ゴールデンカムイ第194話感想

こんばんは、うたげです。
ヤングジャンプ連載中のゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレありますので未読の方やコミックス・アニメ派の方は気をつけてくださいね。

 

硫黄のにおい

舞台は登別、登場人物は都丹とその手下二人、菊田特務曹長有古宇佐美二階堂
刺青の囚人を狙う第七師団のお話はだいぶ久しぶりですね。
当初の目的に立ち返ってきた感じです。
温泉・暗闇・都丹という組み合わせも、網走監獄前に今は解散した杉元・白石・尾形・谷垣・キロランケのチームで戦っていたことを思い出させて、いやぁ本当に懐かしいなぁという感覚です。
伝説の温泉回で共闘していたペア同士が樺太編で因縁浅からぬ再会をしたというのも感慨深い…。(杉元・尾形ペア、谷垣・キロランケペア)

 

菊田特務曹長というキャラクター

今回は菊田特務曹長がどんな人なのかが見えてきた回でした。
まずは戦闘は当然ですがかなりの手練れ。海賊の眼帯ってそういう効果があるって説があるんですねぇ。
眼帯で暗闇に目を慣らしていても、雲でわずかな月明かりすら消えたからでしょうか?完全な暗闇になれば都丹たちの独壇場。…かと思いきや、撃たれても斃れない
日露戦争で殺したロシア軍将校から”鹵獲”することにご執心だったようですね、菊田特務曹長。
鹵獲という言葉は初めて聞きましたが、Wikipediaによれば、『鹵獲(ろかく)は、戦地などで敵対勢力の装備品(兵器)や補給物資を奪うこと。接収(せっしゅう)とも、捕獲(ほかく)と称される場合もあるが、軍事用語としては鹵獲が適当な言葉である。』だそうです。(出典:鹵獲 – Wikipedia)
中でもナガンM1895という拳銃を気に入って集めていたそうで、それらをしまったホルスターを胴体にもつけているほど。
お気に入りの戦利品によって都丹の弾を受けても無事でした。

殺した敵の体の一部や身に着けているものを奪って武功とする、という行為は古くからありますよね。
首を取って討ち取った証とするのはもちろん、耳や鼻をそいだなんて思わず身が縮こまる話も…耳塚とか聞きますし。
自分の手柄だと主張したい、自己顕示欲の強い人物なのでしょうか。
戦利品収集にこだわるあたり、癖の強そうなキャラクターな気がします。

 

宇佐美のキャラクター描写も

ここまで「笑顔から真顔に豹変してトンカチ振り回す」「鶴見中尉に心酔している」「玉が入れ替わるほどの水圧で人の話を聞いていない」など、断片的な登場シーンばかりだったのでかなり局所的なキャラクターとして受け取られていた節のある宇佐美上等兵。
彼についての描写が増え、彼の理解の手助けになりそうです。
少なくとも今回のお話で「腹黒い」というのは明確になったかなと。
そりゃ軍人ですし上等兵までなった人ですから、漁夫の利を狙うような賢さ強かさがないと生き残れないし、そもそも聖人や君子でない限りどんな人間にも悪だくみする部分はあります。
でも、宇佐美に関しては、初登場のトンカチのところから薄々感じていたイメージ通りのキャラクターだなと思いました。
顕著なのが、抜け駆けしようとしていたところとか、それを「てへぺろ」で済ませてしれっと合流しているところですね。
相手にとって面白くない企みがバレても動じない人。そのまま自分の意図を通せるよう相手を巻き込んで物事を進められるタイプの人。
一言で分かりやすく言うと、これまでの二次創作まんま、なんですよね!
こういうタイプはしぶといので活躍が楽しみです。
想定の範囲が広いだろうし(きっと菊田特務曹長を出し抜けないであろうことも想像できていたと思います)、想定外のことが起きても楽しめるほうだといいですね。

宇佐美の戦闘描写もあっていいですね。
後ろから躊躇なく刺すところは手段を選ばない性格が表れていそうで好きです。
氷筍を踏んで太ももを撃たれましたが…この怪我が響いてくるんでしょうか。

 

四対一!

古い坑道に誘い込むことに成功した都丹。
四対一という不利な状況を、暗闇を活かして引っくり返せるのでしょうか?
氷筍を踏めば居場所が知られるのは都丹も同じですし、撃てる距離となると遮蔽物もほぼないと思われるので、最後のセリフがフラグにならなければいいなと思います…。
それでなくても、この戦いが終わったら静かに暮らしたい、なんて吉良吉影みたいなことも言っていて、これはフラグでは…?と不安になってしまいます。
都丹は家永ほど第七師団にとって利用価値があるわけではなさそうですし、網走監獄でも土方さん側についていたりと第七師団に協力するとも思えないので、捕まったらまず間違いなく殺されそう…。
そもそも相手は戦闘のプロ、軍人です。しかもそれが四人。
もし都丹に勝機があるとすれば、菊田特務曹長・有古ペアと、宇佐美・二階堂ペアは元々協力関係にあるわけではない、という点でしょうか。
この戦闘は、杉元・アシリパさんを主人公ととらえるなら、敵対(と言うほどハッキリした構図でもないですが)勢力同士の衝突なのでメタ的に言って結果がどちらに転ぶかわかりません。
次回の展開が楽しみでもあり怖くもあります。来週が待ち遠しい!

 

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登別温泉

樺太組はすっかり落ち着き、杉元白石アシリパさんの三人組もすっかりいつもの感じですね。
尻を出し合う杉元と白石。…という字面だけだと何が何やらですが本当にそうです。
菊田・有古のペアは第七師団の中の反乱分子みたいな位置付けかなと思っていたのですが、他の兵士と同じように鶴見中尉を信奉しているよう。
それゆえに宇佐美・二階堂のほうがよりお傍に置かれていることを良く思っていないようです。
金塊に繋がる情報をより多く得るため嗅ぎまわっていた菊田はついに都丹が刺青の囚人とつきとめ、二人が激突。
というのが今週のあらすじです。

 

アイヌの昔話

作品の中で昔話(伝承レベルのものから個人の思い出まで)が出てきたら必ず何かに繋がる展開を予想しますよね。
ゴールデンカムイではアイヌの昔話がよく出てきます。
それが次の展開の伏線になっているので今回出てきたニヴフの「ばけもの川」というお話もつい深読みしてしまいます。
この話でキーになるのはやはり「」。
かなりわかりやすく杉元とアシリパさんの会話のシーンでまとめられていますね。
伝承されているお話には教訓があるもの。このお話の教訓は「悪いことをする者は、自分を見られることが怖い」。
アシリパさんがこういった旨のことを語るシーン、背後には横になる尾形が。
もちろんその目元には包帯が巻かれていますが、そもそも包帯がなくても柱で目が隠れる位置にいるという。
二重に目が隠されていて、尾形にこの言葉が痛いほど当てはまる存在だということを示しているように思えるのです。
アシリパさんの言う「悪いことをする」というのは行動そのものの是非が問題なのではなく、「うしろめたさがあることをする」ということなのではないかなと思います。
尾形は人を殺す人間には罪悪感なんてないはずだと自分に言い聞かせながら人を殺していました。
でも、ないはずだ、という否定の言葉は、それを持っているからこそ出てくる言葉。
こちらの記事(ゴールデンカムイ第187話感想)でも書いたように、尾形はそもそも人を殺すことに罪悪感を覚えていると思います。
罪悪感があるからこそ、人殺しは越えてはならない境界線を越え罪悪感すら覚えない存在になったのだ、という罪悪感を押し込めるための理屈が必要なんです。
今回、柱と包帯で二重に「目」が隠された尾形
罪悪感というキーワードは作品一似合う男ですね。

さて「」といえば忘れてはいけないのがやはりアシリパさん
ウイルクの娘というしるしとして、薄く緑がかった青いきれいな目を持っています。
そんな印象的な目を持つアシリパさんが、罪悪感代表・尾形の目を傷つけたというのは興味深いです。
アシリパさんの透き通った美しい目は、真実を見つめる目――という位置づけのような気がします。
まっすぐ見つめられたら罪悪感を持つ者は膝をつき改心する、という効果がありそう。
それってまるでキリストみたい…。

