ゴールデンカムイ第314話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第314話 大団円

あれから六か月が経った。
生き残った者たちの現在と、その後が語られる。

黄金のカムイは追い求める者すべてを不幸にするカムイではない。
使う人間によって役目が変わるのだ。

杉元たちが追い求めたゴールデンカムイは大団円をもたらした。

 

おしまい

思いきりネタバレしますね!!

やっぱり杉元は無事だった!!
顔の傷は増え耳も欠けていますが、本当に不死身だ!
またこの三人でいる様子が見られて嬉しい限り。

金塊争奪戦を通して杉元も成長しましたね…。
はじめは戦争に行く前の心優しい青年に戻りたいと本人も思っていたはずなのに
今は故郷の味を口にしても、戻りたいとは思っていません。
そう思えるくらいに走り抜けました。
走り切ってすべてが終わったとき、良い思い出もつらい思い出もある生まれ故郷に戻ろう…ではなくて、
大切な人がいる故郷で暮らしたい、と杉元は思ったわけですね。
これは過去を振り切ったということではなくて、その過去をしっかり受け止めて
自分の一部として飲み込むことができるくらいに心の整理がついたということなんでしょう。
この境地に至るには、北海道や樺太で死に物狂いで自分の役目を考え戦うことが必要だったんだと思います。
戦い抜いた結果、干し柿を食べても、戻りたいとは思わない。
ユクの腹の中で泣いた青年はもういないのです。

実は私は杉元は金塊争奪戦が終わったら各地を旅して回るんじゃないかなと思っていました。
梅ちゃんのこともあるけれど生まれ故郷のあの記憶はあまりに忌まわしくて、
ひとところに留まり故郷と呼べる場所を持つのを良しとしないかなと思っていたのです。
けれど杉元はアシリパさんとあのコタンで暮らす道を選びました。
このことが本当に嬉しいです。
杉元はきちんと成長していたんだね。
「役目を果たすため頑張った自分が好き」…
この言葉でアシリパさんも、全読者も救われたことでしょう。

杉元にはこれからアシリパさんと生きていくという役目がありますからね。
俺は不死身だと自分を奮い立たせて突っ込んでいく、捨て身にも見える生き方ではなくて、
役目を果たすため頑張った好きな自分を大切にして
末永くアシリパさんとアイヌの生活を送ってほしいです。

他の面々について。

アシリパさんは本当に強くなりましたね。
カムイたちを残すために本当に頑張った…。
多くの人を失いましたが、彼女は自分の役目を理解していますからね。
その役目を果たすために杉元と手を取り合い歩んでいくのでしょう。

ヴァシリは画家になったのか…!
尾形の特徴的な絵を描いていたのが布石になっていたとは。
やはりあのとき死んではおらず、汽車を追いかけて尾形を見つけた…ということですかね。
死んでいなくてよかったし画家として大成したようでよかったけれど、
彼としては尾形を自分で仕留めたかっただろうな。
でも頭巾ちゃん、尾形は自死だから…他の誰かにやられたわけではないから…。

榎本武揚が満を持して出てきましたね。
伊藤博文らにしっかり繋いでくれましたし
ここで土方さんの和泉守兼定が…!!
土方さんは最後の最後までかっこよくて、目頭が熱くなりました。

梅ちゃんは目が見えるようになっていましたね!
杉元が砂金を渡す前に見えていたから、どうにか自力で手術を受けたのかな?
お花屋さんを営んでいて息子も健康そうで、自活できていそうですよね。
それがまた杉元側に未練のない理由の一つなのかも。
ところで看板からは「花木生花店」と読めますが…
寅次と梅ちゃんの苗字は花木ということなのかな?
昔はお花屋さんをそう呼んだ、とかないですよね…?
花木梅がフルネームだとしたらとってもきれいな名前ですね。

白石は海賊房太郎の遺志を受け継いでいてこれまた目頭が熱くなります…!
海賊の、俺を忘れないでほしい、という願いをしっかり聞き入れていますし、
王様になるという夢も叶えちゃった。
白石そういうところだぞ!だから愛されるんだぞ!

