ゴールデンカムイ第243話感想

こんにちは、うたげです。

ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

 

 

第243話 上等兵たち

札幌で精子探偵を続ける宇佐美と、菊田。宇佐美の娼婦殺し犯人の捜索手段に呆れ気味の菊田は、「第七師団の上等兵はおかしなやつばかりだ」という主旨の発言をする。尾形を引き合いに出され怒る宇佐美。宇佐美と尾形には知られざるエピソードがあった。

尾形は初登場時、杉元に真冬の川に落とされていた。凍傷は免れたが入院を余儀なくされていたとき。うわ言で「勇作殿」とつぶやいたのを宇佐美は耳ざとく拾った。
勇作殿は尾形の腹違いの弟で花沢閣下の寵愛を一心に受けていた。本妻の子である勇作殿が生まれ母とともに見向きもされなくなった尾形百之助とは育った境遇も性格もまるで違う。花沢閣下の息子であり旗手である花沢勇作少尉ももちろん鶴見中尉の「駒」だった。はじめは殺して花沢閣下の寵愛を尾形へ向け、花沢閣下を意のままに操ろうとしていたが、清らかな偶像としての利用価値を見出されたため勇作殿は殺されずに済んでいた。花沢閣下からも鶴見中尉からも愛されていた勇作殿に対し尾形は嫉妬する。嫉妬のあまり勇作殿にロシア兵捕虜を殺すようけしかけるが、勇作殿は清廉潔白を貫き、誰も殺さぬまま兄様と慕っていた尾形に脳天を撃たれて死んでいった。
勇作殿が死んでも花沢閣下の愛が尾形に向くことはなかった。そしてその父親も、鶴見中尉の取り計らいにより尾形が殺すことになった。さて忠実に二人もの身内を殺した尾形に鶴見中尉の愛の矛先が向くかと言えば――向かなかった。
誰にも愛されず一人になってしまった尾形が気に食わない宇佐美。宇佐美には確信があった。尾形は鶴見中尉を困らせたいのだ。困らせて気を引きたい。だから絶対に札幌へやって来る。宇佐美は、勇作殿や鯉登少尉や尾形と違って宇佐美自身は、ただの「駒」ではないということを、示したいのだ。

 

複雑に見えてもでっかい子ども

尾形は宇佐美の妄想だっていなそうとしてたけども宇佐美の言ってたことだいたい当たってる気がする。
尾形は作中ほとんどの陣営を渡り歩いて腹の底が見えない男ナンバーワンの座をほしいままにしているけど、根源はごくごくシンプルだと思う。誰かに愛されたい。そんな人が本能的に持っている素朴な動機だと思うの。

尾形が勇作さんやアシリパさんを引きずり下ろしたい道理については第187話感想で書いた通りだけど、じゃあそもそもなんでそんなことするの?っていう純粋な疑問への答えを宇佐美は語ってたんだと思う。私が187話感想で書いた「清い人間がいたら愛をくれたはずの家族を手にかけた自分は何なのか」という怯えた気持ちもあるとは思うけど、それもやはり「愛されたい」という気持ちの裏返し。生まれからして愛に飢えているのねこの男は。

誰よりも愛を渇望して、罪悪感なんてないんだなんて謎理屈を持ち出して人を殺してまでほしいのに、いざアシリパさんから与えられると戸惑ってどう反応していいかわからない――そんなかわいい人間なんだよ尾形は!
今回の話で更に尾形を好きになったよね……かわいいが過ぎる。かわいいというよりも、いじらしい。本当に幼子のようだ……。

尾形も、尾形に嫉妬して対抗心を燃やしている宇佐美も、危ういなぁと思う。作中では子どもの扱いだ。
白石や鯉登少尉がいい例なのだけど、自らの心のままに行動できるようになった人間は、誰かからの見返りを求めていないと思う。鯉登少尉だってあれだけ鶴見中尉信者だけども実は鶴見中尉からの褒美は特に必要としていない。それどころかその道が正しいのか見極めたいというちょっと距離を感じるような発言も出た。白石に至っては金銭的な得があるか定かではないのに自発的にアシリパさんのそばにいることを選んだし。
けれどこの二人の上等兵は違う。尾形は誰かに愛してほしい、宇佐美は鶴見中尉の特別でありたい。思いっきり他人に寄りかかっている。つまりは自立していないとでも言えばいいのかな。だから子どもなんだろうなぁと思うわけ。戦闘能力はバリバリに高いのに心根の部分ではまだまだ小さい駄々っ子で、二人で鶴見中尉の愛情を取り合っているように見えるのだ。

宇佐美と尾形の意外な繋がりがあったと明らかになった。尾形が造反組を煽っていたのもバレていたし。一人で杉元たちに接近したのも鶴見中尉のお褒めがほしかったからなのかな?
尾形が想像以上に猫ちゃんで、宇佐美はやっぱりどこかネジが外れていて、二人の邂逅が楽しみだ。

 

 

 

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第242話 交互に

森が将棋倒しになる中に居合わせてしまった杉元とアシリパさん。北海道の伐採方法は、先に切り目を入れ風上の一本を倒し将棋倒しの要領で多くの大木を倒す手法だった。家が林業だったという海賊房太郎は落ち着いた様子だが、白石は杉元・アシリパさんが押し潰されていないかが心配でならない。必死に名前を呼ぶ白石。それを見て海賊は言う、そんなに必死に探すのはやはりあの二人、特に娘のほうが金塊への勝算なんだろう?と。たしかにそうだがそれだけではない白石は声の限り二人を呼び探し続ける。

一方杉元とアシリパさんは倒木に囲まれ脱出もままならない状態だった。アシリパさんの額からは血が流れ、いつもの狩猟時に見せる冷静さは欠片も見当たらない。弱った様子のアシリパさんに杉元は隣に寝そべりながら、金塊を探す目的を語り始めた。
梅ちゃんのこと、杉元の家族の結核のこと、寅次のこと。そして最後に、金塊を見つけたとしてもアシリパさんが納得できるまで相棒のままでいるつもりであること。初めて聞く杉元の金塊争奪の動機をアシリパさんがどう思ったかはわからないが、少なくとも「アシリパさんが納得できるまで相棒のままでいる」というのはアシリパさんの聞きたい答えではなかった。

何であれここから出なければいけないが、倒木の隙間は非常に狭く、折り重なった木々は内側からはびくともしない。でも白石なら関節を自在に操り隙間を縫って見つけ出してくれるに違いない。白石は、杉元との約束を守り樺太で自らの意思でアシリパさんのそばにいることを選んだ。だから杉元と同じように、アシリパさんが暗号を解く鍵を思い出したことを伝えてもいいのでは。そう杉元が言えば、本当はもっと早く教えてもよかった、と応じるアシリパさん。その会話を聞いて涙を流す、倒木の隙間から顔を覗かせた白石。樺太の旅が無駄でなくてよかったという喜びの涙だ。
頭巾ちゃんことヴァシリが杉元とアシリパさんが森にいるのを見ていたので二人の場所はすぐに特定できた。海賊が助けを呼び、二人はようやく木の下から出られた。