もう一つ気がかりな点があります。
それは杉元
杉元と尾形は似ているのですよね。
どちらも人を殺すことへの罪悪感から逃れるための自分なりの理屈を持っています。
尾形は、みんな罪悪感なんてないはずだ。
杉元は、殺されるやつは人間じゃないんだ。
二人とも主に戦争のさ中に敵兵と対峙した際の心の支柱のようなものだと思いますが、尾形のほうはアシリパさんの前で華々しく散りました。死んでませんが。
その屁理屈とも呼べる人殺し理論は、アシリパさんによってくじかれたといいますか、やっぱりおかしいってわかってるよね?と心の根っこの部分を指摘されたように見えるのです。
そして今の杉元は、先週の感想に書いたようにアシリパさんの意思から段々離れつつあるのかもしれない
これらの状況を踏まえると、どこかでアシリパさんが杉元を軌道修正する時が来るような気がします。
アシリパさんを解放するという目的のため周りが見えなくなりつつある杉元。
アシリパさんには杉元の目を覚まさせてあげてほしいなと…キリストよろしく迷える子羊を導いてあげてほしいなと思います。
その過程でアシリパさんが傷つく展開も予想できるので少し心苦しいですが…でもそういうこともアシリパさんなら乗り越えられるって信じてる。

 

刺青人皮集め

樺太は心理面に不穏な気配を読み取れますが、北海道ではドンパチやっています。
都丹は同じ盲目の仲間たちとあんまの振りをしながら第七師団の情報を集めていたのですね。
そしてそれを土方さんへ流していたと。
明かりを用いた戦い方は都丹らしく好きです。
自分の戦力を考えて有利な状況を作り出す、頭脳戦が好きなのですよね。
でもそれを上回る菊田特務曹長の先読み力
眼帯を外しながら暗闇で戦う様、かっこいいです。

かっこいい戦闘の他、第七師団の中がどうなっているのかが少し垣間見えたのが面白いです。
鶴見中尉が絶大な支持を集めているのはよくわかりました。
菊田特務曹長も鶴見中尉に心酔しているようですね。
でも、そんなカリスマ(という表現が合っているかは自信がないです)だからこそ、そのお傍にいるべきなのは誰なのか?という、右腕争いが起きているわけですね。
とはいえ階級も実力も申し分ない鯉登少尉と、過去の出来事を乗り越えてそれでも共にいる月島軍曹は、鶴見中尉の側近殿堂入りクラスでしょう。
なので菊田特務曹長が争う相手は、次点の宇佐美や二階堂になる。
宇佐美たちを妬ましく思いどうにかその座を奪いたい菊田特務曹長に対して宇佐美たちは特に何も気にしていなさそう。
果たして菊田特務曹長のこの奮闘が報われる日は来るのでしょうか。
たいてい仲間内の誰かの座を奪おうとする側ってうまくいかないことが多いので心配…。
それに都丹も、得意な暗闇での戦闘も決して有利ではない状況で、どう戦うのでしょう?
先週まで樺太の果てのさらにその先の氷の上で、満身創痍の男たちの悲痛な戦いが続いたので、久々のテンポのよさそうな戦闘にワクワクします。

来週も楽しみですね!

 

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ネタバレありですので未読の方・コミックス派の方は気を付けてください。

 

第192話 契約更新

やっぱり都丹だった!!
先週から都丹では?と思っていた暗闇に響く下駄の音、この流れでの登場はまず間違いなく彼のことでしょう!
無事に再登場おめでとう!額の傷跡が、彼のしぶとさを物語っていますね。

今回は硫黄山での都丹たちの強盗のときとまったく同じシチュエーションでウキウキしますね!
暗闇に下駄の音が響くという噂から始まり、温泉で按摩さんから情報を聞く。
にくい演出ですね。
…ただ、過去のシーンとオーバーラップするところが多いなと感じると、それだけ物語としては回収のターンに入っているとも読めるので、終わりが近いという悲しさはありますね…。

それに今回は「樺太編のまとめ」とも言えるくらいに状況が整理された回なので、より一層、終わってしまうんだなぁという切なさを感じます。
なんで「樺太編のまとめ」と思ったかって。
・ずっと疑問に思っていた「尾形の目的って何?」について、登場人物たちの持っている情報と思惑が整理された。(でも結局わからない。今名言されていないものが答えだと思うのでおそらく金塊でも少数民族でもない)
・過去話からググッと内面の深掘りが進んだ月島軍曹がらみのところでは、スヴェトラーナの件が解決した。
・鶴見中尉や土方さんなど別陣営についての認識がアシリパさんのセリフで整理された。
・物語の開始のときにアシリパさんが杉元と交わした「父の死の真相を知りたいから金塊探しに協力する」という約束が、未だに真相が不透明であって⁰、それが樺太編から先も原動力になると再確認できた。
ざっと挙げるだけでこれだけあります。
要するに「区切り」が多いのですよね、今回。いい感じにおさらいしてくれて、すぐこんがらがってしまう私にはありがたいです。
キロちゃんの死で一気に終息に向かった樺太編、それだけキロランケがこれまで担っていた作品上の役割が重要だったということかなぁと。
尾形が何か知っていればいいのですが素直に口を割る男とも思えないし…アシリパさんが真相を知る日はいつ来るのでしょうか。

 

ちょっと違ってちょっと似ている

今回の名言といえばこれですよね。
北海道にいたら知らなかった、他の民族の文化。

他者の違いを認め、共通点を認める。
違うところも似ているところもある、それを知ったうえで生きていく。
多様性や他者の受容ということへつながる重要なセリフだなと思いました。

違う民族でも「私たち」と呼べるところにアシリパさんの寛容さが見えます。
違う場所で違う生活をしている人たちとも、分かり合える部分があるのですよね。
杉元がリスの脳を食べアシリパさんが味噌を食べたように、色々な民族がいてもお互いの存在を認め合うことがアシリパさんにはできるのですよね。
見方によっては露西亜も民族の集合体です。
なのでアシリパさんは少数民族のため蜂起するということはしないと思います。
蜂起して露西亜と戦うなら、それは他の民族と戦うということですから。

 

望む役目

そこで引っかかるのが杉元の回想でのウイルクの言葉です。
戦えるよう育てたというのは、武装蜂起を想定してのことでしょう。
しかも山に潜伏してということなら、具体的に北海道の山での戦闘を想定していると思われます。樺太では環境が違いすぎると思うので。
北海道アイヌが、露西亜もしくは大日本帝国によって消滅することを避けるためのものなのか?
アシリパさんの目指す生き方とは違う役目を望んでいたように思えますね。
それにキロちゃんの望んでいたであろうものとも少し違う気が。
キロちゃんは樺太など露西亜極東部での活動を考えていたのでは?
それとも北海道での蜂起が極東の民族たちにも励みになるのでしょうか。
ウイルクやキロちゃんの思惑の本当のところはまだまだ謎が多いですね。

杉元の役目も気になるところです。
アシリパさんを解放したいのは杉元の望みであって、アシリパさんがどうしたいかは未知なんですよね…。
まして今回珍しく杉元はアシリパさんに真実を伝えていない!
ウイルクが死の直前に言い残した言葉を伝えないのです、彼自身の意思で。
父の死の真相を知りたいアシリパさんにとってはとても重要なことのはずなのに伝えない。
杉元のアシリパさんを戦いから遠ざけたい気持ちはわかりますが、アシリパさんの願いの成就から遠ざかっている気がして、すれ違いにならないかな~と心配です…。
これももしかして脳みそカケの影響?以前の杉元ならしっかり伝えた上でアシリパさんの意思を確認していたと思うのですよね…。
安全であるように真実を伝えないだなんてまるで子ども扱い。相棒という扱いとは少し違うような…。
月島軍曹の「次に暴走したら殺す」という趣旨の発言が、杉元vs月島軍曹のフラグか?と思いながらも肩透かしに終わった暴走杉元。
ああいうわかりやすい暴走ではなくて静かに少しずつ暴走している
とかだったらめちゃくちゃ怖いどうしよう。

ウイルクといい杉元といい、みんなアシリパさんに自分の望む役目を期待していて、ますますアシリパさん自身の望みが何かに焦点が集まっているなと感じます。
彼女は何を自分の役目と見つけるのかしら。

 

日常生活でも、アシリパさんの寛容さで、他者とも認め合いたいですね…。

 

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第191話 故郷の水

まずざっくりとしたあらすじです。
キロちゃんをお見送り。負傷者多数のため背負って移動する人が足りない、そんなときに岩息舞治さん再登場。氷で手厚く葬られたキロちゃんに別れを告げるソフィア。ここで流氷の上での死闘は終わり。
続いて北海道に舞台が移り、陸軍側の新たなキャラクター菊田登場。山奥の暗闇を下駄で逃げる奇妙な男の噂で今週は締め括られます。

 

緩和回

先週までは怒涛の展開でしたね。
アシリパさんの持つ暗号の鍵に繋がりそうな事実が明らかになったり、かつて網走監獄まで共に旅した仲間同士で殺し合ったりキロランケが死んだり…。
網走監獄でアシリパさんと杉元が引きはがされ、二人ともいつもと様子が違って今一つ落ち着かないソワソワした感じがありました。アシリパさんは沈んでいたし杉元は殺意むき出しでしたし。
ずーっと緊張状態だったんですよね。

