ゴールデンカムイ第190話感想

こんばんは、うたげです。
いよいよというお話が来ましたね。
先週の鯉登少尉とキロランケの戦闘の決着はどうなるのか?

ネタバレありですので未読の方・コミックス派の方は気を付けてくださいね。

 

明日のために

今回は、情報が多すぎて整理が追いつかないですが、まとめるなら鯉登少尉サービス回と、キロちゃんサヨナラ回でしたね。
鯉登少尉はこれまでの小学生男子的可愛さからのギャップ抜きにしてもとにかく格好いい!
キロちゃんは真相は語らずじまい…。彼の最期に際してアシリパさんの優しさが心にしみると同時に、本人の口から真相を聞けなかったアシリパさんの無念さや期待されている役目の重さを再認識する回でもありましたね。

 

鯉登少尉とキロランケの戦闘

さて、気になる鯉登少尉とキロランケの戦闘はといえば。
鯉登少尉がキロちゃんの腹から引き抜いたマキリは…しっかりキロちゃんの喉に刺さりました。
左手を出すも防ぎきれなかった攻撃です。
谷垣と争って鯉登少尉とも戦って、出血と悪天候で凄まじいスピードで弱まっているのでしょう。
そんな中でも本能的に左手で刀を防ごうとしている、生きる意志が感じられるところにグッときます。
キロちゃんが、まだ死ねない、と踏ん張っているのが伺えるシーンですね。

左手を貫いたマキリを引き抜き反撃に転じるキロちゃん。
鯉登少尉の胸に刀が押し込まれていきます。
ここで気付いたのですが、この二人、おそろいですよね。どちらも相手の攻撃を防ごうと腕や手を犠牲にしていて、喉元という急所が危機にさらされています。
肉を切らせて骨を断つ争い。どうなるかというと。
鯉登少尉が圧倒的に有利なのは一人ではないこと。月島軍曹と谷垣の銃撃によって間一髪のところで鯉登少尉は危機を脱します。

 

鯉登少尉の見せ場

ここから鯉登少尉が最高に格好いいところ。
負傷しながらも「手出し無用」と手助けを拒み自分でケリをつけようとする剣士…この字面だけでも恰好いいですからね。
そこにさらにキロちゃんの今際の一撃を空中で仕留める離れ業!!
一切動じずに爆弾を一刀両断していて、本当に今までのわがまま坊ちゃんっぷりはここまでの壮大なフリだったの…?と思ってしまうほど。
ここの一連のコマは、オノマトペと効果線が控えめで、映画でよくある無音でスロー再生のシーンみたいで、それも鯉登少尉の卓越した戦闘能力の高さの演出に一役買っていますね。

 

アシリパさんとキロランケの別れ

鯉登少尉の見せ場の次はアシリパさんたちの登場です。尾形を背負った杉元と白石も。
これで晴れて先遣隊は役目を終え、解散ですね。小学生男子とママのファミリーかに思えた先遣隊も最後は鯉登少尉の華々しい見せ場で締めくくりです。

息も絶え絶えなキロちゃんをかばうアシリパさん。
彼の状態からもう長くないことを悟り、「全部思い出した」と嘘をつきます。
全部、ではないですよね。暗号の鍵となることは思い出しましたがそれだけでは不十分なはずです。でもここで思い出したと言わなかったらキロランケが浮かばれない…そう考えたアシリパさんの優しい嘘。助からないならせめて安らかに旅立ってほしいですものね…。

でもその一言でキロちゃんのこれまでの行いは報われました。ここまでの旅が走馬灯になりますが…最後に思い浮かべたのはソフィアのこと。
名前まで声に出して呼ぶのだから最も思い入れのある人物と言えるでしょう。北海道の妻子よりも大事に大事に思っていたということだと思います。
キロちゃんはやはり少数民族としての自分というほうに軸足があった、ということを意味しているのかなと思います。北海道はあくまで少数民族として生きていく過程で通り過ぎた場所。でなければ妻子を置いてこんなところまで来ませんよね…。
キロちゃんの奥さんとお子さんは、かつてキロちゃんが語っていたように、キロちゃんがいなくてもたくましく生きていってくれることを祈っています。

