ゴールデンカムイ第240話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

 

 

第240話 菊田特務曹長

札幌の娼婦殺しの現場で野次馬に扮する有古を見つけた菊田。菊田は鶴見中尉サイドの二重スパイとして土方陣営へもぐり込んでいるが、札幌にいるという報告が鶴見中尉には入っていなかった。報告しなかったのではなくできなかったのだと弁明する有古。今も近くに永倉新八がいるはずなので第七師団の人物と話しているところを見られては非常にまずい。ただでさえ鶴見中尉の元から逃げ出してきたという有古のことを土方歳三たちは疑っているのだ。
そんな有古に菊田は「俺につけ」と囁く。アイヌの父の志も、鶴見中尉の脅しも忘れろと。菊田が有古を誘うのには理由があった。菊田は中央政府のスパイだったのだ。土方歳三は北海道を独立させる。鶴見中尉は戦争を起こす。どちらについていっても行く末は破滅。今の有古が選ぼうとしている鶴見中尉へ従う道は最も過酷に思われた。なにせ中央政府は金塊を見つけたあとは鶴見中尉を用済みとして処分するつもりなのだから。

札幌の別の場所では土方陣営の面々が物売りなどに変装していた。夏太郎の新聞売り・土方さんの春の風物詩金魚売り・牛山と都丹の虚無僧・門倉の高野行人…そこには親孝行に扮する尾形の姿もあった。
娼婦殺し現場から戻った永倉新八・有古・石川啄木が合流し、事件の状況整理をする。この殺人事件はロンドンのジャック・ザ・リッパーを模倣したものだ。被害者が人体の一部を持ち去られている点、新聞社に犯行予告を送り付ける点。そして殺しの人数と頻度。一人目と二人目はひと月おきに、三人目四人目は一晩のうちに。ここまできれいにジャック・ザ・リッパーをなぞっているので結末も同じものになると予想された。ジャックの最後の犯行は四人目から四十日後に五人目を殺したこと。それを最後に消息を絶ってしまったのだ。つまりこの札幌の娼婦殺しの犯人も、あと四十日以内に接触できなければ、いずこかへ消えてしまう可能性が高い。

娼婦殺しの影でまた別の事件が起こっていた。札幌へ向かう杉元・アシリパさん・白石・海賊房太郎の一行は茨戸で新聞を見ながら話す。子どもが姿を消す事件で、一行が通ってきた街・江別では行方不明の子どもが三人もいた。子どもの誘拐犯と聞き海賊房太郎には思い当たる人物がいる。上エ地圭二(ウエジ ケイジ)、顔におかしな刺青を入れた、江別で出会ったあの飴売りだ。やはり彼は刺青人皮を持つ網走脱獄囚だったのだ。子どもの誘拐事件が起きた場所をたどると、上エ地も旭川から段々と札幌へ向かっていることがわかる。一方、鶴見中尉が札幌へ向かっているという電報を宇佐美は受け取り興奮していた。
土方陣営と第七師団、杉元一行そして刺青人皮の脱獄囚が集まる札幌。一堂に会したとき札幌で何が起きるのか?

 

菊田の綱渡り

菊田は中央政府のスパイだった…!彼がなぜ鶴見中尉についているのかわからなかったけれど、中央政府から送り込まれた刺客だったからなのか。ということは彼は鶴見中尉との特別なエピソードは特になく…。他の面々は鶴見中尉との濃厚なたらしこみエピソードがあり、有古は親族を人質に取られ、その中で特になんの繋がりも持たず近くにいる菊田ってものすごくあやしく見えそうで、鶴見中尉もマークしてそうな気がするけど…。
やはり中央も鶴見中尉をあえて泳がせていたんだね。そりゃ金塊は眉唾物だろうけど本当にあったら嬉しいし、鶴見中尉は飼い慣らせないだろうからそれなら好きに別行動してもらったほうが都合よさそうだものね。
さて鶴見中尉の札幌来訪は、菊田にとってはあまり都合が良くなさそうに見えるけれど、どうなのかな?

そしてそして、やはり刺青の囚人だった、上エ地。辞書登録しておきたいネーミング…。
子ども相手だとやばい匂いが何倍にも増す。こないだ出てきた男の子もおそらく…と思うと、ちょっとやるせない…。もうこれ以上犠牲者が出ないよう早めに杉元と再会してやりあってほしいよ。

最後、茨戸の用心棒編でお馴染み、山本理髪店が出てきたのはちょっと嬉しい。ケツアゴ署長はえらい目に遭ってたけどこの山本さんは無事なんだなー。土方陣営の中でややテンポのずれた気ままな猫ちゃんぶりを発揮する尾形はかわいいの一言…かわいい…。

 

 

 

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第239話 発射

札幌の娼婦殺し現場に現れた犯人と思われるシルクハットの男性と邂逅した、宇佐美菊田。先週の流れで、シルクハットの男と宇佐美はそれぞれの生殖器を露出ししごいている状態…宇佐美は右手で、シルクハットの男は左手で。そこからはなぜか射精対決。まず宇佐美が発射するもシルクハットの男が華麗な前転でこれをかわす。続いて犯人の発射。宇佐美も重量を感じさせない体術でかわし、発射対決は引き分け。
犯人が逃げ出したため菊田と宇佐美で挟み撃ちにすべく走り出すも、犯人が乗った馬に宇佐美がはねられ脱落。菊田の発砲が犯人のシルクハットを吹き飛ばし、さらに犯人に飛びつき馬に乗り、その後頭部に拳銃を突き付けた。勝った――かに見えたが、なんと犯人は馬上でも陰茎をしごいていた。そして背後で拳銃を持つ菊田に向け、発射。咄嗟に拳銃を握った手でガードするも間に合わず、菊田は犯人の射精を思いきり顔で受け止める。
菊田への顔射により無事に逃げおおせた犯人は、逃げながらもさらに二人の女性を手にかけていた――。

翌朝、女性の殺害現場には警察と新聞屋の石川啄木と野次馬たちが集まっていた。犯人はなぜ女性ばかりを殺すのか?昨夜の殺しはなぜおこなわれたのか?殺しの現場、つまり犯人にとっての「聖地」はどこまで増えるのか?謎は深まる一方だが、菊田は犯人の横顔と性器を目にしている。
もう一人の殺害現場のほうへ向かう際、菊田が野次馬に扮する有古力松一等卒に気付き話しかけた。鶴見中尉サイドの二重スパイとして土方陣営へもぐり込んでいるはずの有古。しかし鶴見中尉は有古が札幌にいることを知らない様子――菊田から有古が札幌にいると知らせを受け取った鶴見中尉は、部下を率いてついに札幌へ向かう。

 

変なにおいがしてきそうな話

文字に書き起こすとかなりアウトな感じなので変なコメントとかついたら嫌だなと思いながら書いてる…。
目に入った菊田は大丈夫なのかな。前回、宇佐美に触るな病気になると言っていたし、潔癖なのかどうなのか。まぁ菊田の反応が普通だと思うけど…。他人の精液は触らないし見たくもないよね…。

有古はなぜ鶴見中尉に動向を告げずにいたんだろう。鶴見中尉を裏切ったら家族が危ないというのに。その理由に有古なりの葛藤と決断があるのでしょう。次回以降このあたりを描いてもらえそうで楽しみだ。
鶴見中尉が札幌へやって来て、土方さんたちも札幌にいて、杉元たちも札幌を目指している。金塊争奪戦の関係者が一堂に会する!そろそろ物語も終盤かしら?締めが札幌というのもおさまりがいいような気がするし。
ということはあの隻眼山猫スナイパーも来るか…!

