ゴールデンカムイ第279話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第279話 俺の手柄

菊田が杉元に貸した軍帽は日清戦争で病死した菊田の弟・藤次郎のものだった。飯を食うために陸軍へ弟を誘った結果、苦しんで死なせてしまった――「地獄行の特等席」という発言も合わさり、菊田が弟のことで自らを責めているのは明らかだった。
そんな菊田に対し杉元は、陸軍に入るきっかけは菊田だが最後は自分で決める、だからもう自分を許してはどうか、と声をかける。その杉元の姿に菊田は弟を重ねていた。観念した様子の菊田は杉元に軍帽を譲り、二人は札幌の教会近くで再会するまでしばし別れたのだった。

その後、陸軍第一師団長・奥田秀山(ヒデノブ)中将に呼び出された菊田は、第七師団への転属を言い渡される。鶴見中尉の監視と報告の任務を背負うのだ。そしてその部屋には尾形もいた。同じく鶴見中尉の監視をする者だが共倒れを防ぐためにお互いの邪魔をせず動くように、と奥田中将は菊田へ説明するのだった。

二〇三高地で頭を撃たれたはずの花沢勇作が目を開くところで杉元の夢は終わる。現実は汽車の中で、アシリパさんと土方歳三が中心となり暗号の解読を進めていた。
「ホロケウオシコニ」のいずれかの音を持つ漢字が四文字以上入っている皮を重ねると文字の間隔が合う、というところまで解読は進んでいた。もとは漢字がほぼ読めなかったであろうアシリパさんに漢字を用いた暗号を残したウイルクの真意は、「和人と協力せよ」なのか「和人を利用せよ」なのか。
そしてアシリパさんは海賊房太郎が渡した、ウイルクが作り支笏湖で落とした金貨を見て、「どの線にも交わらない一本の線を表す文様」が刺青にも共通していることを見つける。

一方の第七師団は、菊田が有古を届けた病院から鶴見中尉たちの待つ教会へ戻ってきていた。ノラ坊こと杉元と再会できた喜びを噛み締めながら。不死身の杉元の日露戦争における活躍は目覚ましく、陸軍入りのきっかけを作った菊田としては誇らしかった。
そして教会内では鶴見中尉が暗号を解くことに成功していた。ついに金塊にたどり着くぞとざわつく他の面々を、まだまだこれからだとたしなめたかと思いきや、鶴見中尉は菊田の胸元に二発、発砲した。

 

役目を終えたら

やっぱり尾形も中央スパイだった………
どういういきさつでそうなったかはよくわかりませんが、菊田とは敵同士ではないにせよ協力する味方でもないといったかなり淡泊な間柄だったのですね。この関係性が、あの札幌麦酒工場ですれ違った場面に凝縮されていて、非常に良いです…味わい深い…。
尾形ももとは第一師団にいたのですかね?茨城から東京の第一師団へ入団?けど鶴見中尉の信頼もかなり得ていたようだったしいきなり第七師団に入った線のほうが濃厚かなと思うのですが…それだと奥田中将とのパイプはいつ頃できたのですかね。
尾形の出自を奥田中将が知っていたら、派閥争いにおいて利用していない手はないので、たぶん奥田中将は知らなかったのかな…でも第七師団ではみんな知っているようだったし奥田中将の耳に入っていないはずはないし…当時は妾の子はそれなりによくあることだったのですかねぇ。でも妾の子はよくて本妻との子を財閥に入れようとするのが恥というのはちょっとよくわかりません…私の現代の感覚で読んではいけないってことなんでしょうか。

そして鶴見中尉はやはり菊田が中央のスパイであることに気付いていたのでしょうね。まぁもともと第一師団にいた人間が勇作さんの件…正確に言うと奥田中将から金塊の件を聞かされて以降、急に転属してきたらまずあやしいですもんね。それ以外にも色々確証を得るに十分なことが色々あったのでしょうが。
それにしてもこのタイミングまで泳がせていたのは、今までは中央に報告されても特に障壁にならないという自信があったからなのですかねー。でも実際に金塊の在り処が割れたらさすがに中央にそれを知られるわけにもいかないので始末した、というところでしょうか。
弟分として短い期間ながら可愛がっていた杉元が生きていたことを知り、更には杉元の回想(夢)の中で弟を重ね合わせた杉元から許しももらえて…死亡フラグが立ちまくっている今回の菊田。杉元と殺し合う未来はなくなったし、忠誠を誓っている相手も特にいないでしょうし(中央には仕方なく、でしょう)、この世に未練はもうないのではないかな…と思ってしまいました。きっと地上での役目を終えたのでしょう…。地獄行の特等席だなんて言わず、弟さんの待つ天国で兄弟仲良くいてほしいものです。

杉元の回想の最後については、勇作さんが二〇三高地で撃たれたことを杉元は知っていたのですかね?特に明確に今まで言及されていないような気がしますが、私の記憶違い?
それはともかくとして、最後、脳天を撃ち抜かれて間違いなく即死したはずの勇作さんが目を見開きこちらを見る、という、おそらく幻覚。そんな幻覚を見るだなんて杉元は罪の意識があるのでしょうね…。尾形と同じじゃん。尾形は撃たれた勇作さんが倒れる前にこちらを振り向いた幻覚を見て、杉元は倒れた勇作さんが目を開いて見つめてくる幻覚を見て。二人とも似た者同士。そして杉元はけっこうたちが悪い。菊田には、自分を責めるなというようなことを言っておきながら、自分は勇作さんの別の道があるのを知っていたのに戦場へ向かわせて死なせてしまった、とでも思っているのでしょうか?
菊田のように堂々と自分ができたこと・したことを誇りに思いそれを拠り所にしていてほしいですね。杉元は寅次のことも梅ちゃんのことも勇作さんのことも、自分が関わった人間のことを思いすぎていて…優しさの表れでもあるとは思いますが、そんなに自分を責めて自分の心を痛めつけて楽しいか?と聞きたいくらいです。この優しすぎる男は金塊争奪戦の最後に少しでも救われるのですかねぇ。

 

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