ゴールデンカムイ第198話感想

こんばんは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレありますので未読の方・コミックス派の方は気をつけてくださいね。

また、以下は私の所感です。
妄想・勘違い・見逃し等々も多分に含んでいます。
一ファンの感想としてお読み頂ければ幸いです。

 

第198話 音之進の三輪車

鹿児島で出会った鶴見中尉と鯉登音之進少年。
音之進少年の兄が亡くなった経緯やそれが原因で音之進少年が船に乗れなくなったことが語られます。
やがて二年後に海軍の父の仕事のため函館に移り住んだ音之進少年。
函館の街中を自慢の三輪車で駆け回っていたところ、露西亜と思われる一味に誘拐されてしまいます。
ロシア語が堪能な鶴見中尉が音之進少年奪還のため鯉登平二中佐(当時)の元へやって来ましたが、果たして無事に帰還できるのか。

というのがざっくりしたあらすじ。

 

海軍将校になりたい

音之進少年の兄・鯉登平之丞海軍少尉
明治二十七(1894)年、日清戦争の黄海海戦で防護巡洋艦「松島」に乗っており、戦死しました。
父・鯉登平二中佐は別の戦艦から、息子の乗った松島を見つめていたそうです。
砲弾が的中し57名の味方が死んでいくさま。
松島は、敵の砲撃が装薬(弾丸を発射する際に使用する火薬だそうです)の誘爆を引き起こし、大破したそうです。
松島は日露戦争まで活躍した艦艇なので黄海海戦では沈没したわけではなく大破、またその後は200名超が乗っていたとの記述もWikipediaにありますのでその当時も乗員60名程度ではないだろうと思います。

なので大破したといっても全員死亡する規模ではないので、誰が死んだのかまでは他の艦艇からはわからないかと。
さすがに鯉登平二中佐は息子の持ち場を把握していたかもしれませんが…。
誰が死んだかわからないなら、私情を挟むのは厳禁ですが、我が子の無事を必死に祈りながら松島大破の様子を見ていたと思います。
息子の持ち場と大破した箇所が一致しているとわかっていたのなら、なぜその場所に砲弾が当たったのかと運命を呪ったことでしょう。

そしてそんな父親の胸中を想像した音之進少年の胸中は想像を絶します…。
海城学校で聞いた松島大破の様を、頭の中で映像に変換するだけでも実践経験のない身には相当な苦行のはずです。
加えて父親が笑わなくなった事実も上乗せ。
さらに、兄が死んだ分、自分が立派な海軍将校にならねばという責任を感じていたはずです。
兄の死・戦死の惨たらしさ・父の変化・使命感、それらは全て「船」に関わるため、音之進少年は船に長時間乗れなくなってしまう…。

船に乗れない者が海軍将校になれるはずがない。
兄上の代わりにはなれない。
自分は鯉登家の落ちこぼれだ。

自分のことを否定する少年に、鶴見中尉は、兄上の代わりになる義務はない、と言葉をかけます。

函館に引っ越した音之進少年は、まだ海軍兵学校を受験する予定だそうで、まだ海軍将校を目指しているのですね。
ということはきっと船に長時間乗れるようになる練習をしていたりするんでしょうか。
そのたびに兄や父のことを思い出して、体調を悪くし、父親の期待に応えられないどころか兄上という空白を埋めることすらできないと嘆いたのでしょうか…地獄ですね…。

次週あたりには鶴見中尉が音之進少年に陸軍へ入るよう助言する場面が見られるのでしょうね。

 

親の心子知らず

鯉登少尉は意外と自己評価が低いのですね。
自分のほうが死ねばよかったなんて、戦時下にそう言えることではないではないです。
やはり今週語られたように、父親の関心が自分に向いていないということが原因なのですかね。
誘拐犯相手にも、父は自分のために函館要塞を差し出す真似はしない、と言っていますし。

悲しいのは、音之進少年は、父がそうしないだろうと思っている理由を、「自分が落ちこぼれだから」だと思っているところなのですよね…。
音之進少年がそう思ってしまうのも無理はないのですがね…長男が死んだのなら、家を継ぐ者として次男にはこれまで以上に厳しく当たり鍛えようとするのが普通でしょうから。
そうしてくれなかったのは父が自分に何も期待していないからだという理屈が出来上がってしまったのでしょう。

でも、父のほうは、そう思っていないのではないかなと、いや、そう思っていてほしくないと、私は思います。
お父さんは、「息子に価値はない」と思っているから犯人の要求を飲まないのではなくて、
息子の命と天秤にかけられないほど重大なものを預かっている」から犯人の要求を飲まないのではないかなと。
樺太に向かう艦艇の上で杉元に語ったように、兵の命を預かる将校ならばまず自分の子どもを率先して戦場に差し出さねばならないのです。
息子一人のために海軍中佐として預かっているものを放り出すことはできません。

父と息子でちょっとすれ違っているかな?と思ったところです。
鶴見中尉がこの親子をうまく繋ぎ直してくれることに期待しています。

鶴見中尉は人をたらしこむとよく言われていますが、私の期待通りの展開なら、「たらしこむ」という言葉が持つ利己的なニュアンスは薄れるような気がします。
親子の間の誤解をなくすのはいいことですよね。
ただ、現在の鯉登少尉の様子からは、鶴見中尉に心酔しきっていて、心の拠り所になってさえいる印象があります。
拠り所になっているということはそれがないと立っていられないということなので、鯉登少尉が自立できなくなっているとしたら、たしかに鶴見中尉ちょっと悪い大人かもですね。

鶴見中尉のたらしこみについては、月島軍曹と尾形の例もあります。
月島軍曹のえご草ちゃんの件は、元は父親との関係が発端です。
もし「佐渡で実際に骨が掘り出されるのを見た」という発言がなければ、父親を誤解していたという後悔はあるでしょうが、恋人を死に追いやるような親ではなかったと多少の信頼回復はできていたでしょう。
なのであの発言は鶴見中尉の想定外だったのではないかと思います。

尾形のほうは、まだ全然わかりません。
やはり父親との関係が肝だろうとは思いますが…やはり父親を殺させてあげるよというところなのですかね…。
正直尾形のことは作中で何を語られても理解できないような気さえしています。
難解な男だ、尾形…。

 

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