 

 

 

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第238話 好きな人に

海賊房太郎との戦闘がチョウザメの群れにより杉元の勝利という形に落ち着いた。しかし外輪を破壊されお冠の船長は、海賊と杉元一行を船から追い出す。
頭巾ちゃんことヴァシリが乗った小舟が追いつくまで船上では杉元と海賊の会話が繰り広げられた。「海賊房太郎と手を組もう」と言い出す杉元。しかし海賊の作戦にそのまま乗るのでなく、刺青人皮探しも続ける。なぜなら土方さん鶴見中尉、頭の切れるこの二人が刺青人皮を集めているという事実があるから。若山の親分は刺青の暗号は解けないと言っていたけれど、あの二人はそうではないと確信しているのかもしれない。今まで刺青人皮の情報量では圧倒的に不利だったが、埋蔵金の集積地を特定できるなら、この切れ者の二陣営を出し抜く起死回生のチャンスかもしれない。そのために海賊房太郎と手を組むのだ。

江別から札幌へ更に川を下る途中、「キテ」と呼ばれる道具を用いチョウザメを獲ったアシリパさん。「旬」のチョウザメの「脳みそ」という、アシリパさんが思う杉元の大好きな要素が二つも含まれた食事。
杉元とアシリパさんの関係を不思議に思った海賊が杉元に尋ねる。杉元は素っ気なく「北海道の案内人」と答えるが、海賊はアシリパさんに危険が及ぼうとしたときの杉元の怒り具合から、アシリパさんは杉元の大切な人だと思った、と言うと、チョウザメを獲るアシリパさんの耳は真っ赤になっていた。チョウザメの脳みそをしきりに杉元に食べさせようとするアシリパさんに海賊はさらに追い打ち。「アシリパちゃん、脳みそが好きなの?好きな人には自分の好きなものを好きになってほしいもんね」とアシリパさんの恋心をわざとつついて遊ぶ。
杉元一行+海賊房太郎がチョウザメの卵を食べていた頃、小樽にいるソフィアも仲間と魚卵を食べていた。こちらは豪快にウォッカと一緒に口の中に流し込むスタイルで。酒をあおり陽気に騒ぐ中、ふとソフィアは古びた写真を見てどこか遠くを睨みつける。ソフィアキロランケウイルクの三人が写った写真は明らかに長谷川さんの写真館で撮影されたものであり、隅のほうが焼け焦げていた。

杉元たちが向かう先の札幌では。宇佐美菊田が連続娼婦殺害事件の現場で犯人を探していた。犯人は現場に戻るという通説を信じていないわけではないが今ここを張り込みすることに疑問を感じる菊田。そんな菊田の懸念をよそに、宇佐美は自分のイチモツをしごき始めた――。しごきながら殺害現場をうろつき、建物や通りから見えず逃げ道の確保もできる「しっくりくる」場所を探り当てた宇佐美。そうして宇佐美は犯人の射精した痕跡を見つけ出し、精子の状態から、犯人が二日おきにこの現場に戻っており最後に来たのが二日前であること、つまり今夜またここへやって来ることを言い当てる。宇佐美が再度犯人の自慰を再現し犯人の特徴を割り出そうとしたそのとき、まさしく殺害現場で股間に手をやるシルクハットの人物が姿を現したのだった。

 

二人の繊細なところ

初め読んだとき後半のあまりの内容に前半のことは頭から吹っ飛んだ。こんなに堂々とシコシコするキャラクターがいる??しかも精子探偵って。ものすごい特技だな…。
札幌の娼婦殺しは、辺見ちゃんタイプの変人なのかな。人、それも女の人を手にかけることに興奮を覚える人。しかも現場に何度も戻ってシコシコしてることから、手にかけるときの刹那的な興奮でなくそのおこない自体に芸術性とかを感じるタイプかもしれない。宇佐美と娼婦殺し、シコシコしながらの邂逅なんて今後が楽しみな出会い方だ…。
そんな宇佐美とコンビを組むとかなり常識人に見えてくる菊田。まぁ実際あの第七師団の中では比較的マシなほうではなかろうか。月島軍曹みたいに奥底に抱えているものが激重で表に出さないだけかもしれないが。彼が鶴見中尉についてくる理由、つまりは過去が語られる日は来るんだろうか…。

土方さんと鶴見中尉が切れ者というのは散々見てきたので周知の通りという感じだけれど、海賊房太郎も肩を並べられるのでは?刺青人皮が役に立たないと聞き諦めるのではなく別の方法を探って見つけ出したし、何より出会ってすぐに杉元の持つ繊細で弱い部分を的確に突いてきた。今回のアシリパさんの件もそう。杉元とアシリパさんは海賊に弱点を知られてしまったも同然かもしれない…。それらを利用して二人を精神的に引き離して、金塊の分け前を少しでも増やそうとするかも。

網走監獄以降ずっと読者が気を揉んでいた杉元とアシリパさんが物理的に引き離された問題が解消され、金塊がかなり目前に迫ったというタイミングで、金塊争奪戦に身を置くことになった杉元とアシリパさんの根本的な問題をまた取り出してぶつけてくるの、野田先生は本当にお話の展開が上手いなと。
杉元もアシリパさんも、金塊を手に入れてどうするの?というのは疑問としてあり続けてる。杉元は梅ちゃんよりもアシリパさん優先、アシリパさんは民族の存続はもちろん考えているだろうけどそれより杉元と一緒にいることが目先の目的になってない?という。二人とも先をきちんと見て考えているのかな、というのはずっと気がかり。
これらもきれいに解消してくださると信じて、次のお話を待とう。

 

 

 

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第237話 水中息止め合戦

海賊房太郎から金塊探しのため手を組もうと申し出があったが、杉元白石はすぐには乗らない。彼曰く刺青人皮を集めても金塊にはたどり着けないということらしいが、杉元はただの噂に振り回されるべきでないと譲らない。
一方、海賊は船室内に置いてあった杉元の背嚢から、平太師匠の煙草入れを見つけていた。そこには平太が鑑定した砂金サンプルが入っており、その砂金サンプルを収集した当の本人である海賊はすぐにピンとくる。杉元たちも刺青人皮を使わず金塊を手に入れるルートを模索しており、そのため支笏湖に潜水した自分・海賊房太郎を探していたのだと。

やがて海賊は甲板へ戻り、杉元と白石へ協定申し出の分け前について問いかけた。納得がいかないか?と。
金塊の総量は20貫(75キロ)と伝えられているが、実際にその金塊を目にしたアイヌの老人の話を元に推測すると、その量は20貫を遥かに超えるという。浪漫あふれる話を聞かせ協力を促しているかのような海賊だったが、杉元と白石を撃つよう部下に指示を出していた。杉元と白石の背後に迫る銃口。
しかし撃たれる寸でのところでアシリパさんの矢がそれを止めた。船室にあった杉元の背嚢から平太の煙草入れが飛び出しているのを見て、海賊がそれを見たと察したのだ。背嚢の中を見られた、杉元と白石にそう伝えると再び海賊との戦闘が始まる。

船長が甲板のチンピラどもを振り落そうとわざと岸から伸びる木の枝にぶつかるよう舵を切った。目論見通り川へ落される杉元と海賊と、海賊の部下。海賊の部下は落ちた場所が悪く、蒸気船の外輪に巻き込まれ死亡。
落下即死亡は免れた杉元だが、水中では無敵の強さを誇る海賊相手では分が悪い。海賊に捕まえられ水底へ引きずられていく杉元。海賊を振り払おうとするももがけばもがくほど息が足りなくなる。助けに潜ってきた白石の酸素口移しも拒み、足を海賊に掴まれ絶体絶命かと思いきや――
そこへ現れた大量のチョウザメたち。近くを通りがかった一匹に剣を突き立てて引っ張ってもらう。なおも杉元の足を離さない海賊は、杉元と異なりまだ余裕がありそうだが、その長い髪が外輪に巻き込まれてしまう。
おかげで海賊が手を放し、水面へ顔を出せた杉元だが、すぐまた水中へ戻る。そこには体は巻き込まれまいと両足で船体を蹴り踏ん張る海賊がいた。巻き込まれた髪を引き抜こうとしている様子だがうまくいかないらしく、海賊とまで呼ばれた水中無敵の男も流石にここまでか、と思われたが。杉元が手にした剣で巻き込まれた海賊の髪を切りこれを救った。
当時の石狩川ではチョウザメが遡上したと言われており、江別の地名もアイヌ語の「チョウザメがたくさんいる」に由来しているようだ。