切り倒され見晴らしの良くなった大地。人口増加によって木を切り倒して土地を確保せざるを得ないのは札幌でも同じだった。丸裸になった地面を見てアシリパさんは考える。アイヌも生活の中で木を倒し獣を狩るが、必ず少し残しておく。山へ返し、次の季節には増えてまた生活の糧になるから。豊かに暮らすのは悪いことではない、取りすぎなければいいのだ。
とうにアシリパさんがのっぺら坊の娘だと感づいていた海賊に、支笏湖で拾った金貨をアシリパさんへ渡すよう白石が促した。掘られた文様はアイヌの文様に似ていて、「交互に」「交差」を意味する。文様がその意味通りなら、のっぺら坊が作ったと思われる金貨は、各地のアイヌが各々の土地の砂金を集め合った記念に作ったという推測ができる。ウイルクが目指したであろう「交差」は北海道アイヌの他にもある。帝政ロシアに脅かされる極東の少数民族だ。支笏湖に沈むときまで持っていたということは、これら少数民族が一丸となり自分たちの存在を守ろう、という意思は変わっていなかった、ということの表れでもある。そんな人がアイヌを殺すはずがない…確信を得たアシリパさんは、アイヌのためにすべきこともわかってきたのだった。

 

過去をやり直せたら。

今週……ユクの腹の中と同じ構図!!
ユクの腹の中で杉元とアシリパさんが二人で大雪山の夜を明かしたあの名シーン。杉元の好物干し柿から故郷を思い出し涙する杉元と、杉元の心の琴線に触れたとは気付いていない様子のアシリパさんの屈託のなさが印象的なユクの腹の中。それとあえて似せているのでしょうね。
でも今度はお互いの立場が逆になっている。杉元は覚悟を決めたかのように堂々と故郷と梅ちゃんについて話しているし、一方のアシリパさんは自分と杉元との関係を思いやや感傷的になっていそう。でもアシリパさんの心の機微に気付いていない様子の杉元。ユクの腹の中とは逆転している…。

アシリパさんの聞きたかった答えは、きっと杉元がこれからもアシリパさんのそばにいてくれるか?ということだったのではと思う。それに近い答えが今回杉元の言う「納得できるまで相棒でいる」ということになるけど、それは確かに条件(アシリパさんがのっぺら坊事件に納得できるまで)が設けられており、おそらくアシリパさんの理想である「ずっと一緒にいる」とは違うんだろうな。
アシリパさんはそばにいてくれる人を欲しているんだろう。先週も少し触れたけど、ウイルクといいレタラといい、アシリパさんの人格形成に大きく寄与した存在は、まだアシリパさん側にとっては必要というタイミングでアシリパさんのそばを離れてしまった。言わばウイルクもレタラも家族だったのに。だからアシリパさんは家族がほしいのだろうなぁと思う。フチもいるけれど、ずっとおばあちゃんと暮らせるわけではないよね。

アシリパさん、アイヌのためにすべきことって何!?民族が団結しようというウイルクの意志を引き継ぎ、森林伐採の様子を見て次代のために残しておくという旨のことを語り、そこから導き出される「アイヌのためにすべきこと」って…?
言い方は悪いかもしれないけど…血を残すため、そして和人(あるいは帝政ロシア)と一つになるため、民族という垣根を取っ払いお互いの国の元へ積極的に入り交わっていくということ?北海道独立の土方さんや戦争を起こし対立を深めようとしてる鶴見中尉とはまったく相容れなさそうな道ね。ただの妄想だけれど、間違いなく戦う道ではないでしょうね、これまでの旅路でのアシリパさんの発言の数々を思い返してみれば。
勘が悪く読み込みも浅い私には正直わからない…なので来週を楽しみに待ってる!!けど休載かぁ…。

 

 

 

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第241話 消えたカムイ

エゾヤマザクラの花が咲き、季節は春。狩猟シーズン到来。アシリパさん杉元にサクラやオンコの木などがいかにアイヌの生活に欠かせないかを説明して回る。
その様子を見る白石海賊房太郎。海賊房太郎は杉元とアシリパさんが片時も離れないことに何かを感じ白石に揺さぶりをかけていた。白石の人となりを知る海賊からすれば第七師団土方歳三を敵に回しても白石が杉元たちと一緒にいることには何か理由があるのだろうと思わざるを得ない。のっぺら坊と同じ色の目だな。アシリパさんには金塊にたどり着く決定打があるのだろうと踏んでいる海賊。それをのらりくらりとかわす白石。海賊は白石にだけあることを話す。支笏湖で彼が引き揚げたのは砂金だけではなかった。金貨のようなもの。その面には何かの模様が凹凸で表現されているが、それが網走監獄の二十四囚人の入れ墨に似ている…。

エゾモモンガ=アイヌ語でアッカムイを見つけたアシリパさんは父ウイルクのことを思い出していた。ホロケウオシコニというのが、アシリパさんの母がつけたウイルクのアイヌ名。キロランケの命を懸けた樺太への旅で思い出した金塊の暗号
ウイルクとキロランケ、アシリパを幼い頃から知る身内が二人もこの金塊争奪戦の中で命を落とした。二人の死の理由は金塊にたどり着けばわかるかもしれない――でも多くの人間の運命を狂わせたのが金塊だ。見つけてもさらなる混沌を招くだろう。それに今のアシリパさんには杉元がいる。杉元や大切な人たちを守るためにはこのまま暗号を解読しないのが一番いいのかもしれない。そうすれば鶴見中尉もアシリパさんや杉元に手出しできない。
アシリパさんは杉元と出会ってからずっと頭にあっただろう問いを口にする。金塊を見つけたら杉元は私から離れていくかもしれないという不安は心に押し込めたまま。
杉元は金塊を見つけられたらどうするんだ?

その問いに対する答えは返ってこない。
杉元が木の根元を指さした。不自然に真っ直ぐな切り込みが入っているのだ。それも一本ではなく二人の周囲一帯の木すべてに。異常な事態に急ぎその場を離れようとするが、どこかで木の倒れる音が聞こえ、それが切り込みを入れられた隣の木を押し倒す。将棋倒しになり杉元とアシリパさんに迫る森。一体この現象は何なのか。

 

過去をやり直せたら。

アシリパさんよくぞ聞いてくれた!!という回。
杉元の弾除けになるというのは杉元を恩人として大切にしたい気持ちはもちろんあると思う。でも離れていってしまうんだろう→寂しいな行ってほしくないな、と思うからこそ出てきた「好きだった人と暮らす」という言葉のチョイスに滲む恋心…。このページだけ恋愛漫画みたい。ロマンチックすぎない?