でも今週はその緊張が一気に緩んだ回でした。
まずは先週からそうでしたが、天気も吹雪がやみ、死闘も終息しました。

そして岩息さんの登場!殺意だとか恨みだとかそういった暗い感情とは無縁そうな、純粋に自らの楽しみを追い求めるキャラクターの登場で、一気に和みましたね。彼の再登場にはとても救われました。あれだけ月島軍曹が、次に会ったら殺すと言っていたのに、にこやかに登場し、日本に密入国するつもりだったと明かし、そして月島軍曹を抱っこ。なんだか脱力しちゃう展開ですよね。
でも、月島軍曹は、次に会ったら殺すという旨のことは言っていましたが、なんだかんだあの場面では岩息さんの命を助けているのですよね。本来なら刺青をはがすために殺されていたのに。なのであの場での判断による人助けが、月島軍曹に返ってきたのだと思います。
…そういえばあの場面で月島軍曹は、この旅での判断は俺がする・また暴走したら杉元お前を殺す、ということを言っていましたよね。てっきり振りで、杉元が暴走して杉元vs月島軍曹の戦闘が起こるのかなと思いきや、起こらないまま先遣隊の役目が終了しましたね。あれは杉元に対してじゃなくて岩息さんに対する振りだったんですね。
と思いましたが、先遣隊の役目が終わったら鶴見中尉と杉元の協力関係も終わるかもしれないので、この振りはまだまだ有効ですな…。

あとは戦闘以外では相変わらず青い鯉登少尉。アシリパさんとは初対面ですが早速指示を無視されています。
自分で布を巻き応急手当てをしているところなんて本当にかっこいいんですけどね。どうも戦闘以外ではまだ締まらない…そんなところも可愛いのですけど…。
杉元にあっさり下ろされる尾形も相まってここも脱力度合いが半端ではないです。

そしてそして!
アチャのくれたマキリはちゃんとアシリパさんの手元に戻りました。
網走監獄での杉元とアシリパさんの別離が本当に終わったんだなと実感できるとてもよいシーンですね!

 

まだ残る不穏な気配

和んだ回とはいえ、先の展開につながるであろう不穏な気配もまだまだあります。

何と言っても、ソフィア
戦闘が始まる前はキロランケと氷を積んで吹雪を防ぐバリケードを作っていたはずですが、姿が見えなくなっています。
アシリパさんたちが去ったあとにキロランケを見送りに来るのですが、アシリパさんが言うには、ソフィアは自分を探しに来るはずだから必ずまた会える、と。
ソフィアはおそらく革命のためにアシリパさんの存在が必要なのでしょう。彼女がアシリパさんをどのように考えているのか、どうしたいのかはわからないので、ソフィアの今後の動向が肝になってきそうです。
また、アシリパさんも、ソフィアを必要とするでしょう。
監獄に囚われていた際にソフィアはキロランケと文通をしていました。なのでウイルクの件について何かを知っているかも。
キロランケが死んでしまった今、ウイルクのことを知っている可能性があるのはもうソフィアだけです。真相が知りたいですよね…。

また、北海道は登別地獄谷の温泉に舞台が移り、そこで新たなキャラクター「菊田特務曹長」が登場。
宇佐美と二階堂も久々の登場です。
菊田特務曹長が耳にしたという奇妙な噂。暗闇に響く下駄の音…
って、都丹庵士のことでは?
犬童との戦いで負傷するも一命は取り留めた描写があり、生きているのは明確ですが、あれ以来一向に出てきていなかった都丹。
温泉地での目撃ということで、都丹が初めて登場したときのシチュエーションにかなり近いものを感じますが…果たして都丹なのかそれとも別の刺青の囚人の噂なのか?来週以降が楽しみですね。

 

気になったところ

今週の扉絵ですが、地平線と人物のラインが画面の外で交差するよう配置されていて、絵画的リズムがあってよいですね…名画…。

あと白石がキロちゃんを語るシーンも、人物の顔の向きなど何の意図もないとは思えないのです。
人懐っこい白石はキロちゃんに対しておそらく友情とかそういった親しい気持ちを持っていたのだと思います。そうでなければ、真面目すぎたんだ、なんて失ったことを悔いるような発言はしないでしょう。
それを踏まえると白石と同じ顔の向きの谷垣も、先週の感想で述べたように、親しい気持ちもなくはないのではないかなぁと思います。
杉元・月島軍曹・鯉登少尉は、目的のため犠牲もやむを得ないという思考と思うので、彼の死に対しては後悔めいた気持ちはなさそうな人たち。
アシリパさんには強い後悔の念があるということを表しているのではないかなぁというのは…
考えすぎですかね。

でも、扉絵のほうは意識してリズムを生み出していると思うのですよ。
週刊連載で、お話を練って作画して、作画の中にこういった仕組みも持たせて…漫画家って本当に神業を見せてくれるなとしみじみ思います。

 

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こんばんは、うたげです。
いよいよというお話が来ましたね。
先週の鯉登少尉とキロランケの戦闘の決着はどうなるのか?

ネタバレありですので未読の方・コミックス派の方は気を付けてくださいね。

 

明日のために

今回は、情報が多すぎて整理が追いつかないですが、まとめるなら鯉登少尉サービス回と、キロちゃんサヨナラ回でしたね。
鯉登少尉はこれまでの小学生男子的可愛さからのギャップ抜きにしてもとにかく格好いい!
キロちゃんは真相は語らずじまい…。彼の最期に際してアシリパさんの優しさが心にしみると同時に、本人の口から真相を聞けなかったアシリパさんの無念さや期待されている役目の重さを再認識する回でもありましたね。

 

鯉登少尉とキロランケの戦闘

さて、気になる鯉登少尉とキロランケの戦闘はといえば。
鯉登少尉がキロちゃんの腹から引き抜いたマキリは…しっかりキロちゃんの喉に刺さりました。
左手を出すも防ぎきれなかった攻撃です。
谷垣と争って鯉登少尉とも戦って、出血と悪天候で凄まじいスピードで弱まっているのでしょう。
そんな中でも本能的に左手で刀を防ごうとしている、生きる意志が感じられるところにグッときます。
キロちゃんが、まだ死ねない、と踏ん張っているのが伺えるシーンですね。

左手を貫いたマキリを引き抜き反撃に転じるキロちゃん。
鯉登少尉の胸に刀が押し込まれていきます。
ここで気付いたのですが、この二人、おそろいですよね。どちらも相手の攻撃を防ごうと腕や手を犠牲にしていて、喉元という急所が危機にさらされています。
肉を切らせて骨を断つ争い。どうなるかというと。
鯉登少尉が圧倒的に有利なのは一人ではないこと。月島軍曹と谷垣の銃撃によって間一髪のところで鯉登少尉は危機を脱します。

 

鯉登少尉の見せ場

ここから鯉登少尉が最高に格好いいところ。
負傷しながらも「手出し無用」と手助けを拒み自分でケリをつけようとする剣士…この字面だけでも恰好いいですからね。
そこにさらにキロちゃんの今際の一撃を空中で仕留める離れ業!!
一切動じずに爆弾を一刀両断していて、本当に今までのわがまま坊ちゃんっぷりはここまでの壮大なフリだったの…?と思ってしまうほど。
ここの一連のコマは、オノマトペと効果線が控えめで、映画でよくある無音でスロー再生のシーンみたいで、それも鯉登少尉の卓越した戦闘能力の高さの演出に一役買っていますね。

 

アシリパさんとキロランケの別れ

鯉登少尉の見せ場の次はアシリパさんたちの登場です。尾形を背負った杉元と白石も。
これで晴れて先遣隊は役目を終え、解散ですね。小学生男子とママのファミリーかに思えた先遣隊も最後は鯉登少尉の華々しい見せ場で締めくくりです。

息も絶え絶えなキロちゃんをかばうアシリパさん。
彼の状態からもう長くないことを悟り、「全部思い出した」と嘘をつきます。
全部、ではないですよね。暗号の鍵となることは思い出しましたがそれだけでは不十分なはずです。でもここで思い出したと言わなかったらキロランケが浮かばれない…そう考えたアシリパさんの優しい嘘。助からないならせめて安らかに旅立ってほしいですものね…。