 

海賊の夢と人となり

なんとなくそんな気はしていたけれどやっぱり海賊さんは他の囚人と違って、出会って戦って皮剥いで終了!ではないんだね。刺青人皮がダメなら別のアプローチを、ってことで動き出していた人なので頭も切れるし、たしかにもっと活躍を見たいなと思っていたので、私は彼が生き残ってくれて本当にありがたい。

海賊さんは、杉元が平太の煙草入れを持っているのを、しかもその中にしっかり砂金の標本が入っているのを見て、こいつらは俺が支笏湖にダイブしたのを知っているんだなと察した、ということだよね。だから殺そうとしたんだな。
でも知っている人間を殺すということは、やはりそれが正解だから、ということ?間違っていたら泳がせておいたらいいよね、適当に調子を合わせておいて、使えるだけ使って。そして正解を知っている人間を殺すということは海賊もまだ見つけていないということかな…。それともすでに見つけていて、噂通りとんでもない量でどこにも移すことができないから近付く人間を始末していくしかないということ?

どちらにせよ海賊の協力は必要だと思うな。支笏湖に潜った人間でないとわからないことも、さらにアイヌの老人たちに聞き込んで回ったからこそ言えることもたくさんあると思うし。
でも強敵なので生き残っているとあとあと厄介かもね。分け前さえキッチリ渡せば恨みっこなしな性分のようにも思えるけど、強盗する人間だから奪えるものは奪いたいだろうし、杉元たちを殺そうとしたことからもできることなら独り占めしたいほうだと思うんだよね。
先週語られた彼の夢も、本当にそれだけが目的か?とちょっと疑い深くなってしまう。だって法の外で生きているような凶悪犯なんだから家族が疎まれるとかまったく彼に関係なさそう。過去はそうだったかもしれないけれど今の彼にその鎖が有効なのか?妻や子どもを持ったとして彼が強盗を辞め真っ当な社会で生きていく決意をするような人間か?と。先週話の感想を書きながらちょっとモヤモヤを感じてたのだけど、正体はこれかな。彼の生い立ちからは理解できたけども今彼がしていることと今後するであろうことを考えるとあまり釣り合わない感じがする…。

海賊が本音を語っているのかいないのか、なんにせよおそらく来週からまた金塊の真相に迫る展開になるだろうから、楽しみ。今はもう八合目くらいまで来てるのかな?頂上では何が待っているんだろうね。

 

 

 

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第236話 王様

海賊房太郎へ殴りかかった杉元。至近距離での戦闘に拳銃で応戦しようとする海賊だが、杉元の手が撃鉄を阻んだうえ拳銃自体も取り上げられる。さらにもう片方の手で杉元が剣を引き抜いたのを見て、海賊はその長い脚で杉元を蹴り飛ばし間合いを取った。
海賊と杉元が戦う下、船室では杉元の銃まで使い未だに無双状態にいる郵便配達人がいた。先週の話で見せた彼の射撃の腕はヴァシリによるもの。ヴァシリを乗せた小舟が離れてしまった今、郵便配達人の弾が誰かに当てることはないが、それでも郵便配達人によって仲間が撃たれて今の調子に乗っていると言っても過言ではない状態を許してしまっていることに、海賊の部下は苛立ちが隠せない。そこでアシリパさんの出番。弾切れの郵便配達人に、こっちに弾があると促し船室の外へ連れ出すと、郵便配達人の尻を蹴り川へ突き落した。杉元の銃はしっかり回収したうえで。丸腰になった郵便配達人はアシリパさんに言われるがまま川を泳いで逃げていった。

下の騒ぎを収拾させたアシリパさんが甲板の杉元に声をかけたのをきっかけに、杉元と海賊の戦闘は一時中断。海賊の部下からは郵便配達人が郵便物を置いて逃げたと、彼にとって見えたものを繋ぎ合わせた結果の報告が入り(実際はアシリパさんに蹴り落され逃げろと命じられたからなのだけど)、さらに白石も杉元を止めに入り、二人の戦闘はお互いそう重い結果を残さず終わった。

停戦後。白石が海賊に尋ねる。暗号は解けないとはどういうことかと。
海賊は一年ほど前にヤクザの親分・若山輝一郎に会っていた。彼の入れ墨を剥がすつもりで近付いたが、手下に囲まれ逆に身ぐるみ剥がされた状態に。そんな中で若山の親分が「入れ墨の暗号は解けない」と言ったのだ。
その理由はやはり、どこか誰も知らないところで死んで入れ墨の回収ができなくなったり、怪我や意図的な破壊などで入れ墨の判読ができなくなる可能性があるから、だ。
若山の親分は海賊房太郎を捕まえたにも関わらず入れ墨を剥がさなかった。このことは刺青人皮は役に立たないと強く確信していたからだろう。飴売りの「若山の親分のがっかりした顔もいい顔だった」という発言ともつじつまが合う。
海賊も金塊を狙っていたが若山の親分に会ってからは刺青人皮の収集を諦めていた。そこで白石の言うように、最初に金塊を隠した場所を探るルートへ切り替えた。海賊は隠し場所がわかったかどうかは明言せず、白石と杉元に手を組むことを提案する。

海賊の夢は、自分やその家族を疎む人がいない、自分の王国を作ることだった。温暖な東南アジアの島で果物貿易で暮らす日々。子どもをたくさん持ち、海賊の顔が刻印されたコインが流通する、海賊のための王国。
海賊は家族を疱瘡で失っていた。家族が疱瘡にかかれば自分もいつかかかるやもと日々怯えるし村からも疎ましがられる。だからこそ海賊自身が王になれば、家族が辛い目に遭うこともない。幼心に抱いたその夢のため生き残り金塊を探しているのだ。
杉元は金塊を手に入れ叶えたい夢はないのかと尋ねるが杉元からの返事はなかった。
やがて江別が近付いてきた。海賊は船室で未だ銃撃の恐怖から床に伏せている人たちへ向けて、騒いだお詫びに郵便の現金書留に手をつけるだけにする、と伝え、しっかり強盗の仕事を果たそうとする。そのとき開いていた杉元のカバンから覗く、平太師匠の煙草入れ。平太と行動を共にしていたはずの海賊がそれの中身を知らないはずもなく、海賊の目に留まる…。

さて、杉元は金塊を見つけたら自分のために何をするのか?
杉元の口からその答えは聞けなかったが、結核で家族を失ったからこそ海賊の語る過去と夢には思うところがあった。
杉元の記憶の中で、病床の父親は絶えず咳をしていた。縁側に出て黒猫を撫でながら、黒猫は結核を治すはずなのに治らないのはお前が滅多に帰ってこないからか、と語りかける杉元。療養所は空きが出ず治癒はとうに諦めた様子の父親に対し、杉元はどうするとも決断できずにいたらしかった。そんな息子に対し、自分の運命を悟った父親が言っていることはほぼ「父を見捨てろ」だ。父に似てお節介で優しい杉元にはあまりに酷だが、それをわかったうえでなお、自分のために生きることは悪いことではないからと言い聞かせる。
家族を見殺しにするような真似はしたくないがでも生きねばならない。覚悟を決め家を飛び出す杉元は結核のしがらみを断ち切るように言う。「俺は不死身だ」

 

