ゴールデンカムイ第274話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第274話 こだわり

江渡貝くんのこだわりのおかげでアシリパさんは刺青人皮の偽物の判別方法に気付いた。
熊岸長庵が指摘していたように江渡貝くんは自分の作品をただの贋作ではなく、本物を超えてやろうという執念を持って作っていた。その執念、こだわりを、アシリパさんが見抜いたのだ。

門倉が札幌麦酒工場のタンクにぶつかり刺青人皮をばらまいたとき、刺青は水に濡れ金属製の窯に触れていた。そのときに黒く変色したものとしなかったものがあったことをアシリパさんはしっかり見ていた。
刺青人皮を手に入れ鞣す際に杉元は入手が容易なミョウバンを用いていたが、江渡貝くんは植物の汁を使っていた。キブシやケネ(ハンノキ)の汁がよく用いられるが、ケネの汁を使い染められた布について今回の気付きに繋がるアイヌのエピソードがあった。ある女がこだわり抜いてケネで染めた真っ赤な着物を織り上げたが、それを着た夫が雨に濡れるとマサカリをさしていた腰の部分が茶色く変色していたのだ。

ちょうど土砂降りの札幌の空、汽車のレールの上に刺青人皮を置いて試してみると。「ホロケウオシコニ」の音を持つ漢字が入っていない偽物はレールに触れた部分が黒く変色していた。有古が鶴見中尉に持たされた5枚のうち2枚は、攪乱を目論まれた本物だった。
そしてこのことからアシリパさんは、やはり父の名「ホロケウオシコニ」が暗号解読の鍵であると確信した。そしてその鍵は鶴見中尉もすでに手に入れてしまった。ここからはいかに鶴見中尉より先に金塊にたどり着くかの勝負。鶴見中尉を出し抜くため、自分たちしか持っていないであろう、海賊が教えてくれた情報を頼りに、一行はアイヌが金塊を初めに隠した場所へ向かいながら解読を進めることにした。

移動の汽車の中、アシリパさんや土方歳三が解読を試みる傍らで杉元はまどろんでいた。頭の中に浮かんできたのは菊田だった。「地獄行の特等席」という杉元も使っていたセリフを吐き、「花沢勇作のことも全部忘れろ」と杉元に言ってのける菊田と杉元の関係とは一体――?

 

浮かばれる魂

江渡貝くんの遺作がとんでもない評価を受けていて、なんだか嬉しくなっちゃいましたね、今回のお話。
江渡貝くんだけはこの作品の中で誰も殺していないし金塊がほしいわけでもない、本当にただただ巻き込まれてしまっただけの青年なのです…。本人は鶴見中尉にたぶらかされて幸せそうでしたけど。
その江渡貝くんが心血を注いだ最後の作品が、本物をも凌駕したと評されているのですよ。間違いなく報われたでしょう、彼の魂は。江渡貝くん的には鶴見中尉のお役に立つのが一番なので、偽物とバレずアシリパさんたちを悩ませ続けるのが良かったのかもしれないけれど(まぁ、こだわりは繊細すぎるんだ、というアシリパさんの痛烈な一言がこのあたりの顛末を物語っている)、作品を作る側としては「意図やこだわりが伝わった」という喜びもあると思うのでね。自分の一部が理解してもらえたということで彼も天国で喜んでいるかもしれないですね。

鶴見中尉と杉元一行の持っている情報で差がついているのはもう海賊房太郎が握っていたもののみかぁ。あっという間に鶴見中尉に詰められてしまった感。鶴見中尉のことだから最初に金塊を隠した場所とかも見当がついていそうで怖いけれど…。

あとは先週門倉を見つけた尾形は間違いなく汽車に乗っていますよね。今回一等車からつまみ出されてしまった不運な紳士が尾形に見つかり更に不運な目に遭ったりするのかしら…。もしくは気分転換にちょっと離れていた門倉がまた遭遇したりするのかな。
そして眠る杉元が見ている菊田との思い出。杉元は菊田さんからの影響を色濃く受けているのね…。「地獄行の特等席」なんてついこないだ発したばかりだし、再会時の様子からかなり菊田に懐いてそうだったし。何よりもここでまた「花沢勇作」の名前が出てきますか!!!尾形も近くにいるだろうしまたまた不穏な空気…杉元と勇作さんの間には一体何があったんだ!?

 

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