でもその一言でキロちゃんのこれまでの行いは報われました。ここまでの旅が走馬灯になりますが…最後に思い浮かべたのはソフィアのこと。
名前まで声に出して呼ぶのだから最も思い入れのある人物と言えるでしょう。北海道の妻子よりも大事に大事に思っていたということだと思います。
キロちゃんはやはり少数民族としての自分というほうに軸足があった、ということを意味しているのかなと思います。北海道はあくまで少数民族として生きていく過程で通り過ぎた場所。でなければ妻子を置いてこんなところまで来ませんよね…。
キロちゃんの奥さんとお子さんは、かつてキロちゃんが語っていたように、キロちゃんがいなくてもたくましく生きていってくれることを祈っています。

しかしながら、ウイルクを殺したのか?というアシリパさんの質問には無言で逝ってしまうあたり、キロちゃんもとんだ食わせ者と言わざるを得ないですね。
アシリパさんが今一番知りたかったことなのにそれには答えず、一人満足して逝ってしまうなんて。
死にゆく人間は勝手ですね。アシリパさんはもう本人の口から真相を聞くことはできません。尾形を通して語られたことが真実なのかはわかりません。結局、なぜ父親は殺されたのか?その疑問を抱えたまま、選択しないといけないのです。

アシリパさんがこれから決めなければいけないことは、彼女自身はこれからどうするのか?です。
キロちゃんが言い残したように、俺たち少数民族のためにソフィアと共に戦いに行きジャンヌダルクとなるのか?
どうにか北海道に戻り元の生活を送るのか?
はたまた別の道を選ぶのか?
キロランケはアシリパさんに自分たちのため戦ってくれることを望んでいました。
キロランケがウイルク殺害に噛んでいるということは(尾形に狙撃の合図を出したので意図はあったはず)、ウイルクはキロランケとは違う願いをアシリパさんに向けていたということだと思います。
でもそれは周りの大人たちの言い分。アシリパさん自身がどうしたいのかはこれから決めることです。
この年齢で、父親もその友人も失い信頼していた仲間(尾形)には銃を向けられるという状況で、結論を出せるものではないですが…。
でも杉元がいるから大丈夫ですよね、きっと。

 

助演男優賞の谷垣

今週のお話は私としては谷垣が助演男優賞です。
上官を案じる軍曹が背を向けてもキロちゃんから目を離さなかったところはもうとにかくイイ!獲物を仕留めるまでは油断しないマタギの鑑です。
そしてそこからの谷垣の心境の複雑さたるや。
彼にとってキロランケはインカラマッを刺した憎い男ですが、それより前に所属は違えど同じ軍人で、旅の仲間で。そのあたりの仲間意識はインカラマッを刺したことで吹っ飛んでいそうですが、まだ子どものアシリパさんにとって数少ない親族でもあり、彼女とウイルクをつなぐ重要な人物なわけです、キロランケは。フチのコタンでオソマちゃんと親しくなりチカパシの面倒を見てきた彼にとって、子どもにとって親しい人間が奪われることがどんなに重大なことなのか。谷垣はそれを真摯に考えてしまう優しい人間だと思うのです。
だからキロちゃんと対峙したとき、敵として殺すのは簡単でも、アシリパさんがいるところでは谷垣にとってキロちゃんはただの敵ではない。守りたい人間の親しい人でもある。だからこそ、二人の別れの場には背を向けていたのではないかな、と思います。
谷垣の心にどんな感情が渦巻いていたのかは想像ですが、顔を背けていることで複雑な心境だということを訴えているようで…やはり野田先生の演出は素晴らしいですね。

 

樺太の旅の終わり

今回、扉絵から、天候が良くなっています。雲の切れ目から日の光が差している。
まるでキロちゃんの旅路の終わりを見届けるように。
流氷では吹雪との闘いもありましたがようやくそれも終わりですね。
その解放感と同時に訪れる喪失感。主要人物の死は初なのでは?
特にキロちゃんはかなり重要なポジションにいたので、彼の死が、物語の終わりが近いことを感じさせて…今回のお話はかなり大きいマイルストーンな気がします。

終わりが見えてきた気がして、寂しいけれど、アシリパさんが望むように生きられるよう最後まで見届けたいです。

 

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ゴールデンカムイ第189話感想

こんばんは、うたげです。
休載を挟んで、ゴールデンカムイの最新話。
先週までは尾形とアシリパさんのお話でしたが、今週はキロランケと谷垣に場面が移ります。近くにいるであろう鯉登少尉と月島軍曹は出るかな?

 

第189話 血痕

扉絵は腹をかばいながら銃を二丁持ち歩くキロランケ
キロランケは谷垣に腹を刺されたのですが、まだ歩ける程度の力は残っているようですね。
キロランケの腹に刺さっているのは自分のマキリ(小刀)。網走監獄でインカラマッを(おおよそ彼女の意思で)刺した際のものです。それを谷垣が持っていて、キロランケの腹に刺すという形で忘れ物を返したのですよね。
そしてキロちゃんの持つ銃が二丁、ということは、自分の分と、谷垣から奪った分でしょうか?この作品は銃が大事なアイテムとして描かれることが多いので、二丁持っているという状況を見ると否応なしに色々考えてしまいますね。何か暗示しているのかなーとか…。

さて、読み進めると谷垣が倒れています。そこに駆け付けた鯉登少尉月島軍曹
谷垣は倒れていますが会話は可能です。キロランケがとどめを刺さなかったのは、今の状態の谷垣でも仕留められるか自信がないくらいに深手を負っているというのと、谷垣の仲間が近くにいる危険性を考慮したのと、両方からでしょうね。

駆け付けた月島軍曹の後ろにしっかりスヴェトラーナがいるところが、ちょっと嬉しい。ちゃんと一緒に連れてきてくれたのですね、月島軍曹が。
緊迫した展開が続いているので、家庭への帰還が予想される彼女の存在は、落ち着きますね。それを気にかけている月島軍曹の情にも。
もっとも月島軍曹としては、かつて自分がいご草ちゃんとしようとしていたことを思い出し、後悔償いといった気持ちも混じっているような気もします。
「そこで待ってろ」とおそらく月島軍曹がスヴェトラーナにロシア語で伝えるところ、このコマの描写が嬉しいです。戦いに参加できないスヴェトラーナなので安全なところで待たせているという理由付けが必要な展開なのはわかりますが、それを例えば「谷垣は彼女に見ていてもらう」とかそういうセリフ回しで見せるのではなく、ちゃんと彼女にわかる言葉できちんと伝えていると読者がわかる見せ方になっているのが…!月島軍曹の情の深い人間性を見せてくれていて、たまらないです。

扉絵でキロちゃんが担いでいた銃のうち一丁は、仕掛け爆弾に使われていました。扉絵はその伏線だったのですね。
この状況下で銃が落ちていれば、誰のものか見るため持ち上げるに決まっています。それを読み、谷垣と一緒に露西亜まで来たであろう仲間を迎撃すべく、銃を持ち上げると起爆されるよう仕組んでいたキロちゃん、さすが元工兵ですね。爆弾を仕掛けるには敵の動きを予想しないといけないですから。
腹を刺された状況でここまで頭が回る動きができるのは、元工兵としての行動のパターンのようなものだとも思いますが、それだけ必死で生き残ろうとしているからとも思います。そうまでして生き残りたい強い意志があるキロちゃん、本当は何を企んでいるのか…私にはまだわかりません。

そんなキロちゃんの仕掛け爆弾は、安定の鯉登少尉のうっかり行動により起爆されました。仕掛けが施されていることに気付き、月島軍曹が咄嗟に鯉登少尉をかばいますが、負傷し出血してしまいます。出血している場所が問題で。
首…?首、元…?月島軍曹が、首元を、負傷している……?
首はまずいです、大きな血管も脊髄も大事なものがうじゃうじゃと通っている…月島軍曹は無事なのか気が気でならない……
そんな中でも鯉登少尉の安否を気遣う様は、さすが軍曹。
と自分を落ち着けて、読み進めたいところなのですが、この展開はかなりショックなのですよね…月島軍曹がもしかしたら…と思うと…。
私の中では、月島軍曹は長く生きて若者を見守る役目があります。悪童と呼ばれていたように若い頃はやんちゃをして、今は軍曹として目下の者たちをまとめ年若い将校を支えている。彼の悪さも含めた経験の豊富さが、若い世代を見守っていくのにぴったりだなと思っていたので、年老いても鬼教官として恐れられる名物軍人になってほしいなと思っていました。
それなのに、もしかしたら、ここで……?
月島軍曹がしぶとく生き残ってくれることを祈っています…。

その後の「ひとりで行くな」は、デジャヴですね。稲妻お銀の、賭博場からの鬼ごっこを思い出します。
あのときは逃げる相手を追うばかりでしたし、たどり着いた先では鶴見中尉という最強の仲間と合流できました。
しかしこの状況はどうでしょう…相手も攻撃をしてくるし、援護する仲間もいない。ひとりで行って勝ち目はあるのか?それも頭に血が上っているように見える状態で。
でも、それでもどうにかなるのが、鯉登少尉の役回りなのでしょう。今回はアザラシに助けられました。動物に助けられるのってヒロイン適性じゃないですか…?鯉登少尉はここでも可愛く幼く描かれているようです。