狩りのあと

杉元のお父さん初登場!でも結核でもう長くはないんだね…。
杉元は優しいからこそお父さんはきっとああ言ったんだろうな。自分のために生きるのは悪くない、って。それでも杉元の中には罪悪感があったと思うけれど。だからこそ生き残っている数少ない昔馴染みのために金塊を探し始めたのではないかな…梅ちゃんのために。自分を知っている人のために何かしなければと思ったんだろうね。
しかし杉元の中の優先順位は今はきっとアシリパさんのほうが上に来てしまっているだろうし、もしアシリパさんやアイヌのほうが落ち着いて、無事梅ちゃんの目が良くなったとしても、じゃあそのあと杉元は「自分のために」何をするんだろう?そこはたしかによくわからない。その後は何か吹っ切れたように日本中を旅して悠々と暮らしてほしいななんて思ったこともあったけれど、梅ちゃんの幸せを見届けてアシリパさんたちの生活が平穏に続いていることを確認したら、急に一人になってどうするんだろう。アシリパさんのコタンで暮らすという選択肢もあるだろうけどその未来があまり見えないんだよなぁ。今はまだ。

杉元の今の原動力である「誰かのため」は、ゴールデンカムイの作中で度々良い方向転換として描かれていると思う。谷垣がフチやインカラマッのために鶴見中尉に背いたり、白石が杉元やアシリパさんのために樺太の旅続行を決めたり。「家族のため」という動機は父親としてとても自然で前向きで、非の打ち所がない。白石のようなケースは、本人の行為が直接的には還元されないだろうけど、白石はもともと一人で生きてきた男だしこれから一人でも大丈夫だろう。仲間のための行動に感謝されてその気持ちよさ清々しさは間違いなく本人にとってプラスになる。
でも杉元の場合は少し状況が違う。先も言った通り、梅ちゃんを救いたいのは、そうすることで寅次はもちろんのこと、家族を見殺しにしかできなかった自分の罪悪感からそうしたいのだと思う。罪悪感からもはや義務に近い意味の、「そうしなければいけない」。これはただマイナスを限りなくゼロにしたいだけだ。しかも、自分の罪悪感のために人を助けているのだから、自分のために人を使っているという気持ちが起きやすくて更に罪悪感を抱きそう…要するに罪悪感から来る行為は負のスパイラルにはまるだけで何も前進しない。
それに対しアシリパさんを助けたいという杉元の気持ちは、おそらく罪悪感からではないだろうから、それは良いことなのだろうと思う。恩を返すという意味もありそうだけれど、何より杉元はアシリパさんがこれまで通りの生活を送ってくれることを願っているから、これこそ真っ当な夢になるだろう。ただこれも先に言った通り、アシリパさんがアイヌらしい生活を送り続けるその景色の中に、杉元という青年はいない絵が思い浮かぶ。
杉元は優しいから、こんな未来が目に浮かぶ。
アシリパさんは間違いなく事が片付いたら杉元に一緒にこのコタンで暮らそうって提案をする。そしてそれを断るでもなく曖昧に濁して、皆で食事をした翌朝、アシリパさんが目を覚ますとすでに姿を消してる杉元。

多分、杉元が罪悪感を抱いたままだからなのだろうな…。梅ちゃんを救えたとしても父親を救えず自分だけが生き残ったという気持ちを抱えたまま、救えなかった人間は一人でいるべきなんだ、とか考えていそう。杉元が自分の家族・梅ちゃんとどう蹴りを付けるのかが杉元の今後を決めるのかもしれない…。

今の杉元は生きることに精一杯で、生きる今のその先にはまったく目が向いていないんだろう。狩りをする肉食獣みたいに。
動物ならそんな刹那的な生き方でもいいでしょうが、人間はなにかと「狩りのあと」を夢だなんだと言って語りたがるもの。でもそういう夢だとかいうのがあれば、きっとこのキャラクターは作品が終わってもその世界で夢を追って生き続けるはずだと読者側も信じられるわけで。杉元にも生涯夢を持ち続けてほしいなと思う。現実世界で夢を見るのが難しいからこそ余計にね。杉元が抱える悲しさや寂しさ、嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、そればかりでは遣る瀬ないから、彼がこれから少しでも多く幸せを感じられるといいな。

 

 

 

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こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

 

 

第235話 地獄の郵便配達人

杉元白石アシリパさんの乗る船に強盗をするため乗り込んできた海賊房太郎たちに軍の乗ったすれ違いの船が迫る。しかし船上で再会した白石と海賊はまだそれに気付いていない。顔見知りの白石が海賊から情報を引き出そうとするが、入れ墨を持つ囚人を早く始末したくて杉元はウズウズしている。
白石は正直に、金塊が最初に隠されていた場所を探っていると告げると、海賊は軽い調子でお前もか、と返す。しかし、互いの探し求める情報が同じでも、それがほしい事情は少し異なるようだった。海賊は言う。入れ墨の暗号はもう解けないという噂がある、と。
入れ墨の暗号を解いてアプローチするべく鶴見中尉率いる第七師団と争ったり、時には暗号を解く鍵のアシリパさんを探して手を組んだりしていた杉元たちにとっては、この噂が真相だとしたら、相当な驚きだ。

そこへ第七師団を乗せた上りの船が近付いてくると海賊の部下が告げる。杉元たちも万が一乗っているのが鶴見中尉の手下だとしたらかなりまずい。平静を装い船を進めさせようとする海賊たち。乗客が騒いだりして軍に気付かれないよう客室付近を銃を手にした部下たちが監視していたが、これがまずかった。当時の郵便配達人は拳銃で武装していたのだ。銀行ATMなどなかった時代、お金のやり取りには現金書留が頻繁に使われていたんだろう。
すれ違いざまにこやかに手など振り何事もなく上りの船が通り過ぎるのを待つ海賊一味と杉元白石だったが、郵便配達人が海賊の手下に向け発砲。部下を一人仕留めた。実際は同時に発砲したヴァシリが仕留めたのだが、誰がやったかはともかくとして、銃声で異変に気付いた船が戻ってくる。第七師団の軍人をわんさか乗せて。乗り移ろうと船を寄せられるが、海賊が舵を取り上り船の外輪に船首から体当たり。相手の移動手段を封じて無事に逃げ切るのに成功したが、その際に頭巾ちゃんことヴァシリの乗る小舟を繋いでいたロープが切れてしまう…。

第七師団は無事に振り切ったが次は同じ船の中の敵をどうにかしなければならない。ヴァシリの狙撃の腕に助けられた郵便配達人は、しかし海賊の部下の目には彼自身が三人も仕留めた厄介な郵便配達人に映る。郵便配達人を黙らせようとした海賊はなんと船の錨を振り回し始める。勢いをつけた錨は操舵室の下の階にある客室、つまり郵便配達人のいる船室へ窓を突き破り投げ込まれた。杉元が咄嗟にアシリパさんへ伏せるよう叫び、アシリパさんが配達人を伏せさせたので誰も怪我しなかったが、更に錨を回し二度目の船室への攻撃をしようとする海賊へ杉元の怒りが爆発。錨で殴られるのもなんのその、平手打ちくらいの軽さで受け流し、海賊の鳩尾へ渾身の拳を叩き込む。こうして杉元と海賊の肉弾戦が開始した。

 

半暴走杉元

ヴァシリは杉元たちと引き離されてしまったと思うけどどうするのかしら。どうにか上陸し馬で杉元たちのあとを追う?まさか第七師団のほうに乗せてもらうのは、ないよね…?ヴァシリの素性を知っている者がいるとは思わないけど(尾形は土方さんと札幌にいるはずだし月島軍曹たちはフチのコタン付近にいると思うし)……でも尾形が軍服を着ていたのを覚えていたら、同じ服を着た人たちのほうへ行ってしまうかな?ヴァシリは狙撃手対決で尾形に敗れてから、尾形を追って杉元たちと一緒に樺太から北海道まで来たんだよね。もしヴァシリが杉元たちと離れて行動し続けるのだとしたら、強力な戦力が離れてしまうのはとても惜しい。

杉元の「危ないだろ、アシリパさんが」はとてもいい!杉元とアシリパさんが相棒になって以来、杉元がアシリパさんを守る描写は何度も見ているけど、それの最新版だね。
初期の、どちらかといえば「子どもだから」「金塊を得るための協力者だから」という理由がまだある感じと違って、網走監獄以降はとにかく杉元に「アシリパさんは大切な人だから」という感情がハッキリ感じられるのがよい。樺太では暴走気味だったけれど今回のは純粋にアシリパさんを案じての怒りだろうな。でもここで海賊とやり合ったら情報が得られないかもしれないから、あとのことを考えないという意味では暴走に近いよね。

それにしても。
フィジカルだけで言えば入れ墨の囚人の中で最強と言っても差し支えなさそうな海賊さんと、素手の殴り合いで杉元は勝てるのか?白石が仲裁してくれるのか?はたまた置き去りにしたはずの上りの船から軍人たちが小舟に乗ってやって来て海賊相手どころじゃなくなるのか?

