ゴールデンカムイ第192話感想

こんばんは、うたげです。
ヤングジャンプの「ゴールデンカムイ」最新話の感想です。
ネタバレありですので未読の方・コミックス派の方は気を付けてください。

 

第192話 契約更新

やっぱり都丹だった!!
先週から都丹では?と思っていた暗闇に響く下駄の音、この流れでの登場はまず間違いなく彼のことでしょう!
無事に再登場おめでとう!額の傷跡が、彼のしぶとさを物語っていますね。

今回は硫黄山での都丹たちの強盗のときとまったく同じシチュエーションでウキウキしますね!
暗闇に下駄の音が響くという噂から始まり、温泉で按摩さんから情報を聞く。
にくい演出ですね。
…ただ、過去のシーンとオーバーラップするところが多いなと感じると、それだけ物語としては回収のターンに入っているとも読めるので、終わりが近いという悲しさはありますね…。

それに今回は「樺太編のまとめ」とも言えるくらいに状況が整理された回なので、より一層、終わってしまうんだなぁという切なさを感じます。
なんで「樺太編のまとめ」と思ったかって。
・ずっと疑問に思っていた「尾形の目的って何?」について、登場人物たちの持っている情報と思惑が整理された。(でも結局わからない。今名言されていないものが答えだと思うのでおそらく金塊でも少数民族でもない)
・過去話からググッと内面の深掘りが進んだ月島軍曹がらみのところでは、スヴェトラーナの件が解決した。
・鶴見中尉や土方さんなど別陣営についての認識がアシリパさんのセリフで整理された。
・物語の開始のときにアシリパさんが杉元と交わした「父の死の真相を知りたいから金塊探しに協力する」という約束が、未だに真相が不透明であって⁰、それが樺太編から先も原動力になると再確認できた。
ざっと挙げるだけでこれだけあります。
要するに「区切り」が多いのですよね、今回。いい感じにおさらいしてくれて、すぐこんがらがってしまう私にはありがたいです。
キロちゃんの死で一気に終息に向かった樺太編、それだけキロランケがこれまで担っていた作品上の役割が重要だったということかなぁと。
尾形が何か知っていればいいのですが素直に口を割る男とも思えないし…アシリパさんが真相を知る日はいつ来るのでしょうか。

 

ちょっと違ってちょっと似ている

今回の名言といえばこれですよね。
北海道にいたら知らなかった、他の民族の文化。

他者の違いを認め、共通点を認める。
違うところも似ているところもある、それを知ったうえで生きていく。
多様性や他者の受容ということへつながる重要なセリフだなと思いました。

違う民族でも「私たち」と呼べるところにアシリパさんの寛容さが見えます。
違う場所で違う生活をしている人たちとも、分かり合える部分があるのですよね。
杉元がリスの脳を食べアシリパさんが味噌を食べたように、色々な民族がいてもお互いの存在を認め合うことがアシリパさんにはできるのですよね。
見方によっては露西亜も民族の集合体です。
なのでアシリパさんは少数民族のため蜂起するということはしないと思います。
蜂起して露西亜と戦うなら、それは他の民族と戦うということですから。

 

望む役目

そこで引っかかるのが杉元の回想でのウイルクの言葉です。
戦えるよう育てたというのは、武装蜂起を想定してのことでしょう。
しかも山に潜伏してということなら、具体的に北海道の山での戦闘を想定していると思われます。樺太では環境が違いすぎると思うので。
北海道アイヌが、露西亜もしくは大日本帝国によって消滅することを避けるためのものなのか?
アシリパさんの目指す生き方とは違う役目を望んでいたように思えますね。
それにキロちゃんの望んでいたであろうものとも少し違う気が。
キロちゃんは樺太など露西亜極東部での活動を考えていたのでは?
それとも北海道での蜂起が極東の民族たちにも励みになるのでしょうか。
ウイルクやキロちゃんの思惑の本当のところはまだまだ謎が多いですね。

杉元の役目も気になるところです。
アシリパさんを解放したいのは杉元の望みであって、アシリパさんがどうしたいかは未知なんですよね…。
まして今回珍しく杉元はアシリパさんに真実を伝えていない!
ウイルクが死の直前に言い残した言葉を伝えないのです、彼自身の意思で。
父の死の真相を知りたいアシリパさんにとってはとても重要なことのはずなのに伝えない。
杉元のアシリパさんを戦いから遠ざけたい気持ちはわかりますが、アシリパさんの願いの成就から遠ざかっている気がして、すれ違いにならないかな~と心配です…。
これももしかして脳みそカケの影響?以前の杉元ならしっかり伝えた上でアシリパさんの意思を確認していたと思うのですよね…。
安全であるように真実を伝えないだなんてまるで子ども扱い。相棒という扱いとは少し違うような…。
月島軍曹の「次に暴走したら殺す」という趣旨の発言が、杉元vs月島軍曹のフラグか?と思いながらも肩透かしに終わった暴走杉元。
ああいうわかりやすい暴走ではなくて静かに少しずつ暴走している
とかだったらめちゃくちゃ怖いどうしよう。

ウイルクといい杉元といい、みんなアシリパさんに自分の望む役目を期待していて、ますますアシリパさん自身の望みが何かに焦点が集まっているなと感じます。
彼女は何を自分の役目と見つけるのかしら。

 

日常生活でも、アシリパさんの寛容さで、他者とも認め合いたいですね…。

 

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