ゴールデンカムイ第213話感想

こんばんは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレを含みますので未読の方・コミックス派の方は気をつけてくださいね。

また、以下は私の所感です。
一ファン個人の想像・妄想・曲解を多分に含んでいますので、そういうものとしてお読み頂ければ幸いです。

 

第213話 樺太脱出

大泊に滞在する杉元一行のうち、白石とアシリパさんが部屋で宿の仲居さんと話す回想から始まります。北海道への連絡船が故障により出発が通常と違い、明日の早い時間に出ることを白石とアシリパさんは知ります。
アシリパさんはその連絡船に乗るに違いないと踏んだ白石は、谷垣と街の外れにある連絡船乗り場へ走ります。

杉元とアシリパさんは、「頭巾ちゃん」ことヴァシリに会います。第七師団がアシリパさんの周囲にいては尾形が姿を見せないのではと考えるヴァシリは、アシリパさんの樺太脱出に手を貸します。
ヴァシリの操る馬に二人も乗り、途中で白石も拾い上げて走り続けます。

馬に乗れなかった谷垣は、走りながらアシリパさんへ叫びます――鶴見中尉の監視の目があるのでフチの村へは戻れないぞ、と。
そんな谷垣に対しアシリパさんは、インカラマッがいるから谷垣は来るなと言い、さらにフチへ伝言を頼みます。フチに会う夢を見たから安心して、必ず会いに戻るから。谷垣を置いて四人は馬で走り去ります。

四人を見送ったあと、谷垣が白石と一緒でないことに菊田が気付きます。谷垣が白石はアシリパさんたちと街のほうへ逃げたと言うと、ならばなぜ追わない、走れ谷垣一等卒、と菊田は指示しますが…
俺はマタギの谷垣です、と谷垣は答えます。

連絡船上では、手負いの杉元が心配そうなアシリパさんに向け語ります。俺は俺の事情で金塊がほしい、戦ってこうして傷を負うのも覚悟しているだろう、と。杉元はアシリパさんの人を殺したくない信念を理解したうえで、アシリパさんのやり方でアイヌを守ってくれると信じ、彼女と同じ道を行く決断をしたのです。

一方船の近くに血痕を見つけた兵士がこちらへ近づいてくるのが見え、ヴァシリがそれを狙撃。稚内港行きの連絡船は無事に離岸しますが…
射撃音が鶴見中尉の耳に入り、連絡船に乗ったことを推理されてしまい、水雷艇で第七師団が追ってきます。

 

マタギの谷垣

今週は俺はマタギですと言う谷垣が輝いていましたね。
谷垣一等卒、と呼ばれ命令されたあとに言うところもまたいい演出です。

ゴールデンカムイでは、杉元のように、心が戦場に行ったまま帰ってこない人たちが描かれています。心が戦場にある、というのは、本来の自分ではないという表現だとやや語弊がありそうですけど、私の拙い表現力読解力ではこれが限界なので、本来の自分ではない、ということにしておきましょう。
杉元は梅ちゃんに自分とわかってもらえなかったように、こうありたいと願う自分ではない状態なのでしょう。谷垣も、本当は山で獲物を追うマタギとしての自分に一番誇りを持っていたのだと思います。けれど軍隊では、谷垣一等卒であって、上官の命令に従い敵を追う兵士でしかありませんでした。その兵士が菊田特務曹長の指示に背き、俺は兵士ではないと言うのです。然るべきところに自分の心が帰ってきた感覚があったのではないでしょうか。そして谷垣の心を帰す最後の一押しは、アシリパさんだったのでしょう。鶴見中尉に怯え信念を曲げることはせず、周囲の人々を助けもしながら、真っ直ぐ進んでいくアシリパさんの生き様を見て、こうありたいと願う自分になりたいという気持ちを外に表出させたのだと思います。

 

杉元の事情

杉元は今回、「俺は俺の事情で金塊がほしい」と言っています。ここに杉元の成長が少し見えた気がして、嬉しいです。

杉元は静かに暴走している状態にありましたが、アシリパさんと再会し、アシリパさんの人を殺さないという信念・アイヌを守るという決意を見て、暴走が収まったと思います。
ここでいう暴走状態とは、アシリパさんのためという建前を被せた恩着せがましい行動のことです。アシリパさんに手を汚してほしくないからアシリパさんを金塊争奪戦から離したい、という杉元のちょっと前までの願望は、アシリパさんのアイヌを守りたいという意思を無視したものですよね。それにアシリパさんのためと言って戦って、それによって負う傷は、アシリパさんをも傷つけることになっていたと思います。怪我をした人に、あなたのためだからと言われたら、罪悪感が半端ないですよね。なのでアシリパさんのためと言いつつ、結局は責任をアシリパさんにも押し付ける最悪の動機だったと思います。

でも今回の杉元は、俺は俺の事情で戦っているんだ、と言っています。アシリパさんのためなどという厄介な建前を被せたものではないです。もちろんアシリパさんを助けたいという気持ちも動機にはあると思いますが、俺の事情だという主体性の有無でアシリパさんの心の負荷もだいぶ変わってきますよね。

そうなると覚悟が必要なのがアシリパさん。アイヌを守るためには金塊争奪戦に参加して勝ち抜けなければいけないのです。アシリパさんは不殺を貫く信念を持っているようですが、杉元が言うように、アシリパさんの周囲の者たちは誰かを殺し誰かに殺されるかもしれないのです。間接的な殺人とでも言えばいいのかしら。そして誰かを守るために誰かを殺す場面も出てくるのかもしれない。それでも不殺を貫く覚悟があるかと杉元は問うていると思います。

アシリパさんがどうするのかはわかりませんが、誰かを手にかけるかアシリパさんが葛藤する場面が出てくるのではないかなと思っています。アイヌを守るために誰かを犠牲にする。村を守るためにヒグマの子どもを神へ送り返すように。でもアシリパさんなら、不殺の信念とアイヌの守護、どちらも両立する道を見つけてくれると私は杉元と同じく信じていますよ。

 

 

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