その後のキロちゃんとの戦闘は可愛さなんぞ欠片もなく、示現流で培った太刀筋の強靭さと肉弾戦での活躍ぶりを見せてくれるわけですが。ここですごいの出てきましたよ。
「私の部下たち」!
「私の部下たち」、というセリフが鯉登少尉から聞かれました。鯉登少尉の口から!少尉らしい言葉が!初めて出てきた!!
しかもこのセリフ、よくも月島を、ではないんです。ついさっき怪我した月島軍曹だけではなく、「部下『たち』」と、ここまでの金塊争奪戦で失われた第七師団の兵士たちにも言及しています。部下として認識してたんだ!と、当たり前のことに少し感動しそうになりました。
だって思い出してみてください。これまでの鯉登少尉は、まるで小学生のようでした。感情と直結した後先考えない行動の数々や、お金持ちを鼻にかけた不遜な態度。子どものような振る舞いばかりが目立っていた鯉登少尉が、ここに来て部下のために戦っているとわかるだなんて…。こんなに胸が熱くなる展開があるでしょうか?
鯉登パパの言う成長はこのあたりを指し示しているのでしょうか。ただ、あのときパパは杉元と「帰らないかもしれない」なんて不吉な話をしていたし、何よりも「よくも部下を」ってやられる前の悪役の吐くセリフみたいで…なんとなく不穏な空気を感じ取っているのは私だけでしょうか…。

今週は久々の第七師団の登場にテンションが上がりました。鯉登少尉の可愛さと勇ましさ、両方を拝めた眼福回と言えます。
が、それ以上に、月島軍曹の負傷が…。たしかに彼がもし作中でフェードアウトするとすれば、年若い上官をかばってだろう、と思ってはいましたが…。
まだまだ元気な月島軍曹を拝みたいです。スヴェトラーナを親御さんのところに送り届けて、自分の中の後悔の気持ちが少し晴れた顔を見せてほしい…!

 

次号、役目

毎週、話の終わりの「END」にて次号について少しだけ触れていますが、今週はコミックスのカバーの折り返し部分に書いてある文章があります。
コミックスから入った身としては、毎巻書かれているこの文は、作中でハッキリと出てこないということはメタ的に非常に意味のある言葉なのだろう、と思っていました。
それが、今ここに出てくる理由は何なのでしょう…。

次号の展開、正直まったくわからないです。鯉登少尉とキロちゃんの戦いなんて読めません。
体格はキロちゃんのほうが上のように見えますが、手負いですし、鯉登少尉も身体能力では負けていないので五分五分、もしくは元工兵としての先読みの経験に助けられてキロちゃんが優勢…くらいまでしか想像できません。

キロちゃんのマキリを鯉登少尉が抜いて首に突き付けているように見えるので、やはりキロちゃんの役目のことを仄めかしているのでは…という予想はしています。
マキリは大事な意味を持つアイテムですからね。マキリは自分で彫るもの。この世を去るときにはマキリに傷をつけこの世での役目を終えさせることが弔いだと、アイヌたちは考えています。のっぺら坊に殺されたとされているアイヌたちも副葬品には全て傷がつけられていたと、コミックス8巻で尾形も言っていましたよね。
このキロちゃんのマキリに焦点が当たっている展開なので、マキリに傷がつき、役目を終えるのはキロちゃんということなのでは…?と思います。

でも役目を終えるまでは死なないはず!なので、おそらく本当の目的や自分の来歴、そういった物語のキーとなることを話す展開が来るのではないかなと思います。
それらを話し終え、役目を終えたらどうなるか?相対している人にとってキロちゃんは仇なので殺されてしまう線が濃厚そうですが…鯉登少尉の戻りを待っているであろう鶴見中尉にとってはキロちゃんはまだ重要人物かもしれません。もしかしたら北海道に連れ戻される展開もあるかもしれませんね。

 

 

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対人態度のベースライン

こんばんは、うたげです。
今日は、生きていくうえで、どこでどの顔を見せるべきか?というお話。
私は事務方の仕事ですので営業系だとまた話が違うだろうなと思いますがあくまで私のケースのお話。
職場である人が自分にだけ態度が冷たいなどと感じ始めた…そんな方に読んでほしい内容です。

 

人によって態度が違う

突然ですが私の職場の同僚の話です。
Aさんは優秀で様々な仕事を高い品質でこなし、社内の部署間の調整役も買って出てくれているためたくさんの人から頼られる存在です。
できる人に仕事が集まるのが会社の常。Aさんは日々忙しく働き、たくさんの難しい仕事を抱え、そのうちに段々と同じチーム内の人への態度が横柄になってきました。
後輩に何か聞かれればあしらうように答え、忙しいさなかに上司に仕事を頼まれても不機嫌さを隠さない。私も気づけばAさんに話しかけてもこちらを向こうとせずぶっきらぼうな返事があるだけ、給湯室で会って会話してもニコリともしない、という状態になっていました。
ただし、Aさんが教育係としてついている新人にはきちんと優しく丁寧に接している様子は確認できました。
相手によって態度を変え、間違えてはいけない相手にはしかるべき対応を取っている点は安心しています。

でも、その新人に丁寧な態度を取っていることで、こちら側に募る不満というものもあります。

 

ベースラインより下を作るかどうか

新人に優しく、という態度は問題ないのです。何年も一緒に働いている人と同じ接し方ではまだ意思疎通がうまくいかないでしょう。
新人と同じ態度で接してくれとは思いません。
でも私はAさんの私に対する態度については不満があります。なぜかというと、Aさんが引いている対人態度のベースラインの、遥か下の位置付けの態度を取られているから。

今回問題だと感じたのは、この二点です。

  1. その人の対人態度のベースラインの上にいるのか下にいるのか
  2. そのベースラインの設定は職場で適切なのか

 

1つ目:対人態度のベースラインの上か下か

人によって態度は変えると思いますが、だいたいの人は場に応じて基本となるベースラインを持っていると思います。
街中で急に話しかけられたら冷たく、職場の人にはスマートに、パーティーで話す人には気さくに、など。
そこまで使い分けられなくても、こうしたい・こう見られたいという意識をある程度持って、みな行動していると思うのですよね。

では、職場ではどういう設定にするか。Aさんはどうしているか。
基本的には丁寧に応対すると思います。仕事なので当然ですね。
Aさんも他の部署の人たちには丁寧に応対しています。いわばこれがAさんの職場における対人態度のベースラインです。
そのベースラインより上にあるのが、Aさんの新人への態度。しっかり育ってほしいので丁寧に教えようという気概が見えて、それについては私も好ましく感じています。

問題なのは、そのベースラインより下に設定された人です。
今回のケースでは私やAさんの後輩ですね。
残念ながら日頃から一緒に仕事をしていると、ベースラインより下だ、というのがよくわかってしまうのです。
これが例えば、たまにやり取りする程度の他部署の人ならば、多少冷たい態度でもそういう人なんだなと納得できるのでしょうが…。または、誰に対しても無愛想なら、こういう人だからと納得できもしますが…。
明らかに他の人より軽んじられているというのがわかってしまうので私は不満を覚えたわけです。

親しき中にも礼儀あり、という言葉、まさにその通りです。
Aさんとは数年一緒に働いているため職場の中では親しい間柄です。親しい関係なら丁寧に応対しなくても多少の説明を省いても、意図をくみ取ってくれることもあるでしょう。
ですが、丁寧に応対しないということと、ぞんざいに扱うということは、イコールではありません

 

2つ目:職場でのベースライン

ベースラインより下に位置付けられた人間の意見を述べてきましたが、それを読むと、「じゃあベースラインを元から下のほうに設けておけばいいのでは?」と思いますよね。
でもそういう「ハードルを下げる戦法」もうまくいかないから難しい!

