ゴールデンカムイ第201話感想
こんばんは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレありますので未読の方・コミックス派の方は気をつけてくださいね。
また、以下は私の所感です。
一ファン個人の勝手な見解を多分に含んでいますので、そういうものとしてお読み頂ければ幸いです。
第201話 あばよロシア
先週の話で尾形に逃走を許しましたが、樺太先遣隊の目的はアシリパさんの奪還。
任務は果たしたので尾形を追うことはせずに日本へ帰ります。
犬ぞりに乗って来た道を戻る一行。
もちろんチカパシ・エノノカ・エノノカのヘンケも一緒です。
一行は無事に国境を越えいよいよ日本へ入りました。
日も沈み国境付近の樺太アイヌの集落で一泊。
グルメパートでは「お婆ちゃんの口噛み団子」が登場。
日本の口噛み酒に似ていますが、アイヌの伝統料理かは定かではなく、証言記録が残されているものらしいです。
その名の通り、口で噛んだ米を団子にして焼いたもの。
酒の入った杉元と白石はお婆ちゃんに甘えたり味噌がないと騒いだり口噛み団子ごっこをしたりと大はしゃぎ。
冷ややかに見ている谷垣とは温度差がかなりあります。
一方の鯉登少尉と月島軍曹はさらに温度が下がります。
尾形にロシア語で言われた言葉の意味が「ボンボン」だと月島軍曹に聞いた鯉登少尉はなにやら思いつめた表情を見せます。
翌日、静香まで南下した杉元一行は街で日用品の買い出しを行います。
戦いから解放されたせいか、日本の領土へ戻り安堵したからか、どこか浮かれた様子にも見える一行。
そんな一行を双眼鏡で観察している人物が一人。
物陰に潜むそのシルエットは、銃を背負っているように見えます。
味噌を調達しに離れていた杉元を探しに白石が道の真ん中へ出ると――
いきなり脚を撃たれます。
身動きが取れず往来に倒れる白石。
ひとまず買い物をしていた店の中へ入ろうとするも扉に触れようとすると撃たれるため、白石以外の人間も身動きが取れず、そりの陰に隠れるしかありません。
軍人である谷垣と鯉登少尉はすぐさまこの状況へ対応します。
谷垣は、敵が白石の脚を撃ったのは助けに誰かが出てくるのを狙い撃ちするためだとアシリパさんへ説明。
この戦法は狙撃手の常とう手段です。
鯉登少尉は、自分の手鏡を使い狙撃手の姿を確認しようとしますが、物陰から少し出しただけで手鏡を撃たれてしまいます。
遠くからでもこんなに正確な射撃ができる人物は、みな一人しか思い浮かびません。
尾形。
尾形がもう戻ってきたのだとみな気付きます。
しかし建物の窓からこちらを狙撃している人物は尾形ではなく、何やら見覚えのある横顔。
精密射撃と遮蔽物の少ない道、この悪条件、狙撃手にとっては好条件で誰も動けない中、味噌を抱えて走る杉元は無事に狙撃手を見つけこの状況を打開することができるのか。
誰が狙撃しているのか?
今週何よりも気になるのは、樺太先遣隊とアシリパさんの一行を狙撃しているのは誰なのか?というところですよね。
先週、尾形が逃げおおせましたし、狙撃といえば尾形ですから、谷垣たちが尾形が狙撃していると思うのも無理はありません。
でも、描かれているのは明らかに尾形ではありません。
眉毛が違うし、銃も三八ではなさそうに見えます。
何よりアシリパさんの放った矢が(事故で)刺さったはずの右目が、無事です。
狙撃手は尾形ではありません。
もしかして、尾形・キロランケ・白石・アシリパさんがロシア入国時に国境付近で戦った、ヴァシリでは…?
似てますよね。
銃も彼が持っていたものに見えるような見えないような…?
とにかく、尾形とはまったく似ていない人物です。
尾形以外にここまで正確な狙撃ができるのは、ロシア国境で戦った、ロシア国境守備隊のヴァシリだけなので、彼と考えていいでしょう。
ヴァシリだろうと考えた理由のもう一つに、メタ的ですが、尾形vsヴァシリ戦を彷彿とさせるというのもあります。
ヴァシリとの戦闘において尾形は今回の話と似た手口を使っていました。
ヴァシリの仲間の腹を撃ち足手まといにさせ、自分に有利な状況を作り出す時間を稼ぐ。
また、そのときの狙撃手対決で語られた、狙撃手の条件。
冷血で獲物に執着する。
尾形は寄る陣営を幾度と変え登場し、死んだと思わせるほどの傷を負ったはずのヴァシリはわざわざ日本の領土まで追ってきています。
敵の執拗さが際立つ今回の話は、谷垣の話す狙撃手の常とう手段という言葉と相まって、狙撃手が来た!ということをしつこい程に訴えているように思えるのです。
作中で出てきた狙撃手といえば尾形とヴァシリなので、やはりこれはヴァシリかなと、メタ的にもそう思えます。
なぜアシリパさんたちが狙われるのか?
