ゴールデンカムイ第256話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第256話 篤四郎さんの一番

尾形に腹を撃たれた宇佐美は階段を転げ落ちた。とどめを刺そうと弾丸を込めた尾形が宇佐美が転がり落ちた先を見ると、そこには血痕が残るのみで宇佐美の姿はない。宇佐美は腹を押さえながら階段を下り、鶴見中尉にあることを伝える使命感から動いていた。

上エ地は消防の長いはしごを手に入れていた。登っている火消しの持つホースを掴み引っ張ると、麦酒工場で最も高いであろう煙突に無理やり立てかけ煙突の天辺に向けはしごを登り始めた。

宇佐美は鶴見中尉のもとへ急ぐため馬を走らせた。尾形のいる建物からは死角になる位置へ曲がる。奇しくもそのタイミングは、杉元マイケル・オストログを窓から蹴落としたときだった。尾形のいる場所から、杉元の一撃により破れた窓を真っ直ぐ撃ち抜くことができれば、宇佐美が曲がる方向にある窓へ対角線上に抜け、宇佐美まで弾丸を届けることができる。しかしそんな髪の毛一本の隙間を縫うような芸当が、片目を失った尾形にできるのか?
そんなものは杞憂だった。尾形の放った弾丸は、狙い通りの軌道をたどり宇佐美の心臓を背面から貫通した。宇佐美は馬上から落ち――鶴見中尉に抱き留められた。尾形の狙撃は確かに成功したのだ。

鶴見中尉の腕の中。宇佐美にとっては天国ともいえる場所で、宇佐美は今まさに最期を迎えようとしていた。門倉から奪った刺青人皮の写しを鶴見中尉に渡し、「門倉」の名前も確かに伝える。
宇佐美はもはや焦点が合っているか定かでない瞳で鶴見中尉を見つめながら、血まみれの手を鶴見中尉の顔へ伸ばす。鶴見中尉はその手の小指をためらいもなく口に含むと、第一関節のあたりで噛みちぎった。そしてお国訛りで宇佐美へ最期の言葉を贈ると、宇佐美は微笑みを返しやがて事切れたのだった。

煙突の上に登った上エ地は周囲の注目を大声で集める。危険な場所に立ち一体何をしようというのか?

 

のっぺら坊と土方さん

残りの囚人は誰でしょうね、と前回の感想で書いたけども、これはもうあれですね、門倉でしょうね。
きっと宇佐美は門倉の衣服を破ったときにその背中に刺青の暗号があるのを見たに違いない。

そうだとすると門倉が土方さんに、まるで新撰組隊士かのように心酔し忠義を尽くしているのも納得がいくというものです。自分も刺青の囚人の仲間だから。初めから、網走監獄でのっぺら坊たちが檻の中に入っていたときから、すでにグルだったのでしょう。

おそらく刺青を彫られた囚人たちは、のっぺら坊の理念に共感した人が多かったんじゃないでしょうか。だって金塊の隠し場所を示すもの。うっかり傷を受け損傷でもしてはいけないから当然強い人間(肉体的な強さはもちろん、頭の回転なんかも条件になる)に彫る。でもそいつが金塊を独り占めしようとする人間だったら大変。強いから他の人間ではなかなか太刀打ちできないし、俺がいなければ暗号は解けないぞと巧みな交渉をしてくる可能性もある。それならば当然、のっぺら坊の理念に共鳴し、もし彼に何かあったあとはその意思を引き継いで金塊の在り処を突き止めてくれる人間がいいに決まっています。次点で、門倉のように他の囚人に従うことが明確な人間だったり、牛山のように比較的動かしやすい人間。もちろん岩息さんや上エ地のように自分の中の衝動にしか従わない人間もいるので全員が当てはまるわけではないにせよ、おそらく土方さんはのっぺら坊の理念に共感した側ではないかな…と思うのです。こんなに戦闘にべらぼうに強くて判断力もあり情報将校と頭脳戦を繰り広げられるような人だもの、味方にいれば心強いけれどもし離反されたらあまりにリスキーすぎる。
だから土方さんはのっぺら坊の意志を濃く受け継いでいるのではないか…と私は思うのですが、果たしてどうなんでしょう。キロちゃんは若かりし頃こそのっぺら坊ことウイルクと志を共にしていただろうけども、途中から道を違えたのではと思うのよね。だから網走監獄で撃つことになってしまった。では、土方さんの掲げる蝦夷共和国というのがのっぺら坊の理想とした未来なのか、と聞かれると、こちらも疑問が残りまくりですが…。

宇佐美は後ろから心臓を撃ち抜かれましたね。勇作さんと似た構図。後ろからトドメを刺される。尾形にとって獲物を背後から撃ち抜くことで自分の心の中の不都合を解消しているのか、それとも鶴見中尉の大切な駒を壊すことで鶴見中尉の関心を買い尾形自身を満足させているのか…。
ちょっとこの部分はもう少し読み込まないと解釈が難しいな。
何はともあれ宇佐美くんはここで退場ですね…最後大好きな鶴見中尉に看取られて本当によかったな。このときは確かに間違いなく鶴見中尉の一番だったものね。

 

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第255話 切り裂き杉元

マイケル・オストログの放った火は札幌麦酒工場の一画で派手に燃え上がっていた。人々が集まり消防の消火活動を見守る中、上エ地は炎ではなくそのとき工場に誰がいるのかを見ていた。消防隊員に連れられて敷地から出されている様子の白石牛山土方さん都丹、そして海賊。網走監獄の刺青の囚人がここまでそろうというのはどうやら上エ地にとっては好都合らしい。「ここしかない」というセリフを吐き、消防の長い長いはしご車を見上げる。

工場内部ではストゥでアシリパさんにぶん殴られたマイケル・オストログが忌まわしい過去を回想していた。愛し合って生まれた子ども。アシリパさんの言ったことをある女にも言われた。道端で話しかけてきた汚らしい娼婦が彼のことを、王族の男と愛し合った末に生まれた自分の息子だと言うのだ。マイケル・オストログの腹部のアザを知っているのだから出鱈目ではあるまい。しかし娼婦の女から生まれたということがマイケル・オストログには許せなかった。自らを処女の母から生まれた神の子といい、それを否定するアシリパさんについに刃を向ける――。

刃物を向けられたアシリパさんの顔が緊張で強張る。この金塊争奪戦においては命を賭す場面も多いが、その実アシリパさん自身が誰かを手にかけるということはなかった。ただ一度、樺太の流氷上で尾形の右目に毒矢を刺してしまったとき以外は。離さないと毒矢を刺すと言っても離す気配のないマイケル・オストログに、尾形のときと同じように毒を食らわせるしかないのかと恐怖したのだ。あのときは尾形は死ななかったが今回はどうなるのだ――。

