メレンゲとレモンとパイ

メレンゲが乗ったタイプのレモンパイが大好きなので機会を見つけて食べています。
最近の活動を記憶しました。

星乃珈琲

星乃珈琲のレモンパイ

コーヒーがおいしくて落ち着いた雰囲気の星乃珈琲。
2023年の春夏メニューとしてレモンパイが登場しました。
レモンカード部分はカスタードクリームのどっしり感の主張が強いやや重めの食感。コーヒー屋さんなのでコーヒーとの相性を考えているのだと思います。

星乃珈琲のレモンパイ(断面)

パイというよりタルトと呼びたくなる生地はしっかり焼き込まれているのでナイフを使ったほうがきれいに食べられます。
レモンカードとタルトに挟まれたスポンジ部分はしっとり。

メニュー表(一部)

ちなみに、ケーキ類は持ち帰りが可能です。(写真参照)
ただし!おそらく今回のメニュー改変からの対応らしく、これまで持ち帰りを実施していなかった店舗では注意が必要そうです。
私が伺ったお店では持ち帰り可能というのがまだ周知されておらず、入り口で持ち帰りを断られ、お店で食べて帰ることにしましたから。
ですがその後、入り口で断った方がわざわざ席に来て「持ち帰り可能でした」とお詫びしてくれましたし、お会計時にもお詫びがありましたので、今回の件はむしろ丁寧な対応として好印象でした。

新宿中村屋(Bonna)

新宿中村屋(Bonna)のレモンパイ

新宿にあります新宿中村屋。カレーが有名ですが、ビル内にBonnaという持ち帰りのスイーツ店があり、そちらにレモンパイがあります(2023年4月時点)。
小ぶりなホールパイが一つずつちゃんとケースに入っています。丁重なレモンパイ鎮座スタイルにはこちらも恭しい態度になりますね。

新宿中村屋(Bonna)のレモンパイ、お皿へ

メレンゲの波と焦げ目に目を奪われる素晴らしいルックス。

新宿中村屋(Bonna)のレモンパイ、断面

メレンゲはふわっと軽く、レモンカードはレモンピール入りでほのかな苦みのある春らしい味わい。
スポンジは洋酒でしっとり、底のパイ生地はサックリと、でも小麦の風味がしっかりと。
レモンピールの苦みとスポンジの洋酒で全体的に大人向けの印象。子どものおやつではないですね。そもそもレモンパイを選ぶ子どもというのがいない気もしますけども。

新宿中村屋(Bonna)のレモンパイ、原材料

個包装なので原材料表示があるのがうれしいところ。真面目な材料で作られています。

新宿に行く機会のある方は是非。
ケース入りなので持ち帰りでメレンゲがぐちゃぐちゃになるということはなさそうですし、他にもおいしいものがたくさんありますよ。

レモンパイ難民

今回はレモンパイを求めさまようお話。

2020年夏。
奇跡的な爆発的増殖力を手にしたウイルスによって夏らしいイベントが特になかった夏。
私は、ある食べ物が食べたくて食べたくて仕方なかったのです。

タイトルにもある通りのレモンパイ

サクサクのパイ生地にすっぱあまいレモンカード、トップには焼き目のついたメレンゲ。
そんなレモンパイ、かつては喫茶店でお馴染みのケーキだったそうですが…
令和になった今、クラシカルな姿のレモンパイを見つけるのはなかなか厳しい!
あったとしても上が生クリームだったり、レモンを使った焼き菓子だったり…
あのメレンゲの王冠をかぶった王道スイーツはどうすれば手に入るのか!?
よく行く駅周辺はかなり調べましたがレモンパイのお店はありません。

日夜ネット検索に明け暮れる日々。
浅草の有名店もフォロワーさんに教えてもらったフレンチカフェも、我が家から遠い!
どうにか行きやすい場所にないものか!

