まだしっかりと他6人と繋がっていたのだった。

そしてシロマクルのあとを追うと、山奥から銃声が聞こえた。明け方になるとあの7人のアイヌのうちの1人が瀕死で見つかった。聞けばウイルクは何もせず、他の仲間たちで殺し合いになったらしい。
ウイルクは反帝政ロシアのゲリラ勢力。北海道アイヌのために金塊を求めているのではない。その情報だけで、ウイルクをかばう者とそうでない者に別れ殺し合いにまで発展したのだ。ウイルクへの信頼だけで保たれていた均衡が崩壊した。

やがてウイルクはシロマクルに自分の過去を話した者が追ってきていると悟り、信じられない行動に出た。
自ら皮をはいで他人の生首にかぶせ、自分が死んだように偽装したのだった。

 

鶴見中尉の采配

ヒィィ…のっぺら坊は自分で皮をはいだのか…
たしかに今までハッキリ言われていなかったけれど、網走監獄で金塊の在り処を聞き出すため拷問を受けてアキレス腱なんかも切られていたし、その拷問の一環ではがされたのかなーと思っていた…。
これもう書いてるだけで痛いね…。あんま話題にしたくないな…。

シロマクルはやっぱり有古のお父さんでした。この流れがあると有古の置かれている複雑な状況や心境がより胸に迫ってくる…。
父親は鶴見中尉に殺されたようなもの。父の仇が上官ってどういう気持ちだろう…。
でも今の有古が生きてきちんと生活できて家族を養えているのは陸軍に入ったおかげであって、その出自を知りつつ身を置かせていた鶴見中尉のおかげとも言える。
感謝すべきなのか憎むべきなのかわからず、これぞ鶴見中尉のたらしこみだよねぇ。

ウイルクが他のアイヌの仲間を殺したというアシリパさんにとっては発端となる事件の真相もかなり明らかになりましたね。鶴見中尉が引き起こした殺し合いだから第七師団が真っ先に遺品回収もできた。生き残りからざっくりしたあらましも聞けているし。
やっぱりウイルクは仲間を殺していなかったんだ!と父を信じるアシリパさんにとっては嬉しいような、でもウイルクのせいで仲間が殺し合うことになったのも事実で苦しいような。
それに前の話でキロちゃんが言っていたことがここでも的中していない?ウイルクは変わってしまった、って。自分の過去が原因で仲間割れが起きたら、自分と対立する人間をまず殺して脅威を排除するのが一番合理的なウイルクらしいやり方じゃないのか。
でもキロちゃんが言うにはウイルクは北海道アイヌの独立を考えているはずで…そこが6人の仲間たちに伝わらなかった、信じられるような状況ではなかった、っていうのがまた悲しい。金塊を目の前にしたところで実は仲間の一人がまったく別の目的を持っているってわかったら、そりゃ諍いも起きるよね…。

やっぱり鶴見中尉の采配は本当にお見事。これまで読み違えたことは、奥さんとお子さんを失ったことだけじゃないかな。

 

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第267話 断絶

キロランケから亜港監獄にいるソフィアに送られた手紙の内容は、ウイルクの変化に関するものだった。
北海道に隠された埋蔵金の在り処を探るため北海道アイヌの生活に溶け込むことにしたウイルクとキロランケ。ウイルクは北海道で結婚し娘を授かった。キロランケはこう語る。アシリパさんを抱くウイルクは見たことないほど優しい顔をしていたと。
アシリパさん誕生から数年、埋蔵金について大きな動きがあった。約50年前砂金を集めロシアから武器を買おうとしたアイヌの一人が、疱瘡で死んだと思われていたのに深い山中で今も生き続けているという情報があったのだ。名前はキムシプ。そしてウイルクを始めとした金塊を求めるアイヌたちの中に、実際にキムシプに出会った人物がいた。彼はシロマクル。他にもメシラ・スクタ・イレンカ・ラッチ・オシケポロという総勢7名の面々が、急ぎキムシプを探し金塊の在り処を聞き出すこととなった。