そのとき杉元が駆け付けた。人を殺すのは自分の役目だと言う杉元。「誰から生まれたよりも何のために生きるか」が大事だとマイケル・オストログに話すがもちろん説教するつもりは毛頭ない。すぐさまマイケル・オストログの腹部を切りつける。彼の腸らしきものが引っ張り出されたが、それが引っかかったままの杉元の剣が今度は喉元を貫通した。さらに蹴り飛ばされ、肉体は窓を突き破って外へ。ちょうど近くにいた牛山が落ちてきたマイケル・オストログの頭を踏み潰し、これにて札幌連続娼婦殺人事件の犯人は命で以て罪を償ったのだった。
また、マイケル・オストログを生死は別として捕らえたということは、未発見の刺青人皮は残り2枚ということになる。もう一枚はおそらく上エ地、あと1枚は果たしてどこにあるのか。

工場のまた別の場所では、上等兵ふたりの戦いが続いていた。壁際へ追い詰められた尾形は宇佐美に一方的に殴られ続ける。至近距離では銃を構えることはおろか、宇佐美にボルトを引かれ中の銃弾をすべて床に吐き出されてしまう。弾薬箱から次の銃弾を取り出そうとするのすら宇佐美に掴まれ投げられかなわない。幼少期より抜きんでた柔道の才を鍛え上げてきた宇佐美には、肉弾戦では勝てないのだ。
投げられた尾形はレンガ造りの床に這いつくばって吹っ飛んでいった銃へ寄っていく。しかし銃弾は先ほど床にぶちまけたので銃床は空っぽ。もはや銃は使えまい、という慢心が宇佐美をおしゃべりにする。商売女の子どものくせに誰に向かって――積年の恨みを込めたであろう言葉を宇佐美が這いつくばる尾形の背中にぶつける間にも、尾形は銃を撃とうとしていた。口にくわえていた銃弾を、うつ伏せで宇佐美に見えないよう、そのまま口で銃に込める。発射の準備が整った。床に腹ばいになり、己の肩越しにさかさまの銃で撃つという芸当だったが、尾形の弾丸は宇佐美の腹に命中した。

 

どう生きるか

マイケル・オストログがアシリパさんを見るとき、きっとその背後にはマリア様が見えていたのだと思う。でも実際は違う。もちろん処女から生まれたわけではない。父と母が愛し合って生まれ、戦って、時に他の命もありがたく頂戴して、生き抜いていく覚悟のある、生身の人間

そりゃもちろんマイケル・オストログの言うマリア様じゃないというのはわかっているけれど、これまで杉元たちを率いてきた救世主のような存在だったアシリパさんもちゃんと生きている人間なんですよ、ってことだよね。きれいなことばっかりじゃない、樺太でもいっぱい悩んだけれどこれからもきっとたくさん迷ったりするでしょう。

網走監獄までだと、アイヌ文化を杉元に教えたり杉元の心をそっとほぐしたりと救世主みたいな扱いだったアシリパさん。
樺太ではそんな彼女の心のものすごくデリケートで誰にも触れられたくない部分が見えた。で、そこに触れようとしたのが尾形だった。
救世主が、ちっぽけな人間になって、そして再び北海道へ帰ってきたら次に何になるかというと、この流れでいうとヒーローを期待するよね。V字回復みたいな具合で。
でもそうじゃないんだろうと思う。アシリパさんがこれから見せてくれるのはかっこいいヒーローではないかもしれない。全部丸く収まる妙案があるわけじゃないかもしれない。普通の人間と同じように、あのときの選択が最善だったのかと悔やんだり悩んだりしながら金塊争奪戦のあとを生きていくんでしょう…。

キリストの生涯になぞらえて、物語の前半は人々を奇跡の力で救い、中盤で一度伏し、復活後は神に……という流れもあるのかもだけど、その枠組みにはまることはないよね。何せ自分に素直に生きようとする人たちの物語なんだから。むしろ決まったコースを飛び出していってこそゴールデンカムイ、という部分もあるし。

あと、ちょっとだけ引っかかっているのが、杉元の「それは俺の役目」っていうの…。もちろんアシリパさんは誰も殺さないのが一番いいと思っているだろうけど、自らが手を汚さずに金塊を手に入れるというのにも違和感を覚えていそう。このあたりはまだアシリパさんの口から考えを聞けていないところ。作品として十代前半の女の子にそうさせるのはどうなんだ?というのはあるけど、覚悟くらい聞きたいじゃない…。

ところで宇佐美くんはこれは…ダメかな…。この作品、多少撃たれた切られたくらいでは死なない人が多いから、まだどうにか…!って希望にすがりたくもなる。もしも召されてしまうのなら、どうか鶴見中尉の腕の中でいかせてあげてほしい…。

さて残りの囚人は誰でしょうね?私がよく覚えていないだけで実はもう出てきていたりする…?

 

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第254話 窮鼠

ヴァシリの狙撃をかわし銃を確保した尾形は反撃できる場所を見つけるべく階段を上がる。
尾形には腕の良い狙撃手の心当たりがあった。日本と露西亜の国境で銃を交えたヴァシリ――はるばる札幌まで来るのか?という至極当然な疑問も、狙撃手である尾形なら簡単に否定できる。片方が死ぬまで徹底的に追いかけるのが狙撃手。ヴァシリが死んでいないのならば尾形を追ってここまで来るのも納得できる。

尾形の上る階段の上方では、門倉宇佐美の追いかけっこが終盤を迎えていた。年齢による差か上り階段で音を上げる門倉についに宇佐美が追いつく。
宇佐美は門倉のお腹に注目していた。加齢による脂肪だけではない膨らみ。宇佐美が剣で門倉の腹部に括り付けられていた布を切り裂くと、そこからは刺青人皮が出て来た。
鶴見中尉土方歳三の考えを読んでいた。自分が刺青人皮の安全を確認できるよう必ず目の届く範囲に置くはず、そしてそれはリスクの最小化のために信用できる人間に少しずつ分けて持たせているはずだ。鶴見中尉の読みは、当たりだったのだ。
腹部に縛り付けていた一つ以外にも持っているだろうと門倉の尻を打ち衣服を脱がせにかかる宇佐美。宇佐美は門倉の服をめくり上げたところで想像だにしないものを目撃し、驚愕の表情を見せる――。
しかし階段を誰かが駆けあがってくる音ですぐさま切り替える。門倉から奪った刺青人皮を懐に収めつつ剣をかまえる。階段を駆け上がって現れたのは、尾形だった。

麦酒工場の別の場所。麦酒の梱包材越しまでマイケル・オストログを追い詰めた土方さん永倉都丹有古夏太郎だが、緩衝材として使われていた藁苞(わらづと)に火をつけられ、あえなく引き返し建物の外へ出ることに。
間一髪で難を逃れたマイケル・オストログは工場内をさまようアシリパさんへ声をかけた。なぜアシリパさんへ声をかけたか。マイケル・オストログはアイヌの伝承を知っていた。
メナシパという島には女性しかおらず、彼女らはみな東の風にお尻を当てると妊娠するという。
マイケル・オストログは苛烈な聖母信仰の持ち主だったのだ。
女性は一人でも子どもができる。だから娼婦のように男と交わる必要はない。交わった女は罪深く、マイケル・オストログは聖なる水(=精液)で罪深い女たちを赦さなければならないのだ――。