何より、入れ墨をすべて集めても暗号は解けないのか?
海賊は「もう」解けない、と言っているんだよね…。つまり暗号が作られた頃と何かが変わってしまって解けなくなった、ということか?
一番考えられるのは二十四枚すべてがもう揃わないということだと思うけど…。
その噂をあの土方さんが知っているのか知らないのかも気がかり。知らないはずはないのではと思うけど、土方さんは札幌で娼婦殺しの囚人を探している。ということは入れ墨を集め暗号を解いて金塊を手に入れようとしているということだと思う。ということは土方さんも暗号が解けないということを知らない…?まさか土方さんが知らない情報を他の囚人が知っているだなんて、そんなことがある…?
土方さんに夢見過ぎなのはともかくとして、もし暗号が解けないなら、先週の顔面変な入れ墨の物売りが言っていることもわかる気がする。彼は、杉元たちが入れ墨のことを聞いてきたので、入れ墨の暗号を探していると思ったはず。そこに、暗号は解けないという情報が組み合わされば、「入れ墨の暗号を解くことでは金塊へたどり着けない」ということになるのかな。

きっと、なぜ暗号が解けないのか、がかなり重要な情報なんだろうね。入れ墨フルコンができないからなのか、それとも別の理由なのか。
気になることが多すぎる…。

 

 

 

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第234話 蒸気船

謎の顔面入れ墨男を逃がしてしまい、連続殺人事件が起きている札幌へ向かうことにしたのか、石狩川を下ることにした杉元アシリパさん白石ヴァシリの四人。
石狩川は樺戸監獄へ物資を運ぶため舟運が発達していた。囚人たちにより川底の整備がおこなわれたのも大きく貢献している。そんな石狩川をくだり江別まで行けば、時間も体力もいたずらに消費せず札幌へ近づける。
外輪式蒸気船に乗り石狩川を進む三人。ちなみにヴァシリは蒸気船に連結された小舟に馬と一緒に乗っている。杉元やアシリパさんと距離を置くことで尾形が現れるのを待っているんだろう。
舟運は、陸路と違い自分たちで歩く必要もないし、船上ゆえ野生動物や悪人に怯える必要もそうない。アシリパさんのように船室で眠ることもできる。しかし船の外では異変が起こっていた。

海賊房太郎が杉元たちの乗る船を獲物に定めたのだ。アイヌから金塊絡みの情報を引き出すべく米を積み、懐が寂しくなった海賊は、得意の強盗を働こうと蒸気船の進路に小舟で立ちはだかる。
船長はじめ乗組員もこういう事態に覚えがないわけではない。石狩川では強盗被害の噂があった。手口はこう。小舟で汽船の横につけ乗り込み、乗客の金品や郵便物の現金書留を狙う。腰に銃をさしているのだから小舟の連中は間違いなく船を襲ってくるだろう。それであれば出鼻をくじくべき、そう判断した操舵者は舵を思いきり切り、小舟一艘に体当たりを仕掛けた。汽船にぶつかられては小舟はひとたまりもない。乗っていた強盗は川へ逃げ込んだ。
しかし運の悪いことに、親玉である海賊の乗る小舟ではないほうを体当たりで片付けてしまった。進路と位置関係からもう体当たりは使えない。手札を使い切った蒸気船は、今度は乗組員が金づちを手にし、船に向かってくる強盗どもが頭を水から出したらかち割る、と息巻く。でも海賊房太郎には金づちを恐れる必要はない。水から頭を出したところを心配する必要なんてないのだ。なぜなら水から一気に全身を出せるから。大きな足で水をかき、大砲みたいに自分自身を空中に発射し、一気に船の甲板に降り立つ。操舵者に船を止めるよう銃を突きつける――。

そこへ現れた白石と杉元。白石と海賊は網走監獄での顔見知りで、久々の再会に互いに名前を呼び合うが、この状況で名前を知っているということは、船員からすれば杉元と白石も、今この船を襲っている海賊房太郎の仲間であるように見える、ということ。グルだと勘違いした船員は杉元に掴みかかるが、その船員に海賊の銃が向けられていると杉元が気付き、撃たれてはいかんとやむを得ず船員を川へ投げ落とす。二人も船員を投げ落とした杉元を見て、白石の優秀な子分だと思う海賊。
船員が落ちていったことで船室内の乗客たちも明らかに異常事態と気付くが、さらなる事態が起ころうとしていた。進行方向からやってきた上りの蒸気船に、兵隊が乗っていることに海賊の子分たちが気付いたのだ。強盗するため乗り込んでいるところを見られては間違いなくお縄になる……さてこのピンチを海賊はどう切り抜けるつもりなのか?

 

イルカの房太郎

海賊さんの身体能力すごすぎない?イルカショーのイルカさんみたい。水生生物並みの射出力って、全身ほぼ筋肉なのでは…。
出会ったら即戦闘かと思ってたので、白石と海賊が出会ったときに海賊さんが楽しそうな表情を見せたのはちょっと意外。もしかして利害の一致からしばらく手を組む展開もあり得る…?
奪った金品で更にでかい金塊を狙い、そのために更に強盗するぜ!という気持ちのいい悪党っぷりを見せてくれた海賊房太郎。でかくて強くて男前で、もっと活躍を見たい!だから手を組むのは大歓迎。杉元は海賊のこと絶対に信用しないだろうしアシリパさんのこと守りたいからって海賊さんに敵意丸出しで、またヒリヒリした空気のパーティーになるのも見たい気がする。あと海賊から網走監獄での話とか色々聞けそうだし!

今回は杉元ありがとうとすごく思ったよ。時に世界観を伝えたり展開上仕方なかったりとか色々な理由があるだろうけども、それでも私は一般人が自らの意思に関係なく巻き込まれて死んだり怪我したり大切なものを失くしたりするのを見るのがけっこう心のダメージになるので…船員が撃たれないよう川に投げ入れてくれて杉元ありがとう優しい子になったね…と言いたい。
一般人を守る杉元って、私の記憶が薄れてるだけかもだけど、今まであまり見なかった気がする。巻き込まないよう配慮を見せる場面はあった気もするけども、こうしてわざわざ助けるような真似をするのは見なかったような気がするな。
川に落とされた船員さんたち、海賊の子分や上り船の兵隊との戦いの餌食にならないといいな…。

すっかり忘れてたけどヴァシリいたんだよね。前回はどこで待機してたんだろ…。

 

 

 

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正当進化したデジモン:デジモン映画ラスエボ感想

こんにちは、うたげです。
今日はせっかく映画を久々に映画館で見たので、感想を書いてみよう。
作品はブログタイトルの通り、デジモン。正式には『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』。通称、ラスエボ
かつてのテレビアニメリアルタイム世代の目にはどう映ったかな?

デジモンシリーズ全て追っているわけじゃない人間が思ったことを書き散らしているだけなので、熱心なファンの方の肌には合わない部分が多いと思う。
何か嫌なものを感じたら読むのをやめるのをおすすめします。要するに「私のデジモン観」なので。

 

デジモンって?