きっとまたコミックスになるときに加筆がされると思いますので楽しみにしています。
私自身の生活の変化もあり最終回までブログで感想を書けるかヒヤヒヤしたこともありましたが、
時間のできたタイミングで最終回を迎え、こうしてすぐブログを書くことができ、
なんらかのカムイの思し召しかな?と思っています。
アニメに実写にこれからまだまだお付き合いがありますが、
野田先生、ひとまずは連載お疲れ様でした。
本当に最初から最後までずっと面白く楽しかったです。

 

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第313話 終着

杉元が振り下ろした土方歳三の愛刀により鶴見中尉の仮面が落ち、権利書の入った矢筒も紐が切れた。そして鶴見中尉の胸元からは、妻と娘の指の骨が転がり出た。
鶴見中尉の体から離れた矢筒目掛けてアシリパは飛んだ。しかし鶴見中尉が早かった。鶴見中尉は妻子の骨を諦め、権利書を手に入れるほうを選んだのだ。
未だ動き続ける汽車の車輪にひかれ粉砕された骨。散っていくさまを仮面のはがれた顔で見つめる鶴見中尉。

アシリパは鶴見中尉の握る紐をマキリで切り、矢筒を奪い返した。しかし足場が悪く汽車から落ちそうになってしまう。そこへ身を乗り出し手を掴んだのは杉元だが、鶴見中尉により和泉守兼定を奪われ刺されてしまう。

ゴールデンカムイに愛するものみな殺される。
すべてウイルクのせいだ。
ウイルクの娘アシリパに鶴見中尉は言葉を投げつける。

刀が胸を貫通している杉元は力を振り絞り、アシリパを上空へ放り投げた。
そのときアシリパが見た杉元は微笑み、いつもの言葉をそっとアシリパへ手渡すのだった。

アシリパはあとから馬で追って来た谷垣と白石に受け止められた。汽車は終着駅の車庫の扉を突き破る。
杉元は鶴見中尉の手を握り銃口の向きを変えさせると、力を込めて引き金を引かせ、鶴見中尉の胸を撃ち抜いた。

そのまま二人は汽車もろとも海へ落ちた。

 

成仏した死神

鶴見中尉は妻子の遺骨よりも権利書を優先したのですね。
しぶとさが表れているなと思いました。
これから先も生きていくには妻子の思い出よりも権利書が必要だと理解していますし
咄嗟のときもその理性的な判断に従えるくらいには
鶴見中尉はまだまだ生きて活躍(暗躍)していくつもりだったのでしょう。

ここで奥さんと娘さんの遺骨が砕かれることで鶴見中尉にとっては成仏できたのかなと思います。
もはや軍での居場所もなく愛した家族もなく仲間も失った鶴見中尉。
「死んでいる」といっても過言ではないのではないでしょうか?
けれど彼とこの世を力強く結びつけるものがありました。
それがフィーナとオリガの骨です。
骨が砕かれてなくなってしまうことで、彼をこの世へ縛り付ける鎖がなくなったのかな…と感じました。
だから海へ落ちる前に、虚ろな目で歯をカチカチ打ち鳴らすという、死神風情の仕草をしたのかなと。

アイヌの金塊を狙ったのは満州進出のためだけか?
個人的な弔いはただその大義に付随しているだけか?
最終局面でウイルクの名前を出した理由は何か?
鶴見中尉の意図は本当のところ何だったのか?
彼自身の口から語られていることは果たして真実なのか、わかりません。
ただ全てを語っているわけではないというのは確実だと思うので、
私たちは鶴見中尉の思いを想像するよりほかないのですよね。

でも満州というのは建前な気が、やっぱりするのですよね…特に今回の話を読むと。
本当は愛した妻子を奪われた恨みが根底にあり、本音もそこにあるのでしょう。
だとするとやはり土方さんと同じで鶴見中尉も死に場所を探していたのかなと思ってしまいます。
妻と娘を亡くしたときに自分も死ぬべきだったが死ねなかったのです。
それであれば自分に課せられた使命を全うするのみ。
でも本音としては妻と娘のいない世界に生きる意味を見出せない。
だから満州進出という支えが必要だったのかもしれませんね。
満州とか戦友とかは、本当はどうでもよくて、
自分が今も生きてしまっていることへの言い訳程度だったのかもしれません。
妻と娘の仇討ちや、これから先を生きる意味、といったものを正当化するために作られた建前かもしれません。

そうだとすると、今回、遺骨ではなく権利書に手を伸ばしたのも理解できる気がするのですよね…。
権利書があれば生きる意味というものがとりあえずは続きます。
けど遺骨に手を伸ばして権利書を諦めてしまったら。
鶴見中尉のパーソナリティを考えれば、遺骨を選んだ場合はどうにか逃げて生き延びるでしょう。
けれど、なぜ生きるのか、という支えの部分がなくなってしまうんです。
それなのに遺骨によりこの世にまだ縛られる。
空虚な人生よりも可能性に賭けた、という感じでしょうかね。
アシリパさんと杉元を相手に生き残る可能性は高くないけれど、
死んだような生を生かされるよりは…と。
そう思うと鶴見中尉もやっぱり人間なんだなと思わずにはいられないです。
長谷川幸一としては一度死んでいて、鶴見中尉という死神として金塊争奪戦を走り抜けたのだと思いますが、
長谷川幸一としても鶴見篤四郎としても、今回で成仏してほしいなと思います。