元から無愛想気味の人、という設定でいくと、そもそも人からあまり話しかけられなくなると思います。
話してみればいい人、と思ってくれる慣れ親しんだ人に囲まれていればそう問題ではないでしょうが、仕事仲間は入れ替わるのでその選択肢は賢くないですよね。

かといって上に設定してしまうと、ベースラインより下の人が多くなるので危険です。
下手をすると、いい顔をするくせに本性は嫌な奴だ、なんて受け取られかねません。

じゃあどこに設定すればいいの?という疑問。これは私もまだ答えが出ていません。というより、わかっているけど、実行がとにかく難しい。実践できていないのでこれが答えだ!と自信を持って言えない。けれど。

  • 自分が無理せず続けられるところにベースラインを設ける

これに尽きるのだろうと思います。わかって実行できれば苦労はしないですね。

Aさんの場合は、自分のキャパシティよりも上に設定してしまっているのだろうなと思います。
一度、その場でのベースラインが定まってしまうと、それを変えるのは相当大変です。無理だと思ったほうがいい。
続けなければいけないけれど本人は息切れしてきて…その帳尻を、親しい間柄で合わせることになってしまうんでしょう。

やはり早いうちから人間関係の場での自分のキャパシティは把握しておくに越したことはないですね。
それには色々な場での人付き合いを持つことが必要だと思います。
もしくは、傍若無人の言葉通り、我を通して通しまくって、周囲が合わせてくれるのを期待するかですが…。
後者はよほどの天才だとか魅力的な部分がないとできない戦法ですね…。

 

ベースラインより下に置かれたときの対処法

私がここであれこれ言っても、Aさんの態度は変わらないでしょう。
また、言ったところでいらぬ争いを起こすだけです。Aさんは態度を変えないでしょうし、変えたとしても、私がAさんの態度を不満に思っているという事実が伝わり、お互いにしこりが残るだけだと思います。

こういうときは、とにかく無視!受け流すしかありません。

ここで私がAさんへの態度を変え、ベースラインより下の態度で接したり、逆に妙に甲斐甲斐しく丁寧に接するというのは、Aさんと同じことをするということです。
同じ土俵に乗ったら負け。職場の人間関係での揉め事は本当に無益です。

 

みんな不器用だから、「我関せず」を貫くしかない

人間関係を円滑にするため耐える側に回っている人間がいることはもう少し評価されてもいいかなとは思います。
Aさんのような人ばかりだったら、優秀な人同士でも、人間の集合体として機能しなくなるでしょうね。

…と精一杯の負け惜しみを言ったところでここまで。
こういう人付き合いは本当に難しい。せめて大学や高校でこういう一般教養の授業があればいいのにな。いきなり実践の場に放り込まれて分析と対処を求められるのはハードルが高いです。

ちなみに私はやや無愛想めで通しています。戦略的にそうなったわけではなく元の性格でイヤイヤそうなってしまったのですが…。
これはこれでAさんとは別の種類の、致命的な不器用さですね。

………そう、みんなみんな、不器用なんです。特に高学歴なAさんのように、机にかじりついた青春を送った人ような人は。だって学校で習わないし。
同様にそういう人を相手する側も、不器用です。相手を許容なんてとてもできない。

だから、スルーするしかないのです。
他人の問題は、他人の問題
他人と自分をつなぐ線の上での問題は、片方の努力だけでは解決しません。
お互いが努力できるかというと、問題が起きて自覚した頃にはそんな関係でもないし…。
よほどの大問題でない限りはこの手のことは無視です。私は。

無視もうまくし続けられればいいのですが、自分の心に余裕がないとスルーできないときもあります。
他人の問題は他人の問題ですが、他人と接することでストレスを受けるのも事実。これは自分自身の問題なので自分で解決しましょう。

そういうときに大事なのが、没頭できるほど好きなことです。
休みの日に好きなことに触れてリフレッシュできれば、仕事のあれこれはどうにか耐えられる!と信じています。
いや、というより、信じたい。

みなさん趣味はありますか?忙しくて趣味の時間が取れない方も、これは好きだなというものの世界を自分の中で大切に温めていてほしいなと思います。
自分の中に自分が好きなものだけで作り上げた世界があるのとないのでは違うと思います。そこにいつでも行けるようたまには見に行ってほしいです。あんまり見に行っていないと、人の住んでいない家が荒れるように、記憶が薄れて何が何だかよくわからない世界になっていたりね。

Aさんも休みの日に趣味を楽しんで職場でのイライラを減らしてくれるといいなーと願っています。

 

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気持ちよく働きたい!

コミュ障にはつらい場面

いつも同じところを回っている

子供叱るな、来た道じゃ 年寄り笑うな、行く道じゃ

ゴールデンカムイ第188話感想

こんにちは、うたげです。
野田サトル先生の「ゴールデンカムイ」、最新188話の感想です。
コミックス派・アニメ派の方にとってはネタバレの内容含みますし、展開も明記していることがあり未読の方にもネタバレ要素があるかもしれないので、お気を付けくださいね。

 

第188話 生きる

まさかそう来るか~!という展開でした。杉元の声に驚いてアシリパさんが思わず弓を引く手を放してしまい、矢じりに毒のついたままの矢が尾形の右目に刺さる…。
その瞬間のアシリパさんの表情、作中でもこれまで見たことないほど、悲痛なものでした。父の死を聞いたときの慟哭も凄まじかったですが、こちらは驚きや後悔が混じった表情。「傷つけるつもりはなかったのに矢を放ってしまった」といったところでしょうか。
先週の描写で、矢じりに毒がしっかりついているところをあえて描写した野田先生。そこにカメラを寄せることで、アシリパさんが毒を除く意志があったかも?ということを描こうとしていたのかなと思っています。あの緊迫した場面でわざわざ小刀で削り取ることはできないだろうから、ただの深読みでしょうが…コミックスで加筆されていたら嬉しいところですね。なにせ、アシリパさんにとっては、父殺しでとんでもない嘘つきの尾形でも、旅をした仲間なのですから。

そして今週一番問題のところ。目を負傷し倒れながらも、不敵な笑みを見せる尾形
まるで先週自分が言っていた、清い人間などいていいはずがない、という言葉を実践できほくそ笑んでいるかのようです。
ただ、驚いて射てしまった、というのは尾形もわかっているような気がするので、アシリパさんが人殺しをするまでの経緯よりも、人殺しになったあとのことに対して笑っていたのかなと思います。誰かを殺すきっかけは何でもよくて、殺したという事実と、その後、罪悪感から逃れるためにどうするのか、逃れるとどうなるのか、という、ある意味「未来」について興味があるのでしょう。本来、この言葉が持っている意味はもっと明るいはずですが、尾形は清くなくなったあとどう生きていくかのほうに興味を持っていそうです。とすると、尾形の言う「清い人間はいていいはずがない、というのは、清い人間は死ぬべきだ、ということではなくて、人間の本性は清くないからその清い仮面を外せ、という色のほうが強そうですね。勇作さんみたいに仮面を外させることができないままこの世を去った人もいましたが。
「お前もこっち側に来たか」「これから地獄が待っているぞ」「そのときに俺と同じ論理を用いない自信はあるか?」――倒れ行く尾形は、そんなふうに言っているように見えます。

そしてそこに登場する杉元!尾形は当然、この展開の中で杉元に殺されると思っていたので、尾形の目の毒を吸い出したのは意外でした。それもそのはず、ここで尾形が死んだら、アシリパさんが殺したのとほぼ同じ意味になってしまう。アシリパさんに人殺しをさせまいと尾形を一旦助けたわけですね。
ここで杉元が、アシリパさんを尾形の「死」には一切関わらせない、ということを言っています。かなり突き飛ばした冷たい言い方ですよね。尾形は、母に始まり、人の関心や視線を惹きたい節が時折見え隠れします。惹きつける手段が、殺しであることが多いので、結果的に殺すというのが愛情表現、のようになってしまっていますが……つまり、尾形にとって、殺すということは気にかける・見てあげることと同義なのではないかなと。けれど杉元は、それをアシリパさんにはさせないとハッキリ言いました。死ぬとしてもそこには誰も関わらせない、というのは、誰もお前を見ていない愛していない、という意味にも受け取れます。孤独に死んで行ってくれというけん制は、尾形のやり方が、少なくともほしいものを手に入れるには間違ったやり方だった、ということを表しているようで、そのことに気付かないようにしていた尾形の意図的な鈍感さと、別の方法を試すこともできない不器用さに、涙が出てきます。

ところで、尾形には未来はもうほぼないですよね。少なくとも本人がそれまで誇っていた狙撃は、おそらくもうできない。さて、ではどうするのか?ズルズル生き永らえるのか?
私は二つほど展開があると思います。一つ目は、狙撃ができなくても、それを理由に死なれてはアシリパさんが間接的に殺したような格好になってしまうので、杉元によって(少なくとも旅の終わりまでは確実に)生かされる。その後はお互い関知しないところでしょうが、個人的にはどうにか日本に戻り、精密射撃部隊を作ってほしいです。
そして二つ目は、杉元が問い詰めて洗いざらい吐かせたあと、肉弾戦に持ち込み、結果的に殺す。問い詰めるのは、尾形の死の理由を、アシリパさんではなくこれまで数々の裏切りをしてきた危険人物だという別の理由をつけるためですね。肉弾戦なのは、毒の具合にもよりますが、狙撃ができなくても関係のないリングにすることで、これまたアシリパさんが殺したという因果関係を作らないため。
尾形は今以外の生き方はできないのではないかなと思います。不器用だし。なので本人は死にたがるかもしれませんが、そこで効いてくるのが今回のサブタイトル「生きる」。尾形はこの先、アシリパさんを人殺しにしたくない杉元によって、生かされていくという意味なのでは?と勘ぐっています。杉元のセリフの中で「死」というようにわざわざ括弧つきで「死」が書かれているのも憎い演出です。