アシリパさんのこの質問は、やり直しをするのかどうか、という意味にも聞こえる。「故郷に戻って」「好きだった人と」暮らすって、病気や戦争で失われたかつての杉元青年が送るはずだった生活のようだから。もし結核がなければ、戦争に行ってなければ。杉元は梅ちゃんと暮らしていたんだろう。紆余曲折あったけどそれが形を変えて叶いそうな状況なのだ。
言うなれば杉元の故郷と梅ちゃんの存在は、過去。過去に掴めなかったものを今また手にするチャンスが到来した。
それに対してアシリパさんやアイヌは現在だと私は思う。未来とまで大仰な響きでは呼べないけれど、今現在の杉元があるのはアシリパさんはじめアイヌの皆さんのおかげだ。家族の病気や戦争で戻る場所をなくしていた杉元を、自分たちの家へ招き入れ狩りの手ほどきをし一緒に食卓を囲んだのは誰だろう。梅ちゃんではないでしょう。恩人だからこれからも一緒にいないと、というわけではないけど、杉元がこれからの人生の中で一緒にいる時間を長く取るべきなのは、梅ちゃん<アシリパさんだと思うなー。

アシリパさんもけっこう極端で、故郷の梅ちゃん(自分から離れていく)か北海道のアシリパさん(ずっとそばにいる)かを選ばないといけないみたいな頭になってるけども、どちらも取っていいんだって!と老婆心で言いたい。梅ちゃんの目を治してから北海道へ戻ってくるという選択肢もあるのよ…。

杉元が離れていく想像をしただけで、少女漫画と見紛うようなモノローグ+切なげな表情の展開になってしまうアシリパさんにも、わかる部分はある。今週出てきたホロケウカムイ、消えてしまったカムイ。アシリパさんのそばからすでに二体のホロケウカムイが消えているから。ウイルクレタラ。そばにいてほしかったのに消えてしまったホロケウカムイたちのことと、アシリパさんが立派に狩りをしていてもまだまだ家族の愛情を切望するくらい幼いことを考えれば、ここまで親しくなった杉元が離れてしまうのは寂しいよね…。

ホロケウカムイ=消えてしまったカムイ、ウイルクの名前ホロケウオシコニが金塊の暗号を解く鍵。
これらから、金塊はもう消えてしまってありませんというのっぺら坊からのメッセージだ、という変な展開は想像した。(絶対にない展開)

ちなみにブログ冒頭の画像は無料配布されているものを使わせていただいているのだけど、この狼の画像はとてもお気に入り。ゴールデンカムイって感じがすごくするから。森に佇む二頭の白い狼。ウイルクとアシリパさん、レタラとアシリパさん、杉元とアシリパさん。どのコンビでも素敵なのだけど、今週の話を読むとウイルクとレタラに見えるね。この二体の狼は、アシリパさんを今でも見守っているような気がする。

 

 

 

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第240話 菊田特務曹長

札幌の娼婦殺しの現場で野次馬に扮する有古を見つけた菊田。菊田は鶴見中尉サイドの二重スパイとして土方陣営へもぐり込んでいるが、札幌にいるという報告が鶴見中尉には入っていなかった。報告しなかったのではなくできなかったのだと弁明する有古。今も近くに永倉新八がいるはずなので第七師団の人物と話しているところを見られては非常にまずい。ただでさえ鶴見中尉の元から逃げ出してきたという有古のことを土方歳三たちは疑っているのだ。
そんな有古に菊田は「俺につけ」と囁く。アイヌの父の志も、鶴見中尉の脅しも忘れろと。菊田が有古を誘うのには理由があった。菊田は中央政府のスパイだったのだ。土方歳三は北海道を独立させる。鶴見中尉は戦争を起こす。どちらについていっても行く末は破滅。今の有古が選ぼうとしている鶴見中尉へ従う道は最も過酷に思われた。なにせ中央政府は金塊を見つけたあとは鶴見中尉を用済みとして処分するつもりなのだから。

札幌の別の場所では土方陣営の面々が物売りなどに変装していた。夏太郎の新聞売り・土方さんの春の風物詩金魚売り・牛山と都丹の虚無僧・門倉の高野行人…そこには親孝行に扮する尾形の姿もあった。
娼婦殺し現場から戻った永倉新八・有古・石川啄木が合流し、事件の状況整理をする。この殺人事件はロンドンのジャック・ザ・リッパーを模倣したものだ。被害者が人体の一部を持ち去られている点、新聞社に犯行予告を送り付ける点。そして殺しの人数と頻度。一人目と二人目はひと月おきに、三人目四人目は一晩のうちに。ここまできれいにジャック・ザ・リッパーをなぞっているので結末も同じものになると予想された。ジャックの最後の犯行は四人目から四十日後に五人目を殺したこと。それを最後に消息を絶ってしまったのだ。つまりこの札幌の娼婦殺しの犯人も、あと四十日以内に接触できなければ、いずこかへ消えてしまう可能性が高い。

娼婦殺しの影でまた別の事件が起こっていた。札幌へ向かう杉元・アシリパさん・白石・海賊房太郎の一行は茨戸で新聞を見ながら話す。子どもが姿を消す事件で、一行が通ってきた街・江別では行方不明の子どもが三人もいた。子どもの誘拐犯と聞き海賊房太郎には思い当たる人物がいる。上エ地圭二(ウエジ ケイジ)、顔におかしな刺青を入れた、江別で出会ったあの飴売りだ。やはり彼は刺青人皮を持つ網走脱獄囚だったのだ。子どもの誘拐事件が起きた場所をたどると、上エ地も旭川から段々と札幌へ向かっていることがわかる。一方、鶴見中尉が札幌へ向かっているという電報を宇佐美は受け取り興奮していた。
土方陣営と第七師団、杉元一行そして刺青人皮の脱獄囚が集まる札幌。一堂に会したとき札幌で何が起きるのか?

 

菊田の綱渡り

菊田は中央政府のスパイだった…!彼がなぜ鶴見中尉についているのかわからなかったけれど、中央政府から送り込まれた刺客だったからなのか。ということは彼は鶴見中尉との特別なエピソードは特になく…。他の面々は鶴見中尉との濃厚なたらしこみエピソードがあり、有古は親族を人質に取られ、その中で特になんの繋がりも持たず近くにいる菊田ってものすごくあやしく見えそうで、鶴見中尉もマークしてそうな気がするけど…。
やはり中央も鶴見中尉をあえて泳がせていたんだね。そりゃ金塊は眉唾物だろうけど本当にあったら嬉しいし、鶴見中尉は飼い慣らせないだろうからそれなら好きに別行動してもらったほうが都合よさそうだものね。
さて鶴見中尉の札幌来訪は、菊田にとってはあまり都合が良くなさそうに見えるけれど、どうなのかな?

