ゴールデンカムイ第218話感想

こんばんは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレを含みますので未読の方・コミックス派の方は気をつけてくださいね。

また、以下は私の所感です。
一ファン個人の想像・妄想・曲解を多分に含んでいますので、そういうものとしてお読み頂ければ幸いです。

 

第218話 砂金掘り師たち

平太という男を滑落の危機から救った杉元たちは、平太たちに話を聞きます。先週の平太がヒグマに追われていたときにできた額の傷は、平太によると「ちょっと前のもの」だそうですが…この傷がついたときにヒグマに食われたはずでは?
平太が身に着けている舶来のゴム長靴は高価なので平太たちがマタギではなく砂金掘りだと気付いていた杉元たちに、平太は人の好さそうな笑顔で応対しますが、嵩(タカ)にいと呼ばれる平太の仲間はあからさまに警戒します。杉元は銃を持っているので一緒にいる小さい男の子も少し怖がっている様子。ですがもう一人、おじいさんは平太を助けてくれたのだから強盗ではないだろうと平太と同じくお人好しなキャラクターのようです。また、ノリ子という女性も平太たちのグループにいます。ノリ子は流し目に色気のあるなかなかの美人に描かれていますが、嵩にいに小屋に戻れと言われると頬を膨らませて反抗する子どもっぽい一面も。

カナベラという松脂を用いた道具とガラス箱で岩盤の割れ目を掘る平太に対し、杉元と白石は揺り板とカッチャという道具を用いた、板どりという方法で砂金を狙います。しかし板どりは道具の簡素さが示す通りに効率が悪い方法。また冬の砂金掘りは時間との勝負。時折お湯で手を温めても一向に成果のない杉元は、「雨竜川で一日50円稼いだ」という話がガセではないかと言い出します。
そこで平太が「私が稼いだ」と言います。雨竜川の砂金掘りで荒稼ぎし噂になっているのは、平太だったのです。
杉元たちを警戒している嵩は平太を諫めますが、おじいさんは短い時間しか作業できないから協力したほうがいいと、ここでも嵩とお人好しらしい二人とのコントラストがハッキリ描かれます。
命の恩人だから特別に、と言って平太は「ハク」について教えてくれます。ハクは砂白金というもの。色は白く、黄金色の砂金に混じって取れます。非常に硬く加工ができないため砂金掘り師はハクをのけていました。ハクは使い道のないゴミの扱いだったのですね。しかしながら最近、舶来の万年筆のペン先が砂白金でできていると気付いた者がいました。日露戦争後で軍需工場の空きを埋めるべく砂白金のペン先の万年筆を作り、それが大成功。より多く作るために多くの砂白金を必要としており、それが砂白金の価値上昇につながっています。
ハクは、これまで何の価値もないゴミとして全て北海道中の捨てられていました。つまり北海道の川からハクを取れば……「第二のゴールドラッシュ」到来だと平太は口角泡を飛ばして熱弁します。

熱っぽく語る平太の視界に何か移りました。視線の先にいるのはヒグマ。真冬のヒグマなので冬眠しそこねた、アナモタズと呼ばれる危険な個体です。それが崖の上から平太を見ている。平太はヒグマがいるところを指さしますが…
他の人間がその方向を見たときにはヒグマは隠れてしまい、平太以外は誰もヒグマを見ませんでした。平太は昨日もヒグマを見たそうで、どんどん近づいてきていると不穏なことを言います。あれはウェンカムイだ、と。

少し経ったあと、杉元とアシリパさんが平太が見たというヒグマがいたあたりを物色しますが、ヒグマの足跡は見つかりません。笹の上を上手く逃げたのでしょうか。流氷上で仕留めた白いクマをきちんと神の世界へ送り出せなかったから山の神に嫌われたのかも、と言う杉元に対し、違う意見がありそうなアシリパさん。
一方、平太と同じくらいお人好しで杉元たちを危険じゃないだろうと迎え入れてくれたおじいさんが、ヒグマに食べられていました……。

 

平太はいつヒグマに食われるの?

先週の時点でも気になっていましたが、なぜヒグマに食べられたはずの平太が生きているんでしょう?
あの額の傷。これがヒグマに襲われた前後を見分けるキーになっているはずなのですよね。額の真一文字の傷がついたあとにヒグマに襲われ食べられたように見えるのです、先週の描写では。でも額に傷がついてから食べられるまでに実際はタイムラグがあり、額に傷がつく→杉元たちと会う(今ここ)→平太食べられる、の順で、時系列どおりに描かれているわけではないのですかね?たしかに先週のお話、ヒグマに食われている平太の顔を見ると、前ページで作った傷からは血が流れ出ているのに、その痕跡が見えない。だから傷を作ったのとヒグマに食われたのは同時ではないと言えそうです。
でもそれだと平太があのヒグマをウェンカムイだという理由が必要になってしまいます。もし、平太が本当にヒグマに食われていて、なぜかその後も生きているもしくは幽霊になってさまよっているとしたら、ウェンカムイだと言い切ることができますよね。だって食べられたのは自分だし。でも、ヒグマに襲われて生きているのは考えづらい。ヒグマは足も速く、ゴム長靴で雪の上を走る平太が逃げ切れるとは思えません。先週の回で、ヒグマに食われるシーンで長靴が見切れているので、別の走りやすい装備だったということはないと思いますし、そんな優しくはないですよね山の神様は。

だから、平太が自分が食われるより前に、あのヒグマが人を殺していると言い切れる材料が必要になってくるんですが…人を食っているところやその痕跡を見たのでしょうか。

額の傷を作ったとき、実はもう一人いて、そいつが食われたおかげで平太はそのときは逃げ切れた、とか?で、実はその一番初めに食われた人の持ち物があのクマが彫られた煙草入れで、値打ちものだと知っていた平太はそれをあとでコッソリ土饅頭から持ち出し、でもヒグマの獲物に執着する性質を知っているからヒグマが取り戻そうとやって来ないか心配で、何よりも自分の代わりに犠牲になった人(おそらく仲間だったと思います)への罪悪感からヒグマの幻覚を見ている、とか…?
この流れでいくと、何度もいかにも意味ありげに出てくるあのクマが彫られた煙草入れに、ハクがたんまり入っているのかもしれませんね。嵩にいたち仲間にも内緒のハクが。…そうすると平太が悪者っぽくなっちゃうなぁ…。ただ、辺見ちゃんと同じく「やさしい」という感想を杉元に抱いているので、辺見ちゃんのように自分の行くべきところへ送ってくれる人の登場を、平太は心のどこかでは願っているのかもしれません。仲間を助けられなかった上に金に目がくらんだ自分を責め立てる心を解放してくれる人。ヒグマを退治してくれて仲間の弔いをしてくれる人、嵩にいにハクを隠し持っているのを明かし気持ちが軽くなるきっかけを作ってくれる人。それがもしかして杉元なのかも。杉元は最後、平太の煙草入れを川に落として結局お金を手に入れられなさそう…。
ちゃんと送れなかった白いクマと、ヒグマに追われる男と、ハクと呼ばれる砂白金。散りばめられたピースを拾うと私の妄想もあながち大外れではなさそうな気もするのですが………あとはアシリパさんがちょっと思うところありそうな感じにしているのが少し引っかかりますね。平太の行いを見透かしており、それで距離を置いているように見えなくもないです。

こうして予想するのも楽しいですね。でも全然違う話だったら恥ずかしいな、そのときは笑ってやってくださいね。

 

 

 

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