 

最後、杉元とアシリパさんがようやく再会できたところは、感動的でした。ハリウッド映画でよく見る、娘が父に抱きつくシーンをほうふつとさせます。
そんな感動的なシーンなのですが、おそらく尾形のものでしょう、銃が海に落下しているのも描かれています。尾形は狙撃手もとい軍人としては死んだも同然、ということを暗示しているのですかね。
この見開きのコマでは他にも細かい描写があり、眺めていて飽きません。杉元の背負っている装備、当時のものはみなそうなっているのかもしれませんが、飯ごうが見えます。飯ごうといえば、杉元アシリパさん白石の食事シーン。杉元にも再会できたし、アシリパさんには心の底からヒンナって言ってご飯を楽しんでほしいです。オソマおいしいってまたアシリパさんに言ってほしいな。

今週はもう一つ見開きページがありますが、こちらは何も言いますまい。あえて言うとすれば、変顔にとどまらず、聖〇プレイ描写もありな12歳のヒロインってキャラクター詰め込み過ぎでは?ということに留めておきます。

 

ある意味、前向き

さて今週の尾形を見ていて思ったのですが、この作品、自殺が出てきませんよね。少なくとも私の覚えている範囲では。人を殺して自分も死ぬといった、人情もののような展開にはお目にかかっていません。
そういう、ある意味みんな前向きなところが、この作品の好きなところの一つです。殺したから死んで終わりにしよう、ではなくて、人殺ししをした自分のままでその罪も背負って進んでいくところが前向きだなと思います。
果たして自分の前に何があるのか、そもそも道があるのかわからないけど、とにかく進んでいく、力強い暗中模索具合が見ていてすがすがしいのだろうなと思いました。
気付かせてくれてありがとう尾形。生きたいように生きるか、死にたいように死ねるといいね。

 

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Google AdSense覚え書き

こんばんは、うたげです。
先日、審査通過したグーグルアドセンスについてのメモ書き。
これさえ守ってれば(たぶん)大丈夫!という、最低ラインであろう条件を書き出していきます。
先にお断りしておきますが、自分用のメモ書きでもあるので、かなりざっくりです。
より詳しい方法などは他に参考になるサイトがたくさんあります。

 

審査通過した!

先日1月23日、Google AdSenseより一通のメールが。

「おめでとうございます。」との文章が!!

アドセンスの審査に通過したお知らせをようやく受け取れました。

いやー長かった…
ほとんど下調べせず始めたので、何度も不合格通知を受け取りました

その中で試行錯誤して、「これさえあれば」というラインのようなものを見つけました。

  1. 独自ドメインであること
  2. プライバシーポリシーがあること
  3. 連絡が取れる状態であること
  4. 掲載画像は著作権や肖像権に触れないものであること

以上です。

これが守れていれば、コンテンツが充実しているとか、内容が面白いとか、そういう「誰が見ても明瞭な物差しで測りにくい部分」は関係ないのでは?と思います。
グーグルなので人が一つ一つチェックしていると思えないので、満たすべき要件には、面白さなんていう定性的なものは入っていないような気がします。

 

やったこと① 独自ドメインの取得

これがめちゃくちゃ長かったです。何がっていうと、私は勢いで始めるタイプなので、先人たちの忠告を読まずに「WordPress.com」でブログを始めてしまいました。
で、色々進めていくうちに、ここではアドセンスができないことが発覚。ドメイン移管のできる、取得から60日経過まで待ち、その後は移管期間を経てようやくスタートラインに立った…という具合です。
私の二の舞になる間抜けはいないと思いますが、WordPress.comではアドセンスはできないので、よほどこだわる理由がない限りは別のところで始めたほうがいいと思います。
というか単なる趣味なら無料のレンタルブログでいいような気もしますが…書いてて少しでもお金入れば嬉しいのでね…

詳しくは他に色々参考になる記事があると思いますが、私は「ムームードメイン」で移管しました。

 

やったこと②プライバシーポリシーの掲載

広告配信するにあたり情報収集しますよ、という宣言のようなものですね。
ググると参考になるサイト様がたくさん出てくるので、いくつか読んでみて、書きました。
テンプレ配布してくださっているありがたいところもあるのでサクッと掲載。

 

やったこと③連絡を取れるようにする

いわゆる「お問い合わせ先」の記載です。
メールアドレスの明示でもいけそうな気はしますが、それはさすがにセキュリティの観点から気が引けたので、問い合わせフォーム設置にしました。

 

やったこと④掲載画像の確認

当然ですが著作権・肖像権に触れていないことが大事です。
ネットのどこかから拾ってきた画像はNGですね。
自分が撮影した写真でも、他の人が顔が見える状態で写りこんでいるのはNG。トリミングして人の顔が入っていない画像に差し替えました。

 

ヘッダーにコードを差し込んで完了!

以上のことをして、ヘッダーにアドセンスのコードを差し込み、完了です。
ヘッダーは、外観>テーマ編集>header.php(ここの名称はテーマによる)のheadタグ内で編集。
テーマを更新したらアドセンスタグも消えるので注意!更新したら再度差し込みですね。

 

たぶん関係なさそうなこと

内容の面白さ

自分で言うのも悲しいですが、こんな面白くない雑記を自己満足で書いているだけのブログなので、他人には面白くないと思います。私が面白いので続けているだけです。多少お金につながったらいいなって…。
それでも審査は通過しました。一日にとんでもない数の申請があるはずのグーグルアドセンス、さすがに機械巡回だと思うので、品質面には基準を設けていないんじゃないかな、と思います。だって不要だと思いませんか?面白さは基準なしで通して、面白くなかったらその人の受け取る金額が小さいだけなので、グーグルにしてみれば基準を設けないほうが効率的なんですよね。

記事の多さ

審査通過時、私のブログは35記事ほど。長いのもあれば短いのもありますが平均して1万字/1記事には到底到達しない文字数です。中には「100記事が最低ライン」と言うサイトもありましたが、分量もあまり関係ないのかなぁと。
前述の品質もそうですが、審査の最低ラインは、「危険がないこと」だと思うのです。「利益となるかどうか」は、収益という結果に表れてくるので、事前に面白くないサイトを弾く必要性はないのかなーと思います。

広告リンク(確認はできてません)

商品レビュー記事で、当該商品の購入サイトへリンクを飛ばす、というのはよくあると思います。そのときに自分に紹介クレジットが入るリンクを貼っていても審査に通るか、というお話ですが。
貼っていても通った、という方もいるようです。私は念のために全て外してから申請しましたが、大丈夫そうなら戻そうかな…。

大人になってからの歯列矯正

こんばんは、うたげです。
今日は歯列矯正のお話。
もともとガチャガチャだった歯並びの身としては、きれいな歯並びだと歯を見せて笑うのも躊躇なくできるようになり、人と接するときの気持ちがだいぶ変わるものですが。
乱れた歯並びをきれいにするには何がどのくらいかかるの?大人になってからもできるの?という疑問、私の体験談からお答えします。もし大人になってから歯列矯正をしたいけど迷っている方の、参考になれば嬉しいです。

 

 

歯列矯正に必要なもの一覧

私の経験について、結論から言います。

  • いつやった? → 24歳~
  • どのくらい装着していた? → 装置は2年半
  • お金は? → 200万円弱。
  • 矯正の種類は? → 歯の裏側に矯正器具装着。
  • 効果は? → アリ!!
(注意)
あくまで私の経験の範囲内です!
歯の状態・選ぶ歯科医・治療方針などなどにより様々なバリエーションがありますので、ご参考までに。

私は十分成長しきって大人になってから矯正を始めました。小学生~高校生がやるものという印象があったので、こわごわ始め、大変なこともありましたが、無事に終了し、5年ほど経つ今でも歯並びはキープできていると思います。最近では40代の職場の知り合いが矯正を始め、矯正あるあるで盛り上がりました。

というわけで、大人になってからの歯列矯正、全然いけます!大丈夫です!
お仕事との兼ね合いはあると思いますが、何より、

  • 自分の選択だという責任感から忍耐力が生まれ、完遂できる
  • 自分のお金なので気兼ねなく好きなやり方でできる

という具合にメリットもあります。

では私のケースをそれぞれ詳細にご紹介します。

 

大人になってからもできるの?

