ゴールデンカムイ第259話感想
こんにちは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。
第259話 故郷を作る
網走監獄での在りし日。懲罰房に入れられていた海賊が出てきた。
上エ地が海賊に「外で叔母が待っている」という嘘をついていた。からかわれたと気付いた海賊は上エ地を殺しかねない勢いで殴り、懲罰房行きになっていた。
懲罰房から出た海賊と、そこへ居合わせた白石と二瓶は、「監獄を出たとして待っている人はいるのか」という話をしだす。
白石は寺に捨てられた子であり幼いうちにその寺も逃げ出したため誰も待っていないに等しかった。
海賊は外へ出たらもちろん、自分の国を作り王様になるのが夢だ。
海賊の家族は14人の大所帯だった。しかしみな疱瘡で死に、海賊だけが残された。だから海賊は死にきれないほど大勢の家族がほしかった。王様になり子どもたちが王である海賊のことを国民に語れば、海賊が生きた証が残り続ける。
白石はそんな夢を持つ海賊をこう評する。すごく寂しがり屋。寂しさの反動で王様になりたいのだ。
自分の国を作ることは故郷を作ることだと海賊は語る。自分の国だから誰も海賊や海賊の家族を迫害したりはしない。帰る場所を作るのが海賊の夢なのだ。
そして現在、札幌麦酒工場。杉元と離れまいと煙で朦朧とするアシリパさんに、金塊を諦め故郷へ帰り杉元と家族になれ、と海賊は言う。
一方の杉元はまだ煙が充満する場所にいた。アシリパさんと引き剥がされるというのは杉元にとって非常に苦い事態だ。網走監獄ではキロランケと尾形によって杉元はアシリパさんと離れ離れになった。今度は札幌麦酒工場で、海賊によって、またアシリパさんを奪われてしまうのか――杉元は自らを役立たずとののしったが、白石が助けにやってきた。果たしてアシリパさんを取り戻せるのか?
その頃の海賊のもとへは、酔いから醒めたのであろう鯉登少尉がたどり着いていた。海賊とは面識のない鯉登少尉はアシリパさんを連れていることをいぶかしみ剣をかまえる。
海賊が長い髪による視界の遮りも生かし鯉登少尉を殴るも、月島軍曹も到着し銃撃を受けたため身を隠すのに建物内部に入らざるを得なくなってしまう。
海賊が入った建物の地下にはビールの洪水ができていた。足場は悪いが煙が少ないためビールの海を進もうとする海賊だが、階段の手すりにアシリパさんがしがみつき、再び足を止められた。
「金塊が奪われたら私たちはどうやって故郷を守ればいい?」金塊を忘れ故郷へ帰れと言った海賊に対するアシリパさんの答え。そもそもの帰るべき場所が脅かされている――その事情に感じ入るところがあったのか、油断した海賊の背後から鯉登少尉が肩を切りつけた。海賊はアシリパさんを離し、階段下に出来上がっているビールの洪水へ沈み、泳いでその場から逃げる。
深くない傷を受けたはずなのに泳いで逃げた海賊を鯉登少尉は不審に思うが、階段上から月島軍曹が鯉登少尉を探す声が聞こえた。その声に応え、目線を階段上へやった鯉登少尉の背後に、ビールの海から姿を現した海賊が迫り――。
月島軍曹が階段を下りてきた頃には、そこにはアシリパさんと、鯉登少尉の剣が残されているのみだった。
やさしい男
海賊はきっとやさしい人なんだろうなぁと思う。強盗など繰り返して監獄へ入れられた人間にそんな評価はないかもしれないけれど。
アシリパさんに、金塊を忘れて好きな人と故郷へ行け、と言うけども、その故郷が危ないから金塊にたどり着きたいんだというアシリパさんの切実な声を聞いたときのあの反応!目的のために他人を犠牲にしても厭わないような、サイコパス人間の反応ではないよね。
それに金塊を手に入れて自分の王国を作るのが夢、というのも実にやさしいと思う…。しかもその理由が、子どもや国民が自分のことを語り継いで生きた証になるから、と実に実にかわいらしい…。
白石の言う通り、本当に寂しがり屋さんなんだねぇ。
「子どもがほしい」じゃないんだよ、海賊の夢は…。単に自分の遺伝子を分け与えた存在がほしいだけなら、あまり考えたくないけど、手段は他にもあるでしょう?
けど海賊の夢はそうじゃなくて、「家族がほしい」。しかも、自分の生きた証として語り継いでもらいたいだなんて、愛に飢えてる男だよね…。きっと政治がうまくなかったりして経済的にそんなに豊かじゃなくても、明るい国を作るんだろうなぁ。
この男の夢がかなうところを見てみたいけど、鯉登少尉の未来も見てみたいから、どちらも無事でいてほしいなぁ…。海賊のほうは生き残る可能性が低そうな気もしてきたけどね、なにせ杉元からアシリパさんを奪ってしまったし…。
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