こんにちは、うたげです。
ゴールデンカムイ最新話の感想です。
ネタバレ含むうえに一ファン個人の想像・妄想・曲解だらけなので苦手な方は気を付けてください。
小難しい考察はしない・できないので、気楽に読んでくれたら嬉しい。
第304話 歴史
尾形が父・花沢中将を殺害したときの鶴見中尉との会話。それは尾形の出世を約束するものだった。士官学校へ入らせ第七師団長まで押し上げてやる――そんなやり取りがあったのだ。
現在の鶴見中尉は金塊争奪戦で想定以上の犠牲を出しており表舞台から消えるしかない、というのが尾形の見立てだった。表舞台から去ったあとは尾形の出世を助ける。
ここで江渡貝邸で月島軍曹が尾形に放った言葉が繰り返される。「第七師団長であった父を超えたいがために」
尾形は鶴見中尉が追い詰められるまで待っていたのだ。満州に眠るかつての戦友や鯉登少尉や月島軍曹や宇佐美上等兵ではなく、尾形百之助自身を見てくれるようになるまで。
尾形の動機はやはり両親だった。自分を見てくれない母親、自分と母を捨てた父、その父の愛情を受けた腹違いの弟。
鶴見中尉がこの列車で死亡したと偽装し、尾形が士官学校へ入りゆくゆくは第七師団長になる…その背後には鶴見中尉がついている。つまりは操り人形の第七師団長だ。
師団長の座には操り人形でも就けると証明できれば、「欲しくても手に入らなかったもの」には価値はないと確かめられる。その席に座っていた父も、その父に愛された弟も、大したものではなかった。尾形はそれを確かめたいのだ。
車内では牛山の背後から月島軍曹が銃で殴り掛かり、ついに牛山の勢いが削がれた。しかし牛山はまだ力を残しており、月島軍曹の胸倉を掴んで天井を突き破りかねない勢いで持ち上げた。
また後方の車両内では土方と鯉登少尉が剣を交えていた。死亡したとされていた土方歳三。その最期の場所とされる一本木関門を目的地にして列車は走り続ける。
駄々っ子尾形
尾形…おお尾形よ…
お前は作中で金塊争奪戦を引っ掻き回すに飽き足らず読者の心までも散々にしてくれたね…
言葉にしてしまえばとてもシンプルな動機でしたね。
出世したい。
ただし尾形の場合は出世して得たいものが普通ではないですね。
出世して権力や財力がほしいのではなくて、
自分を見捨てた父やその父に選ばれた弟には大した価値はなかった、と確かめたい。
そして鶴見中尉に対しては、
第七師団長に成り上がるに十分な条件をそろえた一番の部下だったはずなのに
いつの間にか他の部下や戦友や資金源なんぞに目移りして
面白くないから気を引くために邪魔をしてやる…
という感じだったのでしょうか。
これをきれいな言葉にすると「鶴見中尉が表舞台から退かざるを得ないよう追い詰める」なんですけど
こういうのを一般的には「駄々をこねる」「甘える」「赤ちゃん返り」とかって言うと思うんですがね…。
月島軍曹が江渡貝くんの家で叫んでいたのは図星だったんですね。
月島軍曹も根っこの真意のところまではわかってなそうでしたけど。
さて鶴見中尉が尾形の出世を後押ししようとしたのは
やはり自分の操り人形にするためでしょう。
そうすれば冷遇気味の鶴見中尉にとって非常にメリットがあったはず。
年齢のわりにまだ中尉止まりというのは本人も気になっていたことでしょう。
しかしこの状況ではもう軍にいることは難しくて
権利書を手に入れてもあまりメリットがないように思えます…。
権利を主張するには明治政府と掛け合う必要がありますが表舞台には出ていけませんよね。
軍に大損害を出した人物ですから。
そうなると尾形の言うように、尾形の出世を助ける影の存在となる可能性が強くなってきます。
尾形に生かされているかのような存在になってしまいますが
果たして鶴見中尉は尾形のその要望にどう応えるんでしょう?
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