ゴールデンカムイ第242話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

 

 

第242話 交互に

森が将棋倒しになる中に居合わせてしまった杉元とアシリパさん。北海道の伐採方法は、先に切り目を入れ風上の一本を倒し将棋倒しの要領で多くの大木を倒す手法だった。家が林業だったという海賊房太郎は落ち着いた様子だが、白石は杉元・アシリパさんが押し潰されていないかが心配でならない。必死に名前を呼ぶ白石。それを見て海賊は言う、そんなに必死に探すのはやはりあの二人、特に娘のほうが金塊への勝算なんだろう?と。たしかにそうだがそれだけではない白石は声の限り二人を呼び探し続ける。

一方杉元とアシリパさんは倒木に囲まれ脱出もままならない状態だった。アシリパさんの額からは血が流れ、いつもの狩猟時に見せる冷静さは欠片も見当たらない。弱った様子のアシリパさんに杉元は隣に寝そべりながら、金塊を探す目的を語り始めた。
梅ちゃんのこと、杉元の家族の結核のこと、寅次のこと。そして最後に、金塊を見つけたとしてもアシリパさんが納得できるまで相棒のままでいるつもりであること。初めて聞く杉元の金塊争奪の動機をアシリパさんがどう思ったかはわからないが、少なくとも「アシリパさんが納得できるまで相棒のままでいる」というのはアシリパさんの聞きたい答えではなかった。

何であれここから出なければいけないが、倒木の隙間は非常に狭く、折り重なった木々は内側からはびくともしない。でも白石なら関節を自在に操り隙間を縫って見つけ出してくれるに違いない。白石は、杉元との約束を守り樺太で自らの意思でアシリパさんのそばにいることを選んだ。だから杉元と同じように、アシリパさんが暗号を解く鍵を思い出したことを伝えてもいいのでは。そう杉元が言えば、本当はもっと早く教えてもよかった、と応じるアシリパさん。その会話を聞いて涙を流す、倒木の隙間から顔を覗かせた白石。樺太の旅が無駄でなくてよかったという喜びの涙だ。
頭巾ちゃんことヴァシリが杉元とアシリパさんが森にいるのを見ていたので二人の場所はすぐに特定できた。海賊が助けを呼び、二人はようやく木の下から出られた。

切り倒され見晴らしの良くなった大地。人口増加によって木を切り倒して土地を確保せざるを得ないのは札幌でも同じだった。丸裸になった地面を見てアシリパさんは考える。アイヌも生活の中で木を倒し獣を狩るが、必ず少し残しておく。山へ返し、次の季節には増えてまた生活の糧になるから。豊かに暮らすのは悪いことではない、取りすぎなければいいのだ。
とうにアシリパさんがのっぺら坊の娘だと感づいていた海賊に、支笏湖で拾った金貨をアシリパさんへ渡すよう白石が促した。掘られた文様はアイヌの文様に似ていて、「交互に」「交差」を意味する。文様がその意味通りなら、のっぺら坊が作ったと思われる金貨は、各地のアイヌが各々の土地の砂金を集め合った記念に作ったという推測ができる。ウイルクが目指したであろう「交差」は北海道アイヌの他にもある。帝政ロシアに脅かされる極東の少数民族だ。支笏湖に沈むときまで持っていたということは、これら少数民族が一丸となり自分たちの存在を守ろう、という意思は変わっていなかった、ということの表れでもある。そんな人がアイヌを殺すはずがない…確信を得たアシリパさんは、アイヌのためにすべきこともわかってきたのだった。

 

過去をやり直せたら。

今週……ユクの腹の中と同じ構図!!
ユクの腹の中で杉元とアシリパさんが二人で大雪山の夜を明かしたあの名シーン。杉元の好物干し柿から故郷を思い出し涙する杉元と、杉元の心の琴線に触れたとは気付いていない様子のアシリパさんの屈託のなさが印象的なユクの腹の中。それとあえて似せているのでしょうね。
でも今度はお互いの立場が逆になっている。杉元は覚悟を決めたかのように堂々と故郷と梅ちゃんについて話しているし、一方のアシリパさんは自分と杉元との関係を思いやや感傷的になっていそう。でもアシリパさんの心の機微に気付いていない様子の杉元。ユクの腹の中とは逆転している…。

アシリパさんの聞きたかった答えは、きっと杉元がこれからもアシリパさんのそばにいてくれるか?ということだったのではと思う。それに近い答えが今回杉元の言う「納得できるまで相棒でいる」ということになるけど、それは確かに条件(アシリパさんがのっぺら坊事件に納得できるまで)が設けられており、おそらくアシリパさんの理想である「ずっと一緒にいる」とは違うんだろうな。
アシリパさんはそばにいてくれる人を欲しているんだろう。先週も少し触れたけど、ウイルクといいレタラといい、アシリパさんの人格形成に大きく寄与した存在は、まだアシリパさん側にとっては必要というタイミングでアシリパさんのそばを離れてしまった。言わばウイルクもレタラも家族だったのに。だからアシリパさんは家族がほしいのだろうなぁと思う。フチもいるけれど、ずっとおばあちゃんと暮らせるわけではないよね。

アシリパさん、アイヌのためにすべきことって何!?民族が団結しようというウイルクの意志を引き継ぎ、森林伐採の様子を見て次代のために残しておくという旨のことを語り、そこから導き出される「アイヌのためにすべきこと」って…?
言い方は悪いかもしれないけど…血を残すため、そして和人(あるいは帝政ロシア)と一つになるため、民族という垣根を取っ払いお互いの国の元へ積極的に入り交わっていくということ?北海道独立の土方さんや戦争を起こし対立を深めようとしてる鶴見中尉とはまったく相容れなさそうな道ね。ただの妄想だけれど、間違いなく戦う道ではないでしょうね、これまでの旅路でのアシリパさんの発言の数々を思い返してみれば。
勘が悪く読み込みも浅い私には正直わからない…なので来週を楽しみに待ってる!!けど休載かぁ…。

 

 

 

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