鶴見中尉は今回で(おそらく)死亡してしまいますが、鶴見中尉の勝利でしょう。
仮に生きて満州へ進出しても、ここ死んでいたとしても、どちらも彼の望みなのですから。

さて死神が(おそらく)去り、果たして黄金のカムイはアシリパさんや杉元に恩恵をもたらしてくれるのか。
それとも鶴見中尉の言う通り、災いをもたらすのか。
残り一話、ドキドキしながら一週間待ちます。

(このブログは私の想像で作り上げた部分がほとんどですのでご了承ください。
なぜこの行動をするのか?を想像していくのがゴールデンカムイの楽しみ方の一つだと思いますので
楽しんで読んで解釈させていただいております。)

 

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第312話 分け前

汽車の先頭で杉元と鶴見中尉の戦いが繰り広げられる。
一方、先頭の機関部と切り離された車両内では、土方歳三を担いだ永倉新八が、夏太郎に向け仇討ちはしないと宣言。
白石は列車から飛び降り杉元とアシリパを追う。到底人間の足では汽車に敵わないが、馬へ乗った谷垣が腹の傷を押さえながらやって来た。

汽車の先端まで追い詰められた鶴見中尉は、この国を守るため満州へ進出すること、それには中央を黙らせるこの権利書が必要なのだと語る。五稜郭に金塊があるであろうことは気付いているが自分にはもう持ち出す時間がない。金塊には触れないから権利書は諦めて自分を行かせろ――
そう語る鶴見中尉に向け、アシリパはここでけりをつける、と言い切った。
鶴見中尉は汽車のヘッドライトに隠しておいた拳銃へ手を伸ばし、撃とうとするが、杉元はズボンのポケットから取り出した砂金を鶴見中尉の顔目掛けて投げつけた。
井戸で砂金を見つけた際に梅ちゃんが頭をよぎり、咄嗟に両手に握りしめてポケットへ入れていたのだ。
杉元にとっては金塊の分け前はそれだけで十分だった。

 

ささやかな願い

杉元にとってはやはり梅ちゃんも大切な人なのだと言っていて嬉しいですね。
生活が苦しい幼馴染で初恋の人のため、というのが動機でしたから。当初は。

今回の砂金投げつけはアシリパさんにとっても喜ばしい、というより救いのある行動なのではないでしょうか。
黄金のカムイはずっとみんなを不幸の渦へ引き込んできました。
それはその黄金に求めるものがみんなあまりにも大きすぎたから。
でも杉元は、梅ちゃんの幸せと、アシリパさんの幸せという、
鶴見中尉やウイルクたちの理想と比べてしまうとささやかとしか言いようのない、
けれど彼にとってはそれだけで十分という切実な願いのためだけに黄金を欲しました。
黄金のカムイが、アシリパさんの知る限り、初めて人を不幸にせず、
未来に繋がるような恩恵をもたらした。
この金塊争奪戦の行く末がどうであれ、アシリパさんにとっては杉元が
黄金のカムイのもたらすものが不幸だけではないと示してくれたというだけで、
これまでの旅路の苦労が報われるくらいの意味を持つんじゃないでしょうか。
そうあってほしい、という願望を含みまくっていますけど…。

梅ちゃんには杉元の砂金の残り半分で足りるのでしょうか?という疑問はありますが、
杉元は金塊を得ることにもうさほど興味がなく、
アシリパさんが望む形で事が片付き、梅ちゃんも笑っていてくれたらいいな、
という気持ちであろうことはよくわかりますね。
戦争帰りの青年が一攫千金をほんの少し夢見て始めたはずの砂金掘りも、
こうして大切な人の幸せを願うところに落ち着いたのですから、
黄金のカムイとしても降伏して災厄ではなく祝福をもたらすカムイにならざるを得ないのではないでしょうか。

 

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第311話 アシリパの選択

鶴見中尉のいる先頭車両へ向かうため1号車の後方より車両内へ入ることにしたアシリパ・杉元・白石。
しかしアシリパは杉元と白石に、ここから先は来るな、と言う。北海道の土地の権利書は自分だけの問題だと。
そのとき先頭車両と1号車の連結が外され、先頭車両だけが先に進んでしまっていた。

時間のない中、アシリパは杉元と白石に最後のお願いを伝える。
金塊の眠る井戸のことを忘れてほしい。
金塊がある限り殺し合いは続く。
黄金のカムイの呪いを断ち切りたい。
いちばん大切な人まで失いたくない。