そしてそして、やはり刺青の囚人だった、上エ地。辞書登録しておきたいネーミング…。
子ども相手だとやばい匂いが何倍にも増す。こないだ出てきた男の子もおそらく…と思うと、ちょっとやるせない…。もうこれ以上犠牲者が出ないよう早めに杉元と再会してやりあってほしいよ。

最後、茨戸の用心棒編でお馴染み、山本理髪店が出てきたのはちょっと嬉しい。ケツアゴ署長はえらい目に遭ってたけどこの山本さんは無事なんだなー。土方陣営の中でややテンポのずれた気ままな猫ちゃんぶりを発揮する尾形はかわいいの一言…かわいい…。

 

 

 

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第239話 発射

札幌の娼婦殺し現場に現れた犯人と思われるシルクハットの男性と邂逅した、宇佐美菊田。先週の流れで、シルクハットの男と宇佐美はそれぞれの生殖器を露出ししごいている状態…宇佐美は右手で、シルクハットの男は左手で。そこからはなぜか射精対決。まず宇佐美が発射するもシルクハットの男が華麗な前転でこれをかわす。続いて犯人の発射。宇佐美も重量を感じさせない体術でかわし、発射対決は引き分け。
犯人が逃げ出したため菊田と宇佐美で挟み撃ちにすべく走り出すも、犯人が乗った馬に宇佐美がはねられ脱落。菊田の発砲が犯人のシルクハットを吹き飛ばし、さらに犯人に飛びつき馬に乗り、その後頭部に拳銃を突き付けた。勝った――かに見えたが、なんと犯人は馬上でも陰茎をしごいていた。そして背後で拳銃を持つ菊田に向け、発射。咄嗟に拳銃を握った手でガードするも間に合わず、菊田は犯人の射精を思いきり顔で受け止める。
菊田への顔射により無事に逃げおおせた犯人は、逃げながらもさらに二人の女性を手にかけていた――。

翌朝、女性の殺害現場には警察と新聞屋の石川啄木と野次馬たちが集まっていた。犯人はなぜ女性ばかりを殺すのか?昨夜の殺しはなぜおこなわれたのか?殺しの現場、つまり犯人にとっての「聖地」はどこまで増えるのか?謎は深まる一方だが、菊田は犯人の横顔と性器を目にしている。
もう一人の殺害現場のほうへ向かう際、菊田が野次馬に扮する有古力松一等卒に気付き話しかけた。鶴見中尉サイドの二重スパイとして土方陣営へもぐり込んでいるはずの有古。しかし鶴見中尉は有古が札幌にいることを知らない様子――菊田から有古が札幌にいると知らせを受け取った鶴見中尉は、部下を率いてついに札幌へ向かう。

 

変なにおいがしてきそうな話

文字に書き起こすとかなりアウトな感じなので変なコメントとかついたら嫌だなと思いながら書いてる…。
目に入った菊田は大丈夫なのかな。前回、宇佐美に触るな病気になると言っていたし、潔癖なのかどうなのか。まぁ菊田の反応が普通だと思うけど…。他人の精液は触らないし見たくもないよね…。

有古はなぜ鶴見中尉に動向を告げずにいたんだろう。鶴見中尉を裏切ったら家族が危ないというのに。その理由に有古なりの葛藤と決断があるのでしょう。次回以降このあたりを描いてもらえそうで楽しみだ。
鶴見中尉が札幌へやって来て、土方さんたちも札幌にいて、杉元たちも札幌を目指している。金塊争奪戦の関係者が一堂に会する!そろそろ物語も終盤かしら?締めが札幌というのもおさまりがいいような気がするし。
ということはあの隻眼山猫スナイパーも来るか…!

 

 

 

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第238話 好きな人に

海賊房太郎との戦闘がチョウザメの群れにより杉元の勝利という形に落ち着いた。しかし外輪を破壊されお冠の船長は、海賊と杉元一行を船から追い出す。
頭巾ちゃんことヴァシリが乗った小舟が追いつくまで船上では杉元と海賊の会話が繰り広げられた。「海賊房太郎と手を組もう」と言い出す杉元。しかし海賊の作戦にそのまま乗るのでなく、刺青人皮探しも続ける。なぜなら土方さん鶴見中尉、頭の切れるこの二人が刺青人皮を集めているという事実があるから。若山の親分は刺青の暗号は解けないと言っていたけれど、あの二人はそうではないと確信しているのかもしれない。今まで刺青人皮の情報量では圧倒的に不利だったが、埋蔵金の集積地を特定できるなら、この切れ者の二陣営を出し抜く起死回生のチャンスかもしれない。そのために海賊房太郎と手を組むのだ。

江別から札幌へ更に川を下る途中、「キテ」と呼ばれる道具を用いチョウザメを獲ったアシリパさん。「旬」のチョウザメの「脳みそ」という、アシリパさんが思う杉元の大好きな要素が二つも含まれた食事。
杉元とアシリパさんの関係を不思議に思った海賊が杉元に尋ねる。杉元は素っ気なく「北海道の案内人」と答えるが、海賊はアシリパさんに危険が及ぼうとしたときの杉元の怒り具合から、アシリパさんは杉元の大切な人だと思った、と言うと、チョウザメを獲るアシリパさんの耳は真っ赤になっていた。チョウザメの脳みそをしきりに杉元に食べさせようとするアシリパさんに海賊はさらに追い打ち。「アシリパちゃん、脳みそが好きなの?好きな人には自分の好きなものを好きになってほしいもんね」とアシリパさんの恋心をわざとつついて遊ぶ。
杉元一行+海賊房太郎がチョウザメの卵を食べていた頃、小樽にいるソフィアも仲間と魚卵を食べていた。こちらは豪快にウォッカと一緒に口の中に流し込むスタイルで。酒をあおり陽気に騒ぐ中、ふとソフィアは古びた写真を見てどこか遠くを睨みつける。ソフィアキロランケウイルクの三人が写った写真は明らかに長谷川さんの写真館で撮影されたものであり、隅のほうが焼け焦げていた。

杉元たちが向かう先の札幌では。宇佐美菊田が連続娼婦殺害事件の現場で犯人を探していた。犯人は現場に戻るという通説を信じていないわけではないが今ここを張り込みすることに疑問を感じる菊田。そんな菊田の懸念をよそに、宇佐美は自分のイチモツをしごき始めた――。しごきながら殺害現場をうろつき、建物や通りから見えず逃げ道の確保もできる「しっくりくる」場所を探り当てた宇佐美。そうして宇佐美は犯人の射精した痕跡を見つけ出し、精子の状態から、犯人が二日おきにこの現場に戻っており最後に来たのが二日前であること、つまり今夜またここへやって来ることを言い当てる。宇佐美が再度犯人の自慰を再現し犯人の特徴を割り出そうとしたそのとき、まさしく殺害現場で股間に手をやるシルクハットの人物が姿を現したのだった。

 