このブログを訪ねてくれる人は同年代が多いのでは、というネットを通した偏った見方を私も持っているので、おそらくこのコンテンツについてはあまり解説の必要がないんじゃないかなと思う。
一応、デジモンとは何ぞや、ということについて軽く触れておくけれど、実は私もそう詳しくないので、まぁこのくらいの思い入れでも見れる作品なんだな、と思ってもらえれば幸い。
”映画館まで交通費と時間をかけて出向いてちょっと豪勢な昼食一回分くらいのお金を払って二時間程拘束される遊び”に対してハードルが少しでも下がればな、という願いもある。

さて、私の記憶では、デジモンはポケモンの少しあとに発売されたゲームだ。
ポケモンは言わずもがな。モンスターを収集して・育てて・戦わせる、という、虫取り遊びに通じる普遍的な要素で少年少女の心をガッチリ掴み、今でも拡張を続けている、もはやそれ自体モンスターとも呼べる、超巨大コンテンツだ。

そうしてポケモンが大流行する中、少し似た要素のゲームが発売された。それがデジモンだ。
モンスターを育てて戦わせるのも、モンスターが進化するのも同じだ。ポケモンにすっかりはまっていた当時小学生の私はデジモンのゲームは買わなかった。小学生ゆえに買えるゲームは限られていたし、ゲームボーイとかメジャーなハードでは出なかった覚えがある……思えばこの頃からゲームハード争いにしっかり巻き込まれていたんだな。
だからデジモンのゲームの細部は正直よく知らないのだけれど、ポケモンがその世界を旅するアドベンチャー感があったのに対し、デジモンはそういうのがあまりなかったように思う。画面を通してモンスターのお世話をして戦わせて、という感じだったような記憶がある。当時、現実世界の草むらからピカチュウが飛び出して来ないかな~と好きな世界が現実へやって来ることを夢見ていた小学生には、そのデジモンのこざっぱりとした、距離感のある世界観はかなりドライに映ったんだと思う。

デジモンのゲームに対する思い入れはこんなものだけれど、ある日大変なことが起こった。デジモンのテレビアニメが始まったのだ。その頃の小学生の情報源なんてコロコロコミックか同級生との会話くらいしかなかったので、コロコロの宣伝に乗せられて、当然初回から見る。で、結果、すっかりデジモンにハマる。
当然あれから二十年くらい経った2020年に続編映画が公開されるくらいなので、テレビアニメシリーズの出来はかなり良かったんだと思う。小学生も夢中で見ていたし、今も名作として挙げる人もいるくらいだから、間違いない。

デジモンアニメといえば劇場版第一弾を思い出す人が多いと思うけど、私はテレビアニメシリーズが好きだった。
もう初回からポケモンとは様子がまるで違うんだよね。ポケモンとの対比ばっかりでポケモンにもデジモンにも申し訳ないし、これさっきも言ったけど、ポケモンはその世界に生きる一人として私たちはその世界観の中に入っていくの。アニメ主人公のサトシだってポケモン世界の中で生まれて生活している。
それに対してデジモンは、デジタルワールドって異世界でのお話なんだよね。選ばれし子どもとしてデジタルワールドへやってきた太一たちは、元いた世界とは違う世界に最初すごく戸惑う。そこで初めて会った仲間と一緒に旅をしないといけないし、何でも知っていて守ってくれる大人もいないし、デジモンなんていう生き物とも協力しないといけないし。
ポケモンのひたすらに明るくて懐の広い世界観に比べて、デジモンはほろ苦い始まり方。遥か昔からいわゆる異世界ものってあると思うけど、今思えばその王道だったんだよね。かつては漂流して流れ着いた島での冒険、今や異世界転生、デジモンはデジタルワールドへ呼び寄せられる形。たまたまその場に居合わせただけという人たちとぶつかったり手を取り合ったりして困難に立ち向かう、というお話の流れとしては異世界転生ものは少し外れている気がするけれど、とにかくデジモンは王道中の王道の設定だったんだ。

で、始まりがほろ苦ければ、当然終わりもほろ苦い。太一たちは元いた世界へ帰らなくちゃいけない。でもデジタルワールドで数々の経験をして、デジタルワールドの住人と芽生えた友情もある。その友情はお互いの胸にしまっておいて、別々の世界で生きないといけない。涙ながらに別れを惜しむ太一たちとデジモンたち。
最終回の持つ意味はたぶん当時の私にはうまく咀嚼できなかったと思うけど、それでも記憶にあの場面が残っているので、何か心に響くものがあったんだろうな。列車に乗って現実世界へ戻るとき、ミミちゃんのウェスタンハットが風で巻き上げられるシーンがあったような気がする。……完全に私の妄想で、思い出を捏造していたらどうしよう。。

 

大人になったかつての主人公

細部は覚えていないけど、最終回のシーンはなんとなく覚えているし、せっかくだから見てみるか。
そんな軽い気持ちで見に行ったラスエボ
何の予備知識も入れずに行ったのでびっくりの連続だった。

まずデジタルワールドと現実世界が気軽に行ったり来たりできるようになってて、これは一番びっくりした。
だってこれができるならテレビアニメシリーズ最終回のあの涙は何だったんだ?って話じゃん!でもそこは受け入れる。だって私ももう大人だし、一生会えないよりご都合主義と言われようと会いたい人と会いたいときに会えるほうがいい。
あとやっぱりデジモンシリーズにそこまでお熱だったわけじゃないので、私が覚えていない知らないだけで、実はもともと健在だった設定とかもあるんだろうな。今回の映画で登場するまで、太一たち無印シリーズの、次のシリーズがあったことも忘れてたし。

物語には始まりが必要なわけで、この映画の起承転結でいう「起」は、太一とヤマトが困難に直面することだ。熱血で単純な太一と、クールなヤマト。性格は少年のときからあまり変わっていなさそう。この正反対がゆえに良いコンビだった二人が、まさかホルモン屋でビールを飲むなんて。正直かなりびっくりした。
だって私の記憶の中では、二人はヒーローだったわけ。アグモンとガブモンは主人公補正でかなり強い進化をして、それでデジタルワールドでの危機を何度もくぐり抜けて…。その二人が、小さな七輪を挟んで、一杯380円であろう生中をあおっている。このシーンだけで想像力豊かでデジモンにかなりの思い出補正がかかっている私には十分すぎる情報量。
それなのに太一ときたら、おそらく大学四年生の夏だというのに就活をまっっったくしていない。それどころか卒論も手をつけてすらいない。お前はいつぞやの私か!と記憶のかなり奥底にしまいたい部分を抉られて、急に想定外の深いダメージを受けてうまく息ができないでいるところにトドメのヤマト。ヤマトのほうは大学院に進学する予定だけど、それもモラトリアム延長のためといったところ。典型的なダメ大学生になったかつてのデジタルワールドの英雄二人。つらい。つらすぎる。これ、大人なら誰が見てもそれなりにダメージ受けるんじゃないだろうか…。見る側の共感を得るには十分すぎて余りある設定には容赦がなくて、びっくり。

でも他のメンバーはわりとうまく人生を送っている。私はここがミソと思う。
太一とヤマトは人生にかなりつまづいてる。たぶんこのうまくいかない現実にぶつかるっていうのが、大人になり始めるってことなんだろうな、と解釈してる。
ミミちゃんたちみたいに自分の夢を叶えて突き進んでいる人は、現実との摩擦が少ない。でも太一とヤマトは、自分が何をしたいのかもよくわからず、だから現実との摩擦がものすごく大きい。何をすべきかなんてわからないのに時間は無情に選択を迫る。そこでこの二人は大人の世界へ片足を突っ込んでしまうんだろう。だからパートナー関係解消のタイムリミットも、仲間たちのうちで二人だけに訪れたんだと私は思っている。