必死に二人の説得を試みるアシリパの気持ちに押され白石はアシリパを一人で行かせようとするが、杉元はそうはさせなかった。
アシリパを抱え、切り離された連結部の溝を飛び越え、二人で鶴見中尉に立ち向かう。相棒なのだから二人で行くのだ。

先頭車両では鶴見中尉の銃撃も厄介だが何よりまず汽車を止めねばならない。アシリパが操縦席に立ち操作を試みる。
杉元は鶴見中尉との最終決戦に臨む。鶴見中尉は足場の悪いところへ誘い出し一対一の状況を作り出したかに見えるが、真意はどこにあるのか。

 

いざ最終決戦

アシリパさんの本音が聞けて本当によかった!!
杉元と白石が彼女にとって守りたい存在になっていて嬉しい。
先にある大義を見ている人の多い印象のゴールデンカムイですがすぐそばにいる仲間や家族ももちろん大事。

金塊の行く末をきちんと考えていたんですねアシリパさんは。
おそらくことが片付いたら井戸を埋めて葬り去る気なのでしょう。
杉元と白石が金塊の在り処を忘れてくれれば成立します。
…そう、もうあの井戸に金塊があるのをハッキリ見たのは、この二人とアシリパさんだけになってしまったのですよね…。
アシリパさんの言う通り、本当に、みんな死んでしまいました。

関わった人間をことごとく滅ぼしてきた黄金のカムイ。
このカムイがどうなるのかは、鶴見中尉がどのような結末となるか次第でしょうか。
余談ですが鶴見中尉は井戸を見ていませんが、井戸に何かあると察しがついている様子でしたからね。
それに気付き報告していたのは月島軍曹でしたが、彼はもう鶴見中尉の命には従わないでしょう。
鶴見中尉も多くのものを失ってきましたね。
第七師団の兵士も多くが死傷し軍にももはや居場所はありません。
腹心の部下も手放す結果となりました。

多くの人を失いながら黄金のカムイを求めて走り抜けてきたこの作品も残すところあと3話…
本当ですか?
あと3話で鶴見中尉が何を語るのか…アシリパさんは金塊をどうするのか…
そして杉元は何を得てどう生きていくのか。
楽しみすぎて待ち切れません。

 

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第310話 祝福

尾形は矢じりを腹から抉り出し、銃口をアシリパへ向けたが、そこに勇作が立ちはだかる。
毒の影響か尾形は錯乱しており、勇作の他、本音を指摘する自分や過去の自分などの幻覚も見ていた。

尾形は勇作とアシリパを重ねていた。アシリパが尾形の抱える罪悪感を自覚させたのだ。
尾形は母を殺し父の愛を試した結果、父の愛はなく「欠けた人間」として生まれたと思っていたが、実際はそうではなかった。愛情ある親の元に生まれてきた人間であり、罪悪感を覚えるのだ。

罪悪感に気付いた自分と、それを否定したい自分の葛藤の果て、尾形は現実で自分自身の左目に銃を向けた。
引き金を引く一瞬前、勇作の幻影が、あなたは祝福されて生まれた、とささやいた。
自らの目を撃ち抜いて崩れ落ちた尾形は、勇作に背後から抱えられどこまでも落ちていくかのようだった。

杉元にしがみついていたヒグマはアシリパの矢でとどめを刺された。
尾形が死んだことを受け止める暇もないうちに列車が激しく揺れ、杉元・アシリパ・白石の三人は機関室に誰もおらず列車が暴走していることに気付く。
そして機関室に近付く鶴見中尉にも気付き、アシリパは鶴見中尉に向け矢を向けた。

 

あなたは祝福された子

尾形ァァ…!!祝福されてよかったね…!!

尾形少年は母を殺したということとそれでも父が自分に関心がないということを受け止めきれなかったのでしょう。
罪悪感と後悔に蓋をしようとして、自分は「欠けた人間」なのだと思い込んだのだと思います。
父と母に愛情がなかったから欠けてしまったのだと。
そして勇作さんとの出会いもこの「欠けた人間」という考えが結末を捻じ曲げてしまったのでしょう。
勇作さんに慕われるたびに尾形はこう思ったと思われます。

両親の愛を受けて祝福された存在が自分をここまで愛してくれるとは何事だ。
自分は「欠けた人間」なのだから祝福された人間に愛されるいわれはない。
この愛を受け入れては自分は「欠けた人間」ではないと認めることになってしまう。
それでは罪悪感と向き合わなくてはならない――。