今話している目の前の男がマイケル・オストログで娼婦殺しの犯人と確信したアシリパさんは幼い頃の父との会話を思い出す。幼いアシリパさんはマイケル・オストログと同じように、自分の母が東の風にお尻を当てたから自分が生まれのかとウイルクに尋ねるが、ウイルクの答えはウイルクがアシリパさんの母リラッテと「ウオラムコテ」したからだ、というものだった。
「ウオラムコテ」の意味するところは「互いに心つける」。つまりはアシリパさんが生まれたのは、父と母が愛し合ったからに他ならない。
それをさも母が東の風にお尻を当て一人で身籠ったかのように言われればアシリパさんも怒るというもの。まして子を成すという行為を蔑むようなマイケル・オストログの殺人動機を聞けばストゥで殴りたくもなる。向こう脛を打たれマイケル・オストログは膝をつくが、その顎をアシリパさんのフルスイング・ストゥが容赦なく打つのだった。

 

生まれを誇りに思う

宇佐美くん門倉のお尻叩いて興奮してる…やっぱり門倉のことが大好きなんだね。門倉を責めてるときの宇佐美の表情が良すぎて。元がきれいな顔立ちだからこうして人をいじめるのも本当に様になるね。宇佐美ってこんなにおきれいなお顔だったっけ?鼻梁とかやばくない?
衣服破ったりスパンキングしたりと二次創作で見るのとほぼ変わらない癖(へき)をお持ちのようで……ただ門倉相手だから興奮するんでしょうね。誰でもいいから尻を打ちたいという欲求はない気がする。

いったい宇佐美は何を見たのかな。
門倉の上着を脱がせて驚いたように見えるから、背中に何かある?門倉にも刺青が入っていた?土方さんが彫ったのか?

宇佐美vs尾形はアツいな~お互いに腹の底のどす黒いものを知っているくせにそれをうまく隠しつつ立ち回る、一癖二癖どころか看板に偽りありという感じの二人。ここで決着をつけるのか、それとも武器を失った宇佐美はどうにかまいてヴァシリとの狙撃合戦に備えるのか?
つくづく尾形は敵が多いな…。敵意でも憎しみでもいいから自分に向けてほしいんだね……。

先週に引き続きアシリパさんがかっこいいね。
ウコチャヌプコロしたからだという現実寄りの指摘も可能だけれど、両親が愛し合ったからだと美しくまとめているところ。
きっとアシリパさんは自分の生まれを誇りに思っているんだろうね。
この旅の中で、父ウイルクがアイヌを殺したかもしれないという疑念を抱いたときもあっただろうし、ウイルクの娘であるばかりに争奪戦に巻き込まれ大勢の人間が戦い傷つき死んでいったのを見てきたし、アイヌに生まれたゆえに民族の未来を考えなければいけない。生まれを呪う、まではいかなくても、もし違う生まれだったら…くらいに思うときはあったと思う。けれど今こうして自分の出自に胸を張っているということは、自分の境遇を受け入れて前向きに進もうとしている証みたいに思えて……涙が出てくるよ。アシリパさんも成長しているねぇ。

ストゥで制裁を与えるアシリパさんは、物語はじめのほうの、山での狩りを知り尽くし杉元に指南しているときのアシリパさんみたい。堂々としていて力強くて。樺太以降、自分の存在そのものが揺さぶられているような展開が続いたから、そんなアシリパさんにまたお目にかかれて嬉しい限り。

 

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第253話 父の汚名

マイケル・オストログと思しき外国人の男と邂逅した土方さん永倉が打ち上げた花火のおかげで都丹有古が合流した。工場内へ逃げ込んだを追い、土方さんたちも工場の建物の中へ入る。

ヴァシリの狙撃を間一髪身を引いて避けた尾形。しかし銃の撃針が破壊されたため、宇佐美が落としていった三八式を確保するべく一度見張り塔から出ることに。
梯子を降りる際、勇作さんの気配が立っていた場所を見て尾形は独り言ちる。
俺を助けたはずはない、邪魔をするつもりか悪霊め と。

やがて外套を着た男が三八式を取りにやってきたが、ヴァシリがすぐに狙撃。しかし撃たれたのは尾形に金を掴まされた無関係の人間だった。弾をこめ直す隙に今度こそ尾形本人が三八式を確保。銃を手に入れた尾形をヴァシリは仕留められるのか?

さて、貯酒室で全身に大量の麦酒を浴びた杉元鯉登少尉月島軍曹二階堂はまだ全員両手両足が地面に着いていた。要は酔っ払ってまともに起き上がることすらできない。かろうじて上半身を起こした二階堂は義足に仕込んだ散弾銃を杉元に向けられず、地面に向けたまま撃ってしまう。ビール瓶を手に振りかぶった鯉登少尉も転び瓶が月島軍曹の頭に当たる始末。杉元は落とした銃を回収し娼婦殺し犯人を仕留めに出発するが、敵である鯉登少尉たちを放置しアシリパさんがいなくなったことにもようやく気付いたような状態で何ができると言うのか…。

一方のアシリパさんは引き続き緊迫した場面だった。鶴見中尉に会えばのっぺら坊が関わったとされるアイヌ殺しの真相を教えてやると言う菊田に、弓矢を向けて。
のっぺら坊によるアイヌ殺しの現場に最初にたどり着かなければ知り得ない、アイヌの金貨があるという情報。アイヌの殺害現場を調べた鶴見中尉だけが知っていることはまだある――そう囁く菊田にアシリパさんは覚悟を叩きつける。
父の汚名返上よりも、父から託されたアイヌの未来を優先する と。
アシリパさんが金塊の入手を諦めなければ周りの人間は次々に命を落とすことになるぞという脅しに、いまさらだと返すアシリパさんの脳裏には、杉元と並び旅した記憶がよぎる…。

アシリパさんの背後から忍び寄った宇佐美だが、横から体当たりをした門倉によって阻まれる。そこから門倉と宇佐美のいつもの追いかけっこが始まったが、アシリパさんは無事に菊田から逃れ建物内に入った。
建物内では土方さん都丹有古夏太郎が娼婦殺しの犯人を追っていた。血痕やわずかな音から徐々に追い詰められていく犯人。そこへ運悪く建物内に入ってきたアシリパさんが犯人の目に留まり――。

 

アシリパさんの決心

アシリパさんかっこいい!!

過去の真相解明よりも未来を取るってことだね!
周りの人間が死んでいくことについても、もはや引き返せないんだと決心がついた様子。そうだねもうすでにいっぱい死んでいるものね…。
でも杉元はたぶん大丈夫だと思う。一緒に金塊争奪戦の終わりを見届けられるんじゃないかな。終わりの先は、一緒かどうかわからないけれど…。

尾形の笑いながら戦うこの感じ。饒舌になるこの感じ。樺太へ行く前の尾形が戻ってきたような感じでちょっと嬉しい。
樺太では尾形も何か色々背負いこんでた感じがあった気がする。勇作さんの幻覚を見始めたからそう感じるのだと思うのだけど…やはりアシリパさんに嘘をついて一緒に戦ったはずの仲間を欺くというのは重荷になっていたのかしらね?
今はもう自分以外全て敵に近い状態でむしろ吹っ切れて楽かもね。ヴァシリには見つかってしまったし、他の人間に見つかったら絶対に殺されそうだから見てる側としては少しヒヤヒヤする気もするけど…。

マイケル・オストログさんは幼女もいけるのかな?女なら誰でもいいってタイプ?