二人の繊細なところ

初め読んだとき後半のあまりの内容に前半のことは頭から吹っ飛んだ。こんなに堂々とシコシコするキャラクターがいる??しかも精子探偵って。ものすごい特技だな…。
札幌の娼婦殺しは、辺見ちゃんタイプの変人なのかな。人、それも女の人を手にかけることに興奮を覚える人。しかも現場に何度も戻ってシコシコしてることから、手にかけるときの刹那的な興奮でなくそのおこない自体に芸術性とかを感じるタイプかもしれない。宇佐美と娼婦殺し、シコシコしながらの邂逅なんて今後が楽しみな出会い方だ…。
そんな宇佐美とコンビを組むとかなり常識人に見えてくる菊田。まぁ実際あの第七師団の中では比較的マシなほうではなかろうか。月島軍曹みたいに奥底に抱えているものが激重で表に出さないだけかもしれないが。彼が鶴見中尉についてくる理由、つまりは過去が語られる日は来るんだろうか…。

土方さんと鶴見中尉が切れ者というのは散々見てきたので周知の通りという感じだけれど、海賊房太郎も肩を並べられるのでは?刺青人皮が役に立たないと聞き諦めるのではなく別の方法を探って見つけ出したし、何より出会ってすぐに杉元の持つ繊細で弱い部分を的確に突いてきた。今回のアシリパさんの件もそう。杉元とアシリパさんは海賊に弱点を知られてしまったも同然かもしれない…。それらを利用して二人を精神的に引き離して、金塊の分け前を少しでも増やそうとするかも。

網走監獄以降ずっと読者が気を揉んでいた杉元とアシリパさんが物理的に引き離された問題が解消され、金塊がかなり目前に迫ったというタイミングで、金塊争奪戦に身を置くことになった杉元とアシリパさんの根本的な問題をまた取り出してぶつけてくるの、野田先生は本当にお話の展開が上手いなと。
杉元もアシリパさんも、金塊を手に入れてどうするの?というのは疑問としてあり続けてる。杉元は梅ちゃんよりもアシリパさん優先、アシリパさんは民族の存続はもちろん考えているだろうけどそれより杉元と一緒にいることが目先の目的になってない?という。二人とも先をきちんと見て考えているのかな、というのはずっと気がかり。
これらもきれいに解消してくださると信じて、次のお話を待とう。

 

 

 

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ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。

 

 

第237話 水中息止め合戦

海賊房太郎から金塊探しのため手を組もうと申し出があったが、杉元白石はすぐには乗らない。彼曰く刺青人皮を集めても金塊にはたどり着けないということらしいが、杉元はただの噂に振り回されるべきでないと譲らない。
一方、海賊は船室内に置いてあった杉元の背嚢から、平太師匠の煙草入れを見つけていた。そこには平太が鑑定した砂金サンプルが入っており、その砂金サンプルを収集した当の本人である海賊はすぐにピンとくる。杉元たちも刺青人皮を使わず金塊を手に入れるルートを模索しており、そのため支笏湖に潜水した自分・海賊房太郎を探していたのだと。

やがて海賊は甲板へ戻り、杉元と白石へ協定申し出の分け前について問いかけた。納得がいかないか?と。
金塊の総量は20貫(75キロ)と伝えられているが、実際にその金塊を目にしたアイヌの老人の話を元に推測すると、その量は20貫を遥かに超えるという。浪漫あふれる話を聞かせ協力を促しているかのような海賊だったが、杉元と白石を撃つよう部下に指示を出していた。杉元と白石の背後に迫る銃口。
しかし撃たれる寸でのところでアシリパさんの矢がそれを止めた。船室にあった杉元の背嚢から平太の煙草入れが飛び出しているのを見て、海賊がそれを見たと察したのだ。背嚢の中を見られた、杉元と白石にそう伝えると再び海賊との戦闘が始まる。

船長が甲板のチンピラどもを振り落そうとわざと岸から伸びる木の枝にぶつかるよう舵を切った。目論見通り川へ落される杉元と海賊と、海賊の部下。海賊の部下は落ちた場所が悪く、蒸気船の外輪に巻き込まれ死亡。
落下即死亡は免れた杉元だが、水中では無敵の強さを誇る海賊相手では分が悪い。海賊に捕まえられ水底へ引きずられていく杉元。海賊を振り払おうとするももがけばもがくほど息が足りなくなる。助けに潜ってきた白石の酸素口移しも拒み、足を海賊に掴まれ絶体絶命かと思いきや――
そこへ現れた大量のチョウザメたち。近くを通りがかった一匹に剣を突き立てて引っ張ってもらう。なおも杉元の足を離さない海賊は、杉元と異なりまだ余裕がありそうだが、その長い髪が外輪に巻き込まれてしまう。
おかげで海賊が手を放し、水面へ顔を出せた杉元だが、すぐまた水中へ戻る。そこには体は巻き込まれまいと両足で船体を蹴り踏ん張る海賊がいた。巻き込まれた髪を引き抜こうとしている様子だがうまくいかないらしく、海賊とまで呼ばれた水中無敵の男も流石にここまでか、と思われたが。杉元が手にした剣で巻き込まれた海賊の髪を切りこれを救った。
当時の石狩川ではチョウザメが遡上したと言われており、江別の地名もアイヌ語の「チョウザメがたくさんいる」に由来しているようだ。

 

海賊の夢と人となり

なんとなくそんな気はしていたけれどやっぱり海賊さんは他の囚人と違って、出会って戦って皮剥いで終了!ではないんだね。刺青人皮がダメなら別のアプローチを、ってことで動き出していた人なので頭も切れるし、たしかにもっと活躍を見たいなと思っていたので、私は彼が生き残ってくれて本当にありがたい。

海賊さんは、杉元が平太の煙草入れを持っているのを、しかもその中にしっかり砂金の標本が入っているのを見て、こいつらは俺が支笏湖にダイブしたのを知っているんだなと察した、ということだよね。だから殺そうとしたんだな。
でも知っている人間を殺すということは、やはりそれが正解だから、ということ?間違っていたら泳がせておいたらいいよね、適当に調子を合わせておいて、使えるだけ使って。そして正解を知っている人間を殺すということは海賊もまだ見つけていないということかな…。それともすでに見つけていて、噂通りとんでもない量でどこにも移すことができないから近付く人間を始末していくしかないということ?