つまり尾形はずっと罪悪感を抱えていながらもそれを認めることができず、
罪悪感を覚えないはずの「欠けた人間」になろうとしていたのですね。
けれど尾形は欠けてなんかいなかった。
両親の愛あふれる時間が尾形の産まれる前だけだったこと。
祝福され産まれてきたことを伝えようと勇作さんは兄さま兄さまと慕っていたのに
尾形は受け入れなかった、いえ、受け入れられなかったんですね。
受け入れてしまうと罪悪感と向き合わないといけないから。
もちろん祝福された存在の代表格のような勇作さんに対する嫉妬も多少なりともあったと思いますが
やはり太陽の光がまぶしくて暖かくて己のした暗く後ろめたい所業を思い出さずにはいられない…
という論理のほうが優位ではないかなと思います。

尾形は寂しさから罪悪感と後悔でいっぱいになることをしでかし
それに蓋をするため「自分は欠けた人間」と思い込み更に罪悪感を塗り重ねてきました。
ずっと「欠けた人間はこうするのだ、こう思うものだ」と自分の心を道理で曲げてきたのですね。
彼が道理にこだわる理由も腑に落ちました。

鶴見中尉に対してはあなたが俺を見ないからだ、というようなことを言って
父親にかまってもらいたくていたずらをする子どものような姿を見せましたが、
尾形の葛藤シーンで出てくるのは両親や弟のことが中心でした。
やはりより深く思っていたことが出てきたのでしょう。
鶴見中尉に向けて本心を言ったかに思いましたが、
あれもまた尾形の現在の行動を「欠けた人間」としてふさわしいものにする正当化だったのでしょうね。

道理だけではどうにもならないものもある、と尾形が認めて自分の感情に目を向けていれば
アシリパさんと出会うことでもっと違った道もあり得たのかな…と考えずにはいられません。
長かった尾形の旅路もようやく帰るべきところへたどり着いたのですね。

 

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第309話 血濡れ事

1両目の先頭部で鶴見中尉は一人呟く。鶴見中尉は旅順に渡り再び力を蓄えるつもりだった。旅順にある「関東都督府陸軍部守備隊」は中央と対立している。北海道の土地を交渉材料とし中央に揺さぶりをかけるのだ。

2両目の屋根の上。杉元の銃剣で背後から刺された尾形。しかし致命傷にはならず列車の屋根の上で二人は取っ組み合う。その最中に杉元が突然背後へ引きずられた。列車に乗り込んでいたヒグマが杉元の荷物を咥えていたのだ。ヒグマに引きずり降ろされないよう抵抗する杉元に尾形が銃を向ける。
そのときアシリパが尾形を呼び止めた。「誰か殺せたか?」そう問いかける尾形に向け、アシリパは毒矢を放ち、それは尾形の腹に刺さった。
アシリパは杉元と一緒に地獄へ行く覚悟をしていたのだ。

尾形は矢を引き抜いたが毒のついた矢じりは体内に残ったままだ。尾形は毒に苦しみながらも、まだ死ねないと言い、腹から矢じりを取り出すため土方歳三の愛刀を腹に突き立てた。

 

地獄行きの決意

まずすみません!先週の最後に尾形に刺さったのは和泉守兼定かと思っていましたが違いましたね!
先週分の記事も修正しておこうかと思いましたが、こういう早とちりも毎週書くことの醍醐味かなと思うのでそのままにしておきます。

コラ杉元!!相棒が堕ちてきてくれたからってそんな嬉しそうな顔をしないの!!
今週はこう言わないといけませんよね。

アシリパさんをこの戦いから遠ざけるために戦っているときもあった杉元ですが
最終的にはソフィアの願った通り、彼女自身の選択を応援するということに落ち着いたのでしょう。
というよりも今回のこの行動を見てその覚悟を思い知った、という形でしょうか?
樺太以降があまりきちんと読みこめていないので勘違いしていそうですが…

アシリパさんは金塊争奪戦に巻き込まれてしまった人間ではなくて
自らの意思で参戦し、戦い、傷つき、勝ち取るつもりの人間なんだと
今回で明確に描かれましたね。

また、尾形は、「道理があれば誰だって人を殺める」という持論、
鶴見中尉の言葉を加味して言い換えれば「輝いている者も道理があれば堕落する、自分と同じもの」
ということがアシリパさんによってまた証明された、ということになりましょうか。
ただ尾形は心の奥底では、自分の持論に当てはまらない人物を求めている気がします。
勇作さんも当時は受け入れられなかったけれど尾形にとっては必要な人物だったんじゃないかと。
だって「みんな堕ちるんだ」ということを証明したいのはなぜ?ですよ。
「そうではない」と信じたいからではないかなと思います。
でも期待して成果が出ないのもつらいので防衛反応?として逆張りしているんじゃないかなぁと私は思います。

この先、尾形は、みんな同じでくだらないということを確かめ、
そののちに虚しさを感じることになるのか。
それともアシリパさんという存在でまた別の感情を抱くことになるのか。
とても興味深いです。