 

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第252話 貯酒室

札幌麦酒工場の中、樽が整然と積まれた貯酒室にて。
二階堂は双子の片割れを奪った因縁の相手、杉元についに再会する。
さらに鯉登少尉も登場し、二階堂が発砲するより前に杉元を切りつけるが……切れたのは杉元ではなくビールの入った樽だった。
二階堂の発砲も杉元に当たらず樽に当たる。しかし気付けば杉元と二階堂の間には、杉元をかばうようにアシリパさんが立っていた。アシリパさんに当たってはいけないと二階堂を止める月島軍曹
二階堂が攻撃できないとなれば杉元は鯉登少尉との戦闘に集中する――そのところを高く積まれた樽の上から菊田が狙っていた。銃の照準を杉元へ合わせる菊田。
そのとき牛山が自慢の怪力で積まれた樽を押した!次々とぶつかりあう大量の樽。菊田はバランスを崩し樽から落ち、樽からはその中身が出てくる。
中身は当然すべてビール
取っ組み合っていた杉元と鯉登少尉、二階堂と彼を羽交い絞めにして抑止していた月島軍曹は頭からビールをかぶり、大量に飲み込んでしまう。さらにはビールの川ができ、白石のいる貯酒室の外へ押し流されてしまった。
度の低いお酒でも一気に大量に摂取すれば泥酔する。酔っ払った四人はまともに戦える状態ではなく、みな仲良く札幌麦酒工場の床へ倒れ込むのだった。

さて、ビールを大量に浴びせられた貯酒室にいたはずのアシリパさんは、牛山の押した列の樽が崩れビールが降り注ぐ直前に、別の列の樽に上っておりビールを浴びることはなかった。
ビールに流された杉元を探しているうちに、これまたビールの滝を回避できた菊田に捕まって建物の外へ連れ出されてしまう。
菊田はアシリパさんを抱えたまま鶴見中尉のところへ行くつもりだったのだろうが、さすがのアシリパさん。トリカブトの毒を塗った矢を菊田の鼻の穴へ突っ込んで脅し、菊田から離れた。
しかしながら建物から離れたその場所は、狙撃の機会を虎視眈々と狙っている尾形からは丸見えで……。

菊田はアシリパさんを確保すべく彼女が飛びつくであろう話を切り出す。
菊田は鶴見中尉と一緒に、のっぺら坊が殺したとされる七人のアイヌの殺害現場を調べていたのだ。
鶴見中尉の元へ行き話を聞けば、父親に何が起きたか知ることができる。それは金塊の在り処よりも知りたいことだろう?
菊田にそう持ち掛けられたアシリパさんは、否定も肯定もすぐにはしなかった。

その様子を、銃をアシリパさんたちのほうへ向けながら伺っていた尾形。門倉との鬼ごっこは逃げられたのか、どこからか現れた宇佐美も菊田とアシリパさんに気付き、アシリパさんが逃げ出せる可能性はとても低い。
このままではアシリパさんが鶴見中尉の手に渡ってしまう――
そう独り言を呟いた尾形の斜め後ろに、軍服を着た男の影がある。見覚えのある軍服は尾形の腹違いの弟、勇作さんのもの。
勇作さんの気配に気づいた尾形は驚きおののき咄嗟に身を引いた。
次の瞬間、尾形の銃に当たる銃撃。つい先ほど勇作さんの影に気付くまで、尾形の顔があったであろう箇所を、ヴァシリの狙撃がかすったのだった。

 

緩急ついた展開

菊田と宇佐美に挟まれてアシリパさんは鶴見中尉のところへ連れていかれてしまいそう…?菊田は手荒な真似をしなさそうだけど宇佐美は手足を折るくらいしそうだものなぁ、それにそもそも大の大人、それもゴリゴリの軍人二人を相手に逃げられるのはかなり厳しいのでは…。牛山はどこにいるんだろう…。

網走監獄で杉元と引き裂かれたときはかなりドラマチックに別れていたのに、今回はわりとアッサリと、菊田に文字通り「ヒョイ」と抱き上げられて引き離される…というのは対比がきいていて面白いし、何より物事が進行するときは静かに気付かないうちに…というリアルさもあって、野田先生の演出の上手さにシビれる憧れる。
まぁこのまま鶴見中尉のところへ連行というのも考えづらいのだけど。牛山が登場かな?ビール飲んでても大丈夫そうだし…。宇佐美がいるということは門倉やキラウシも近くにいるかもしれないね。でも本命は尾形が銃撃で割り込む、かな!

演出のメリハリでいえば、杉元vs二階堂。
杉元という、二階堂にとっては自分の命と引き替えにしてでも殺したいほど恨みのある男との対決を、泥酔にさせることで決着させない……というのはかわいいね!
かっこよく戦って勝敗つけるのもいいけれど、期待をさせておいてからの拍子抜けしちゃうようなオチ、というのはゴールデンカムイならではという感じがしてとてもよい。
真面目に戦闘するのは土方さんの役目だものね。杉元のほうはこのくらいコミカルなほうがメリハリあってよいよね。

勇作さんは兄様を助けたいんだろうか…。
樺太で尾形が高熱に弱り切ってたところも、悪夢を見たといえばそう受け取れるし、死にかけのところを現世に引き留めに来たといえばそうも見えるような…?
今回は明らかに勇作さんが尾形に危機を知らせに来たよね。
まぁ意図はさておき、尾形が死に直面するときに勇作さんは現れる。
自分を殺した兄を、地獄へ連れていきたいのか、それとも現世に留まらせたいのか…。
私ではその意図はまだわからないけれど、後者だとしたら。疎ましくて排除してもなお亡霊になって自分を悩ませる存在が、自分を守ってくれている、自分が生きることを肯定してくれているのだとしたら…。尾形にはそんな弟を殺したことを後悔してほしいなぁ。
勇作さんが尾形の道理を否定してしまったのが殺される遠因なんだけども、そもそも初めから尾形は勇作さんの存在を拒んでいたからね。父や鶴見中尉の興味を奪った者として認識していただろうし。
尾形には人を受け入れることを知ってほしいものだ。お父さんや鶴見中尉の関心ばかりほしがっていたけれど、少し視野を広げればあんなに懐いていた弟がいたのにね。

さて狙いに狙った一撃が外れたヴァシリはどうするのかな。尾形に存在がバレてしまった。まさか樺太で仕留めたはずの人間が北海道まで追って来たとはすぐに思い至らないでしょうが…スナイパーの変な勘で気付きそう。

そういえば網走監獄も札幌麦酒工場も、時間は夜だし、場所は広い敷地に大きな建物がたくさん、第七師団の面々vs土方・杉元連合、と似ている点が多いね。
物語の山場、箱根駅伝でいえば往路ゴールにあたる(と私が思っている)網走監獄。ということは札幌麦酒工場はやはり復路ゴール……ここで物語が終わるのでしょうねぇ……。

 

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ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第251話 札幌麦酒工場

牛山たちが宇佐美と接触し合図の花火を打ち上げた。それを見て、牛山たちが犯人と接触したと考え打ち上げ場所へ駆け付ける杉元組と都丹組、そして第七師団。土方一派の面々と鶴見中尉の手下なので当然戦闘が始まる。