持論じゃないけど、少年時代に活躍をした人は他の分野でもひとかどの成功を収めるものと思ってたのだけど、選ばれし子どもはそうじゃないのね。デジタルワールドでの冒険でしか輝けないならなんとも残酷な選定だな…。神童も二十歳過ぎれば……ってやつみたい。デジタルワールドでの活躍が特に目覚ましかった二人が一番人生につまづくなんて、リアルすぎませんか制作陣さん。

 

真っ直ぐなストーリー

ここまで太一とヤマトがどういう青年に成長していてそれがいかに見る者のハートに大打撃を与えるかを書いてきたけども、ストーリー自体はとっても王道。今時珍しすぎて逆に新鮮さを覚えるくらいにど真ん中ストレート。
あんまり書いちゃうとこれから見る人の感動を削いじゃうかもしれないので詳細は触れないけど、変に狙って捻りまくって意味がわかりにくい、ということもないので、安心して見られる作品。

太一とヤマトのための物語と言っても過言でなく、清々しいくらいに他のメンバーは見せ場がないけれど、おかげでメッセージはかなりシンプルに投げ込まれてくる。

ぶっちゃけ現実なんて本当に思うようにいかない。少年時代の冒険が輝いていればいるだけ、目の前にある”将来”ってものがくすんで見える、というよりまったく見えない。見えないから不安で仕方ない。進みたくない、輝く思い出にひたっていたい。それでも、生きている限り前に進んでいかなきゃいけないんだ。

そんな恥ずかしくなるくらいに青臭い太一たちのメッセージ、涙腺が年々緩くなるアラサーには本当にいけない。こんなこと伝えられて泣かないわけがなかろう!!
映画が終わって明るくなるとき、急いでマスクをつけてその流れで目元の涙を拭って、できるだけ下を向きながら映画館を出たけど、周りからもすすり泣く声が聞こえたのでみんなみんな太一たちのメッセージを受け取ったんだろうな。

ちなみに私が見ていないだけで他のメンバーについての物語も色々あるみたい。動画配信とか。このあたり映画一本で完結しないのは、今のプロモーション手法としては常とうなのだろうけど、全部見る!!って意気込みがないといけないのは少し負担だよね。
でも私みたいに関連作品をあまり知らなくても十分に楽しめる映画なのは間違いない。現に映画だけでボロ泣きして、色々記憶が蘇って、こうして今ブログ書いてる人間がいるわけだし。

 

思い出をきれいにまとめて

デジモン映画の復活に、ネットでは賛否両論あったのを知ってるからか、より強くこう思う。

好きだったコンテンツを正当進化させてくれてありがとう、と。

しつこいけどもデジモンとポケモンは、似ているようでいて、実はまったく違う。デジモンはあくまでデジタルワールドという別世界での話で、現実世界の主人公たちはしっかり年を取っているし、世代交代もする。サトシはずっと子どもたちの代理冒険者だけど、太一たちは今やアラサーになった私たちと同じで、大人になってしまったのだ。
だからこそ、子ども向けのコンテンツなのかそれとも懐古主義の大人に向けたものなのかがハッキリせず、賛否両論を巻き起こしてしまったんだろうなぁ、と思うけど…。

大人向けにはこの映画でしっかり太一たちの物語を一旦締めてあげて、子ども向けにはまた新しいテレビアニメを始めればいいじゃない。
かつて選ばれし子どもだった者たちに向けた、区切りの作品になったと思う。一区切りつけられる正当進化だったと私は思う。ちゃんと終わらせてくれたから、しっかり前に進みたいものだ。

 

 

 

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第233話 飴売り

歌志内の町で刺青の囚人を探す杉元白石アシリパさん。聞いた話ではそいつは物売りに扮装しているとか。しかし杉元たちが追う海賊房太郎は強盗殺人を犯した凶悪犯。金塊にたどり着くのにそんな回りくどいことをする必要はない。だから歌志内で目撃されたという、変な入れ墨の男は海賊房太郎ではない…。白石にも飴売りで心当たりのある囚人はわからない。たくさんいた網走監獄の囚人全員の顔を白石が把握しているわけではなかった。ただ、白石は監獄で有名人で、相手のほうが、こいつは白石だとわかってしまう可能性はある。
遊んでいる子どもに、変な入れ墨がある物売りを見たことないか?と尋ねると、あっちにいると即答してくれた。まるで、変な入れ墨、というのがそいつの生まれたときからの名前みたいに、すんなり存在も居場所も特定できた。

子どもに教えてもらった飴売りは、先週出てきたドレッドヘアーのような髪型の男だった。炭鉱で掘られた鉱物を運ぶであろうトロッコの線路の上を歩いている男の顔には紙がかかっており、穴の開いた部分から覗く目でしか表情を窺い知ることができない。そいつはちらりと白石を一瞥したあと、首から下げた箱で首掛け芝居を見せ白石をからかった。
本題に入る。変わった入れ墨を彫っていると聞いた、と白石が言えば、その男は顔を覆い隠していた紙をめくりあげて、その下に広がっていた無秩序な入れ墨を見せつけた。顔面をほぼ埋め尽くしている入れ墨を、全て自分で彫ったという。植物の図案やアイヌの伝統的な模様のようにも見える入れ墨、鼻に走る十字型の入れ墨など様々な種類があるが、最も目を引くのは額の漢字。「悪」は読めるが右目の上のほうは、果たして「犬」なのか?点の位置が違うが…。
おかしな入れ墨といえばたしかにおかしいが、しかし杉元たちが探している金塊の暗号の入れ墨ではない。期待を裏切られた杉元の表情を見て男は口元を抑えて肩を震わせて笑っていた。良い顔だ、と。

こいつはお目当ての囚人ではないと結論付けた杉元たちが次の行先について話し始め、顔面入れ墨の飴売りは背を向けて立ち去ろうとした。その際に「若山の親分のがっかりした顔もいい顔だった」とこぼしたのをアシリパさんの耳が拾った。若山の親分はもちろん刺青の囚人の一人。その親分を知っているということはこいつも網走監獄の囚人――そう思ったであろうアシリパさんの心を読んだかのように、金塊という言葉を発した顔面入れ墨の男は、しかし走るトロッコに乗っているのか声は聞こえど姿は見えず捕まえることもできなかった。

一方、海賊房太郎は、徳富川近くのアイヌ集落を訪れていた。兄が金塊に関わっていたという老人から情報を引き出すためだ。この老翁は、彼の兄を殺した人物が金塊を移した場所を知っていると言う。海賊房太郎は、確証を得たいのか平太の鑑別した砂金の産地の答え合わせを老人に求めた。平太の鑑別結果とまったく同じ川の名を口にする翁に、海賊房太郎は更に問う。砂金はどこに集められたのか?と。

 

厄介な囚人×2

やはり飴売りも囚人だった!しかしこれまでの囚人のように、杉元たちが暗号の刺青を探していると知ったらすぐ戦いになったりせず、まるでおちょくるようにぬるりと逃げられてしまったので、かなり厄介そうな相手だな。
彼の顔は今回初めて見たけど、やはり日本人離れした雰囲気があると思う。眉毛がないせいかな…。髪型もレゲェ感あるせいかな?
自分で彫ったという入れ墨も和洋折衷というか統一感のないように見える。おでこに漢字の入れ墨、しかも「悪」ってなかなかやらないよね…悪人ですって主張してるようなものだし…囚人だから間違いではないけども…。思春期反抗期ならやり兼ねないけどもそんな幼い年齢でもないだろうしなぁ。そうなると漢字の入れ墨を彫るのって、漢字への憧れがある、日本文化で生まれ育っていない人だからじゃないかなと思うんだよね。だから「犬」も点の位置が違うとか…まぁこれは早合点すぎるかな!でも好き勝手書くブログだからね!

