ゴールデンカムイ第232話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

今回からですます調をやめてみるよ。ですます調はやたら文字数が増えてしまうからね。

 

 

第232話 家族

インカラマッが無事お産を終え谷垣娘の誕生に涙するというこの世で最も祝福されるべき空気のコタンの外では、鯉登少尉月島軍曹フチたちの見張りに遣わされていた兵士に灸を据えていた。この兵士はオソマ父が毎晩酒を飲ませて酔い潰していたので、今回のお産もまったく気付いていないようだ…。鶴見中尉には黙っていてやるから(知れたらおそらく命がない)、これまで通り「問題なし」と報告を続けろ、と鯉登少尉は言い渡す。

赤ん坊が生まれた直後と思えない会話は更に続く。鯉登少尉は鶴見中尉にはまだ誰にも語っていない本当の目的があるような気がしているが、月島軍曹にはそんなものがあるかもあやしく思える。
けれど月島軍曹は一度あるものを目にしていた。鶴見中尉が指の骨を眺めているのを。骨は二本、一本は鶴見中尉の指関節程度の長さなので大人のもの。もう一本は小指のものにしても小さいので子ども、それもかなり幼い赤ん坊のもの?鶴見中尉が指の骨を眺める(あるいは撫でたりしていたのかも)光景がなぜだか記憶に残っている月島軍曹だけれど、それが金塊争奪戦とどう結びつくのかはまだ月島軍曹にはわからない。
目的はわからないけれど、鶴見中尉を前向きに信じると決めている鯉登少尉。その鯉登少尉をおそらく信じることにしたであろう月島軍曹。月島軍曹はしばらくぶりに僅かにほほ笑んだように見えた。

インカラマッのお産より一週間後。谷垣とインカラマッはフチのコタンを去る。鯉登少尉は鶴見中尉に、二人には逃げられたと報告するつもりだ。去り際、インカラマッは月島軍曹の大切な人の居場所の占い結果を伝えようとするも――月島軍曹は必要ないと断った。

さて札幌では。菊田特務曹長宇佐美一等兵が斥候として街を探っていた。225話で明かされた娼婦殺しの囚人を追って。鶴見中尉配下の二人がいる近くにキラウシ門倉がいるけれど……門倉は強運で宇佐美と顔を合わせずにニアミスで済む。でも宇佐美は門倉は網走で死んだと思っているらしい。
札幌には土方陣営も来ていた。土方さん尾形も街を探る。鶴見中尉の兵士はもちろん月寒の師団が遊びに来る可能性も高いのが札幌の花街。油断はできない。

一方、杉元たちは空知川流域のアイヌ集落で聞き込みを続けていた。224話で白石が話した通り、金塊の最初の隠し場所を探り何か新情報を掴んでいるかもしれない海賊房太郎に会うためだ。そしてついに歌志内の炭鉱付近でヤクザのモンモンではない入れ墨の男を見たという証言を得る。しかもそいつは物売りで飴を売っていたという。
場所は移って歌志内のとある炭鉱の町。物売りが幼い少年に飴の味見を勧めた。しかし少年の手に乗せられたのは石炭。戸惑う少年の表情を「いい顔」と喜ぶ物売りの髪型は、まるでドレッドヘアーのように見える……。飴より良いものをあげるからと少年を森へ連れ込むこの男が、杉元たちがこれから会う囚人なのか?

 

月島軍曹の道理

鶴見中尉はやっぱりロシアで亡くなった奥さんと子どものことをずっと思っていたんだなーと思える回。
間違いなく妻子の指の骨だと思うんだよね……。でもその二人を失ったことと金塊はどう繋がるのかな?個人的な復讐?その目的だった場合、鯉登少尉はどう思うかな。鶴見中尉の進む道が皆を幸せにするのが一番いいけれど、じゃあ鶴見中尉の妻子のために皆が犠牲になるのはいいの?鯉登少尉の言う「同胞のために身命を賭して」というのも、お国のためとかそういう大義名分がある前提での話だと思うので、やはり鶴見中尉の本当の目的が明らかになるときがかなり大きな分かれ目になるんだろうな。鯉登少尉の。
とはいえ今回の描写は「鶴見中尉にも大切な人がいた」ということだけで、それが目的になるのかはわからないけどね。わかりやすく結びつけるとしたら「復讐」だけれど、奥さんを直接的に撃った可能性が一番高いのはおそらくソフィア。他の二人はすでに死んでしまった。ウイルクたちがアシリパさんに託した夢を打ち砕くことで復讐を果たそうとしているのかしら?もうわからないことだらけ……。

月島軍曹は今回少し救われたんだと思う!前向きな鯉登少尉に照らされる月島軍曹、すごくよかった。
今まで鶴見中尉の命令は絶対で、疑問を持つことすら許されず(というよりも自ら拒んで?)、至極忠実に職務を全うしてきた月島軍曹。一方、妄信的に見えた鯉登少尉でさえ己の信念を持っていて、己の正義に反するならば鶴見中尉の命に背くこともするかもしれないという覚悟を持っている。鯉登少尉の持つ正義に触れて、月島軍曹も自分の中の正義や信念といったものを思い出したんだと思う。それに反するとは言い切れないけれど納得し切っていない自分に気が付いた。
言うなれば自分の本心を押し殺していたんだよね。月島軍曹の中では、鶴見中尉を絶対として忠実に従うことで、自分の本心から目を逸らす「道理」としていたわけだ。(「道理」については215話の感想で少し書いてます!)
それを解き放ったのが鯉登少尉で、きっとこの先鶴見中尉の本当の目的とやらが明らかになったとき、今度は鯉登少尉が葛藤するんだろうけど、そのときには月島軍曹が鯉登少尉の助けになるんだろうな。そうなってほしいな。
月島軍曹はこれから何かしらの形でいご草ちゃんを探すかな?それは鶴見中尉との対峙を意味すると思うけれど、月島軍曹が納得できるようにしてほしいと思う。鶴見中尉もそうなんだけど、みんな辛い目に遭いすぎだよ……。少しでも報われてほしいからいごちゃんには実は生きていて、お金持ちの家に嫁いで何不自由なく、月島軍曹が安心して自分だけの人生を歩めるくらい、幸せに過ごしていてほしい……。

なかなか際どい内容の多い作品だと理解してはいるけれど、それでも幼い子どもが何かひどい目に遭うのは本当に本当に心が痛むので、歌志内の囚人よ頼むからその子に何もしないでくれ~!!
ところで彼の髪型、ドレッドヘアーなのかな。帽子もあまり作中で見慣れないニット帽みたいなものだけど、日本人じゃない?そうだとすると札幌の娼婦殺しっぽい囚人が日本人じゃなさそうなんだけれど、札幌と歌志内、同じ囚人ということはないかな……。

さて今週もとても面白かった。谷垣とインカラマッと娘さん、三人が幸せに暮らせますように。

 

 

 

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