歯列矯正は日本では欧米ほど当たり前ではないですが、それでも昔よりは定着しつつあると思います。
中学生までは保険適応もできたと思います。永久歯に全て生え変わったらできるので、小学生くらいから可能ですね。

小学生くらいの頃にはすでに歯並びが悪かった私。上の前歯は曲がっていたし、下の歯は重なっていたり押し出されて列から前に飛び出す歯があったりと、かなり悲惨な状態でした。
原因はあごと歯の大きさのバランスと、親知らず。あごの大きさに対して歯が大きいらしく、収まりきらない分、重なったり飛び出したりするしかなかったようです。そこに追い打ちをかけたのが親知らず。口の中心部に向かう感じで真横に生えてしまったため、横からの力でさらに歯の列が乱れたようです。
気にした母はかかりつけの歯科医に相談したそうですが、当時の田舎の歯医者では、歯の外側に銀色のワイヤーを通す矯正方法しかなく、「銀歯」とからかわれいじめられるのを恐れた母は、これも愛嬌だと歯列矯正をさせなかったそうです。私の幼少期の引っ込み思案な性格もあっての判断だったと思います。
その後、特に気にすることもなく育ったのですが、大学生のときの友達との写真を見て気になり始めました。しかし必要な金額を知り愕然。大学に通わせてもらって一人暮らしもさせてもらっている身で、さらにお金を出してくれとは言えず…働いてお金を貯めてから始めようと思った次第です。

会社に入り3年ほど働いて、まとまったお金ができたのでいざ開始!!
人より遅い矯正開始だけど大丈夫かな、という漠然とした不安を先生に話すと、
「大丈夫!私も30代で矯正したよ!それに、大人のほうが、自分で選んで始めてるから、最後までちゃんとできるし。小中学生だと親に始めさせられて途中で挫けちゃう子もいるんだよね」
と力強い言葉が返ってきて、すごく安心しました。と同時に、この先生に任せよう!と誓いました。

 

歯列矯正をする前に準備すること

さて歯列矯正を決意したのはいいのですが、その前にやるべきことがあります。
レントゲン撮影や型取りなど現状の確認も必要なのですが、実は、
矯正装置を着ける前に歯を健康な状態にしないといけないのです。
というのも、矯正装置は一度着けてしまうと、矯正が終わるまで取り外ししません。ワイヤーは取り外して新しいものに変えますが、ワイヤーを着ける装置は外せないんです。装置が着いていると、歯の状態が確認しにくいし、当然、治療もしにくい。なので虫歯などは完ぺきに治療しておかないといけないんです。
これがけっこう期間かかりました…3ヶ月はかかったと思います。普段から歯はしっかり手入れしないといけないですね…。

 

矯正の種類、メリットデメリット

歯列矯正にもやり方がいくつかあります。
私が聞いたのでは、「表側」「裏側」「インビザライン」の3種類に大別できる、というお話でした。
簡単に下にまとめています。
あくまで私が先生から聞いた話や自分で感じたりググったりしたことをまとめただけなので、もっと真剣に検討したい方はご自分で調べたり先生に相談したりしてくださいね!私は目立つのがどうしてもイヤだったので裏側一択でした。

 

表側 裏側 インビザライン
メリット
早く終わる
きれい
比較的安価
人から見えにくい 人から見えにくい
着脱可能
デメリット
すごく目立つ 着け始めはしゃべりにくい
食事もしにくい
時間がかかる
裏側のみでは完璧にならない可能性
もともと歯並びがいい人向け
習慣化が必要

表側」はよく見かける、一発で矯正中とわかるアレですね。最近はワイヤーも透明なものや色付きのものがあったりとオシャレ要素もあるようですが、やはりかなり目立つと思います。でも、表から調整するので、きれいな弧のカーブとなるよう調整すればいいので、きれいに仕上がるし、おそらく比較的安価で済むかと思います。

インビザライン」は、透明なマウスピースのようなものを装着し、じっくりじわじわ整えていくというものだそうです。ですが私くらいに乱れていると使えないそうなので、これはあくまで小さい頃に矯正していたりもともと歯並びが良かった方が、大人になって少しだけ崩れたのを元に戻すために使うものかな、と思います。もともと乱れている人には選択肢にはならないですね。

裏側」を私は選びました。やはり目立ちにくいというのが一番のメリットになりますが、それ以外ははっきり言ってデメリットだらけです。
まず、裏側に装置があるので、舌の動きが制限されてしゃべりにくい。最初はモゴモゴと、口の中に何か入れているような話し方になります。職場の人には事情を話して理解を得ていたほうがいいです。また、食べるときの咀嚼や飲み込みのときには、歯の裏側に相当な力がかかっています。なので食べ物が挟まりやすいし、ワイヤーも外れやすいです。
あとは仕上げの難しさですね。乱れた列をカーブ上に整えるとき、カーブの外側からなら押し込むのが主なので整えやすいのですが、内側からだと内に引っ張るよう力を加えないといけません。押し込むならワイヤーで締めればいいのですが引っ張るとなるとそうもいかず、表側より時間がかかりやすいです。
それに、裏側に装置をつけワイヤーを通して整えるということは、実はかなり高度なことなんです。表側ならワイヤーがきれいなカーブになるよう着ければいいのですが、裏側だと、表がきれいなカーブになるよう、歯それぞれの厚みを計算してワイヤーをつけなければいけません。というわけで裏側からだけでは完ぺきにはならないかも。私は、特に乱れがひどかった下の歯列は、終盤だけ装置を表側につけて調整をしました。下だけならそこまで目立つわけでもなかったのでよかったです。

ちなみに、何をどう選ぼうが、初めはかなり痛いので覚悟してください。
歯がどうやって動くかというと、脱臼させるような感じだそうです。骨に力をかけて無理やり動かすので当然痛いです。脱臼して動くようになり、慣れてもくればだいぶ楽ですが、始めてすぐや調整でワイヤーを締められたあとはかなり痛いです。何も噛めないので仕方なく蒸しパンとココアや野菜ジュースでカロリーを取っていました。
私は無縁でしたが人によっては装置が当たることで口内炎ができたり、痛みで眠れない、ということもあるそうです。歯列矯正って大変ですよね。

 

何がどのくらい必要なの?

さて、何より切実な問題は、お金ですよね。十代の歯列矯正には保険適用できるものもあるそうですが、大人の歯列矯正は全額自己負担。

私は裏側からの歯列矯正で120万円かかりました。
見積書ももらって支払った金額で、装置の作成料ですね。

ただ、これが全てではありません!
装着前の虫歯治療の他、調整と呼ばれるワイヤーの付け替え作業があります。これが1回5,000円。調整ははじめは週に2回、その後は様子を見ながら間隔を空けて行くので、けっこうな回数行っています…怖いので計算していないですが、トータルで200万円近くかかっているのでは…?改めて計算すると、こ、こわい…

また、これも大事な期間の話。
私は裏側からの歯列矯正で2年半ほど装着していました。
ただこれは元の歯列の乱れ具合はもちろん、表側か裏側かでも変わります。2年半はかなり長いほうだと先生は言っていたので、これより短い方が大半ではないかなと思います。

 

矯正して、よかった!

Twitterなど匿名性がありマイノリティが声を上げやすい場では、美容整形なども本人にとっていい効果があるなら悪ではない、という見方が主流になってきているように思います。
私は、歯列矯正は健康面での効果も大きいので、美容整形とは違うと思いますが、きっかけはやはり見た目の問題ですよね。

私は、歯列矯正をしてよかったと、心から言えます。

昔のことなので写真が残っておらず、矯正の前後比較をお見せできないのが残念なのですが、人に見せられる歯並びにはなったと思っています。
歯を見せて笑うことに躊躇しなくなり、笑顔で写る写真が増えました。化粧や服装を頑張っても歯並びで台無し…と鏡を見て思うこともなくなりました。
歯も磨きやすくなったし、お手入れについて意識を改め、この歯を一生大事にしていこうと思っています。

もし歯列矯正を迷われている方や、歯並びが気になるという方がいたら、今からでも遅くありません!ぜひ一度歯科医へ相談してみることをおすすめします。

そして歯列矯正とは無縁の方!その遺伝情報に感謝しながら、それでも歯科医へ行ってください。
定期検診は本当に大事ですよ!歯は失ったら取り返しがつかないし、食事の楽しみも失われてしまうかもしれません。おいしいものを楽しくいただくためにも3ヶ月に一度の検診はおすすめです。

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