柔の道を歩む者どうし、力量は掴み合えばわかる。手練れの宇佐美をして化け物と言わしめる牛山。宇佐美が剣を使おうとするも牛山が宇佐美を鯉登少尉に向けて投げ飛ばし、牛山は窓を突き破って麦酒工場の中へ逃げ込んだ。菊田・月島・鯉登・二階堂が牛山を追い工場へ突入する一方、宇佐美は門倉を追いかけるのだった。

土方組は娼婦殺人事件の犯人であろうマイケル・オストログと対峙。逃げようとするマイケル・オストログを掴んだ際に夏太郎は顔を負傷したが、それにより逃げられる前に土方さんの銃撃がマイケル・オストログの肩を撃ち抜くことができた。

土方さんの指示で永倉新八が、犯人発見の訂正を知らせる花火を打ち上げる。
それを見て戸惑う杉元組と、都丹の耳が拾った土方さんの銃声のおかげで的確に動き出す都丹組。

そして打ち上げ花火はある二人の男を照らし出す。
一人はヴァシリ。麦酒工場の屋根の上で狙撃の機会を狙っていた。
もう一人は、尾形百之助。見張り塔で双眼鏡を覗き込んでいた。
花火が照らし出す尾形の姿をヴァシリの肉眼が捕らえる――。

マイケル・オストログに目の上を切られた夏太郎に土方さんが声をかける。向こう傷は男子の勲章。夏太郎を連れて土方さんはマイケル・オストログを追う。

一方、杉元・アシリパさん・白石の三人は、最初の花火を見て駆け付けたためキラウシと合流した。牛山が工場の中へ行ったと聞きすぐさま中へ入る杉元の耳に、第七師団もいるというキラウシの言葉は届いていない。
杉元とアシリパさんへ第七師団がいるということを伝えるべく工場内へ入った白石は杉元を見つけられず、杉元とアシリパさんは白石とはぐれてしまう。

そこへ現れる人影は二階堂。杉元との浅からぬ因縁のある彼との邂逅。
モルヒネでかわいらしい感じになっているのではない殺意むき出しの二階堂。杉元はどう戦うのか!?

 

因縁の対決ふた組

尾形~!!
ついにヴァシリと尾形が出会ってしまった…やはり二人ともここへ来ていたか…!

尾形は双眼鏡で誰を見て(探して)いたんだろう?やっぱりアシリパさん?それともかまってほしくて鶴見中尉だったりするんだろうか…。

それよりも先にヴァシリに見つかっちゃったよ!?どうするんだ!?
尾形のことだから先に高い位置からヴァシリのことは発見済みであえて姿を見せていたりするのかな…。
暗いからヴァシリが一撃で仕留めることもなさそうだし混戦の予感…。

そして杉元vs二階堂ね!
二階堂は自分の今の境遇に蹴りをつけられるのかしら…。

ヴァシリvs尾形に、二階堂vs杉元。
奪われた者と奪った者の戦い。
ここに来てこんなハイカロリーな因縁の組み合わせの戦闘が起こりそうだなんて、本当にこの札幌麦酒工場で色々と決着がつきそうだ…!

あとちょっと嫌な予感がするのが夏太郎。
土方さんに褒められて輝く笑顔は本当にかわいいけど、褒められてここで役目を果たした扱いになってしまって、土方さんに連れられて行った先でマイケル・オストログと会ってやられてしまう……なんてフラグじゃないよね?
若者は生き残って次代へつなげていってもらわなくては困るのよ!夏太郎、サバイブ!!

 

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第249話 それぞれの夢

石川啄木によりジャック・ザ・リッパーの犯行になぞらえられていることが推測される札幌連続娼婦殺害事件。五人目の犯行は札幌麦酒工場でおこなわれる読みのため、杉元一行と土方一派は作戦を立て臨む。

「囮役」「仕留め役」「合図役」の三人一組を四組作り、それぞれ娼婦を帰しながら犯人を待ち受ける。
未だ土方歳三に裏切られた経験から信用し切っていない杉元は、もちろんアシリパさん白石と組になる。アシリパさんは「相棒だから」杉元と一緒にいることを選択する。

アシリパさんのような少女にとっては危険極まりない作戦だが、アイヌの未来を守る金塊をめぐる戦いに、アシリパさんが高みの見物でいいはずがない。
アイヌ民族を守ることはアシリパさん自身の夢なのか、その夢で自分も幸せになれるのか、と海賊房太郎に聞かれれば、アシリパさんはイエスノーでは答えない。
海賊は、自分の王国を作る以上に、自分のことを忘れられないための良い方法があるのなら参考にしたいのだ。忘れ去られずに誰かが語り継いでくれるなら、王様になるのでも他の方法でもかまわない。今の海賊には、王様になって子孫をたくさん残し、後世に自分のことを覚えていて語ってくれる人がいることが、幸せの形なのだ。
海賊にとって気になるのはアシリパさんが現在語っている夢が、自分自身も幸せになるためのものなのかということ。だから彼はこう尋ねる。アシリパさんの描く未来に杉元はいるのか?と。

海賊の問いかけに対するアシリパさんの答えは聞けないまま、やがて娼婦に声をかける男が現れ始める時間になった。囮役の夏太郎に外国人の男が声をかけてくる。外国人であることから一気に高まる緊張感。今回の犯人は、網走監獄の刺青の囚人の一人、マイケル・オストログではないか?というのが石川啄木たちの読みだ。

マイケル・オストログは国籍不明、貿易船で日本へ密入国の後に横浜で娼婦を殺した。外国人の死刑囚は日本では初だった。
年の頃は五十代。もしジャック・ザ・リッパーが生きていたとしたら、ロンドンでの犯行当時三十代と仮定して、ちょうど今は五十代……この一致は偶然なのかそれとも石川啄木の推理通りマイケル・オストログ=ジャック・ザ・リッパーで、自分の聖地ほしさにここ札幌で犯行を再現したのか?

一方。札幌には第七師団が集まりつつあった。鯉登少尉月島軍曹二階堂が札幌へ到着、鶴見中尉の到着を待つ。
また、宇佐美はすでに札幌へおり、土方一派の中では石川啄木と邂逅済みだが、なんと石川啄木が破り捨てた地図を拾い集め復元し、ここ札幌麦酒工場へやって来ていた。因縁のある門倉(囮役)の背後に宇佐美が迫る――!

金塊争奪戦の中心

出会って即アシリパさんから杉元への恋心を見抜き、それ以降やたらアシリパさんへ突っかかってくる海賊房太郎。その理由はもちろん、「アイヌとして」という、一個人ではなくて集団の代表としての立場を強調していること。
アシリパさん個人としての幸せよりもアイヌ民族としての幸せを優先するのは、本当にアシリパさんに幸せをもたらすのか?海賊には疑問なのでしょう。
海賊は「自分のことを覚えていてくれる人がいること」が幸せなのだとすでに確たる定義が自分の中にある人。そういう人からしてみれば、きっとアシリパさんは自分の本心から目を背けているように見えるんじゃないかな。
杉元が好きだからずっと一緒にいたいと願っているはずなのに、それを心の底にしまい込んで、アイヌ民族という所属集団の幸せにを優先させてしまうなんて。民族が存続したとしてアシリパさんという個人はそれで幸せなのか?