どちらにせよ海賊の協力は必要だと思うな。支笏湖に潜った人間でないとわからないことも、さらにアイヌの老人たちに聞き込んで回ったからこそ言えることもたくさんあると思うし。
でも強敵なので生き残っているとあとあと厄介かもね。分け前さえキッチリ渡せば恨みっこなしな性分のようにも思えるけど、強盗する人間だから奪えるものは奪いたいだろうし、杉元たちを殺そうとしたことからもできることなら独り占めしたいほうだと思うんだよね。
先週語られた彼の夢も、本当にそれだけが目的か?とちょっと疑い深くなってしまう。だって法の外で生きているような凶悪犯なんだから家族が疎まれるとかまったく彼に関係なさそう。過去はそうだったかもしれないけれど今の彼にその鎖が有効なのか?妻や子どもを持ったとして彼が強盗を辞め真っ当な社会で生きていく決意をするような人間か?と。先週話の感想を書きながらちょっとモヤモヤを感じてたのだけど、正体はこれかな。彼の生い立ちからは理解できたけども今彼がしていることと今後するであろうことを考えるとあまり釣り合わない感じがする…。

海賊が本音を語っているのかいないのか、なんにせよおそらく来週からまた金塊の真相に迫る展開になるだろうから、楽しみ。今はもう八合目くらいまで来てるのかな?頂上では何が待っているんだろうね。

 

 

 

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第236話 王様

海賊房太郎へ殴りかかった杉元。至近距離での戦闘に拳銃で応戦しようとする海賊だが、杉元の手が撃鉄を阻んだうえ拳銃自体も取り上げられる。さらにもう片方の手で杉元が剣を引き抜いたのを見て、海賊はその長い脚で杉元を蹴り飛ばし間合いを取った。
海賊と杉元が戦う下、船室では杉元の銃まで使い未だに無双状態にいる郵便配達人がいた。先週の話で見せた彼の射撃の腕はヴァシリによるもの。ヴァシリを乗せた小舟が離れてしまった今、郵便配達人の弾が誰かに当てることはないが、それでも郵便配達人によって仲間が撃たれて今の調子に乗っていると言っても過言ではない状態を許してしまっていることに、海賊の部下は苛立ちが隠せない。そこでアシリパさんの出番。弾切れの郵便配達人に、こっちに弾があると促し船室の外へ連れ出すと、郵便配達人の尻を蹴り川へ突き落した。杉元の銃はしっかり回収したうえで。丸腰になった郵便配達人はアシリパさんに言われるがまま川を泳いで逃げていった。

下の騒ぎを収拾させたアシリパさんが甲板の杉元に声をかけたのをきっかけに、杉元と海賊の戦闘は一時中断。海賊の部下からは郵便配達人が郵便物を置いて逃げたと、彼にとって見えたものを繋ぎ合わせた結果の報告が入り(実際はアシリパさんに蹴り落され逃げろと命じられたからなのだけど)、さらに白石も杉元を止めに入り、二人の戦闘はお互いそう重い結果を残さず終わった。

停戦後。白石が海賊に尋ねる。暗号は解けないとはどういうことかと。
海賊は一年ほど前にヤクザの親分・若山輝一郎に会っていた。彼の入れ墨を剥がすつもりで近付いたが、手下に囲まれ逆に身ぐるみ剥がされた状態に。そんな中で若山の親分が「入れ墨の暗号は解けない」と言ったのだ。
その理由はやはり、どこか誰も知らないところで死んで入れ墨の回収ができなくなったり、怪我や意図的な破壊などで入れ墨の判読ができなくなる可能性があるから、だ。
若山の親分は海賊房太郎を捕まえたにも関わらず入れ墨を剥がさなかった。このことは刺青人皮は役に立たないと強く確信していたからだろう。飴売りの「若山の親分のがっかりした顔もいい顔だった」という発言ともつじつまが合う。
海賊も金塊を狙っていたが若山の親分に会ってからは刺青人皮の収集を諦めていた。そこで白石の言うように、最初に金塊を隠した場所を探るルートへ切り替えた。海賊は隠し場所がわかったかどうかは明言せず、白石と杉元に手を組むことを提案する。

海賊の夢は、自分やその家族を疎む人がいない、自分の王国を作ることだった。温暖な東南アジアの島で果物貿易で暮らす日々。子どもをたくさん持ち、海賊の顔が刻印されたコインが流通する、海賊のための王国。
海賊は家族を疱瘡で失っていた。家族が疱瘡にかかれば自分もいつかかかるやもと日々怯えるし村からも疎ましがられる。だからこそ海賊自身が王になれば、家族が辛い目に遭うこともない。幼心に抱いたその夢のため生き残り金塊を探しているのだ。
杉元は金塊を手に入れ叶えたい夢はないのかと尋ねるが杉元からの返事はなかった。
やがて江別が近付いてきた。海賊は船室で未だ銃撃の恐怖から床に伏せている人たちへ向けて、騒いだお詫びに郵便の現金書留に手をつけるだけにする、と伝え、しっかり強盗の仕事を果たそうとする。そのとき開いていた杉元のカバンから覗く、平太師匠の煙草入れ。平太と行動を共にしていたはずの海賊がそれの中身を知らないはずもなく、海賊の目に留まる…。

さて、杉元は金塊を見つけたら自分のために何をするのか?
杉元の口からその答えは聞けなかったが、結核で家族を失ったからこそ海賊の語る過去と夢には思うところがあった。
杉元の記憶の中で、病床の父親は絶えず咳をしていた。縁側に出て黒猫を撫でながら、黒猫は結核を治すはずなのに治らないのはお前が滅多に帰ってこないからか、と語りかける杉元。療養所は空きが出ず治癒はとうに諦めた様子の父親に対し、杉元はどうするとも決断できずにいたらしかった。そんな息子に対し、自分の運命を悟った父親が言っていることはほぼ「父を見捨てろ」だ。父に似てお節介で優しい杉元にはあまりに酷だが、それをわかったうえでなお、自分のために生きることは悪いことではないからと言い聞かせる。
家族を見殺しにするような真似はしたくないがでも生きねばならない。覚悟を決め家を飛び出す杉元は結核のしがらみを断ち切るように言う。「俺は不死身だ」

 

狩りのあと

杉元のお父さん初登場!でも結核でもう長くはないんだね…。
杉元は優しいからこそお父さんはきっとああ言ったんだろうな。自分のために生きるのは悪くない、って。それでも杉元の中には罪悪感があったと思うけれど。だからこそ生き残っている数少ない昔馴染みのために金塊を探し始めたのではないかな…梅ちゃんのために。自分を知っている人のために何かしなければと思ったんだろうね。
しかし杉元の中の優先順位は今はきっとアシリパさんのほうが上に来てしまっているだろうし、もしアシリパさんやアイヌのほうが落ち着いて、無事梅ちゃんの目が良くなったとしても、じゃあそのあと杉元は「自分のために」何をするんだろう?そこはたしかによくわからない。その後は何か吹っ切れたように日本中を旅して悠々と暮らしてほしいななんて思ったこともあったけれど、梅ちゃんの幸せを見届けてアシリパさんたちの生活が平穏に続いていることを確認したら、急に一人になってどうするんだろう。アシリパさんのコタンで暮らすという選択肢もあるだろうけどその未来があまり見えないんだよなぁ。今はまだ。

