ゴールデンカムイ第215話感想

こんばんは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレを含みますので未読の方・コミックス派の方は気をつけてくださいね。

また、以下は私の所感です。
一ファン個人の想像・妄想・曲解を多分に含んでいますので、そういうものとしてお読み頂ければ幸いです。

 

第215話 流氷の天使

流氷の上を進む、杉元・アシリパさん・白石・ヴァシリ。その後ろには白い獣の姿があります。
白石は実は昨夜の月島軍曹と鯉登少尉の会話を聞いていました。鶴見中尉の動機は屯田兵への報いのため、アイヌの存亡はまったく視野に入っていません。
アシリパさんが鶴見中尉の手から逃げ出すことで第七師団が金塊を手に入れる可能性が低くなり、白石は胸がすく思いでした。第七師団が金塊を手にし、アイヌはじめ少数民族の生き残る道が狭まってしまったら、キロランケは一体何のために戦って死んだのか。

キロランケに関してはアシリパさんには疑問がありました。和人でもアイヌでもないのになぜ日露戦争へ出征したのか。白石の推測ですが、キロランケはアイヌへなりすまし北海道へ潜伏、結婚して戸籍は取得しているので兵役は免れられず、拒否すれば身上調査があり面倒になりそうなので出征するしかなかったのではないか、と。そこにウイルクとの関係の変化(ここは具体的には描かれていません)や極東少数民族存続への思いも絡み合い、今できるやり方でロシアへ牙をむこうとしていたのかもしれません。
キロランケ出征の理由を聞いた杉元は、殺し合いは手っ取り早くて簡単だ、と思います。アシリパさんの目指しているであろう、誰も殺さない道は、戦争に比べ遥かに困難です。

杉元にも、キロランケに関連した疑問がありました。彼の最期のとき、アシリパさんは何を言ったのか?暗号の解き方がわかったのではないか?という質問にアシリパさんは素直に「うん」と答えます。
が、暗号の解き方は言いませんし、杉元も聞き出そうとしません。時が来たら教えてほしい、と杉元はアシリパさんを信頼し、判断を任せます。
杉元を守るには私が盾になればいい。アシリパさんにはそんな思いがありました。魂が抜けるまで戦いひとり傷つく――暗号の解き方を知ったら杉元はきっとアシリパさんを置いて行ってしまうだろうことはアシリパさんにもわかっていました。だから暗号の解き方は杉元にも教えない。暗号の解き方を教えなければ杉元とアシリパさんが離れることはないし、第七師団もむやみに攻撃してはこないでしょう。
さらに重たい決意がアシリパさんにはあります。「道理」があれば、杉元と一緒に地獄へ落ちる覚悟をしたのです。
しかし白石がシロクマに襲われアシリパさんのダイアログは終了。海に潜り助かった白石でしたがシロクマがなぜこんなところに?

一方、連絡船では鶴見中尉がこれからどうするかを話していました。宇佐美はアシリパさんの親族を殺すと脅せばいいと提案します。しかし罪のない人を見せしめで殺すのは反対だと、菊田が人道的な発言をします。宇佐美の続いての提案、フチの死亡広告を出すというものに鶴見中尉も反対ではない様子。「迷いがあって覚悟が決まっていないのならば…」と、アシリパさんの覚悟の程度によっては脅迫は有効だと鶴見中尉は考えているようです。

大泊の海岸線ではヴァシリが狙撃した兵士の回収へ月島軍曹がやって来ました。しかし死亡した兵士は軍服を脱がされており、周囲に問いかけると子どもが答えます。男の人が軍服を脱がすのを見たと。その男は、もう使わないからと軍服を脱がしたあとに銃を拾い上げ、あたかも窮地から救い出したかのような口ぶりで、こいつも壊れるまで人を撃ちたいはずだと言い放ちます。それは右目を包帯で覆った尾形でした。

 

あるがまま

今回アシリパさんがとんでもない覚悟を決めていました。不殺を貫くのかと思いきや、「道理」があれば地獄へ落ちる覚悟をしていると。つまりは人を殺すかもしれないということですよね。
アシリパさんにとっての「道理」とは何になるんでしょう?作中で「道理」は、「意思と反することをした際に自分の気持ちを納得させるための言い訳」というのが言い換え表現になるのかなと私は思っています。人殺しについては杉元・尾形についての描写が非常に高い濃度ですでに出てきています。尾形は「人を殺しても罪悪感なんてないはずだ、あるはずがないのだ」と言い、自分の中の罪悪感を押し殺しています。杉元は「自分は地獄行きだとわかっているし、人を殺す前の自分とは別人になっていることもわかっている」と、理解しているから納得してくれと必死に自分に言い聞かせているように見えます。二人ともに共通するのは、本当はしたくないことをしているということと、気持ちと行動がちぐはぐになってそれをどうにか納得させるために自分の中で通ずる理屈を組み立てていることだと思います。その理屈が「道理」になるのでしょう。人間の精神は案外弱いので、安定を保つために無理やりにでも「整合性」を必要とするのですよね。

アシリパさんの「道理」は、杉元と近いものではないかなと思います。アイヌでも人を殺した者は地獄に落ちるという思想があります。そこへ行くことはわかっているのだから納得してくれと自分の心に言い聞かせるものになるのでは?
でもアシリパさんの場合は、そこに「杉元も一緒だ」というのが加わる気がします。杉元も一緒だから地獄なんて怖くない、という信頼なのか、杉元だけ地獄に行かせるわけにはいかない、という金塊争奪戦に巻き込んでしまった責任感めいたものなのか、それともまた別の何かなのかはわかりませんけども。

兵士だらけの作品なので出てきたときにはすでに人を殺すのが当たり前、というキャラクターがほとんどの中、アシリパさんだけがこれまでに誰も殺しておらず、今後誰かを殺すかもしれない可能性があります。アシリパさんがこの矢を人に射るべきなのか迷う場面、見たいような、そんな未来は来てほしくないような…。

 

流氷上のスタンドプレー

今回月島軍曹が久々に登場しましたが、一人で行動していましたね。アシリパさんたちを追って他の兵士は連絡船、そうなると大泊に残っているのは月島軍曹と鯉登少尉ぐらいでは?と想像していますが…
果たして鯉登少尉の安否はどうなのでしょう…。何週間もやきもきしています…。
鶴見中尉たち第七師団が連絡船に乗ったあと水雷艇が大泊へ引き返し、父が何も言わぬ息子を抱きしめ船に乗せる…なんてことが起きていないとよいのですが…。

あとは尾形、ここで出てきたか!という感じです。今回の発言だけ聞くと、人殺すのだぁい好き!という風に聞こえますが…そんなキャラだったっけ…?
でも再起不能かに思われたキャラが実は無事で戦線復帰…というのはアツい展開なのでワクワクします。眼帯キャラ枠にも収まってきてるし、さすが尾形、魅力にあふれまくっているところは相変わらずです。
鶴見中尉たちより早くアシリパさんたちへ会い、そこでまたアシリパさんが尾形を殺せるのかどうなのか!?という展開があるのでしょうか。そういえばあのときも流氷の上でしたね。吹雪にならないといいなぁ。

 

 

 

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