ここに来てとても大きな問題を改めて言語化してくれた海賊。
アシリパさんにはずっと、一人の少女が抱えるにはあまりに大きな使命が圧し掛かっていたのだ。
父ウイルクが、アシリパさんを山で戦えるよう仕込んだことから、娘には戦う道=少数民族として時の政権などに反抗し自分たちの生存を勝ち取る道を望んでいたでしょうし、キロランケやソフィアももちろんウイルクと同じ。アシリパさんは我ら少数民族の希望の星、そうなってもらいたい、と思っていたでしょう。自分たちの思想を受け継いでくれる「器」の役割を期待していたのではないかと。
そもそも金塊争奪戦においてアシリパさんは暗号解読の鍵。本人がどう望むかは関係なくて、先に挙げた人以外は「鍵」という道具の扱いをしていた、と言ってもおかしくはないでしょう。

「器」「鍵」の扱いを受け、アシリパさん個人の意思は尊重されてこなかった。誰も気にかけてこなかった。そんなアシリパさんが、志半ばで死んでいった父やキロランケの思いを知って思いを受け継がないわけもなく。これこそ私の本心だと思わなければ、死んでいった人たちに顔向けできないという気持ちになるだろう。とても追い詰められた状態だ。

しかし。そこへ疑問を投げかける人物が二人。
一人はもちろん海賊。言葉でハッキリと疑問を形にしてくれた。
でも海賊が言葉にするより前に、杉元も疑問を生じさせていたと思うんだよね。
アシリパさんが杉元への好意を自覚したときからその疑問は生まれていたのだと思う。でもその気持ちに蓋をして、民族のため、と言わざるを得ない状況が続いて。
だからアシリパさんもきっと自分の中でこの「ねじれ」にどう蹴りをつけるか奮闘中なのではないかな。もしかしたら目を逸らしているだけかもしれないけど。
個人の幸せと集団の幸せ、両立はできないのかな?

誰かがやらなきゃいけないことだから私がやると決めた

↑このセリフ、成長期途中の子が言うにはあまりに重くないか…。
「誰かがやらないと」っていうことをやってしまう人柄。人望は厚いだろうけど苦労するタイプだなと思うと……子どものうちに我がままに振る舞うことも覚えてほしいなと思ってしまう老婆心。
周囲の期待になんてこたえなくていいんだよって教えてあげたい…。

杉元の心の傷を癒し、金塊争奪戦の中心にあって、「自分の心に素直であること」を象徴する存在としてアシリパさんがいるものと思っていたけれど。
途中からアシリパさんも自分の心がよく見えていない状態になっていたんだね…。
アシリパさんが杉元を救ったように、今度は杉元がアシリパさんの心を解き放ってあげてほしい。

ウイルクが娘を、自分の思想や教えを入れる「器」と扱っていた、と書いてしまったけど、もちろんそれは娘が生きるための道としてそれが最善だと思っていたからだと信じているよ。決して道具にしたかったわけではないと思う。
だってそうじゃなかったとしたら、お父さん大好きなアシリパさんの気持ちが、あまりにも報われないじゃない…。愛情を渡したら愛情で返す、そんな親子関係であってほしい。ウイルクが愛情を渡したからアシリパさんも大好きという気持ちで返したのであってほしいのよ。

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第248話 教会

札幌連続娼婦殺害事件の犯人の足跡を追う石川啄木。夜の街で何か閃き手元の地図に書き込む石川啄木の背中を、宇佐美の開いた瞳孔が射貫いていた。
やおら右頬を殴られ倒れ込んだ石川啄木に、次の犯行現場はどこだと宇佐美は問いかける。宇佐美は官憲で己の手柄を横取りしようとしているのだ、そう早合点した石川啄木は、次の犯行現場に繋がるヒントを書き込んだ地図を奪われまいと必死の抵抗を見せる。咄嗟に口に含み、腹を蹴られても顔を殴られても絶対に地図を渡さない。土方さんたちに地図のことを伝えなければ――石川啄木は強い使命感から、軍人からの暴力に耐えていた。やがて殴る蹴る程度ではらちが明かないと悟ったのか、宇佐美が南部式大型自動拳銃を取り出す。そこでようやく宇佐美は官憲ではなく第七師団だと気付いた石川啄木。運よく通りがかった警官らしき人物のおかげで宇佐美の視界から抜け出すことに成功。地図を破き宇佐美に情報が渡るのを阻止。なおも執拗に石川啄木を見つけようとする宇佐美から逃れるため、石川啄木は家屋の物陰に潜むが……。

一方その頃、刺青の囚人が鋭い刃物を手にしながら全裸で「グリーンスリーブス」を口ずさんでいた。英国伝統の歌を知るこの男は、もしや宇佐美や土方一派が追っている札幌娼婦殺しの犯人か…?

石川啄木が宇佐美に襲われた翌日、私娼窟で聞き込みをおこなう杉元一行土方一派。娼婦にも営業許可が必要だが、もちろん許可を得ず違法に客を取る者もいる。その中でも街頭に立ち客を取る「街娼」は客と一対一のため客にとっては誰か他の者に顔を見られる心配がない。つまり殺しのターゲットにもってこいだ。ここまで殺された四人もすべて街娼。街娼に声をかけ、犯行が予想される今夜だけは外に出ないようにさせれば、犯人が現れるだろう場所の絞り込みが可能になる、という魂胆だ。しかし札幌の街は広い。まして営業許可のない街娼が相手だ、全員の所在を把握するのは不可能。無情にも次の犯行現場の目星もつけられないまま日が暮れていく。
そこへ現れたのは石川啄木。なんと宇佐美から逃げおおせたのだ。夜通しドブに隠れやり過ごし、次の犯行現場について伝えるため戻ってきた。

石川啄木の推理はこうだ。
札幌連続娼婦殺害事件の犯人は、イギリスを震え上がらせたジャック・ザ・リッパーを模倣している。犯行の時間帯は真夜中、殺害する人数も同じく次で五人目。もちろん殺害の場所も真似している。ジャック・ザ・リッパーが犯行を起こしたのはロンドン。そのロンドンの地図を札幌に当てはめてみると…。豊平川をテムズ川、ホワイトチャペルをセント・ボトルフ教会に当てはめる。ランドマークを合わせてみれば四人目までの犯行現場はロンドンのジャック・ザ・リッパーの犯行現場と一致する。そしてそのままジャック・ザ・リッパーの五人目の犯行現場を札幌の地図へ当てはめてみると。

その場所は札幌麦酒工場だった。
今夜向かうべきは札幌麦酒工場。ジャック・ザ・リッパーの模倣犯の凶行を止めることができるか?またにおいを嗅ぎつけた宇佐美ら第七師団とかち合うのか?札幌麦酒工場で何かが起きるはずだ。