……探して探して探しまくった結果、口コミからあるお店を発見。

ホテルオークラのシェフズガーデンというお店です。

今はリニューアルしてオークラ東京と呼びますが、オークラといえば誰もが一度は耳にしたことのある、有名な高級ホテルですね。
そんなところにレモンパイがあるなんて!
絶対においしいやつです。

少し前の口コミだったので念のため公式サイトで最新情報を確認しました。
あ、ある!!レモンパイの文字が!!ある!!
公式サイトに載せているということはレギュラーメニュー確定!
レモンパイ、あったとしても夏季限定のところも多い中、レギュラーは嬉しい。
職場から電車を乗り継いで30分ちょっとで行けるし。
オークラのある虎ノ門はなじみがないけど、近くの溜池山王や六本木一丁目ならサントリーホールに行くときよく使うし大丈夫でしょう!
私はクラシック音楽を聴くのが趣味なのでサントリーホールにはたまに行くのです。

始まりの試練

わざわざ電話で取り置きを予約して、いざ仕事終わりにオークラ東京へ。
色々検索したけれどどの駅からも歩くよう。
せっかくなので今回は新しい駅「虎ノ門ヒルズ駅」を使ってみることに…
…したのがまず良くなかった。
虎ノ門は赤坂や六本木にほど近い港区。
赤「坂」とあるように、坂が多いんです。
そしてオークラ東京は、まるで睥睨するかのごとく、坂の頂上に建っているんです!
もうおわかりですね?
虎ノ門ヒルズ駅から坂を上らなきゃレモンパイにたどり着けないんです!

仕事帰りのへとへとの体で坂を上る。
レモンパイのためとはいえ試練が過ぎませんか?
しかもこの日、私は翌日テレワーク予定だったので、いつもの仕事用のカバンに加えてパソコンの入ったカバンも持っていました。
年取って自分の体重を重力に逆らって持ち上げるのもきついのに、そこにカバン×2って。
このレモンパイ、試練が過ぎんか?(二回目)

試練は序の口

ひーこら言いながらようやく上り切り、坂の頂上に建つオークラ東京に到着!
でもここからが本当の試練でした……
ホテルに行くとたいていまず車寄せが目に入りますが、制服を着こなしたスタッフさんたちに囲まれる、明らかに只者でないオーラを放つスーツの老齢男性…
これを見た時点で私の緊張はグンと上がります。

だって明らかに私は場違いな存在なんだもの。
こんな一般庶民が普段着で来ていいところじゃない!と思いました。
お金持ちが連泊して、たまにはお部屋でゆっくりしたいワ…そうだわここの下のカフェのでいいワ…ってときにここのケーキを買うに違いないです。
私みたいな一般庶民が背伸びしてワクワクしながらケーキ買いに来るところじゃないです!

とはいえ取り置き予約をしてしまったので、後には引けません。
車寄せにいるスタッフさんにバレないよう気合注入ビンタをセルフでかましたら、いざ突入です。
建物に入るとすぐ、これまたバリッと制服を着こなすポーターさんに声をかけられました。
スタッフさんが声をかける理由は当然、どこへ行きたいのか、ということですよね。
わかってます相手は従業員さんなので私のためにしてくれていることだとはわかっているのです。

でも!こんなランクのホテルに縁のない身としては!!
どーーしても斜に構えてしまうのです…品定めされるのでは?と…
私の頭には海外旅行の下調べで得た(おそらく一生実感する場面がないであろう)知識が思い浮かんでいました。
それは、高いランクのホテルでは腕時計で身分を示す、というやつです。
ホテルによっては気を付けないと「客じゃない」扱いを受けるかもしれないやつです。こわ。
私の腕時計は無論ウン十万もするやつじゃないです。
誕生日プレゼントですっごいお気に入りだけどアウトレットのやつ…
それに他のアイテムも、お気に入りとはいえ何度も洗濯したからお世辞にもよそいきとは言えないTシャツに、角がはげてきているカバン、歩きやすさ重視で買った靴などなど…
おそらく全身につけているものを足し上げても1万円ちょっとでは?
オークラに入るにはあまりに低い戦闘力です。

戦闘力が足りない!

高級ホテルは空間自体の戦闘力がすでに高いです。
なので入るとき戦闘力が低いとその時点でかなり消耗します。
レモンパイに浮かれてそんな大事なところに気が付かなかった私。
入館した時点ですでに瀕死ですが、レモンパイのため…と自分を奮い立たせ、ポーターさんに案内されるがままケーキショップへ。

ショップ自体はいかにもTHE高級!!という面構えでした…案内されなかったら絶対に入れなかったな。
おしゃれでスマートすぎて入り口がわからないやつ…スタッフさんに案内される前提なのか案内とか看板もほとんどないんですよね…。
それに高級ホテルのパンやケーキが置いてあるお店ってどうして”見るだけ”をああも拒むつくりなんでしょうね?