さて、次に気になるのが、どうして撃たれているのか?という疑問です。
狙撃しているのが尾形であれば、アシリパさん以外の全員を殺し鶴見中尉が事態を把握するのを遅らせ、その隙に金塊を…という理由が考えられるので特に不思議はないのですが。
国境守備隊のヴァシリが狙撃しているとして、一体なぜ?という疑問が出てきます。
これはやはり背後に尾形がいるのではと思います。
ヴァシリは尾形との狙撃手対決に敗れ、尾形に首元のあたりを撃たれました。
首を撃たれたら生きていないと普通は思いますし、私も死んだものと思っていました。
ただ、ヴァシリが死んだという明確な描写もなかったのですよね。
尾形の撃った弾がヴァシリの首元にあたり血が飛んだ、という描写のみです。
なので生きていたとしてもおかしくはありません。
撃たれたが一命は取り留めた、というよりも、尾形によって一命を取り留めさせられたヴァシリがいたとしましょう。
ヴァシリに向かって尾形はこう囁いたのではないかと思います。
”皇帝殺しのユルバルスは逃しただろうが、もう一人の皇帝殺しの娘がまたここを通るかもしれない”
”その娘は莫大な量の金塊の在り処のヒントを知っている”
アシリパさんはロシア側からしても是が非でもほしい人物なのではないでしょうか。
他の日本人は不法入国はしていますが殺したり捕まえたりしたところで特にロシア側に利益はなさそうですし。
ユルバルスを見つけながらも逃したうえ仲間も殺されたヴァシリとしては手柄がほしいところというのも関係していそうですね。
もし本当にそうだったとしたら尾形の策略おそるべし…。なんとなく鶴見中尉を思わせますね…。
尾形はどう再登場する?
ここから先は私の勝手な予想ですが…
尾形も近くにいるのではないかなと思います。
杉元がヴァシリと戦っているところへ登場。
ヴァシリと尾形がグルならば、診療所から逃げ出した尾形はまずヴァシリの元へ来るでしょうし。
戦いの結末はわからないですが、杉元が近付き狙撃さえやめさせられれば、鯉登少尉と谷垣もいますし室内なら狙撃も十分な威力を発揮できないので、尾形を捕らえる流れになるのではないかなーと。
そして鯉登少尉の今回のお話の伏線回収のターンが来るのではないかと…というよりそうなってほしいなと…。
鯉登少尉が今回「ボンボン」という言葉に見せた反応は何のか私にはわかりません。
先週までの、鯉登少尉と鶴見中尉の関係を決定づけた事件と繋がりがありそうだとは思います。
誘拐された鯉登少年も、誘拐犯のロシア人に「ボンボン」と言われていました。
あのときと同じ言葉を今聞き、その意味するところを知り、一体何を考えているのか?
もしかして鶴見中尉の仕組んだからくりに気付いた…?など恐ろしい可能性もなきにしもあらずですが、今の私にはまだまったくわかりません。
もし伏線回収のターンが来るなら、尾形には心の内を語ってもらいたいです。
語ってくれるなら樺太でなくても、どうにかこうにか北海道へ戻ったあとでもいいのですが、早く決着をつけないと誰か死にそうなので、この戦闘はあまり長引かせずできれば樺太で決着をお願いしたい…。
尾形にはせめて私がずっと抱えている”なぜ尾形は鶴見中尉を裏切ったりアシリパさんをたらしこんだりしようとしたのか?”という、尾形の目的への疑問を解消してほしいです。
そして解消の時はそう遠くない気がしています。勝手な期待ですが。
心の内を語ったら、尾形は樺太で退場になりそうですが、鶴見中尉の目の光る北海道に彼にとって安全な場所があるわけもないのでこのまま戻っても無事という保証はまったくないのですよね…。
尾形に死んでほしいわけではないですが鶴見中尉と再会したらどえらい目に遭いそうなので、このまま樺太に残り余生を送ってほしいです…。
故郷の茨城に帰るというのも考えましたが、あんな過去を持ちながら郷愁の念を抱いているとも思えないですね…。
鯉登少尉の過去も明らかになり、尾形も目を負傷しかなり大詰めという感じが出てきました。
作品自体の終わりが近そうで寂しいですが…早く謎を明らかにしてほしい気持ちもあり、複雑です。。
進んでほしいけど終わってほしくはないですね…。
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