ゴールデンカムイ第255話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第255話 切り裂き杉元

マイケル・オストログの放った火は札幌麦酒工場の一画で派手に燃え上がっていた。人々が集まり消防の消火活動を見守る中、上エ地は炎ではなくそのとき工場に誰がいるのかを見ていた。消防隊員に連れられて敷地から出されている様子の白石牛山土方さん都丹、そして海賊。網走監獄の刺青の囚人がここまでそろうというのはどうやら上エ地にとっては好都合らしい。「ここしかない」というセリフを吐き、消防の長い長いはしご車を見上げる。

工場内部ではストゥでアシリパさんにぶん殴られたマイケル・オストログが忌まわしい過去を回想していた。愛し合って生まれた子ども。アシリパさんの言ったことをある女にも言われた。道端で話しかけてきた汚らしい娼婦が彼のことを、王族の男と愛し合った末に生まれた自分の息子だと言うのだ。マイケル・オストログの腹部のアザを知っているのだから出鱈目ではあるまい。しかし娼婦の女から生まれたということがマイケル・オストログには許せなかった。自らを処女の母から生まれた神の子といい、それを否定するアシリパさんについに刃を向ける――。

刃物を向けられたアシリパさんの顔が緊張で強張る。この金塊争奪戦においては命を賭す場面も多いが、その実アシリパさん自身が誰かを手にかけるということはなかった。ただ一度、樺太の流氷上で尾形の右目に毒矢を刺してしまったとき以外は。離さないと毒矢を刺すと言っても離す気配のないマイケル・オストログに、尾形のときと同じように毒を食らわせるしかないのかと恐怖したのだ。あのときは尾形は死ななかったが今回はどうなるのだ――。

そのとき杉元が駆け付けた。人を殺すのは自分の役目だと言う杉元。「誰から生まれたよりも何のために生きるか」が大事だとマイケル・オストログに話すがもちろん説教するつもりは毛頭ない。すぐさまマイケル・オストログの腹部を切りつける。彼の腸らしきものが引っ張り出されたが、それが引っかかったままの杉元の剣が今度は喉元を貫通した。さらに蹴り飛ばされ、肉体は窓を突き破って外へ。ちょうど近くにいた牛山が落ちてきたマイケル・オストログの頭を踏み潰し、これにて札幌連続娼婦殺人事件の犯人は命で以て罪を償ったのだった。
また、マイケル・オストログを生死は別として捕らえたということは、未発見の刺青人皮は残り2枚ということになる。もう一枚はおそらく上エ地、あと1枚は果たしてどこにあるのか。

工場のまた別の場所では、上等兵ふたりの戦いが続いていた。壁際へ追い詰められた尾形は宇佐美に一方的に殴られ続ける。至近距離では銃を構えることはおろか、宇佐美にボルトを引かれ中の銃弾をすべて床に吐き出されてしまう。弾薬箱から次の銃弾を取り出そうとするのすら宇佐美に掴まれ投げられかなわない。幼少期より抜きんでた柔道の才を鍛え上げてきた宇佐美には、肉弾戦では勝てないのだ。
投げられた尾形はレンガ造りの床に這いつくばって吹っ飛んでいった銃へ寄っていく。しかし銃弾は先ほど床にぶちまけたので銃床は空っぽ。もはや銃は使えまい、という慢心が宇佐美をおしゃべりにする。商売女の子どものくせに誰に向かって――積年の恨みを込めたであろう言葉を宇佐美が這いつくばる尾形の背中にぶつける間にも、尾形は銃を撃とうとしていた。口にくわえていた銃弾を、うつ伏せで宇佐美に見えないよう、そのまま口で銃に込める。発射の準備が整った。床に腹ばいになり、己の肩越しにさかさまの銃で撃つという芸当だったが、尾形の弾丸は宇佐美の腹に命中した。

 

どう生きるか

マイケル・オストログがアシリパさんを見るとき、きっとその背後にはマリア様が見えていたのだと思う。でも実際は違う。もちろん処女から生まれたわけではない。父と母が愛し合って生まれ、戦って、時に他の命もありがたく頂戴して、生き抜いていく覚悟のある、生身の人間

そりゃもちろんマイケル・オストログの言うマリア様じゃないというのはわかっているけれど、これまで杉元たちを率いてきた救世主のような存在だったアシリパさんもちゃんと生きている人間なんですよ、ってことだよね。きれいなことばっかりじゃない、樺太でもいっぱい悩んだけれどこれからもきっとたくさん迷ったりするでしょう。

網走監獄までだと、アイヌ文化を杉元に教えたり杉元の心をそっとほぐしたりと救世主みたいな扱いだったアシリパさん。
樺太ではそんな彼女の心のものすごくデリケートで誰にも触れられたくない部分が見えた。で、そこに触れようとしたのが尾形だった。
救世主が、ちっぽけな人間になって、そして再び北海道へ帰ってきたら次に何になるかというと、この流れでいうとヒーローを期待するよね。V字回復みたいな具合で。
でもそうじゃないんだろうと思う。アシリパさんがこれから見せてくれるのはかっこいいヒーローではないかもしれない。全部丸く収まる妙案があるわけじゃないかもしれない。普通の人間と同じように、あのときの選択が最善だったのかと悔やんだり悩んだりしながら金塊争奪戦のあとを生きていくんでしょう…。

キリストの生涯になぞらえて、物語の前半は人々を奇跡の力で救い、中盤で一度伏し、復活後は神に……という流れもあるのかもだけど、その枠組みにはまることはないよね。何せ自分に素直に生きようとする人たちの物語なんだから。むしろ決まったコースを飛び出していってこそゴールデンカムイ、という部分もあるし。

あと、ちょっとだけ引っかかっているのが、杉元の「それは俺の役目」っていうの…。もちろんアシリパさんは誰も殺さないのが一番いいと思っているだろうけど、自らが手を汚さずに金塊を手に入れるというのにも違和感を覚えていそう。このあたりはまだアシリパさんの口から考えを聞けていないところ。作品として十代前半の女の子にそうさせるのはどうなんだ?というのはあるけど、覚悟くらい聞きたいじゃない…。

ところで宇佐美くんはこれは…ダメかな…。この作品、多少撃たれた切られたくらいでは死なない人が多いから、まだどうにか…!って希望にすがりたくもなる。もしも召されてしまうのなら、どうか鶴見中尉の腕の中でいかせてあげてほしい…。

さて残りの囚人は誰でしょうね?私がよく覚えていないだけで実はもう出てきていたりする…?

 

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