杉元の今の原動力である「誰かのため」は、ゴールデンカムイの作中で度々良い方向転換として描かれていると思う。谷垣がフチやインカラマッのために鶴見中尉に背いたり、白石が杉元やアシリパさんのために樺太の旅続行を決めたり。「家族のため」という動機は父親としてとても自然で前向きで、非の打ち所がない。白石のようなケースは、本人の行為が直接的には還元されないだろうけど、白石はもともと一人で生きてきた男だしこれから一人でも大丈夫だろう。仲間のための行動に感謝されてその気持ちよさ清々しさは間違いなく本人にとってプラスになる。
でも杉元の場合は少し状況が違う。先も言った通り、梅ちゃんを救いたいのは、そうすることで寅次はもちろんのこと、家族を見殺しにしかできなかった自分の罪悪感からそうしたいのだと思う。罪悪感からもはや義務に近い意味の、「そうしなければいけない」。これはただマイナスを限りなくゼロにしたいだけだ。しかも、自分の罪悪感のために人を助けているのだから、自分のために人を使っているという気持ちが起きやすくて更に罪悪感を抱きそう…要するに罪悪感から来る行為は負のスパイラルにはまるだけで何も前進しない。
それに対しアシリパさんを助けたいという杉元の気持ちは、おそらく罪悪感からではないだろうから、それは良いことなのだろうと思う。恩を返すという意味もありそうだけれど、何より杉元はアシリパさんがこれまで通りの生活を送ってくれることを願っているから、これこそ真っ当な夢になるだろう。ただこれも先に言った通り、アシリパさんがアイヌらしい生活を送り続けるその景色の中に、杉元という青年はいない絵が思い浮かぶ。
杉元は優しいから、こんな未来が目に浮かぶ。
アシリパさんは間違いなく事が片付いたら杉元に一緒にこのコタンで暮らそうって提案をする。そしてそれを断るでもなく曖昧に濁して、皆で食事をした翌朝、アシリパさんが目を覚ますとすでに姿を消してる杉元。

多分、杉元が罪悪感を抱いたままだからなのだろうな…。梅ちゃんを救えたとしても父親を救えず自分だけが生き残ったという気持ちを抱えたまま、救えなかった人間は一人でいるべきなんだ、とか考えていそう。杉元が自分の家族・梅ちゃんとどう蹴りを付けるのかが杉元の今後を決めるのかもしれない…。

今の杉元は生きることに精一杯で、生きる今のその先にはまったく目が向いていないんだろう。狩りをする肉食獣みたいに。
動物ならそんな刹那的な生き方でもいいでしょうが、人間はなにかと「狩りのあと」を夢だなんだと言って語りたがるもの。でもそういう夢だとかいうのがあれば、きっとこのキャラクターは作品が終わってもその世界で夢を追って生き続けるはずだと読者側も信じられるわけで。杉元にも生涯夢を持ち続けてほしいなと思う。現実世界で夢を見るのが難しいからこそ余計にね。杉元が抱える悲しさや寂しさ、嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、そればかりでは遣る瀬ないから、彼がこれから少しでも多く幸せを感じられるといいな。

 

 

 

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第235話 地獄の郵便配達人

杉元白石アシリパさんの乗る船に強盗をするため乗り込んできた海賊房太郎たちに軍の乗ったすれ違いの船が迫る。しかし船上で再会した白石と海賊はまだそれに気付いていない。顔見知りの白石が海賊から情報を引き出そうとするが、入れ墨を持つ囚人を早く始末したくて杉元はウズウズしている。
白石は正直に、金塊が最初に隠されていた場所を探っていると告げると、海賊は軽い調子でお前もか、と返す。しかし、互いの探し求める情報が同じでも、それがほしい事情は少し異なるようだった。海賊は言う。入れ墨の暗号はもう解けないという噂がある、と。
入れ墨の暗号を解いてアプローチするべく鶴見中尉率いる第七師団と争ったり、時には暗号を解く鍵のアシリパさんを探して手を組んだりしていた杉元たちにとっては、この噂が真相だとしたら、相当な驚きだ。

そこへ第七師団を乗せた上りの船が近付いてくると海賊の部下が告げる。杉元たちも万が一乗っているのが鶴見中尉の手下だとしたらかなりまずい。平静を装い船を進めさせようとする海賊たち。乗客が騒いだりして軍に気付かれないよう客室付近を銃を手にした部下たちが監視していたが、これがまずかった。当時の郵便配達人は拳銃で武装していたのだ。銀行ATMなどなかった時代、お金のやり取りには現金書留が頻繁に使われていたんだろう。
すれ違いざまにこやかに手など振り何事もなく上りの船が通り過ぎるのを待つ海賊一味と杉元白石だったが、郵便配達人が海賊の手下に向け発砲。部下を一人仕留めた。実際は同時に発砲したヴァシリが仕留めたのだが、誰がやったかはともかくとして、銃声で異変に気付いた船が戻ってくる。第七師団の軍人をわんさか乗せて。乗り移ろうと船を寄せられるが、海賊が舵を取り上り船の外輪に船首から体当たり。相手の移動手段を封じて無事に逃げ切るのに成功したが、その際に頭巾ちゃんことヴァシリの乗る小舟を繋いでいたロープが切れてしまう…。

第七師団は無事に振り切ったが次は同じ船の中の敵をどうにかしなければならない。ヴァシリの狙撃の腕に助けられた郵便配達人は、しかし海賊の部下の目には彼自身が三人も仕留めた厄介な郵便配達人に映る。郵便配達人を黙らせようとした海賊はなんと船の錨を振り回し始める。勢いをつけた錨は操舵室の下の階にある客室、つまり郵便配達人のいる船室へ窓を突き破り投げ込まれた。杉元が咄嗟にアシリパさんへ伏せるよう叫び、アシリパさんが配達人を伏せさせたので誰も怪我しなかったが、更に錨を回し二度目の船室への攻撃をしようとする海賊へ杉元の怒りが爆発。錨で殴られるのもなんのその、平手打ちくらいの軽さで受け流し、海賊の鳩尾へ渾身の拳を叩き込む。こうして杉元と海賊の肉弾戦が開始した。

 

半暴走杉元

ヴァシリは杉元たちと引き離されてしまったと思うけどどうするのかしら。どうにか上陸し馬で杉元たちのあとを追う?まさか第七師団のほうに乗せてもらうのは、ないよね…?ヴァシリの素性を知っている者がいるとは思わないけど(尾形は土方さんと札幌にいるはずだし月島軍曹たちはフチのコタン付近にいると思うし)……でも尾形が軍服を着ていたのを覚えていたら、同じ服を着た人たちのほうへ行ってしまうかな?ヴァシリは狙撃手対決で尾形に敗れてから、尾形を追って杉元たちと一緒に樺太から北海道まで来たんだよね。もしヴァシリが杉元たちと離れて行動し続けるのだとしたら、強力な戦力が離れてしまうのはとても惜しい。

杉元の「危ないだろ、アシリパさんが」はとてもいい!杉元とアシリパさんが相棒になって以来、杉元がアシリパさんを守る描写は何度も見ているけど、それの最新版だね。
初期の、どちらかといえば「子どもだから」「金塊を得るための協力者だから」という理由がまだある感じと違って、網走監獄以降はとにかく杉元に「アシリパさんは大切な人だから」という感情がハッキリ感じられるのがよい。樺太では暴走気味だったけれど今回のは純粋にアシリパさんを案じての怒りだろうな。でもここで海賊とやり合ったら情報が得られないかもしれないから、あとのことを考えないという意味では暴走に近いよね。

それにしても。
フィジカルだけで言えば入れ墨の囚人の中で最強と言っても差し支えなさそうな海賊さんと、素手の殴り合いで杉元は勝てるのか?白石が仲裁してくれるのか?はたまた置き去りにしたはずの上りの船から軍人たちが小舟に乗ってやって来て海賊相手どころじゃなくなるのか?

