ゴールデンカムイ第208話感想
こんばんは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレを含みますので未読の方・コミックス派の方は気をつけてくださいね。
また、以下は私の所感です。
一ファン個人の想像・妄想・曲解を多分に含んでいますので、そういうものとしてお読み頂ければ幸いです。
第208話 限りなく黒に近い灰色
雪崩の直後。都丹はまだ息がありました。何か情報を聞き出せるかもしれないと思った有古は都丹を雪から出して担ぎます。
そこへ現れたのは土方さん!!夏太郎も久しぶりの登場です。
都丹を仕留めに行った有古が土方さんと出会い、なぜ鶴見中尉を裏切ることになったのか?今回はその答え合わせのお話です。
鶴見中尉の荷物をあさる有古のところへ鶴見中尉・菊田・宇佐美が詰め寄るシーンに戻ります。
鶴見中尉は語ります。鶴見中尉と土方さん、この二名が現在、主に金塊を追っていますが、目的が違うため取れる手段も変わってきます。
土方さんは、北海道を独立させることが目的です。そのためには元から住んでいるアイヌ民族の協力が不可欠。ゆえに土方さんの意にそぐわない動きをした場合に、厳しい制裁はできません。そんなことをしては信頼関係が築けませんから。
一方で鶴見中尉は、北海道に兵器工場を作り戦争を起こし続けることが狙いです。アイヌの協力は必要なく、それゆえに相手が誰であっても厳しい態度で臨むことができます。
鶴見中尉は恐怖で荒い息をしている有古イポプテに語りかけます。裏切った場合は家族にも容赦せず報いを受けてもらう、と。
有古が鶴見中尉を裏切れないと理解したのを見透かしてか、鶴見中尉は刺青人皮をすべて有古に渡します。刺青人皮は、金塊にたどり着くために絶対に必要なもの。だからこそ写しではなく皮のものを渡すことで、土方さんを信用させろというのです。有古を信用した土方さんは有古を傍に置くはずなので内通者として潜り込み、情報を鶴見中尉に渡せと。つまりは有古に二重スパイをさせるわけです。
しかしながらこの刺青人皮は、江渡貝くんが作った偽物です。刺青人皮は紙に写したものもありますが、それでは偽造ができてしまうので、有古が持って行ったとしても土方さんはそれを本物とは考えないでしょう。刺青人皮は皮であることが重要なのです。皮ならば本物と信用するだろう、皮でも偽物があるとは思うまい、という鶴見中尉の作戦です。
しかし。土方さんたちも、偽物の刺青人皮があることに気付いていました。江渡貝邸で、第七師団によって火がつけられるまでのほんの短い間に、土方さんは偽物に繋がる情報を集めていたのです。それまで土方さんの中で推測でしかなかった偽物が、手元に舞い込んできた。有古を使った作戦はまずまずの成果です。
永倉は、網走監獄で杉元たちが鶴見中尉に確保されたのを見ています。つまり杉元の持っている都丹の刺青の写しは鶴見中尉の手元にあるということ。その状況で、有古が都丹のものだと偽って刺青を持って行ってもすぐにバレてしまいますが、そこも土方さんは計算済み。都丹のものだと偽って持って行っても有古が鶴見中尉の元から逃げられたのは、二重スパイの可能性があると、鶴見中尉の考えは土方さんに読まれています。
刺青人皮が集まり、いよいよアシリパさんと鶴見中尉の邂逅も近いです!
悪魔との契約
今週は、頭脳戦で読みごたえがありましたね!
都丹のものだと偽って持ってきたときに有古の裏切りに気付きながらも、自分が入浴している(鶴見中尉は常に刺青人皮を身に着けているので)隙に有古がやってくるまで泳がせていた鶴見中尉も怖いですが、家族にも報復するぞと脅迫して有古を縛り付ける鶴見中尉は悪魔そのものでしたね。
鶴見中尉は悪役らしく描かれていて面白いです。
有古もそうですし、月島軍曹も、言わば大切な人を人質に取られているのですよね。いごちゃんは生死不明として描かれていますが、髪の毛まで用意できるということは、生きていたとしてもすぐに手を下せるところにいるということでしょう。
鯉登少尉も同じなんですよね。息子の命の恩人ということで鯉登パパと鶴見中尉は仲良く描かれていますが、懐に入り込んでいるということはいつでも喉元に刃を突き付けられるとも言えます。鯉登少尉は鶴見中尉にすっかり心酔しきっているのでそんなつもりはまったくなさそうですが、子どものほうをたらしこむのは常とう手段です。
大切な人と言えば、谷垣にとってのインカラマッ、杉元にとっての梅ちゃん、アシリパさんにとってのフチ。
アシリパさんは暗号解読に協力してもらわないといけないので鶴見中尉も手荒な真似はしないと思いますが、杉元と谷垣相手にはきっと大切な人がどうなるかわからないぞと脅すのでしょう。杉元はアシリパさんを用済みにしないため暗号解読の鍵をそうやすやすとは聞き出さないつもりでしょうが、鶴見中尉のことなので杉元の出身や人間関係まで調べがついていると思います。
人質に取るというと、樺太出発時の谷垣を思い出します。谷垣は鶴見中尉の元で働いていたからその恐ろしさは知っているはずが、同時に、忠実に従いさえすれば人質に手を出さないというのも知っているのではないでしょうか。だからインカラマッを置いて出発できたのだと思います。
鶴見中尉に従って役目を果たし、仮に解放されたとしても、その後も監視下に置かれていそうで嫌ですけどね…。
一度契約してしまったら生涯離れられない、地獄の底までずっと一緒。まるで悪魔みたいですね、鶴見中尉は。
尾形は悪魔の契約を反故にできる?
鶴見中尉の駒として動いている人を思い出すと、尾形だけ例外なように思えてきます。
この男だけは、大切な人を守るため鶴見中尉に従う、というわけではないのです。そもそも家族は自分で殺していますし。
そうなると尾形だけは鶴見中尉の支配下から逃れられた、と見るべきかな?と思います。
造反したまま無事でいるのもこの男だけですし。玉井伍長たちは死亡、二階堂は耳に始まり体のパーツを次々失いモルヒネ漬け、と鶴見中尉の元を離れようとした人は無事ではないのですよね。
ただ尾形のアシリパさんへの執着具合、勇作さんを重ねているだけでは説得力に欠ける気がするので、もっと他の理由もある気がしています。そうなると尾形にとってアシリパさんも人質になり得るのでは?という推察もできるので、鶴見中尉の手がまた伸びてくる可能性はありますかね…。
いよいよ暗号の謎が解かれるかもしれないですし、土方さんvs鶴見中尉の構図も鮮明になってきました。
早く続きが知りたいですが、合併号ということは次週は発売なし…。お盆休みでゆっくりしながら次回を待ちます。
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