さて宇佐美に暴行を加えられても情報を死守し、一晩中ドブで過ごすことも厭わなかった石川啄木。何が彼をそうまで駆り立てるのか?
それはもちろん土方さんの語る蝦夷共和国の理念に共感したから――ではなくて。東京から札幌へ出張中の話題の花魁のため。事件解決の手柄で彼女にお近づきになろうというものだった……。

新たな囚人の刺青お目見え

先週のお話の続きはいい感じにお預け!アシリパさんの思う暗号の法則を満たしている刺青と満たしていない刺青、あちらはどうなっているんでしょうね。

今週のお話はアニメで見たいお話だな。地図を破り捨て身を潜めた石川啄木をゆっくりした足取りで追い詰める宇佐美の恐怖演出、絶対に見たい。
でも逃げられて本当によかったよ石川啄木…。史実に近い見た目のキャラクターだからひどい目にはそうそう遭わないと思うけど、普通に殴られて蹴られたので雲行きがあやしくなってきたといえばあやしい。でもこのまま五人目の殺害を防いで石川啄木がそれを記事化、花魁とあわよくば…は牛山や杉元あたりに花魁の興味をかっさらわれて終わり、というやつじゃないかと。あとはラストで北海道がどうなったかを執筆するのが石川啄木の作中での役割かな。

そうそう、石川啄木は地図を破っていたけれど、宇佐美ならそれを拾って修復くらいするはず。石川啄木が書き込んだのがロンドンの地図か札幌の地図かにもよるけれど、札幌麦酒工場で第七師団とかち合うんじゃないかなぁと思ってる。ドブに隠れてやり過ごしたと思っていても実際には泳がされている可能性も否定できないし。

と、いうことは。
札幌麦酒工場が第七師団と土方一派と杉元一行が集う、天王山になるのかね?
札幌麦酒工場は今の北海道の産業、農業と製造業と観光業を象徴するものの一つに思うので、そんな場所で北海道のこれからをどうにかしようとしている人たちがぶつかり合うのはとても趣深い。

話は変わるけどもサッポロビール園、すごく楽しいので、コロナが落ち着いたらぜひまた行きたいな。札幌もゴールデンカムイの舞台だからね、聖地を巡りたいね。

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第247話 決まり事

アシリパさん樺太での旅で思い出したアチャの名前「ホロケウオシコニが鍵であり、そこから刺青に法則があるものと読んでいた。そして土方歳三に手持ちの刺青を見せてもらいそれの確認をする。しかしアシリパさんの予想に反し、刺青には「ホロケウオシコニ」を鍵とした法則があるわけではなかった。(先週までのお話)

アシリパさんの考えていた刺青の決まり事、それは「ホロケウオシコニ」のどれかの文字の読みがある漢字が彫られていることだ。「羽」は「ウ」とも読むので要件を満たす。
囚人たちと実際に会った上で写したり剥ぎ取ったりした刺青はよい。間違いなく本物だとわかる。
問題は、すでに剥がれたあとの状態で手に入れた刺青だ。まずは元の囚人が誰なのか不明。のっぺら坊は様々な雑居房に移されたため刺青を彫った人間をすべて把握している人間は本人以外にはおそらくいない。
それに、鶴見中尉江渡貝くんに作らせた偽物の可能性もある。あのとき江渡貝邸で作られたと考えられる偽物は6枚で、うち1枚は土方さんたちもその場で目にしていた。そして有古力松を通じて鶴見中尉から掴まされている刺青が5枚。これで合計6枚だ。それならばそれ以外の刺青は、出どころが不明とはいえ本物と考えるほうが妥当だろう。
しかし実際には鶴見中尉に掴まされた5枚のうち2枚は、アシリパさんの考える決まり事の要件を満たしてしまっていた。つまり偽物と思っていた5枚のうち2枚は、偽物と断ずることができない。そうなると土方さんたちが集めてきたものも全て本物と断言するのが難しくなる。現に、油問屋で夏太郎が手に入れたものは要件を満たしていなかった。「本物ならば満たす」「偽物は満たさない」という法則が崩され困惑するアシリパさん。

実のところ鶴見中尉は有古に偽物の刺青だけを渡したわけではなかった。刺青の暗号には必ずどの囚人のものにも共通する法則があると読んでいた鶴見中尉が、本物だけに共通する法則の解読を遅らせるために、あえて本物を2枚だけ混ぜておいたのだ。

一方札幌では娼婦殺しの犯人の次の犯行予想日に向け、土方陣営とそこに合流した杉元一行、そして宇佐美がそれぞれ奮闘していた。
宇佐美は相変わらず精子探偵を続けているが進展はなく、偶然その近くを石川啄木が通りかかった。石川啄木も独自調査を進めており、次の犯行現場の目星までつけていたようだ。暗闇の中で現在地を確かめる啄木は、札幌の地図を見て何かを閃いたようで――しかしその背後を宇佐美の瞳孔の開いた両目が射貫いているのだった。

頭脳戦の感想、「すごい」しか出ない。

鶴見中尉は流石と言わざるを得ない。嘘を信じさせるためには適度に真実も混ぜ込むとよい、というのはおそらく誰しもどこかで聞いたことがあると思うけど、まさにそれ。「江渡貝邸から持ち出された偽物は5枚ある」というのを土方さんたちも知っている、というのを利用したすごい頭脳戦。流石情報将校…。人を騙し意のままに操る天才。鶴見劇場は鶴見ボーイズどころか敵も含めた操り人形劇なんだね。

とはいえ土方さんも鶴見中尉が5枚全部偽物を渡してきたとは思っていないのでは?と思うのよね。有古がスパイというのにも気付いているし、鶴見中尉が偽物を切り札として使ってくるだろうということは容易に思い至ると思うし。なので今週の土方さんはアシリパさんに考えていることそのままを話しているわけではないのではと思うのだけどどうなんでしょう。真っ直ぐ士道を進むお侍かと思いきや頭の切れるとんだ食わせ者だよ!という展開を希望してる。

鶴見中尉と土方さんがリモートで頭脳戦を展開し始めて、物理的な距離が段々に縮まってきているので正面衝突も近いのかな。やはり札幌で終わるのかなぁ…。
寂しいけどもそんな気配あるよね、尾形の心境が丁寧に解説されてるとこも風呂敷の畳み始めに思えるし、今週のみんなで酒飲んで将来の夢を語るやつだって終結のためのフラグかなと思っちゃう。啄木さんの活躍もそうなんではないかと。新聞記者だからアイヌの現状についての記事を書いてエンド、というのが見えなくも…ない……。石川啄木の書いたものを調べないといけないね…。あっ、啄木さん、宇佐美に目をつけられたけども無事だといいね。史実の人だしデザインもご本人に近いから無碍な扱いはされないと思うけど。

流れ的に札幌で全員集合して、鶴見中尉が金塊入手後の構想というよりも野心を語り始めたら……本当に作品の終わりに向けた、ジェットコースターでいえば最後の下り坂に差し掛かるところなんだろうね。今のところ丁寧にフラグ回収しているのできっと終わった暁には「ゴールデンカムイ」の言葉の意味するところを我々は知ることになるんだろうな。全て明らかになり、戦いが終わり、早くアシリパさんたちに落ち着いてほしいという気持ちと、終わってほしくないな…という気持ち、しばらくはこの間で揺れ動き続けるんでしょうね、私。