アシリパさんお願いですこのとんでもなくひねくれた迷える子猫ちゃんに救いの手を差し伸べてやってください。

 

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第308話 似た者同士

列車は3両目に尾形を除く全員が集まっていた。しかし鶴見中尉は屋根の上、月島軍曹と鯉登少尉は後方の連結部で倒れ込んでおり、車両内ではヒグマと土方・杉元・白石・アシリパが対峙している状況となる。

すでに瀕死のはずの土方の切っ先はヒグマの鼻に刺さり、ヒグマは後退して2両目へと戻っていった。
鶴見中尉は屋根伝いに尾形のいる2両目へ渡る。奪った矢筒に権利書が入っていることを確認すると、尾形に杉元たちを狙撃するよう指示した。

一方の車両内では2両目に戻ってきたヒグマに向け兵士たちが発砲していた。そしてヒグマが過ぎ去り3両目への道が開けたため兵士たちの発砲は未だ剣を振るう土方へ向けられる。
銃撃を受け膝をつく土方の目に、若き日の己と杉元佐一が重なり…土方歳三は杉元佐一に愛刀・和泉守兼定を手渡した。
やがて馬で乗り付けた永倉新八と夏太郎が土方を静かに見送った。

2両目車両の屋根では尾形がヒグマの姿をとらえていた。兵士たちの攻撃に押されたヒグマは連結部から屋根へ上がろうとしていた。
尾形はヒグマの脳めがけて発砲したが、ヒグマの頭蓋骨は分厚いため倒れない。落ち着いて頭以外の場所を狙おうとする尾形の背後から、杉元が土方歳三から譲り受けた刀でその心臓を貫いた。

 

心穏やかならず

土方さんがヒグマにやられなくてよかったなぁ…
もう鯉登少尉との一騎打ちで命運は見えていたけど
最後まで大勢の敵相手に戦って命を散らすという終わり方が
喧嘩好きの新撰組らしくて本当によかったなぁ…

などと土方さんについては比較的心穏やかに見送ることができたのですが
まさかの最終ページで尾形!!!
土方さんの刀がもう役に立ってる!!
このページで心が滅茶苦茶になりましたよ…。
暴走列車地獄行きの名は伊達じゃない…。

さすがの尾形も心臓を刺されてはもう…。
しかも尾形は狙撃手なので将棋みたいに先の先を読んで有利に駒を進めることが得意なのであって
肉弾戦では杉元が圧倒的に有利だと思うんですよね。
出会ったときに杉元と取っ組み合っているけど不利を悟った尾形のほうが早々に離脱したし…。
しかも心臓に刀が刺さってるんですよ?それも背後から!
私は背中から刃物が貫通した経験はないですけど背中からいかれたら自力じゃ抜けないのでは?

尾形と杉元の因縁は語るまでもないですが
尾形は一度ならず二度も土方陣営に身を置いてもらっていたこともありますし
真意がわからない不気味さはありつつも土方陣営ではそれなりに仲良くやれていたと思うのですよね。
それが最終的に土方さんの得物でやられてしまうということは
「義」のある土方さん杉元からすると
自分のことしか考えず、人を騙し、都合良くすり寄ったり離れたりする、
(本当に猫ちゃんみたいなやつですね…)
そんな尾形とは相容れない…という意味合いになるんでしょうか。

土方さんも杉元も、もはや自分の利害なんぞではなくて、アイヌのために戦っているのですね。
土方さんは喧嘩がしたい、杉元はアシリパさんを守りたい。
大義と個人的な欲望がどちらも成り立っているのが、周囲に人がついてくる理由かなと思います。

土方さんには、ご本人も悔しいと語っておられたように、まだまだ走り続けてほしかったなぁ…。
一読者としても本当に悔しいです。
でも最後まで最高にかっこよかったです。

 

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ゴールデンカムイ第307話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第307話 ちんぽ先生

手投げ弾の爆発を一身に受けアシリパをかばった牛山は片腕がなくなっていた。
アシリパの支えもむなしく牛山はその巨体を床へ横たえた。

杉元はヒグマの姿を確認し慌てて引き返す。大勢の兵士もヒグマから逃れようと杉元に続く。

牛山の最期に涙するアシリパ。その傍らで、座席の下に置いていたはずの矢筒がないことに白石が気付いた。
矢筒は月島軍曹が手にしていた。デッキへ出て列車の屋根にいる鶴見中尉に手渡す。さらに戦闘をすべく月島軍曹を屋根へ引き上げようとする鶴見中尉だが、鯉登少尉が上着を掴んで月島軍曹を止めた。
強敵を排除し権利書も入手した月島軍曹の働きは充分だから解放してやってほしい――鯉登少尉の訴えに鶴見中尉は一体何を思ったのか。月島軍曹を連れていくことを諦め一人矢筒を持ち屋根の上を歩きだした。

