ゴールデンカムイ第278話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第278話 花枝子お嬢様とふりちんノラ坊

花枝子を鶴見中尉・月島軍曹・尾形・宇佐美から守るため全裸で戦う杉元。ようやく現場に菊田も駆け付ける。鶴見中尉は花枝子お嬢様と一緒にいる男が花沢勇作ではないことに気付くが、杉元の暴れっぷりはまったく衰えず。仕方なく月島軍曹が発砲するが、寸でのところで割って入った菊田により杉元は被弾を免れ、杉元・花枝子・菊田の三名は山村ハマ子の活躍もありなんとか帝国ホテルの一室から脱することができた。
ホテルの外まで逃げる途中に花沢勇作本人と出くわしてしまうが、本来見合いをするはずだった男をかわして花枝子は杉元の手を引き進む。

ようやくホテルから離れた往来まで出てこられたが、そこで花枝子は杉元と結婚したいと言い出す。それに対し杉元は自分は陸軍に入るのだと断る。さらに山村ハマ子が三人に追いつき、杉元と花枝子の結婚なぞ花枝子の家が絶対に許さないだろうと花枝子を諭す。花枝子は行き遅れになりつつあるのが悔しくて素敵な男性を結婚相手として見つけ自分の優秀さを証明したかったのだった。山村ハマ子の言葉で目が覚めた花枝子は杉元と深いお辞儀を交わし、去っていった。

花枝子が去ったあと、菊田は杉元に花沢勇作のことは忘れろ、と伝える。そして陸軍に入るという杉元の言葉を本気と受け取っておらず、杉元に貸した弟の軍帽を返すように言う。

 

自分の価値を知る人がいるということ

今回のMVPは間違いなく山村ハマ子でしょう!!名家の女中として暮らしていてこの言葉をお嬢様にかけられるなんて素晴らしい。きっとお嬢様の素晴らしさとそれが評価されない世の中への悔しさを一番近くで見てきたからこそ出てきた言葉なのでしょうね。
ゴールデンカムイは明治時代の日本が舞台ですが時折こうして現代にも通ずる価値観を持った人たちが登場するのが面白いですよね。殺伐とした殺し合いの中でホッとできるエピソードはありがたいです。きっと彼らは当時からしたら浮いていたのでしょうけど、私も行き遅れなんて価値観はクソ喰らえだと思いますし、杉元と同様に数回の見合いだけで人生のパートナーを決めることに違和感があります。女性は結婚の道具みたいな見方だったんですねぇ。
花枝子お嬢様は自分を身を挺して守ってくれた杉元に惚れて、素敵な恋をしたなぁ…と今回のお見合い替え玉大作戦はホッコリ温かい気持ちになりました。男性を見る目がありますよ彼女は。のちに財界で「女帝」と呼ばれるほどの大活躍を見せる花枝子お嬢様ですが、日露戦争での活躍も考えるに、当時主流だった「どんな生まれで誰と結婚するか」という価値観ではなく「自分がどんな人間で何を成すか」という価値観で生きていた、非常に先進的な女性だったのでしょうね。この価値観は、選択を他人任せにせず自分の心に素直になるというゴールデンカムイ全体を貫くテーマとも共通しているものがありますね!

菊田はなぜ杉元の陸軍入りを拒むような素振りを見せるのでしょうか?弟さんのこともあって軍隊に入るのが幸せとは限らないと思っているから?自分が引き込んだせいで一人の若者の未来を戦争に捧げさせる罪悪感があるから?
地獄行の特等席」という決め台詞も菊田がここで杉元に言うものだったのですね。杉元の回想のスタート地点です。まさか下半身が丸出しだったとは思いませんでしたが…。

それにしても勇作さんの替え玉の次は花沢夫妻の替え玉って、菊田さんには作戦の相談ができる人がいたほうがよかったんじゃないかな…。

 

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