ゴールデンカムイ第249話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

第249話 それぞれの夢

石川啄木によりジャック・ザ・リッパーの犯行になぞらえられていることが推測される札幌連続娼婦殺害事件。五人目の犯行は札幌麦酒工場でおこなわれる読みのため、杉元一行と土方一派は作戦を立て臨む。

「囮役」「仕留め役」「合図役」の三人一組を四組作り、それぞれ娼婦を帰しながら犯人を待ち受ける。
未だ土方歳三に裏切られた経験から信用し切っていない杉元は、もちろんアシリパさん白石と組になる。アシリパさんは「相棒だから」杉元と一緒にいることを選択する。

アシリパさんのような少女にとっては危険極まりない作戦だが、アイヌの未来を守る金塊をめぐる戦いに、アシリパさんが高みの見物でいいはずがない。
アイヌ民族を守ることはアシリパさん自身の夢なのか、その夢で自分も幸せになれるのか、と海賊房太郎に聞かれれば、アシリパさんはイエスノーでは答えない。
海賊は、自分の王国を作る以上に、自分のことを忘れられないための良い方法があるのなら参考にしたいのだ。忘れ去られずに誰かが語り継いでくれるなら、王様になるのでも他の方法でもかまわない。今の海賊には、王様になって子孫をたくさん残し、後世に自分のことを覚えていて語ってくれる人がいることが、幸せの形なのだ。
海賊にとって気になるのはアシリパさんが現在語っている夢が、自分自身も幸せになるためのものなのかということ。だから彼はこう尋ねる。アシリパさんの描く未来に杉元はいるのか?と。

海賊の問いかけに対するアシリパさんの答えは聞けないまま、やがて娼婦に声をかける男が現れ始める時間になった。囮役の夏太郎に外国人の男が声をかけてくる。外国人であることから一気に高まる緊張感。今回の犯人は、網走監獄の刺青の囚人の一人、マイケル・オストログではないか?というのが石川啄木たちの読みだ。

マイケル・オストログは国籍不明、貿易船で日本へ密入国の後に横浜で娼婦を殺した。外国人の死刑囚は日本では初だった。
年の頃は五十代。もしジャック・ザ・リッパーが生きていたとしたら、ロンドンでの犯行当時三十代と仮定して、ちょうど今は五十代……この一致は偶然なのかそれとも石川啄木の推理通りマイケル・オストログ=ジャック・ザ・リッパーで、自分の聖地ほしさにここ札幌で犯行を再現したのか?

一方。札幌には第七師団が集まりつつあった。鯉登少尉月島軍曹二階堂が札幌へ到着、鶴見中尉の到着を待つ。
また、宇佐美はすでに札幌へおり、土方一派の中では石川啄木と邂逅済みだが、なんと石川啄木が破り捨てた地図を拾い集め復元し、ここ札幌麦酒工場へやって来ていた。因縁のある門倉(囮役)の背後に宇佐美が迫る――!

金塊争奪戦の中心

出会って即アシリパさんから杉元への恋心を見抜き、それ以降やたらアシリパさんへ突っかかってくる海賊房太郎。その理由はもちろん、「アイヌとして」という、一個人ではなくて集団の代表としての立場を強調していること。
アシリパさん個人としての幸せよりもアイヌ民族としての幸せを優先するのは、本当にアシリパさんに幸せをもたらすのか?海賊には疑問なのでしょう。
海賊は「自分のことを覚えていてくれる人がいること」が幸せなのだとすでに確たる定義が自分の中にある人。そういう人からしてみれば、きっとアシリパさんは自分の本心から目を背けているように見えるんじゃないかな。
杉元が好きだからずっと一緒にいたいと願っているはずなのに、それを心の底にしまい込んで、アイヌ民族という所属集団の幸せにを優先させてしまうなんて。民族が存続したとしてアシリパさんという個人はそれで幸せなのか?

ここに来てとても大きな問題を改めて言語化してくれた海賊。
アシリパさんにはずっと、一人の少女が抱えるにはあまりに大きな使命が圧し掛かっていたのだ。
父ウイルクが、アシリパさんを山で戦えるよう仕込んだことから、娘には戦う道=少数民族として時の政権などに反抗し自分たちの生存を勝ち取る道を望んでいたでしょうし、キロランケやソフィアももちろんウイルクと同じ。アシリパさんは我ら少数民族の希望の星、そうなってもらいたい、と思っていたでしょう。自分たちの思想を受け継いでくれる「器」の役割を期待していたのではないかと。
そもそも金塊争奪戦においてアシリパさんは暗号解読の鍵。本人がどう望むかは関係なくて、先に挙げた人以外は「鍵」という道具の扱いをしていた、と言ってもおかしくはないでしょう。

「器」「鍵」の扱いを受け、アシリパさん個人の意思は尊重されてこなかった。誰も気にかけてこなかった。そんなアシリパさんが、志半ばで死んでいった父やキロランケの思いを知って思いを受け継がないわけもなく。これこそ私の本心だと思わなければ、死んでいった人たちに顔向けできないという気持ちになるだろう。とても追い詰められた状態だ。

しかし。そこへ疑問を投げかける人物が二人。
一人はもちろん海賊。言葉でハッキリと疑問を形にしてくれた。
でも海賊が言葉にするより前に、杉元も疑問を生じさせていたと思うんだよね。
アシリパさんが杉元への好意を自覚したときからその疑問は生まれていたのだと思う。でもその気持ちに蓋をして、民族のため、と言わざるを得ない状況が続いて。
だからアシリパさんもきっと自分の中でこの「ねじれ」にどう蹴りをつけるか奮闘中なのではないかな。もしかしたら目を逸らしているだけかもしれないけど。
個人の幸せと集団の幸せ、両立はできないのかな?

誰かがやらなきゃいけないことだから私がやると決めた

↑このセリフ、成長期途中の子が言うにはあまりに重くないか…。
「誰かがやらないと」っていうことをやってしまう人柄。人望は厚いだろうけど苦労するタイプだなと思うと……子どものうちに我がままに振る舞うことも覚えてほしいなと思ってしまう老婆心。
周囲の期待になんてこたえなくていいんだよって教えてあげたい…。

杉元の心の傷を癒し、金塊争奪戦の中心にあって、「自分の心に素直であること」を象徴する存在としてアシリパさんがいるものと思っていたけれど。
途中からアシリパさんも自分の心がよく見えていない状態になっていたんだね…。
アシリパさんが杉元を救ったように、今度は杉元がアシリパさんの心を解き放ってあげてほしい。

ウイルクが娘を、自分の思想や教えを入れる「器」と扱っていた、と書いてしまったけど、もちろんそれは娘が生きるための道としてそれが最善だと思っていたからだと信じているよ。決して道具にしたかったわけではないと思う。
だってそうじゃなかったとしたら、お父さん大好きなアシリパさんの気持ちが、あまりにも報われないじゃない…。愛情を渡したら愛情で返す、そんな親子関係であってほしい。ウイルクが愛情を渡したからアシリパさんも大好きという気持ちで返したのであってほしいのよ。

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