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第246話 アイヌの偶像

牛山に投げられそうになった杉元は寸でのところで手を床につき反撃に出る。二人の激しい戦闘はレストランをことごとく破壊し往来へ出る。止めに入ったはずの海賊までテーブルを壊す始末。しかもテーブルを叩きつけたところで牛山はまったく怯まない。門倉キラウシまで駆け付けてきた。
ついに銃を再び手にし杉元へ狙いを定める土方歳三。その前にアシリパさんが立ちはだかる。にらみ合う両者を横目に、早く騒ぎを止めたい門倉。騒ぎを聞きつけ招かれざる客――第七師団のような――が来るかもしれないからだ。尾形有古を呼んで来いという門倉の言葉に反応する杉元。頭巾ちゃんことヴァシリは尾形の似顔絵を杉元に見せられようやく自分がここまで来た理由を思い出した様子。
一方の尾形は櫓の上から杉元たちの揉み合いの様子を観察していた。銃の照準をアシリパさんに定め、いたずらでも企むように笑いながら「これをやったらさぞ大混乱だろう」と呟く。その尾形の背後に人の影が。気配を察した尾形が振り向いても誰もいないが……果たして尾形が感じた人の気配は一体何だったのか?

「網走でよくもアシリパさんと引き離してくれたな」と叫ぶ杉元は、後ろから牛山に押さえ込まれ自由に動けない状態だった。杉元と牛山の掴み合いは、牛山に軍配が上がったようだった。
杉元が邪魔になるので退場を願い、網走でアシリパさんと杉元を引き剥がした土方さん。杉元は土方さんがアシリパさんを利用するのを阻止したかった。アイヌの偶像として独立戦争の闘士に仕立て上げられるのを。

しかし土方さんの考えは少し違うようだ。
まず「蝦夷共和国」ありきで語られる土方さんの目指す未来。森林資源が枯渇するであろう北海道は、経済基盤を炭鉱とし、資源採掘には諸外国からの移民を募る。移民を受け入れる、つまり多民族国家を目指すのだ。内地人はおおよそ一つの民族だけで過ごしてきたため多民族を受け入れる下地がないが、アイヌは古くから極東少数民族やロシア人と共に暮らしてきたため、多くの民族同士のつなぎ役になれる。
そしてその多民族・多文化国家において、象徴となれるのがアシリパさんだと土方さんは語る。北海道アイヌ・樺太アイヌ・帝政ロシアに迫害された青い目のポーランド人。複数のルーツが混じり合ったアシリパさんこそ、「蝦夷共和国」の主導者に適任だと。

土方さんの理想国家像を聞いたアシリパさんはそれを良いとも悪いとも何も言わず、土方さんに手を組むしかない、と提案する。いがみ合う理由は十分にあるが、第七師団に金塊が渡るのを避けたいという利害は一致しているのだ。
土方さん相手に対等に渡り合っているアシリパさんを見て、見ないうちに変わったと感想を漏らす永倉新八。その隣で有古は思うところがある様子でアシリパさんを見つめていた――。なお上エ地は牛山に忘れられなんとか命からがら逃げ出していた。頭巾ちゃんは尾形を見つめられずじまいだった。

場所を変え土方さんとアシリパさんが一対一で向かい合う。お互いの刺青人皮を共有しあうためだ。松田平太の刺青は土方陣営も第七師団も入手していない貴重なものだろう。
アシリパさんは樺太での旅で思い出したアチャの名前「ホロケウオシコニが鍵であり、そこから刺青に法則があるものと読んでいた。そして土方さんに手持ちの刺青を見せてもらいそれの確認をする。しかしアシリパさんの予想に反し、刺青には「ホロケウオシコニ」を鍵とした法則があるわけではなかった。

 

アイコンとしてのアシリパさん

牛山の安定感はさすが~!やっぱり杉元を最後には押さえ込んで勝っちゃうのね。頭巾ちゃんもすっかりおとぼけポジションが板についてて可愛い。
さて尾形は……「上等兵たち」を読んでしまうと、みんなの気を引きたい駄々っ子に見えてくるよね。アシリパさんを撃ったらおそらく金塊にたどり着くまであと十年くらい余計にかかるんじゃないかと。勝手な目測だけど。土方さんも鶴見中尉もお冠、もしかしたら鶴見中尉は尾形を始末しに部下を送ってくれるかもしれない。構ってもらえるね、やったね!それか、自分がほしかったものが何も手に入らなくなっちゃったから、それだったらいっそ他の人も望むものが手に入らなければいい!それなら平等だ!って自棄を起こしてるのかなぁ。尾形だけは土方一派なのにまだ杉元たちの前に姿を現していないから、今後がマジで気になるところ。アシリパさんなんて一度撃たれかけてるし……再会したら事件だよ事件。いがみ合いつつも手を組む……ってなるのかな、アシリパさんがいれば。つなぎ役だもんなぁ……。

アシリパさんは土方さんの「自分の民族の未来」「北海道の経済基盤を変えなければ」といった言葉に反応してるように見えるので、やはりアイヌはじめ少数民族の一代表として生きていくことを決めているように見える。特に主要な産物を炭鉱へシフトしていくのはアシリパさんにとってかなり響いた節があるよね。森林が枯渇しているというのはちょうどこないだの話で語られていて、アシリパさんにとっても関心の的であるはず。ただ「取りすぎなければいい」というアシリパさんと、炭鉱で国おこしをしようとする土方さん、相容れるかな?というのは疑問。比較的新しいエネルギー源だろうからアイヌの伝承に炭鉱についてのものは特にないだろうけど、資源の取り過ぎは諫められそうだ。ただこのままでは森林面積が減りつつあるのにそこでしか暮らせないアイヌは滅亡へ向かってしまうわけで……考え方や生活様式の転換が求められていそうな気配。でもそれがアシリパさんが本当に望むものなのかはちょっとよくわからない。アイヌの教えを受け継げれば現代的な生活でもかまわないのか、昔ながらの生活様式も維持したいのか……。後者は時代的にもう無理な気がするけど……アシリパさんそのあたりどう思ってるのか早く聞かせてほしい!教えて!

もしも、もう少し古い時代に生まれていれば、アシリパさんは両親を早くに亡くしながらもフチや親族に囲まれて楽しく猟をして一アイヌとして山で一生を終えていたかもしれない。でも物事が大きく変わっていった時代に生まれてしまった。自分が大切にしたいものを守るには、一個人じゃなくてたくさんの人を代表して率いるアイコンとして生きるしかないのかもしれない。ウイルクの子じゃなく、青い目のポーランド人の娘のアシリパさん。フチのかわいい孫じゃなく、北海道アイヌのアシリパさん。動物の脳みそが好きな女の子じゃなく、樺太アイヌの血を引くアシリパさん。そんなアシリパさんの置かれた境遇を思うと涙を禁じ得ない……!アシリパさんの選択が少しでも彼女自身の幸せへ繋がるものであってほしいし、戦いが終わったら存分にフチに甘えて、杉元と狩りをして、みんなで食事をして、一人の思春期の少女として伸び伸びと過ごしてほしい……。

 

 

 

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