ゴールデンカムイ第241話感想
こんにちは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。
第241話 消えたカムイ
エゾヤマザクラの花が咲き、季節は春。狩猟シーズン到来。アシリパさんは杉元にサクラやオンコの木などがいかにアイヌの生活に欠かせないかを説明して回る。
その様子を見る白石と海賊房太郎。海賊房太郎は杉元とアシリパさんが片時も離れないことに何かを感じ白石に揺さぶりをかけていた。白石の人となりを知る海賊からすれば第七師団や土方歳三を敵に回しても白石が杉元たちと一緒にいることには何か理由があるのだろうと思わざるを得ない。のっぺら坊と同じ色の目だな。アシリパさんには金塊にたどり着く決定打があるのだろうと踏んでいる海賊。それをのらりくらりとかわす白石。海賊は白石にだけあることを話す。支笏湖で彼が引き揚げたのは砂金だけではなかった。金貨のようなもの。その面には何かの模様が凹凸で表現されているが、それが網走監獄の二十四囚人の入れ墨に似ている…。
エゾモモンガ=アイヌ語でアッカムイを見つけたアシリパさんは父ウイルクのことを思い出していた。ホロケウオシコニというのが、アシリパさんの母がつけたウイルクのアイヌ名。キロランケの命を懸けた樺太への旅で思い出した金塊の暗号。
ウイルクとキロランケ、アシリパを幼い頃から知る身内が二人もこの金塊争奪戦の中で命を落とした。二人の死の理由は金塊にたどり着けばわかるかもしれない――でも多くの人間の運命を狂わせたのが金塊だ。見つけてもさらなる混沌を招くだろう。それに今のアシリパさんには杉元がいる。杉元や大切な人たちを守るためにはこのまま暗号を解読しないのが一番いいのかもしれない。そうすれば鶴見中尉もアシリパさんや杉元に手出しできない。
アシリパさんは杉元と出会ってからずっと頭にあっただろう問いを口にする。金塊を見つけたら杉元は私から離れていくかもしれないという不安は心に押し込めたまま。
杉元は金塊を見つけられたらどうするんだ?
その問いに対する答えは返ってこない。
杉元が木の根元を指さした。不自然に真っ直ぐな切り込みが入っているのだ。それも一本ではなく二人の周囲一帯の木すべてに。異常な事態に急ぎその場を離れようとするが、どこかで木の倒れる音が聞こえ、それが切り込みを入れられた隣の木を押し倒す。将棋倒しになり杉元とアシリパさんに迫る森。一体この現象は何なのか。
過去をやり直せたら。
アシリパさんよくぞ聞いてくれた!!という回。
杉元の弾除けになるというのは杉元を恩人として大切にしたい気持ちはもちろんあると思う。でも離れていってしまうんだろう→寂しいな行ってほしくないな、と思うからこそ出てきた「好きだった人と暮らす」という言葉のチョイスに滲む恋心…。このページだけ恋愛漫画みたい。ロマンチックすぎない?
アシリパさんのこの質問は、やり直しをするのかどうか、という意味にも聞こえる。「故郷に戻って」「好きだった人と」暮らすって、病気や戦争で失われたかつての杉元青年が送るはずだった生活のようだから。もし結核がなければ、戦争に行ってなければ。杉元は梅ちゃんと暮らしていたんだろう。紆余曲折あったけどそれが形を変えて叶いそうな状況なのだ。
言うなれば杉元の故郷と梅ちゃんの存在は、過去。過去に掴めなかったものを今また手にするチャンスが到来した。
それに対してアシリパさんやアイヌは現在だと私は思う。未来とまで大仰な響きでは呼べないけれど、今現在の杉元があるのはアシリパさんはじめアイヌの皆さんのおかげだ。家族の病気や戦争で戻る場所をなくしていた杉元を、自分たちの家へ招き入れ狩りの手ほどきをし一緒に食卓を囲んだのは誰だろう。梅ちゃんではないでしょう。恩人だからこれからも一緒にいないと、というわけではないけど、杉元がこれからの人生の中で一緒にいる時間を長く取るべきなのは、梅ちゃん<アシリパさんだと思うなー。
アシリパさんもけっこう極端で、故郷の梅ちゃん(自分から離れていく)か北海道のアシリパさん(ずっとそばにいる)かを選ばないといけないみたいな頭になってるけども、どちらも取っていいんだって!と老婆心で言いたい。梅ちゃんの目を治してから北海道へ戻ってくるという選択肢もあるのよ…。
杉元が離れていく想像をしただけで、少女漫画と見紛うようなモノローグ+切なげな表情の展開になってしまうアシリパさんにも、わかる部分はある。今週出てきたホロケウカムイ、消えてしまったカムイ。アシリパさんのそばからすでに二体のホロケウカムイが消えているから。ウイルクとレタラ。そばにいてほしかったのに消えてしまったホロケウカムイたちのことと、アシリパさんが立派に狩りをしていてもまだまだ家族の愛情を切望するくらい幼いことを考えれば、ここまで親しくなった杉元が離れてしまうのは寂しいよね…。
ホロケウカムイ=消えてしまったカムイ、ウイルクの名前ホロケウオシコニが金塊の暗号を解く鍵。
これらから、金塊はもう消えてしまってありませんというのっぺら坊からのメッセージだ、という変な展開は想像した。(絶対にない展開)
ちなみにブログ冒頭の画像は無料配布されているものを使わせていただいているのだけど、この狼の画像はとてもお気に入り。ゴールデンカムイって感じがすごくするから。森に佇む二頭の白い狼。ウイルクとアシリパさん、レタラとアシリパさん、杉元とアシリパさん。どのコンビでも素敵なのだけど、今週の話を読むとウイルクとレタラに見えるね。この二体の狼は、アシリパさんを今でも見守っているような気がする。
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