北海道アイヌの金塊を求めているのはキロランケも同じなのに、その会合の場にキロランケは呼ばれなかった。会合後、小屋から出てきたウイルクをキロランケが訪ね、なぜ自分を呼ばないのかと責める。
怒りを露わにするキロランケに向かってウイルクは淡々と伝える。ウイルクとキロランケが当初目指していた極東連邦には樺太島とロシア領に入るアムール川流域が含まれていた。北海道は海で隔たれているがロシア領は地続きのため他国の侵略を少数民族だけで防ぐのは難しい。そのため北海道だけを独立させ守りを強固にしたほうが合理的だと、ウイルクは考えていた。
樺太やロシア極東の仲間を裏切ることになるのではないか。キロランケのこの問いに対し、ウイルクは北海道への移住希望者を募ると答えるが、ウイルクがかつて過ごした故郷は皆が移住した結果、村が消えてしまった。ウイルタ民族はトナカイと生活を共にするが北海道では気候が異なり飼育ができない。移住し北海道でそれぞれの民族の文化を守り生活していくには問題が多すぎるのだ。
ウイルクは娘が生まれたためロシア極東の少数民族のことは捨て置いて北海道アイヌを守りたくなっただけでは?そもそも北海道にウイルクとキロランケは何の関係もなかったはずだ。家族ができてしまったばっかりにウイルクにとっての故郷が変わってしまった。ソフィアはずっとロシアで自分たちを待っているのに。
声を荒げたキロランケはウイルクに殴り掛かった。
戦いの末にウイルクが勝利したが、ウイルクはキロランケを殺さなかった。本当に合理的な考えを持つウイルクなら、後々に障害となるであろう人物は先に殺しておくはずだ。自分が殺されていないことこそがウイルクが変わってしまった証拠。そう確信しキロランケはウイルクとの溝を深めていくのだった。

アシリパさんはキロランケ最期の場面に立ち会った。そのときにソフィアという言葉をキロランケの口から聞いていた。だからキロランケがどれだけソフィアのことを好きだったかを知っている。だからこそ、キロランケは極東ロシアを切り捨てようとしたウイルクに激怒したし、だからこそウイルクはキロランケを金塊探しの中枢から遠ざけたのだ。
また、キロランケの掲げる少数民族の文化や生活を守ることと、ウイルクが娘に抱いているであろう想いも、建前と本音でどちらも嘘ではない、と鶴見中尉は語る。

 

愛のゆくえ

本当に鶴見中尉の言う通りなんだよね。ウイルクが娘に、キロランケがソフィアに対して、未来を守りたいと思っているように、二人ともただ愛する人に少しでも多くのものを渡したいだけなんだよね。それが極東連邦なのか北海道独立なのかの違いであるだけ。根っこのところは同じはずなのにこの出来事の時点で完全に二人が「断絶」されてしまったの、切ない…。
ウイルクが合理的な判断ができなくなってキロランケを殺さなかった。だからキロランケが合理的にウイルクを殺した。ウイルク・キロランケ・ソフィアの三人のときは、維新の三英傑に例えられるようにうまく三人がバランスを取っていたけれど、ソフィアが抜けてそのバランスが崩れ果たすべき役割も変わった、という感じかな。

もしあのときウイルクがキロランケを殺していれば、アシリパさんはお父さんを失うことはなかったのでしょう。けれどそこにウイルクからキロランケへの愛を感じる…。殺さず(殺せず)、娘に対してキロランケは危険だと吹き込むこともせず、アシリパさんにとっての頼れるおじさんのポジションにきちんと就かせて。金塊探しのときに自分が無事な保証がないからキロランケとアシリパさんが協力してくれれば、という打算的な思いもあったのでしょうけど、愛する仲間と愛する娘には仲良くあってほしいしウイルク自身はキロランケへの愛情は変わらず持ち続けていたんじゃないかな~と期待してしまう。そうでなくちゃこんなの救いがないよねぇ…キロちゃん…。

この二人の男からの愛を受け取ったアシリパさんとソフィアの二人の女性もなかなかにつらい立場。特にアシリパさんはウイルクの目指していた北海道独立を知らない状態で育ったわけで、キロランケからの期待も受けていると言えるし。背負っているものが重すぎるね…。
ウイルクvsキロランケの考え方の違いの構図が引き継がれているわけではないといいのだけど…ソフィアは極東連邦側の考えだろうからなぁ。ただ今回の鶴見中尉やアシリパさんとの邂逅で何か変化が起きているかもしれないし、わからないけれど。
果たしてアシリパさんはどういう未来を思い描いているのか、やはり鍵はそれに尽きますね。

 

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