何より、入れ墨をすべて集めても暗号は解けないのか?
海賊は「もう」解けない、と言っているんだよね…。つまり暗号が作られた頃と何かが変わってしまって解けなくなった、ということか?
一番考えられるのは二十四枚すべてがもう揃わないということだと思うけど…。
その噂をあの土方さんが知っているのか知らないのかも気がかり。知らないはずはないのではと思うけど、土方さんは札幌で娼婦殺しの囚人を探している。ということは入れ墨を集め暗号を解いて金塊を手に入れようとしているということだと思う。ということは土方さんも暗号が解けないということを知らない…?まさか土方さんが知らない情報を他の囚人が知っているだなんて、そんなことがある…?
土方さんに夢見過ぎなのはともかくとして、もし暗号が解けないなら、先週の顔面変な入れ墨の物売りが言っていることもわかる気がする。彼は、杉元たちが入れ墨のことを聞いてきたので、入れ墨の暗号を探していると思ったはず。そこに、暗号は解けないという情報が組み合わされば、「入れ墨の暗号を解くことでは金塊へたどり着けない」ということになるのかな。

きっと、なぜ暗号が解けないのか、がかなり重要な情報なんだろうね。入れ墨フルコンができないからなのか、それとも別の理由なのか。
気になることが多すぎる…。

 

 

 

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第234話 蒸気船

謎の顔面入れ墨男を逃がしてしまい、連続殺人事件が起きている札幌へ向かうことにしたのか、石狩川を下ることにした杉元アシリパさん白石ヴァシリの四人。
石狩川は樺戸監獄へ物資を運ぶため舟運が発達していた。囚人たちにより川底の整備がおこなわれたのも大きく貢献している。そんな石狩川をくだり江別まで行けば、時間も体力もいたずらに消費せず札幌へ近づける。
外輪式蒸気船に乗り石狩川を進む三人。ちなみにヴァシリは蒸気船に連結された小舟に馬と一緒に乗っている。杉元やアシリパさんと距離を置くことで尾形が現れるのを待っているんだろう。
舟運は、陸路と違い自分たちで歩く必要もないし、船上ゆえ野生動物や悪人に怯える必要もそうない。アシリパさんのように船室で眠ることもできる。しかし船の外では異変が起こっていた。

海賊房太郎が杉元たちの乗る船を獲物に定めたのだ。アイヌから金塊絡みの情報を引き出すべく米を積み、懐が寂しくなった海賊は、得意の強盗を働こうと蒸気船の進路に小舟で立ちはだかる。
船長はじめ乗組員もこういう事態に覚えがないわけではない。石狩川では強盗被害の噂があった。手口はこう。小舟で汽船の横につけ乗り込み、乗客の金品や郵便物の現金書留を狙う。腰に銃をさしているのだから小舟の連中は間違いなく船を襲ってくるだろう。それであれば出鼻をくじくべき、そう判断した操舵者は舵を思いきり切り、小舟一艘に体当たりを仕掛けた。汽船にぶつかられては小舟はひとたまりもない。乗っていた強盗は川へ逃げ込んだ。
しかし運の悪いことに、親玉である海賊の乗る小舟ではないほうを体当たりで片付けてしまった。進路と位置関係からもう体当たりは使えない。手札を使い切った蒸気船は、今度は乗組員が金づちを手にし、船に向かってくる強盗どもが頭を水から出したらかち割る、と息巻く。でも海賊房太郎には金づちを恐れる必要はない。水から頭を出したところを心配する必要なんてないのだ。なぜなら水から一気に全身を出せるから。大きな足で水をかき、大砲みたいに自分自身を空中に発射し、一気に船の甲板に降り立つ。操舵者に船を止めるよう銃を突きつける――。

そこへ現れた白石と杉元。白石と海賊は網走監獄での顔見知りで、久々の再会に互いに名前を呼び合うが、この状況で名前を知っているということは、船員からすれば杉元と白石も、今この船を襲っている海賊房太郎の仲間であるように見える、ということ。グルだと勘違いした船員は杉元に掴みかかるが、その船員に海賊の銃が向けられていると杉元が気付き、撃たれてはいかんとやむを得ず船員を川へ投げ落とす。二人も船員を投げ落とした杉元を見て、白石の優秀な子分だと思う海賊。
船員が落ちていったことで船室内の乗客たちも明らかに異常事態と気付くが、さらなる事態が起ころうとしていた。進行方向からやってきた上りの蒸気船に、兵隊が乗っていることに海賊の子分たちが気付いたのだ。強盗するため乗り込んでいるところを見られては間違いなくお縄になる……さてこのピンチを海賊はどう切り抜けるつもりなのか?

 

イルカの房太郎

海賊さんの身体能力すごすぎない?イルカショーのイルカさんみたい。水生生物並みの射出力って、全身ほぼ筋肉なのでは…。
出会ったら即戦闘かと思ってたので、白石と海賊が出会ったときに海賊さんが楽しそうな表情を見せたのはちょっと意外。もしかして利害の一致からしばらく手を組む展開もあり得る…?
奪った金品で更にでかい金塊を狙い、そのために更に強盗するぜ!という気持ちのいい悪党っぷりを見せてくれた海賊房太郎。でかくて強くて男前で、もっと活躍を見たい!だから手を組むのは大歓迎。杉元は海賊のこと絶対に信用しないだろうしアシリパさんのこと守りたいからって海賊さんに敵意丸出しで、またヒリヒリした空気のパーティーになるのも見たい気がする。あと海賊から網走監獄での話とか色々聞けそうだし!

今回は杉元ありがとうとすごく思ったよ。時に世界観を伝えたり展開上仕方なかったりとか色々な理由があるだろうけども、それでも私は一般人が自らの意思に関係なく巻き込まれて死んだり怪我したり大切なものを失くしたりするのを見るのがけっこう心のダメージになるので…船員が撃たれないよう川に投げ入れてくれて杉元ありがとう優しい子になったね…と言いたい。
一般人を守る杉元って、私の記憶が薄れてるだけかもだけど、今まであまり見なかった気がする。巻き込まないよう配慮を見せる場面はあった気もするけども、こうしてわざわざ助けるような真似をするのは見なかったような気がするな。
川に落とされた船員さんたち、海賊の子分や上り船の兵隊との戦いの餌食にならないといいな…。

すっかり忘れてたけどヴァシリいたんだよね。前回はどこで待機してたんだろ…。

 

 

 

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