金塊は見つけられないって彼の最後の台詞は、金塊の在り処を知っている人間か、半生を使って探し回ったけれども見つけるのは不可能だと悟った人間くらいにしか吐けないよね。こいつはもしかして海賊房太郎と繋がっているのかな?海賊が金塊にたどり着こうとしているのを知っているから、海賊が全てかっさらう=出遅れている杉元たちには絶対に見つけられない、ということを言っているのかもしれない。海賊との繋がりはわからないにしても、金塊については杉元たちがまだ知らない情報を持っている可能性がかなり高い。

厄介な囚人と言えば海賊房太郎。こいつはすでに金塊に王手と言える位置にいて、他の誰よりも近付いていそうで、頭の切れ具合・行動力が他の囚人に比べて桁外れ。恐ろしい相手だ。先週も書いたけど、今回金塊への距離で言えば一番早くから活動していた鶴見中尉や土方さんより近い位置にいるくらい頭が回って、水中では無敵を誇る身体能力、この二つが組み合わさったら作中最も手ごわい囚人になるのは間違いないよね。やはり海賊との戦闘は水中戦になるのかな?辺見ちゃん以来の水中での戦いだねぇ…。

 

 

 

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今回からですます調をやめてみるよ。ですます調はやたら文字数が増えてしまうからね。

 

 

第232話 家族

インカラマッが無事お産を終え谷垣娘の誕生に涙するというこの世で最も祝福されるべき空気のコタンの外では、鯉登少尉月島軍曹フチたちの見張りに遣わされていた兵士に灸を据えていた。この兵士はオソマ父が毎晩酒を飲ませて酔い潰していたので、今回のお産もまったく気付いていないようだ…。鶴見中尉には黙っていてやるから(知れたらおそらく命がない)、これまで通り「問題なし」と報告を続けろ、と鯉登少尉は言い渡す。

赤ん坊が生まれた直後と思えない会話は更に続く。鯉登少尉は鶴見中尉にはまだ誰にも語っていない本当の目的があるような気がしているが、月島軍曹にはそんなものがあるかもあやしく思える。
けれど月島軍曹は一度あるものを目にしていた。鶴見中尉が指の骨を眺めているのを。骨は二本、一本は鶴見中尉の指関節程度の長さなので大人のもの。もう一本は小指のものにしても小さいので子ども、それもかなり幼い赤ん坊のもの?鶴見中尉が指の骨を眺める(あるいは撫でたりしていたのかも)光景がなぜだか記憶に残っている月島軍曹だけれど、それが金塊争奪戦とどう結びつくのかはまだ月島軍曹にはわからない。
目的はわからないけれど、鶴見中尉を前向きに信じると決めている鯉登少尉。その鯉登少尉をおそらく信じることにしたであろう月島軍曹。月島軍曹はしばらくぶりに僅かにほほ笑んだように見えた。

インカラマッのお産より一週間後。谷垣とインカラマッはフチのコタンを去る。鯉登少尉は鶴見中尉に、二人には逃げられたと報告するつもりだ。去り際、インカラマッは月島軍曹の大切な人の居場所の占い結果を伝えようとするも――月島軍曹は必要ないと断った。

さて札幌では。菊田特務曹長宇佐美一等兵が斥候として街を探っていた。225話で明かされた娼婦殺しの囚人を追って。鶴見中尉配下の二人がいる近くにキラウシ門倉がいるけれど……門倉は強運で宇佐美と顔を合わせずにニアミスで済む。でも宇佐美は門倉は網走で死んだと思っているらしい。
札幌には土方陣営も来ていた。土方さん尾形も街を探る。鶴見中尉の兵士はもちろん月寒の師団が遊びに来る可能性も高いのが札幌の花街。油断はできない。

一方、杉元たちは空知川流域のアイヌ集落で聞き込みを続けていた。224話で白石が話した通り、金塊の最初の隠し場所を探り何か新情報を掴んでいるかもしれない海賊房太郎に会うためだ。そしてついに歌志内の炭鉱付近でヤクザのモンモンではない入れ墨の男を見たという証言を得る。しかもそいつは物売りで飴を売っていたという。
場所は移って歌志内のとある炭鉱の町。物売りが幼い少年に飴の味見を勧めた。しかし少年の手に乗せられたのは石炭。戸惑う少年の表情を「いい顔」と喜ぶ物売りの髪型は、まるでドレッドヘアーのように見える……。飴より良いものをあげるからと少年を森へ連れ込むこの男が、杉元たちがこれから会う囚人なのか?

 

月島軍曹の道理

鶴見中尉はやっぱりロシアで亡くなった奥さんと子どものことをずっと思っていたんだなーと思える回。
間違いなく妻子の指の骨だと思うんだよね……。でもその二人を失ったことと金塊はどう繋がるのかな?個人的な復讐?その目的だった場合、鯉登少尉はどう思うかな。鶴見中尉の進む道が皆を幸せにするのが一番いいけれど、じゃあ鶴見中尉の妻子のために皆が犠牲になるのはいいの?鯉登少尉の言う「同胞のために身命を賭して」というのも、お国のためとかそういう大義名分がある前提での話だと思うので、やはり鶴見中尉の本当の目的が明らかになるときがかなり大きな分かれ目になるんだろうな。鯉登少尉の。
とはいえ今回の描写は「鶴見中尉にも大切な人がいた」ということだけで、それが目的になるのかはわからないけどね。わかりやすく結びつけるとしたら「復讐」だけれど、奥さんを直接的に撃った可能性が一番高いのはおそらくソフィア。他の二人はすでに死んでしまった。ウイルクたちがアシリパさんに託した夢を打ち砕くことで復讐を果たそうとしているのかしら?もうわからないことだらけ……。

月島軍曹は今回少し救われたんだと思う!前向きな鯉登少尉に照らされる月島軍曹、すごくよかった。
今まで鶴見中尉の命令は絶対で、疑問を持つことすら許されず(というよりも自ら拒んで?)、至極忠実に職務を全うしてきた月島軍曹。一方、妄信的に見えた鯉登少尉でさえ己の信念を持っていて、己の正義に反するならば鶴見中尉の命に背くこともするかもしれないという覚悟を持っている。鯉登少尉の持つ正義に触れて、月島軍曹も自分の中の正義や信念といったものを思い出したんだと思う。それに反するとは言い切れないけれど納得し切っていない自分に気が付いた。
言うなれば自分の本心を押し殺していたんだよね。月島軍曹の中では、鶴見中尉を絶対として忠実に従うことで、自分の本心から目を逸らす「道理」としていたわけだ。(「道理」については215話の感想で少し書いてます!)
それを解き放ったのが鯉登少尉で、きっとこの先鶴見中尉の本当の目的とやらが明らかになったとき、今度は鯉登少尉が葛藤するんだろうけど、そのときには月島軍曹が鯉登少尉の助けになるんだろうな。そうなってほしいな。
月島軍曹はこれから何かしらの形でいご草ちゃんを探すかな?それは鶴見中尉との対峙を意味すると思うけれど、月島軍曹が納得できるようにしてほしいと思う。鶴見中尉もそうなんだけど、みんな辛い目に遭いすぎだよ……。少しでも報われてほしいからいごちゃんには実は生きていて、お金持ちの家に嫁いで何不自由なく、月島軍曹が安心して自分だけの人生を歩めるくらい、幸せに過ごしていてほしい……。

なかなか際どい内容の多い作品だと理解してはいるけれど、それでも幼い子どもが何かひどい目に遭うのは本当に本当に心が痛むので、歌志内の囚人よ頼むからその子に何もしないでくれ~!!
ところで彼の髪型、ドレッドヘアーなのかな。帽子もあまり作中で見慣れないニット帽みたいなものだけど、日本人じゃない?そうだとすると札幌の娼婦殺しっぽい囚人が日本人じゃなさそうなんだけれど、札幌と歌志内、同じ囚人ということはないかな……。

さて今週もとても面白かった。谷垣とインカラマッと娘さん、三人が幸せに暮らせますように。

 

 

 

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