しかしながら、ウイルクを殺したのか?というアシリパさんの質問には無言で逝ってしまうあたり、キロちゃんもとんだ食わせ者と言わざるを得ないですね。
アシリパさんが今一番知りたかったことなのにそれには答えず、一人満足して逝ってしまうなんて。
死にゆく人間は勝手ですね。アシリパさんはもう本人の口から真相を聞くことはできません。尾形を通して語られたことが真実なのかはわかりません。結局、なぜ父親は殺されたのか?その疑問を抱えたまま、選択しないといけないのです。

アシリパさんがこれから決めなければいけないことは、彼女自身はこれからどうするのか?です。
キロちゃんが言い残したように、俺たち少数民族のためにソフィアと共に戦いに行きジャンヌダルクとなるのか?
どうにか北海道に戻り元の生活を送るのか?
はたまた別の道を選ぶのか?
キロランケはアシリパさんに自分たちのため戦ってくれることを望んでいました。
キロランケがウイルク殺害に噛んでいるということは(尾形に狙撃の合図を出したので意図はあったはず)、ウイルクはキロランケとは違う願いをアシリパさんに向けていたということだと思います。
でもそれは周りの大人たちの言い分。アシリパさん自身がどうしたいのかはこれから決めることです。
この年齢で、父親もその友人も失い信頼していた仲間(尾形)には銃を向けられるという状況で、結論を出せるものではないですが…。
でも杉元がいるから大丈夫ですよね、きっと。

 

助演男優賞の谷垣

今週のお話は私としては谷垣が助演男優賞です。
上官を案じる軍曹が背を向けてもキロちゃんから目を離さなかったところはもうとにかくイイ!獲物を仕留めるまでは油断しないマタギの鑑です。
そしてそこからの谷垣の心境の複雑さたるや。
彼にとってキロランケはインカラマッを刺した憎い男ですが、それより前に所属は違えど同じ軍人で、旅の仲間で。そのあたりの仲間意識はインカラマッを刺したことで吹っ飛んでいそうですが、まだ子どものアシリパさんにとって数少ない親族でもあり、彼女とウイルクをつなぐ重要な人物なわけです、キロランケは。フチのコタンでオソマちゃんと親しくなりチカパシの面倒を見てきた彼にとって、子どもにとって親しい人間が奪われることがどんなに重大なことなのか。谷垣はそれを真摯に考えてしまう優しい人間だと思うのです。
だからキロちゃんと対峙したとき、敵として殺すのは簡単でも、アシリパさんがいるところでは谷垣にとってキロちゃんはただの敵ではない。守りたい人間の親しい人でもある。だからこそ、二人の別れの場には背を向けていたのではないかな、と思います。
谷垣の心にどんな感情が渦巻いていたのかは想像ですが、顔を背けていることで複雑な心境だということを訴えているようで…やはり野田先生の演出は素晴らしいですね。

 

樺太の旅の終わり

今回、扉絵から、天候が良くなっています。雲の切れ目から日の光が差している。
まるでキロちゃんの旅路の終わりを見届けるように。
流氷では吹雪との闘いもありましたがようやくそれも終わりですね。
その解放感と同時に訪れる喪失感。主要人物の死は初なのでは?
特にキロちゃんはかなり重要なポジションにいたので、彼の死が、物語の終わりが近いことを感じさせて…今回のお話はかなり大きいマイルストーンな気がします。

終わりが見えてきた気がして、寂しいけれど、アシリパさんが望むように生きられるよう最後まで見届けたいです。

 

この他のゴールデンカムイ関連の記事はこちら。

カテゴリ:ゴールデンカムイ

3件のピンバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です