さて、ここに来るまで色々試練がありましたが、無事にレモンパイゲットです!
レモンパイの入った包みを受け取りお会計。
……隣でお会計してるマダム、服もメイクも雰囲気も只者じゃない……!
戦闘力53万はくだらないな…

なんてことを考え気を紛らわします。

そうでもしないとオークラという空間自体の戦闘力に加え、お会計スタッフの淀みない接客やお隣のマダムのアンニュイないかにも金持ちって雰囲気に押し潰されそうです。
無事会計を済ませ、道案内してくれたポーターさんはじめ多くのスタッフさんに見送られオークラをあとにします。

かろうじて撮ったオークラの写真。宝物館らしい。

オークラのやさしさ

……私、レモンパイ買いに行くのが本当にすごくすごく楽しみで。
久々にゴールデンカムイ感想以外のブログも書いちゃおうかな!
だったらお写真いるよね!

お店の人に許可もらってちょっと撮らせてもらおう!
…とか思ってたんです!

全然それどころじゃなかった!

あんな落ち着いたシックな空間でスマホでパシャパシャ写真でも撮ってごらんなさい。ご丁寧に許可までもらって。
お上りさん風情丸出し。空気の読めない大人です。
大恥をかいていたでしょう。

そういう意味ではオークラは優しいのかもしれないですね。
圧倒的な戦闘力で小娘の動きを封じ恥をかかせないという意味では。

試練はまだ続く

色々ありましたが無事レモンパイを入手し帰宅。
とは一筋縄ではいきませんでした。
帰りは違う駅から帰ろうと思い、オークラを出て来た道とは逆へ進んだのです。
今度は坂を下って駅を目指すのですが、さすが赤坂六本木虎ノ門。
目に入る建物すべてが大きい。圧巻。圧倒されます。
オークラを出て解放されたと思ったら今度は謎の高級ビル群に囲まれているわけです。
オフィスビルなのかマンションなのかそれとも別の建物なのか…さっぱりわからないけれど、どれもこれもエントランスの天井がとにかく高い!
私の住むマンションの3階くらいの高さがあるのでは?
これ地震来たら大丈夫なのかと田舎者らしい感想を抱かせがちな、物理的に威圧感のある建物の中を進みます。

周囲のビルは威圧感すごいし、暗くなっていたので道がわかりにくいしで、二つの意味で緊張してきた私。
見知らぬ道で、しかも暗くて人がいない状況ってすごくドキドキしませんか?それです。

犬の散歩をする人とすれ違って一安心しますがここでまた一つ問題が浮かび上がります。
犬の散歩をするってことはこの付近の住民だよね?赤坂六本木虎ノ門に住んでいる…だと……?
ジャージ姿でラフに歩いていても、この飼い主さんの戦闘力は、ここいらで犬を散歩させている時点で私とは桁違いであることが確定です。
さらには戦闘力でいえばそのワンちゃんにも私負けるんじゃない?
あのワンちゃん、絶対に私より高いご飯を食べていると思う…

周囲の戦闘力の高さに打ちのめされて私のライフはもうゼロに限りなく近かったです。
ようやくたどり着いた地下鉄入り口。
改札に向けて地下通路を歩いているとなにやら既視感があります。
振り返って確認すると、サントリーホールへ行くときによく使う地下鉄出口だったんです。
あまりにライフを削られるイベントが起こりすぎてまったく気付きませんでした。
レモンパイのおかげでよく使う駅出口ですら他人行儀に感じられたのでした…。

結論

帰宅後は疲労感がすごくてご飯もそこそこにすぐ休みました。

え?レモンパイ?

そりゃあおいしかったですよ。金額以上の価値がありまくりでしたね。

ただもう一度買いに行くかと聞かれると…

武装して戦闘力を限界まで高めないと負けちゃうので、またレモンパイ欲が高まったら、ね…。

感想
近くにおいしいレモンパイ置いてるお店がほしいなぁ。

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