ゴールデンカムイ第214話感想
こんばんは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレを含みますので未読の方・コミックス派の方は気をつけてくださいね。
また、以下は私の所感です。
一ファン個人の想像・妄想・曲解を多分に含んでいますので、そういうものとしてお読み頂ければ幸いです。
第214話 雷型駆逐艦VS樺太連絡船
樺太連絡船に乗り込んだ杉元・アシリパさん・白石・ヴァシリ(頭巾ちゃん)でしたが、すぐに鯉登パパが指揮する駆逐艦が追ってきます。砲撃に加え停止するよう発光信号も送られ、船長たち乗組員が戸惑う中、杉元は船長に銃をつきつけ進み続けるよう命令します。しかしこの時期は樺太と稚内を繋いでしまうほどの流氷がありますし、船の速度も駆逐艦のほうが段違いに速く、すぐに追いつかれてしまいそうです。
アシリパさんが乗っているので駆逐艦ができる砲撃は威嚇射撃や行く手を阻むためのもの、当てる気はないと踏んだ杉元。進路を変え逃げ続けるように装い、行先にある流氷を駆逐艦に砲撃させ流氷を砕くことに成功します。砕けた帯状の流氷の切れ目から向こう側の海へ逃げ時間を稼いだ杉元たち。ですが鶴見中尉がすぐに、艦砲射撃が流氷を砕き逃げ道を作ったのだと気付き、駆逐艦も同様に流氷を砕いて杉元たちを追いかけてきます。
そこでアシリパさんが機転を利かせます。連絡船内から白い布を集め、それらを被って流氷の上を徒歩移動することにしたのです。杉元たちが降りたあとの連絡船は駆逐艦の発光信号での命令に従い駆逐艦の真横につけ、降伏の意思表示をしますが、杉元一行はすでに真っ白な流氷の上を真っ白な布に隠れながら移動を始めており、鶴見中尉たちからは姿が確認できなくなっていました。宇佐美が流氷上の捜索をしようとしますが、ヴァシリの狙撃の腕前を脅威と感じた鶴見中尉は流氷上では狙撃手に有利だからと流氷に降り立ち追うことを制止。さらに流氷の動きが早く、囲まれては動けなくなるのでこの場での杉元一行の追跡は断念、連絡船に移り稚内からオホーツク沿岸の集落の捜索に切り替えざるを得ませんでした。その指示を下す鶴見中尉の額当てからは脳汁が落ち、「ゆっくり話したいことがあったのに」と独り言ちます。
流氷の上を進む杉元たちは連絡船と駆逐艦が離れていくのを見て安堵します。緊迫感からの解放で空腹を覚えた一行。杉元は双眼鏡でアザラシを探し、白石は魚でいいのにと言いながら魚が穫れるであろう流氷の穴を覗き込みます。そこにはクリオネがたくさん泳いでいました。杉元は愛読書「少女世界」でクリオネを知っています。クリオネを食べる方法はないかとアシリパさんへ尋ねると、アイヌはクリオネを食べないから調理法も知らないしアイヌ語の名前もない、と返ってきます。
久々の杉元アシリパさん白石でのサバイバルグルメ、和気あいあいと笑いながら流氷のかけらに乗り漕いでいると、四人のにおいをかぎつけたらしい明らかに巨大とわかるサイズの白く毛深い生き物が登場。フォルムや鼻先の形状はヒグマに似ていますが果たして誰なのか――。
知らぬが仏
大泊に鶴見中尉がやってきたとき雷型駆逐艦に乗っていたのでいるだろうと思っていましたが、鯉登パパはやはり登場しましたね。鯉登パパ、息子の状態を知っているのでしょうか…。鯉登少尉の安否は未だに不明ですが、心臓の位置をズブリと貫かれていたのでかなり厳しいと思っています。この漫画、重症でも無事ならアッサリ描いてあって死ぬときの負傷は割合ドラマチックに描かれる傾向があると思っているのですが、刺されたあとの月島軍曹と鯉登少尉のやり取りの泣かせる演出も相まって、これはもう鯉登少尉の存命は望み薄なのでは…と思ってしまいます。すごく悲しい。
鯉登少尉は樺太での成果を父上に報告できると嬉しそうに話していました。大泊ですぐ近くまで父親が来ていたのにそれを伝えられていない可能性があります。もし伝えられていないとしたら、野田先生はなんて残酷なことをするのでしょう。父に認めてもらいたいと願っていた青年の願いが叶いそうになる寸でのところでぷっつり終わり。あまりに残酷で、美しいとさえ思えてきます。小学生男児として数々の笑いをもたらしてくれた鯉登少尉が一気に悲劇のヒロインに。
ただ鶴見中尉が大泊に着いてすぐに杉元たちと合流したと決まったわけではありません。もしかしたら前夜に着いていて、月島軍曹と鯉登少尉だけは先に会っているのかもしれない。そのときに鯉登少尉と父上には感動の再会を果たしていてほしいです。
息子を失ったとわかった鯉登パパはどうするのでしょうか?それでもまだ鶴見中尉に協力するのでしょうか?
この親子はあまりにもきれいにフラグを回収してしまいました。軍人として我が子を真っ先に戦場へ送り込んだ父。そんな父へ喜ばしい報告ができると言いながら(確定ではありませんが)伝えられずに逝ってしまった息子。
鯉登少尉がいなくなってしまったら鯉登パパが鶴見中尉に手を貸す動機はなくなると思います。海軍の駆逐艦まで持ち出したのですし今さら後に引けない、という理由ならありそうですが。
今回、月島軍曹と鯉登少尉は果たして駆逐艦に乗っていたのでしょうか。急いで連絡船を追いかける必要がありましたし、おそらくは連絡船を停止させ杉元たちを樺太の陸地へ戻らせるつもりだったでしょうから、あの二人は乗っていないと思います。鶴見中尉は宇佐美たち陸兵には連絡船に乗り船内を捜索しながら稚内へ向かうよう指示していました。ということは鶴見中尉は駆逐艦で一度樺太へ戻り、残してきた月島軍曹たちを回収して稚内へ行くと思います。回収のとき鯉登少尉と鯉登パパは否が応でも顔を合わせることになるでしょう。そのときの様子がどう描かれるか……見たいけれど見たくない、そんなシーンが次週拝めることを期待しています。安否がわからないとハラハラしっぱなしで心臓に悪い!
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