ヒグマ騒ぎで後退してきた杉元はアシリパ白石と合流した。そこへ致命傷を受けたはずの土方歳三が剣を手にやって来た。第七師団の兵士を斬ってはいるが、かつての新撰組の仲間の名前を叫ぶなど明らかに様子がおかしい。やがて杉元を追って来たヒグマに向き合いその頭に斬撃を叩き込む。

 

到達と解放

牛山が召されるとき家永を思い出すの…本当にありがとうと言いたい…。
二人とも頂点を極めた生き様だったなと思います。
家永は母になるインカラマッに完璧さを見て助けることを決心した。
牛山はもともと不敗でしたがその強さが最も輝いたのはアシリパさんを守ったときだった。
しかも今回のサブタイトルが牛山なんですよ。ずるくない?
喧嘩で負けたことのない牛山は不敗のまま逝ってしまう…
白石の言う通り格好良すぎるんですって。
家永も欲望のまま生きる人かと思いきや最後は母と子を守って逝くだなんて…。
この二人はすごく印象深い役目の終え方でしたね。

鶴見中尉は月島軍曹を道連れにしたかったのかな。
鯉登少尉のことはもともと手放してやるつもりだったと思いますが
月島軍曹まで鯉登少尉側に引き込まれて自分の元を離れるとは思わなかった…
という衝撃と当てが外れたことによる多少の苛立ち…といったところでしょうか?
あの黒塗りの表情が気になりますねぇ…。
かたや月島軍曹はエンジンが焼き切れたかのように目を閉じています。
戦うため自分を無理やり鼓舞していたけどその必要がなくなってしまったので
力が抜けてへたりこんでしまった、というようなところでしょうか。
これにて月島軍曹と鯉登少尉のたらし込みの物語は本当に終了ですかね?
あと残るたらし込みは尾形…一番の難敵が鶴見中尉の前にいますね…。

土方さんはまだまだ京の街を走っていてちょっとだけホッとしました。
あのまま若い薩摩隼人に斬られて終わってしまう人ではないですよね。
最期に一花咲かせる人ですよね。
でも次回にヒグマにやられてしまうんでしょうか…?そんな土方さん見たくない…。
ヒグマの頭に剣戟って有効なの?教えてアシリパさん!

 

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第306話 特攻

列車に乗り込んだヒグマは兵士数人を一瞬のうちに葬り、銃剣による攻撃を受けてもなお兵士に食らいつき片付けてゆく。後方の杉元と前方のヒグマに挟まれ兵士の間では情報が錯そうしていたが、それでも数の優位は揺らがず、杉元は劣勢を強いられていた。

土方歳三が仕掛けた剣が顔を切り裂いても鯉登少尉はひるまなかった。土方歳三の愛刀・和泉守兼定は自顕流の初太刀を受けても折れるどころか鯉登少尉の剣を折ったが、鯉登少尉は折れた剣をそのまま振り下ろし、土方歳三の脳天に折れた剣が突き刺さった。

月島軍曹は列車の座席の下でどうにか手投げ弾の爆発をやり過ごしたが、牛山は強く、自分の命を犠牲にし牛山を道連れにするしかないと判断。牛山に飛びつき手投げ弾の撃針を叩き付けようとするが――
そこへ土方歳三との対決を終えた鯉登少尉が現れ爆発を止めようとしてしまう。近寄るなという月島軍曹の制止もきかず、二人とも牛山に吹き飛ばされてしまった。
そのときに月島軍曹の手にあった手投げ弾がアシリパと白石がもぐっている座席のほうへ飛んで行ってしまう。アシリパは咄嗟に手投げ弾に背を向け権利書を守るべく胸に抱え込んだが、牛山が身を盾にして爆発を受け止めた。

 

男子はいくつになっても剣が好き

土方さんと牛山の命運が決定した回でした。
今回の話の最終ページ。胸に迫るものがあってまだしっかりと噛み締められない…。
このページの持つ儚さとまだまだ夢が続いて新撰組として走り続けそうな奥行きは
私の拙い文章力では到底表現できるものではありませんが
このページについてはいつものザックリあらすじではなくて
ちょっと小説にしたいくらいですよ…
とにかく内側からほとばしる感情があって外に出さないといけないという衝動に駆られる。
そのくらいに今週号は影響の大きいお話でございました…

ここで鯉登少尉が退場というのもお話的にないかなと思ってはいたので
純粋な剣豪対決になって若くこれからを担うほうが勝利するという
様式美のある展開になるだろうなと思ってはいましたが…
土方さんはここで破れてしまうのですね…
悲しさもあるけれどそれよりも寂しいです。

新撰組副局長として幕末の江戸を駆け抜けた人が
明治の北海道で理想の国のため奔走している。
私にとって土方さんは二度の対戦を経てなおも不穏な情勢に怯える国を
少しでも良いものにしようという世直しヒーローのように見えていました。
土方さんがいれば大丈夫、という安心感がすごく大きかったんです。
それがなくなってしまって寂しいですし、支えを失った不安が一気に押し寄せてきて…
しかもさらに不敗を誇っていた牛山もその神話の終わりを迎えました。
情報戦も白兵戦も慣れていた、「先輩」ともとらえられる人たちがいなくなって、
残っているのはアシリパさんや杉元はじめ若い人たちです。
今週で世代交代が一気に進み、それでものすごく寂しい感じがあるのですよ私は。
先輩方の卒業に近いです。

土方さんも牛山も戦いの中で逝けたのは本望だろうなと思います。
土方さんは剣を振り回している中で、
牛山は女性をかばって。
どちらも最期まで立派な戦いぶりでした。

 

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第305話 迷い

列車内で剣をかまえ向き合う土方歳三と鯉登少尉。土方歳三は鯉登少尉にはまだ迷いがあると語る。死をも覚悟した剣術でないことは永倉新八にも私的されていた。
幼い頃に父より教えを受けた自顕流は、初太刀に全てを込める。あとのことは考えない。避けられるなどといった迷いを捨てるのだ。相手が強いほど迷いは伝わってしまう。
車両内には土方歳三らによって散々な被害を受けた部下たちがそこかしこに転がっていた。彼らのために、自分だけではないもっと多くの誰かのために、鯉登少尉は腹を決め剣を構える。

牛山と月島軍曹の戦いはまだ続いていた。投げ飛ばされた先にいた部下より手投げ弾を受け取った月島軍曹はそれを投げるが、撃針にショックを与えず受け止めた牛山。逆に投げ返され月島軍曹の至近距離で爆発してしまう。
その爆発音に土方歳三が視線を後方へやった刹那、鯉登少尉が全身全霊を乗せた初太刀を土方歳三へ叩き込む。土方歳三が足で銃剣を持ち上げその刃が頬に刺さっても鯉登少尉はひるまない。土方歳三は自顕流の重たい一の太刀を受けざるを得なかった。

杉元は2両目へ進んでいた。函館駅に着く前に一人でも多くの敵を減らしたい。
1両目では兵士たちが状況を把握すべく後方へ集まって2両目の様子をうかがっていたが、そこへ先頭からヒグマが列車内に乗り込んできた。

 

剣豪対決、着火

鯉登少尉の決意、かっこよかったですね!
たくさんの誰かを背負い戦う。自分のためではなくて誰かのため。
鯉登少尉が自らに課せられた使命を理解した瞬間ですね。
鶴見中尉に首ったけだった頃であれば鶴見中尉のために戦ったでしょうが
今の鯉登少尉は鶴見中尉ではなくて未来を見ています。
金塊争奪戦が終われば間違いなく鶴見中尉は今のままではいられない。
そうなったときに部下を守る。
そして今も土方歳三や牛山たちから部下を守る。
部下を守る、という上官であれば至極当然な動機ですが、
鯉登少尉は金塊争奪戦の中で鶴見中尉の様々なおこないや
月島軍曹をはじめとした周囲の人間の事情や動機を知り、
その自覚がめきめきと育ったのでしょう。
将校の家に生まれ父と兄の思いを受け継いだ人間が果たすべき使命を
果たすべく命をかけた一撃を放ちました。
それを受けた土方さんがどうなるのか、鯉登少尉もどうなるのか…
場数を踏んでいるぶん土方さんのほうが戦場で生き残るという点では秀でていますが
単純な剣術だけであれば幼少期より英才教育を受け若く力のある鯉登少尉が有利そうです。
さて、純粋な剣士対決となるのか、それともなんでもありの戦場作法が優勢となるのか、
どちらも大好きなキャラクターなのでできれば決着がついてほしくありませんが、
次週どのような決着になるのか見守りたいと思います…。

ヒグマは本当にヒグマだったんですね。何かの比喩かもしれないとも思いましたが。
前回だと出血しているような描写がありましたが汽車にはねられたのでしょうか?
それで乗り込んできているとすればモンスターですね…。
走っている汽車に乗り込んでいる時点でもかなりのモンスターですが。
これで敵がかなり減りそうですが杉元のライフもすごく減りそうですね。
ヒグマvs杉元、楽しみです。

 

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